えいじ:「霧」は、三秋の季語です。あたりの景色を楽しみながらゆっくり山登りをして、ようやく山頂についたら、見る間に山頂の一本杉が霧に包まれてしまった、というのが句意だと思います。動かざる一本杉と飛ぶようにはやい霧を取り合わせて詠んだ句だと思います。それなりに高い山に登るときは、できるだけ早めにスタートするのが良いと思います。
せいじ:霧が三秋の季語。9月の中ごろ比良山に登ったことがある。ロープウェイで上に行くと、下界は晴れているのに、ある高さから上は霧であった。霧に覆われた山道では霧の流れを感じることはあまりないが、少し展けたところに出ると霧の流れがよくわかる。しかもその流れは意外と迅く視界も狭い。霧は生き物のように流れる。道連れもいたのだが、遭難するのではないかという不安を感じたことを思い出す。
あひる:霧が秋の季語。山頂にある一本杉と言えば、何故か大樹に違いないと思ってしまいます。麓からも見えるのかも知れません。故郷の山の毎日出ていた朝霧を思い出しました。その動きはとてもはやくて、まさに迅速という感じです。写真に取ろうとカメラを取りに行く間に形が変わってしまい、暫くして気が付くと消えています。一本杉を次々と通り過ぎる霧も見る間に流れ消えて、穏やかな秋の一日が始まったのではないかなと思いました。
えいいち:「霧」が秋の季語。象徴的な山頂の一本杉にまっ先に霧が降りて来て蔽い隠してしまった、という光景を想像しました。これから山全体が霧に蔽われてしまうのでしょう。一抹の不安と心境をリセットするような感覚を覚えます。
むべ:「霧」が三秋の季語。作者は秋の山歩きを楽しんでいるのでしょうか。まだ登頂までに少し距離があるのですが、ふと見上げると山頂のひときわ高い杉の木に霧がかかっています。山頂は風も出てきており、その霧が次から次へと流されているのです。自然の迫力や怖さ、人間を寄せ付けない雰囲気も感じる一句です。こういうときは早く下山したほうがいいですね……