えいじ:「筍」は、初夏の季語です。たけのこ掘り未経験者の句だと思います。馴れぬ道具を手にして、よほど大きなたけのこに狙いを定めたものと見えます。掘り上げの手順やこつなどは、お構いなし。全身の所作がユーモラスに表現されていると思います。宜しくお願いいたします。

えいいち:「筍」が初夏の季語。楽しい筍掘りをしながらの句だと思いますが、筍の形が全力を振り絞って地から出て来たように反っています。それを狩られ食される筍と食す自分がいる、これが自然の摂理なのでしょう。

むべ:「筍」が初夏の季語。筍掘りは力も技も必要なのでしょう。力いっぱい反り身になりながら根元に入れた鍬(またはスコップ?)を梃子の原理で押し上げている姿を想像しました。下五「掘りにけり」の詠嘆が、自然との対峙をうまく表現していると思います。

あひる:「渾身の反り身ヨットの向き変ふる」という、一句を思い出しました。イメージの中で渾身の反り身の人影が目に焼きついているようです。今度は初夏の竹林の日の斑の中で、鍬を持った人が渾身の反身です。筍掘りの生き生きとした人影が、また目に焼きつきそうです。

せいじ:筍が初夏の季語。筍掘りの経験はないが、YouTubeによれば、筍の生えている根元側の土を掘って根元に専用の鍬を打ち込み、根元が切れたら、てこの原理で掘り起こすとのことである。てこの原理を使ってもかなりの力がいるのであろう。「渾身の反身」がそれをよく物語っている。