むべ:「夜涼」が晩夏「納涼」の子季語。遠景かつ広角の絵ですね。夜の海には漁り火があちこちに点在していて、まるで星空が海面に映ったかのよう……そして、作者には海からの涼風が吹いてきます。ロマンを感じます。

あひる:夜涼が夏の季語ですが、漁り火も立夏の頃から数が増え始めるようです。漆黒の海に漁り火が星のように煌めいて、岸辺には涼風が吹いているのでしょう。空にも星が漁り火のように散らばっているのかも知れません。

せいじ:夜涼が三夏の季語。海辺のホテルのテラスからひとり見る夜景であろうか。漁り火が闇の中に点々と瞬いている夜の無音界は、昼間の暑さや疲れを忘れてしまうほど、涼しげで心が癒される。「星と散らばる」がロマンティックで、ひととき、夢の世界に遊んでいるかのようである。

えいいち:「夜涼」が晩夏の季語。夜の海の眺めですが漁をしている船団の漁火が波間に揺れて夜空に煌めく星々と一緒になっているように見え、しみじみとする美しさ感じます。夜風が涼しそうな海辺の光景が浮かびます。