むべ:「蝉時雨」が晩夏の季語。8月の広島、長崎の原爆記念日を想起させます。毎年式典の模様がライブで放送されているのをテレビで観るだけですが、心を合わせ黙祷を捧げています。あの場にいらっしゃる方々はどのような空気を感じているでしょうか。暑い夏の日に蝉たちが降るように鳴いている朝。平和と言う言葉を使っていないのですが、作者の平和を希求する心がにじみます。

あひる:原爆忌に毎年ささげられる黙祷を思いました。蝉しぐれの中で行われる式典ですが、黙祷の一分間だけは全ての人声が消え、湧き上がるような蝉の声とじりじりとした暑さが迫ります。戦争の痛みと一分間の重みを感じます。

せいじ:蝉時雨が晩夏の季語。8月6日の広島忌を思う。過ちは繰り返さないとの決意をもって原爆で亡くなった人たちに黙祷を捧げる。黙祷の一分間、蝉時雨以外の音は聞こえない。蝉時雨が亡くなった人たちの魂の叫びのように聞こえる。