あひる:最後に来る「避暑散歩」という季語で、この句の雰囲気が明るく優しくなっていると思います。足弱の人の杖代わりになって、手を取って歩いています。でも、そこは神経を遣う喧騒の市街地ではありません。ゆったりと涼しげな高原の小径でしょうか。心和らぐひとコマです。

せいじ:避暑散歩が晩夏の季語。一人では散歩もできなくなった親に手をかして一緒に散歩している息子を想像した。クリスチャンなら主イエスを連想するかもしれない。

むべ:「避暑」が晩夏の季語。国語力のない私にはやや難しい句です。作者が、脚力の弱ってこられたどなたかに付き添っている光景を思い浮かべました。散歩仲間として、またガイドヘルパーとして。その様子を「杖となりもし」と表現しているのではないでしょうか。都会の暑気と喧騒とを離れて、静かな夏の避暑地を歩いている二人組。爽やかな高原の風が吹いてくるようです。