あひる:夏、連山の上に並ぶ入道雲も見事ですが、海の上に並ぶ入道雲には感動します。どの雲も一直線の水平線から立ち上がるのですから。「背比べ」とも表現できますが、「嶮競ふ」の方が更にダイナミックです。

むべ:「雲の峰」が三夏の季語。水平線という言葉から、作者は海と空を見ていることが察せられます。上五「嶮競ふ」がとてもいいですね。もくもく湧き上がる入道雲が、たくさん出て連山のように見えるのでしょう。夏本番の景色です。

せいじ:雲の峰が三夏の季語。海水浴に行き海のかなたの水平線上に入道雲が並んでいるのを見て感動したことを覚えている。「雲の峰」なので、山の険しさを表す「嶮」がぴったりであり、「競ふ」に、入道雲の躍動的な動きがよく表されていると思った。