素秀:梅天、梅雨時の空です。まだ雨は降っていませんが雲が押し寄せてきて今にも大雨になりそうです。渦巻くような雲の動きも想像でき不安感がいっぱいです。

あひる:梅雨時になると、毎年豪雨の被害のニュースが報じられます。雲が次々と押し寄せてくるのを見ただけで、その後のことを想像して心が騒ぎます。その雲の様子を怒涛のようだと感じたことがポイントだと思いました。

むべ:「梅天」は仲夏「梅雨」の子季語。「梅雨」との違いは特に空模様を表す季語ということでしょうか。見上げると黒雲が怒涛の如く現れ、しとしと雨ではなく土砂降りになりそうな、何やら不穏な雰囲気を句全体から感じます。自然の営みのワイルドで荒々しい感じがよく伝わってきます。

せいじ:梅天が仲夏の季語。梅雨空が荒れた海のようで心が落ち着かないのである。父親に激しく叱られたときのような気持ちがしたのではないだろうか。「雲怒涛」は目に見えるようであるし、怒と寧の対比が印象的である。