素秀:ペンギンが一列に並んで海を眺める情景は想像し易いかと思います。姿形も燕尾服の正装のように見えますしまさしく表敬かと。

むべ:「涼しさ」が三夏の季語。ペンギンが一列になっている様子が目に浮かびました。ホテルの玄関に並ぶベルボーイのようなイメージもあります。ペンギンという語感から氷や水などを想像し、涼し気な一句。動物が主役の句にはいつもユーモアが漂います。

あひる:ペンギンと聞けばそれだけで南極の氷を連想し、白と黒の羽毛も視覚的な涼しさを感じさせます。それが敬意を表現するようにピシっと並んでいたら、さぞや涼し気でしょう。ここは水族館かと思いますが、ペンギンの愛らしさも加わって、ふと楽しくなる一句だと思いました。

せいじ:涼しさが三夏の季語。動物園のペンギン館は夏でも涼しい。ペンギンの並び方を表敬並びと表現したところがうまいと思った。大相撲の横綱・大関が威儀を正して国技館で賓客を出迎える姿や、甲子園で優勝した高校の野球選手たちが知事を表敬訪問して整列している姿を連想させる。彼らの緊張した面持ちにも涼しさを感じる。