素秀:春も盛りの頃でしょうか。引き潮の広い砂嘴を見てこの砂嘴も潮が満ちたらおおかた消えてしまうのだなあと思うと、盛りの春も短いものに感じてしまったのだと。

あひる:引潮で砂嘴の砂が遠くまで見えている長閑な風景です。頬に当たる汐風に春が間もなく終わりそうだと感じます。このまま春であってほしいなーと汐の香を胸いっぱいに味わっているようです。

せいじ:春惜しむが晩春の季語。春の大潮の時期、大きな潮汐作用によって汐が遠くまで引いた砂嘴で、人々が潮干狩りなどをして遊んでいる景色が目に浮かぶ。作者は、砂嘴を見渡せる場所にいて、潮風や日差しに夏を思わせるものを感じ、過ぎ行く春を惜しんでいる。