あひる:飛行機に乗ることは緊張感が伴うのではないでしょうか。国内線にしても荷物を預けたり落ち着きません。旅の春の余韻に浸っている場合ではなく、とにかく座席に座って安全ベルトを着けます。そうこうしているうちに離陸の時間です。何だかあっけない旅の終わりとなります。

せいじ:春惜しむが晩春の季語。飛行機の出発時刻は個人的な事情を斟酌しない。旅先の春をもっと楽しみたかったのだが、予約してあるのでどうしようもなく、残念な気持ちを抱えたまま、機上の人となった。「機上人」という言葉に哀愁がただよう。

豊実:何かに急かされて帰りの飛行機に乗ってしまった。旅先ではきっといろんな春を見つけたのでしょう。