あひる:池の畔に大きな柳の木があるのでしょう。一陣の風で柳絮がどっと吹き出され、池の上を高く舞った瞬間です。昼間だったのか、夕方だったのか、柳絮は白く輝いていたことでしょう。

素秀:風が見える時がありますが、柳絮が舞う瞬間はまさしく風が見えた時ではないかと思えます。

せいじ:柳絮が仲春の季語。一陣の風に柳絮が高く舞い上がっている池塘の景色が目に浮かぶ。柳絮は風によって飛ぶわけだし、「高舞ふ」という動詞を使っているから、「一陣の風に」と原因を述べるようなことはせず、「風」を省略して、「一陣の柳絮」としたのではないだろうか。この省略がうまいと思った。