- 春のどんよりとした空と燃え盛っている坩堝の対比だけではなくこれ迄の様々な出来事が綯交ぜになり今炎となっています。何か鬱屈した心情が読み取れます。 (うつぎ)
- 昔は会社、学校、一般家庭にもあったものですが焚き火ですら出来なくなった昨今にいささか寂しいものを感じます。年度が代わりいらない書類などを焼いているようです。 (素秀)
- わくわくするような春の日差しが遮られ、曇り空が広がっています。焼却炉ではこの一年間あるいはそれよりずっと前からの不要な物や書類が燃やされているのでしょう。静かな春の曇天を背景に、坩堝と化している焼却炉の炎が印象的です。 (あひる)
- 春陰が三春の季語。暗く重い感じのする春の曇天と、焼却炉の投入口から見える紅蓮の炎との対比が面白いと思った。「坩堝」から想像するに、作者は、焼却炉の中で、塵芥や書類、春落葉など、種々雑多なものが火に燃やされて、一つに融合されるさまをイメージしているのではないだろうか。春陰から連想される春のなんとなくもやもやした気分を、焼却炉に投げ入れたいと思ったのかもしれない。 (せいじ)
- 新しい始まりの季節である春に、積み重ねた過去の多くの書類を燃やし、心機一転しているように思いました。 (豊実)