うつぎ:舞っている落花はつい目で追いたくなる。風の為せる技だろうが舞い上がっているのもあり双輪までいきそうだ。美しい景色です。じっと見上げている作者の姿がよく見えてきます。

素秀:九輪って何だろうと調べたら、あちこちで見ているのに名前は知らなかったアレでした。落花と言っても落ちるばかりではないですね。

あひる:落花が高く舞い上がったのは幸運だったかも知れませんが、それを見逃さず句に詠み込んで、明るい色彩を感じさせています。落花ですが、すぐには落ちず、ぐんぐんと高く舞って、仰ぎ見るほどだったのでしょう。

せいじ:落花が晩春の季語。桜の花が風にあおられて仏塔の上へ上へと高く舞い上がっていく。美しいものが美しいものにひかれるかのように。花吹雪だけでも美しいが、金色に輝く九輪を背景にした花吹雪はきらびやかでさらに美しい。作者は境内にいてそれを見上げている。