素秀:流れが早くなって花筏が崩れる一歩手前が臨場感たっぷりに描かれています。省略されている崩れる様子も想像できます。

せいじ:花筏が晩春の季語。今を瞬間描写するだけで、早瀬に差し掛かる前の花筏の形成過程や、早瀬を過ぎた後の花筏の最期までもが目に浮かんでくる。ハラハラドキドキしながら花筏を見ている作者が思われる。

あひる:花筏が晩春の季語。自分がジェットコースターに乗っているようなはらはらした気持ちになりました。花筏は今は安全な場所を流れていますが、何秒かあとには薄いピンクの花びらが早い流れに飲まれて散り散りになるのでしょうか。溢れるような春です。

豊実:ゆっくりと川面を流れている花びらが、そこまで行くと一気に川下に流されるポイントがあるのでしょう。作者は花びらを追うようにいつまでも眺めています。