小袖:鶯餅、蕨餅、草餅、櫻餅、菱餅、椿餅どれをとっても待ちわびた春へとイメージが広がります。花見の船と桜を愛でながら、櫻餅を戴いているのでしょう。

うつぎ:屋形船の行き交うのを眺めとしている茶屋だと思います。桜の頃の大川あたりを思い浮かべました。桜餅から大きな景が広がっています。

素秀:茶屋やとあるので桜餅を食べながら屋型船を見ているのだと思うのですがどうでしょうか。

あひる:屋形船から眺める茶屋か、屋形船を眺める茶屋か少し迷いました。季語の桜餅をドンと目の前に置いてイメージしてみると、「さあ、食べましょう!」と笑顔のこぼれる作者が浮かびました。茶屋で桜餅を食べながら、のんびりと川を下る屋形船を見ていたのかなと思います。このような風景の中で食べる桜餅は、ことの他美味しかったことでしょう。

せいじ:桜餅が晩春の季語。桜餅は江戸時代に墨田川近くの長命寺の茶店で作られるようになったとのこと。作者は、さきほど下船した花見船を眺めながら、茶店で桜餅を食べて、花疲れを癒しているのではないだろうか。ここは「屋形船眺め」と一気に読むのではないかと思った。

豊実:屋形船から、岸の茶屋で誰かが桜餅を食べているのが見えたのでしょう。あの桜餅を食べたいという衝動にかられます。