素秀:比翼連理、仲睦まじい鶴の絵は雛屏風にぴったりの絵柄ではないでしょうか。

あひる:内裏雛は紫宸殿にて行われた天皇と皇后の結婚の儀をベースに作られた人形とのこと。深く考えずに飾っていましたが、屏風の連理の鶴はお雛様ご夫婦の深い契りを表しているのだと改めて思いました。ほのぼのと暖かい心遣いが調度品の画にも込められていたのですね。ひな祭りのあじわいが深まるような気がしました。

せいじ:雛屏風が仲春の季語。お内裏様とお雛様の後ろの屏風は金屏風が多いが、この屏風には、お目出たい一対の丹頂が描かれていたのであろう。これを「連理の鶴」とした着想がすばらしいと思った。お内裏様もお雛様も、深い愛情で結ばれているに違いない。