あひる:先日、鶺鴒が春光の溢れる川石の上で尾羽根を振っていました。調べると鶺鴒は秋の季語なので、今の時期に俳句に詠むことを躊躇いました。この句を拝見して、あの情景が目に浮かび、あれは春禽として詠んで良かったのかと気が付きました。

素秀:汀石は川か池の波うちぎわの土手か堤防でしょうか。水鳥かとも思いますがそれほど大きくない小鳥のようでもあります。波の煌めきに呼応するように飛び立つ鳥も一羽ではないようです。

せいじ:春禽が三春の季語。汀石から春禽が翔った瞬間の煌めきを捉えた。「春禽煌翔汀石」と、使われている六つの漢字を並べただけでも詩になる。漢詩風なので、どこかの中国風の庭園での見聞かもしれない。私が思い浮かべたのは春の琵琶湖畔であるが。

豊実:汀なのでカワセミかセキレイかなと思いました。小鳥が飛び立つ瞬間に春の光に煌めいたのでしょう。