豊実:リハビリなんですね。夏川で遊んでいる子供たちを見て元気をもらったかもしれません。

うつぎ:リハビリの散歩を行として課しているようです。この日は川まで出かけた。子供達が元気に遊び水の色も夏だ。水辺は人の心を癒やす。少しはリフレッシュできたのだろうか。

素秀:リハビリを兼ねた散歩を行、修行だと感じるほど川を見て帰るのが精一杯だと言っているようです。それを受け入れてもいるようです。

むべ:「夏川」が季語。リハビリの一環として、自宅療養中に近くの川まで散歩におでかけだったのでしょうか。上五の「一日の行」に素十さんの人生観のようなものがぎゅっとつまっているように感じました。いろいろなものを手放して……

あひる:これも素十さんが病を得た後の一句だと思います。一日を一単位として人生を生きているのかも知れません。夏の日差しの中を流れる川まで歩いて戻る、その短い「行」の中で自然の営みに触れ、その中で生きていることを実感しているのではないでしょうか。

せいじ:近くの川を見て戻るということを病後の日課にしているが、これっぽっちのことも修行のように感じてしまう我が身を恨めしく思う反面、ここまで回復できたことを喜んでいる気持ちも出ているように思われる。夏の川で遊んでいる子どもたちにたくさんの元気をもらったのではないだろうか。