- 簗の水の流れに水量の豊富さ、すなわち自然の豊かさを感じているようです。頼もしきはそのまま自然讃歌なのかと思います。 (素秀)
- 下り簗は川を堰き止め一部開けている所に簀の子の台を仕掛けて産卵を終えた落ち鮎を獲る。水は簗場に集まり奔流となっている。その勢いと跳ね上がって来る鮎をたのもしいと見たのでしょう。 (うつぎ)
- 下り簗が秋の季語。産卵のために川を下る鮎が一つの奔流となって簗に流れ込んできたところを活写している。「たのもしき」は今年も豊漁だ、よかったの気分であろう。 (せいじ)
- 一つの奔流が力強く梁へと向かっています。漁の目的は鮎ではないでしょうか。この漁に生活の一部がかかっているとすれば、この一奔流は頼みの綱でもあり、楽しみでもあり、豊かな恵みを感じるものでもあるように思います。 (あひる)
- 「下り簗」が仲秋の季語。この句は下五の「たのもしき」がポイントかなと思いました。古語辞典を引いてみたのですが①頼みになる。心強い。あてになる。②楽しみだ。期待できる③裕福だ。と三つの意味がありました。ここでは②の意味をあてればよいのでしょうか……水の流れが早く落ちてくる鮎や鰻、鮒などたくさん捕れそうで楽しみだなぁという気分でしょうか? (むべ)
- 一奔流とは川の流れを堰き止めて一部を開けたところに流れ込む激流のことかと思います。魚が跳ねるほど大漁だったのでしょう。 (豊実)