むべ:「秋日」が季語。とはいえ南半球にあるペルーは日本とは季節が逆。日本の秋、ペルーでは気温低めの乾季が巡ります。アンデス山脈を仰ぎ標高5.000mでも人々の営みがある国、高所らしい日差しの強さを「秋日かな」の詠嘆に感じました。行き交う人々の肌の色もさまざまです。文化も血も西洋と混じってきた歴史を感じながら作者の旅は続きます。

うつぎ:人々の肌の色、表情、風俗、空気も随分違っている。此処が謂うところのインカ帝国、ペルーだ。強い秋日がより鮮明に印象づけているようだ。

あひる:人種の違う両親から生まれた人を「混血」と言っていた時代もありましたが、今は殆ど聞かれなくなりました。ペルーには先住民とスペイン人の間に生まれた肌色の濃い人々がいて、そこには征服された悲しみの歴史があります。そんなことも思いながら、秋の強い陽射しを感じていたのではないでしょうか。

せいじ:秋日は秋の太陽をさす場合と秋の一日をさす場合があるようだが、この句の場合は前者であろう。ペルーは南回帰線よりも赤道に近いところにあるから、ペルーの秋の日差しは日本よりもかなり強いと思われる。それを自分の肌で実際に感じ、また、現地のメスティーソの肌の色にも感じたということではないだろうか。

素秀:南半球は季節が逆ですし、街を歩く人の顔を見ても何人かわからないし、と言う事でいっそう異国感を強く感じたのでしょう。

豊実:ペルーにも秋という季節はあるのかなと思ってしまいましたが、秋のような穏やかな日に街中を普通に歩いているいろんな人種の顔を見て、今、自分が遂にペルーにやってきたことを実感したのでしょう。