うつぎ:養蚕の村のようです。山裾の青々とした一面の桑畑の夕空を烏が山の塒に向かって帰っている。どこかに素十さんが立っていそうです。

素秀:夕暮れも近い感じです。桑畑の上を山に向かって帰っているように思えます。

せいじ:秋桑が秋の季語。秋桑は秋蚕を飼うための桑。高い秋の空の下で青々と茂っている。見渡すかぎりの桑畑の上を何かが飛んでいる。何だろうと思って見ると山烏であった。爽やかな秋を感じる。

あひる:夏の陽射しを浴びて豊かに葉を繁らせた秋桑、その葉のかげで初夏に色付き始めた桑の実が黒く熟しています。烏などの野生の鳥は木の実の食べ頃を真っ先に察知して来るそうです。烏は秋桑の畑で、葉かげの実を食べたり、枝を移ったり、飛んだりしているのではないでしょうか。

豊実:蚕は1年に3回ぐらい飼育されるようですね。秋蚕は夏蚕に比べると量も少なく、桑畑に飛ぶ烏に秋の憂いを感じたのでしょう。