うつぎ:観月会の句会でも催されているのではないだろうか。月を愛で萩を手に受け何処かの寺の庭だろうか。

素秀:萩と月は良く合います。一読思い浮かんだのは芭蕉の「一家に遊女も寝たり萩と月」月明りの下に萩を見ると思わず佇んでしまいますね。

豊実:手の平で萩の花の枝を下から持ち上げるようにして、月明かりの下で萩を鑑賞しているのだと思います。萩の花の優しい感じがします。

あひる:月明かりの中に私の手があり、私の手のひらに萩の一枝があります。やさしい薄明かりと、萩の冷たい感触と、仄かな香りに浸る静かなひとときです。

せいじ:月明と萩が秋の季語だが、萩が主なる季語であろう。手のひらにのせた萩の一枝が月明りに照らされている。萩の花は色を失っているが、その艶やかさまでは失われていない。日光に照らされた萩の花も美しいが、月光に照らされた萩の花も別の意味で美しい。月が統べる世界の中でも、萩の花は生かされているのである。