うつぎ:枯葉を落とし幹も枝もあらわになった雑木林を思いました。一本の木だけでなく隣あう木の枝も互いに侵入しあってひっかかっているようにも見える。荒寥とした林にも見えるが陽光がよく通る明るさもある。

あひる:庭木のような手入れされた木ではなく、背の高い裸木を思いました。木枯らしで折れた枝が引っ掛かっているのでしょう。落としてやりたくても届かない、見苦しいけど仕方がない、また木枯らしが吹いて落ちてくれないものかと気になります。こんなちょっとした情景を包み込んで、大きな風景はあるのだなあと思います。

素秀:枯枝だけならまだ生きている枝とも取れますが、ひっかかっているとなると折れてしまっているのでしょう。いっそう荒涼とした景色を思い浮かべてしまいます。

せいじ:枯枝、枯木が冬の季語。枯木の均整を破る枯枝が、かえって枯木の美しさを際立たせている。「枯」を重ねた表現が面白い。枯木も山の賑わいならぬ、枯枝も枯木の賑わいといった遊び心もあるのかもしれない。

豊実:すっかり葉が落ちてしまった木に、折れた枯枝が落ちずに引っかかっている。剪定の名残か、風で折れたのか、鳥が折ったのか。