あひる:七草の一番初めに唱えられる芹。その芹を野で見つけたか、お粥の中に見つけたか、そうでないにしても、作者は幼子のように「はじめ」ということを年の初めに喜んでいるようです。

うつぎ:作者は昭和32年に俳誌「芹」を主宰している。春の七草は芹から始まり、まことにめでたい命名であると考えられたのではないでしょうか。勿論七草の中でも香りの芹が気に入っていたのでしょう。

豊実:芹を自分で見つけて摘んだのだと思います。芹は「せりなずなごぎょうはこべら・・・」のはじめなので、よりめでたく感じたのでしょう。

田村秀樹:芹がめでたいというか七草を皆で食べられることがめでたいのでしょう。最初に見えたのが芹だったということかと思います。

せいじ:七草が新年の季語。七草の名前は「せりなずな、ごぎょうはこべらほとけのざ、すずなすずしろ」と、意味も考えずに口調で暗記したものであるが、言われて見れば「芹」が最初である。これが芹、これが薺、これが御形か、などと言いながら、家族全員で七草粥を食べることはまことに新年にふさわしいことである。