うつぎ:滂沱の雨、梅雨末期かも知れない。視界は茫茫として烟り沼でも広がっているように見える

素秀:梅雨の大雨で畑か田に水が溜まって沼と化しつつあるようです。茫々ではっきりとはしないけれどと言っていますが、出来つつあるのは間違いないようです。

あひる:ただただ雨の毎日、それもしとしとではなく大雨です。あらゆるものが雨にぼやけ、冬でもないのに少し寒々しい風景が浮かびます。沼も水嵩が増え、輪郭もはっきりせず、それでもそこにぼんやりと見えているのでしょう。「らしきもの」という表現に個性が表れていると思いました。

せいじ:梅雨が夏の季語。「大梅雨」とあるから、いつもより長さも長く、強さも強いものなのだろう。「茫茫」は、ぼんやりしてはっきりしないという意味にとった。大雨の中、出掛けては見たものの、降り続く雨の中で視界がはっきりしない。行く手にはなにやら沼のようなものができているようだと、茫然自失している作者がいる。

豊実:普段は沼ではないところが、降り続く大雨で次第に全体が沼のように変化していく。「茫茫と」が雨の量と沼らしきものの広さの両方を語っているように思います。