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目次

7月5日

生駒より峰山高し麦刈れば

合評掲示板

(いこまよりみねやまたかしむぎかれば)

合評
  • 峰山は大和三山の一つ畝傍山のこと。

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7月4日

ふるさとや障子にしみて繭の尿

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(ふるさとやしようじにしみてまゆのしと)

合評
  • 青畝師の郷は奈良県、実家では養蚕の手伝いもしていたのではないかと思われます。障子の汚れにすら故郷を想いなつかしんでいるのだろうと思います。 (素秀)

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7月3日

げじげじの命ちりちりばらばらに

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(げじげじのいのちちりちりばらばらに)

合評
  • ゲジゲジは鳥などに襲われると脚を切り離して逃げます。脚はしばらく動いていて天敵の気を引いているうちに本体は逃げるのです。その様子が命を分けているように感じたのでしょう。げじげじ、ちりちり、ばらばらの言葉も面白く表現されています。 (素秀)

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7月2日

道作りみなひだるしやみちをしへ

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(みちづくりみなひだるしやみちをしへ)

合評
  • 道の普請にみな腹が減って力が出ない、道おしえだけが元気に跳ねて急かしているようだ。 (素秀)

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7月1日

水ゆれて鳳凰堂へ蛇の首

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(みずゆれてほうおうどうへへびのくび)

合評
  • これは好きな句の一つです。鳳凰堂へ向かう蛇の描写の、蛇の首という写生の簡潔さが素晴らしい。実はこの句から「釣糸を揺らして蛇の首滑る」を毎週に投句しました。蛇の首を使いたかったのですが失敗作なのは言うまでもありません。 (素秀)

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6月30日

形代やならのをがはの波まかせ

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(かたしろやならのをがはのなみまかせ)

合評
  • 「風そよぐならの小川の夕暮は禊ぞ夏のしるしなりける」(ささめのごと)のうたで知られる京都上加茂神社の楢の小川である。
  • 形代が波に揺られて流されてゆく、白い形代が鮮明です。 (素秀)

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6月29日

水栓のゆるむ下宿の黴にけり

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(すいせんのゆるむげしゆくのかびにけり)

合評
  • 水道栓の弛んだ下宿、相当にくたびれた下宿かもわかりません。そんな下宿に長雨で黴も生えてきそうだと。 (素秀)

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6月28日

暖竹のしづまる間なし大南風

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(だんちくのしづまるまなしおおみなみ)

暖竹は、本州中部以西の海辺や河岸に群生、高さ二〜四メートル、それ以上にもなるたくましい植物である。大南風の吹くこの季節、暖竹は一年中で最も勢いよく繁茂し、沖から吹く風に一日中ざわついでいる。土地によると南風のことを、はえ、まじ、まぜとも呼ぶが時には雲を飛ばし高波を起こすことがある。

暖竹は撓う力が強いので大南風を受けても折れるということはまずない。すぐに立ち上がってざわついている。ひねもす、よもすがらこれをくりかえし元気なのである。防風垣きとして漁師町や港を見下ろす高台に植えられていることが多い。この句は和歌山県新宮での作。 太平洋から吹く大南風がいかなるものか想像できるおもしろさがある。

合評
  • 暖竹はイネ科の多年草で葭竹のこと
  • 暖竹は海岸線の道路わきなどに生えている、竹のようなヨシのような雑草です。海風に吹かれて騒がしい様子を詠んでいますが、しつこく蔓延り邪魔にされることを詠んでもいるようです。 (素秀)

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6月27日

梅天と長汀とありうまし国

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(ばいてんとちようていとありうましくに)

梅天は雨気をふくんだうっとおしい大空、一点の色めきもなく外界は天に封じこめられたような感じをさす。しかしそれなりに夾雑物のないシルバーグレイの天空を仕立てるべく詩情に遊ぶ作者である。古典や近世文学の世界へ悠遊させてくれる。大景をゆったりと中心を逃さない青畝師の句の仕立てを学びたい。

実はこの句、須磨離宮公園の句碑「須磨涼し今も昔の文の如」の句とともに、主情ののぞきすぎ傾向もこの辺りを限度とするように…と、虚子先生から注意された作品である。主情の句を好むひとは多く、私も例外ではないが、あくまでも一幅の絵画として連想できるように表現することから逸れないことが大事である。客観写生の訓練をやかましく唱えるのは、そのテクニックを習得するためなのである。

合評
  • 梅雨空と渚の風景を詠んでいます。うましは美味しいのではなく美しのほうです。 (素秀)

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6月26日

雨の中の雨が大藺に凝りにけり

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(あめのなかのあめがおおいにこりにけり)

雨の中の雨という見方が非凡である。そういわれてみると無限に降る雨粒の中、まるで選ばれたようにきらりと雫を宿している大藺の姿が眼前に浮かぶ。大藺は背が高く水辺草として代表的なものであるが、池や沼に群生するだけでなく観賞用として家の庭にも植えられる。

観察の目を大いに向けた作者は、鼻が茎の先に密生しからみあっていることに気づく。雨はいったんその花に宿り、そこからスルスルと直線を下がっていく。どうかすると茎の途中で雨の玉を凝らせているものもあっておくゆかしい。この凝っている雨の中の雨は花をまたいできらりと光って止まっているものであろうと思う。

広重の絵に「大藺に白鷺」があって、まだ花をつけない丈のあるものが描かれている。

合評
  • 大雨が大藺、イグサの太いものに降りしきっている。まるで雨が固まって落ちてくるようだ。 (素秀) 投稿いただいた記事は編集してここに転記されます。

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6月25日

青蛙跳んであそぶや能舞台

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(あおがえるとんであそぶやのうぶたい)

青蛙は体調四センチくらいの小さな蛙で、いかにも蛙の中では子供子供したように見える。深読みをすると青蛙の青は四季であらわすと春にあたる。となるとこの青蛙は少年から青年にかけての年代で、能狂言では冠者にあたる。太郎冠者なのである。

もはや青蛙の太郎冠者は能舞台とも知らず跳ねて遊んでいるのである。跳ねてひょいと止まったときは両手をついて口上を申し立てている姿だと見るとなかなかおもしろい。わずか十七字の日本語がこのように人を楽しませる。それは感受性であり、モチーフをいかにつかむかということにかかってくる。いつも虚心でいることこそ、詩の神様が味方してくれるのかも知れない。

合評
  • 薪能なのか農村舞台なのか、どちらにしても屋外です。蛙も虫も来るというもの。能の最中だとしても闖入してきた蛙に目がいってしまったのでしょう。 (素秀)

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6月24日

除草機を湖に没れしは夕じまひ

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(じょそうきをうみにいれしはゆうじまひ)

除草機は把手のついた木枠の先に回転式の鎌を、押しながら前方へ進んでいくと雑草が絡まる仕組みになっている。広い田んぼも畝の間を一歩一歩押し進めながら除草するのである。

この季節は草が最もよく生えるので雨上がりの土の柔らかいうちに農家の人は寸暇を惜しんで除草機を使う。夕方一日の労働が終わるときには除草機は泥まみれになる。近くに川などがあればそこですすぐのであるが、この句では湖があり、どぼんと浸けるだけで泥が落ちる。それは広い湖の一点へ没するばかりの除草機なのである。その瞬間今日一日の労働は終わりを告げる。昔は牛馬を利用していたが、最近は動力や除草剤を使うのでこんな情景を見ることができなくなった。

合評
  • 「いれる」と読めるかどうか辞書で調べた限りでは定かでなかったが、「冬日没る(ふゆひいる)」という季語は載っていた。古文的用法かと思う。
  • 除草機は水田の草取り用、動力はついていなく手押しのタイプだと思います。火も暮れてきてそろそろ今日の作業も終わりかなと、湖に入れるとは洗うためでしょう。 (素秀)

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6月23日

ふるさとの味召しませと鮎の寿司

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(ふるさとのあじめしませとあゆのすし)

青畝師は大和の人である。大和には吉野川、十津川という全国屈指の鮎に川がある。そこでは深吉野の鮎、十津川の鮎とよんで珍重される。その生きのいいものを使って寿司にする。地元では先祖代々から受け継がれているその家その家の味があって、シーズンには必ず作るのである。いぶし銀のように光る鮎の姿寿司、いわゆる押寿司である。

ある日作者のもとへ手造りの鮎寿司を持参した客があった。久しく大和を離れている青畝師にぜひ食べてほしいと大和から持ってきたのである。客もまた師に会えたうれしさに、ふる里の様子、鮎の釣れ具合、その味ののり具合など話に花を咲かせた。如才ない青畝師の人柄はおもたせの鮎寿司をいっしょに食べさせたにちがいない。打ち解けた人と人との関係がこの句から伝わり、読者に寛ぎを与える。

合評
  • どこの鮎寿司を食べたのでしょうか。地域ごとに特色のある鮎寿司ですが、どこのものでもそれは非常に美味だったことだと思います。 (素秀)

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6月22日

一閃の雷火のなかに青胡桃

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(いつせんのらいかのなかにあおくるみ)

一読、梅雨時の山国を連想する。豪雨があれば沢や谷は濁流が走りおそろしい。雷火がたつと一天かき曇り一山をゆるがすようなとどろきがする。普段は大きな胡桃が翼を張る静かな村もこのシーズンは崖や切通しに土嚢を積んだり敷き込んだりしなければならない。

昼間というのに暗い空に雷火が走った。その瞬間、大きな枝ぶりの青胡桃が浮き上がった。鮮やかな青さであった。自解には「天竜峡の宿に昼寝をした。空のあやしさにふと目を覚ます。強い神鳴が震動する。あわてて窓に目をやる時光った。光の中の青胡桃は鮮やかすぎた」よある。刹那を捉えたみごとな写生である。

合評
  • 雷光に青胡桃が見えた、一瞬を切り取って鮮やかです。青胡桃も雷火も夏の季語ですがここは青胡桃が主役でしょう。 (素秀)

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6月21日

装束の真黒き鵜匠夕ごころ

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(しようぞくのまくろきうしようゆうごころ)

宇治川での作とある。大きな松が翼を広げ、真下に鵜小屋が作られている。篝につかう松材も積まれている。独特の鵜舟が松幹に舫ってあり瀬に揺れている。時刻が近づくとそろそろ鵜匠のお出ましである。小屋から鵜を出し人に接するように声を掛けてやっている。今か今かと待つ観光客に鵜篝が焚かれると辺りに松明が匂う。

いよいよ鵜匠が装束を整え舟に乗り込む。烏帽子から足先まで全て真っ黒で統一されている。人形使いの黒子のようである。岸辺の松影も宇治山の影もシルエットに変わり、しっとり闇の世界に沈んでいく鵜飼の景が「夕ごころ」という情趣で見事に写生されいる。

合評
  • 鵜匠と言えば真黒な浦島太郎のような衣装です。黒なのは鵜の色に合わせてとのこと。鵜が落ち着くらしいです。鵜匠が黒い装束で出てきてもう夕方なんだなあーという心もちなのでしょう。 (素秀)

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