投句控 :500句/1頁

次のページ

2024年03月16日

1 川沿いの花の蕾が桃色に 丹三
2 向こう岸長く並んだ菜の花よ 丹三
3 我先に蓬摘む子の小さな手 勉聖
4 菖蒲湯や命を繋ぐ父と子と 勉聖
5 朝早く鳥も仰天雹降る 善友
6 トレモロは沼のさざ波春の旅 善友
7 日没に庭飛び回るユリスカが 汗馬
8 ツンツンと雪突き抜けるカタクリ芽 れいこ
9 カタクリの花転居の庭になじみけり れいこ

2024年03月15日

1 居間近く四十雀来てツピツピツ 丹三
2 アスファルト隙間小さく菜の花よ 丹三
3 みのるよりこうべをあげよとてんさくを 長操
4 実るほど頭をあげる山田かな 長操
5 雹落ち鳥逃げ惑う春の朝 善友
6 鳥飛びて黄水仙揺れ香よき 善友
7 春の土手小川の音の静けさよ 博充
8 春日和白きうなじの女学生 勉聖
9 湿原の水辺華やか水芭蕉 勉聖
10 寒明けの青空澄みし鳥の声 陽温
11 六年に点睛の春医学生 陽温
12 ふるさとの四方の山や春霞 のりお
13 川縁の白き大地や名木の芽 のりお
14 口開けた蛤のみがバタ臭 汗馬
15 芝焼きの煙巻かれる車椅子 れいこ
16 つばき柄の卒業袴親子連 れいこ

2024年03月14日

1 顔温し道辺の草の青みたる 博充
2 春場所や宇良の逆転声が出る 博充
3 自治会の花見模擬店焼きそばよ 丹三
4 鶯の声が短くホーホケッ 丹三
5 オペ最中声にそばだて弥生尽 長操
6 ホーム突くクロスプレーや春の風 勉聖
7 水温む畔の水路の塩ビ管 勉聖
8 猫たちや庭で織りなす恋の舞 善友
9 電線に雀一列春の昼 善友
10 春泥に新品靴が泥色に 汗馬

2024年03月13日

1 黄砂の日温室内でシャツ乾く 丹三
2 春彼岸墓の掃除は四年ぶり 丹三
3 雀舞ひ道辺の草の青みたる 博充
4 啓蟄や蠢く字画二十一 長操
5 麻酔醒め彼方の鳶囀りて 長操
6 春日影十字架の影に佇めり 勉聖
7 石塀に十字架の影や夜半の月 勉聖
8 紅梅の香り確かな元気の元 善友
9 春雨や庭にやさしく降りそそぎ 善友
10 春の日や背中も温し息はづむ 博充
11 春の夢じゃらん見つつ旅心 希星楽
12 春の日や畑へ急げる堰の水 風民
13 下萌の畑を小鳥の弾むごと 風民
14 まだ早いひんやりの日の春の服 汗馬
15 ただひと株咲きほこる花野大根 れいこ
16 バリバリと響く靴音冴返る のりお

2024年03月12日

1 花見いつ土手では蕾固いまま 丹三
2 大鷭がしきりに潜る春の川 丹三
3 梅花やあぎとふ鯉の見上ぐごと 博充
4 芹飯や写真の笑ふ母の顔 博充
5 春雨に楽々と集いて趣味の会 陽温
6 一礼すイガグリ坊主の卒業子 勉聖
7 古里の蓮華草咲く痩田かな 勉聖
8 小さき子アメフッテルネ響く春 陽温
9 門車の人陰なきて夜半の春 善友
10 雪解けや轟音奏で車懸け 善友
11 ホールドを組む掌のぬくきかな れいこ
12 冴え返るビニール傘を叩く雨 れいこ
13 挿木見て古代ギリシャの歴史知る 汗馬
14 野の光街に連れ来て春コート 風民

2024年03月11日

1 春暁よ車窓より見ゆる花の名残 希星楽
2 大人びた孫に入学お祝いを 丹三
3 伸び放題電線近く梅が咲く 丹三
4 月の下白鳥引く声残し 善友
5 白鳥の姿無き声月の下 善友
6 春の草魚きらめく小川かな 博充
7 咲き誇る梅千本の偕楽園 勉聖
8 残雪を被りて走る兎かな 勉聖
9 ホワイトデーアイスクリームは桜味 陽温
10 また会う日大きく輝き帰る春 陽温
11 河津桜園児の笑顔撮りにけり 博充
12 ゆらゆらとイソギンチャクが獲物待つ 汗馬
13 春風やライダー集ふ丘の上 風民
14 山四方百に百の名春きざす 風民
15 磯だまり絡む仕掛けの若布かな のりお

2024年03月10日

1 里山に春を告げたるマンサク花 善友
2 落とし種柵の外にも菜の花が 丹三
3 人知れず蕗の薹伸び季移ろふ 善友
4 久々の住職老いを見た彼岸 丹三
5 芹の根や嚙むほど浮かぶ母の顔 博充
6 ぬばたまの末黒野浄む蕗の薹 長操
7 睦月とふ優しき一日なゐ来たる 長操
8 寒き春背中に日浴び歩きけり 博充
9 軒氷柱解けて雫の水清し 勉聖
10 昼過ぎて氷柱の折れる音高し 勉聖
11 賃上げの追い風を受け春闘へ 汗馬
12 メーデーや一人ジャンケンする子供 暁雫
13 梨の花摘んでも摘んでも満たされず 暁雫
14 春塵や帽子目深にバスガイド のりお

2024年03月09日

1 梅の香やつられついつい遠くまで 博充
2 土の上だけに積もった淡雪よ 丹三
3 草餅かクッキー贈るホワイトデー 丹三
4 草原に晴天を指す土筆かな 善友
5 日の当たる河津桜や鳥の声 博充
6 春曙や遠く山見ゆ手術朝 長操
7 手術終え遥かに鳶風光る 長操
8 余震あり来る三月十一日 汗馬
9 古里の母の香りの蓬餅 勉聖
10 蓑虫や泣くも笑うも風まかせ 勉聖
11 十六夜や平気な顔で帰る君 暁雫
12 シャボン玉割れて小指を煌めかす 暁雫
13 山茶花のずっしり揺れて小鳥かな 風民
14 毛氈にきな粉案じて鶯餅 風民

2024年03月08日

1 カラオケと共鳴したる春の雷 暁雫
2 春キャベツかさを減らしてレンジ出る 暁雫
3 春きざす韮が芽を出す庭の隅 丹三
4 花見あらむ綿あめ作り練習す 丹三
5 春の風穏やかなりて谷間吹き 善友
6 春の星天を舞いて遥かなり 善友
7 雛納めまた来年と話かけ 博充
8 梅の花あぎとふ鯉の覗きたる 博充
9 卒業の証書手にして笑顔出る 汗馬
10 雪解けや雫塀から一直線 勉聖
11 蓬摘み土手一面に匂い立つ 勉聖
12 春疾風缶蹴りながら下校の子 風民
13 長閑しやこちらを向きて丸ポスト 風民
14 雪解のこれからといふ銀世界 のりお

2024年03月07日

1 ぴゃっぴゃっと鳥の声する春暁よ 丹三
2 花見会日取りに迷う自治会長 丹三
3 朝散歩顔を横切る風の冴ゆ 博充
4 日に映ゆる河津桜や鳥の舞ふ 博充
5 いずれ死を近しきものに春霞 勉聖
6 日本へと南方来たる燕たち 汗馬
7 広場ある丘まで散歩春の風 勉聖
8 宇宙の命なりけり春の土 善友
9 満天星の100万の芽いでにけり 善友
10 蹲のわき春雪の溶け残る 風民
11 金継ぎの白き花入れ黄水仙 風民
12 春月や寄り道せまほし斯かる夜 希星楽

2024年03月06日

1 花粉症玄関で脱ぐシャツ帽子 丹三
2 新築の隣家苗木の梅二株 丹三
3 春寒や顔を横切る風の冴ゆ 博充
4 田舎道旅の始まり朝桜 希星楽
5 春雷の怪しく光る山野かな 善友
6 春めくや道端の苗青みたる 博充
7 春雷の轟き響く山野かな 善友
8 モクレンの蕾みが割れて朝日差す 勉聖
9 モクレンの毛皮をまとい膨らみつ 勉聖
10 クネクネと蛇が穴から目覚め出る 汗馬
11 南天の実に纏わるる春雨滴 あらい
12 落武者の如き散りたる枝垂梅 あらい
13 進級の御守もってする我慢 暁雫
14 蒲公英の路肩の逢瀬終わりけり 暁雫
15 留守の庭馬酔木の花の匂いけり れいこ
16 うつむいて雨に打たれし花馬酔木 れいこ
17 春雪にことごとく伏す寒芍薬 風民

2024年03月05日

1 駅前に袴の美女が卒業か 丹三
2 蒲公英の綿毛吹かずに手でとばす 丹三
3 梅の花あぎとひし鯉覗きたる 博充
4 昨日よりまた膨れたる木の芽かな 語后池
5 流し雛紙人形を川流す 汗馬
6 ものの芽の切っ先土を破りをり 風民
7 いつよりの苦みしみじみ蕗の薹 風民
8 兼題の俳句を詠むや春の月 勉聖
9 歳重ね散歩臆すや春霞 勉聖
10 朝散歩道端の苗青みたる 博充
11 花冷えに先輩とする握手かな 暁雫
12 啓虫や土の闇抜け光受つ 善友
13 黄緑の迷い鳥来て春だより 陽温
14 校舎から春の小川のオルゴール 陽温
15 水温む鯉は浅瀬でのんびりと 語后池
16 春の夜や部活終わりの溶けた飴 暁雫
17 君恋しうつつ心に櫻雨 希星楽
18 行く末を吉野の里の花に問ふ 希星楽
19 羊歯の芽やテラリウムにも春動く あらい
20 吾を誘う梅の香吾子は無関心 あらい
21 丈低き紅白の梅二階窓 れいこ
22 白鳥の大きく広げ羽ばたきぬ れいこ
23 冴え返る水道凍結注意報 のりお

2024年03月04日

1 車窓より蒲公英綿毛風に乗る 希星楽
2 孫のため直ちにしまう雛人形 丹三
3 春めくや使わず済んだタイヤチェーン 丹三
4 夜半なり雛人形の灯り消す 暁雫
5 手袋やペン滑らかに氏名書く 暁雫
6 春めきて路を蹴る音響きけり 博充
7 空近く漂う雲を手掴みに 善友
8 一人居の術後の室にある余寒 長操
9 風まぶし術後の一歩躊躇せず 長操
10 雛納めまた来年と話かけ 博充
11 卒業歌ボタン一つの淡い恋 希星楽
12 襖絵に薄日こぼれる弥生かな 勉聖
13 点滴の済んで一息風光る 勉聖
14 荒東風や墓所へと続く急階段 風民
15 笑み選ぶアカシアの花カーディガン 陽温
16 石垣の雛壇めける春苺 風民
17 駆けつけて生まれ来し姫雛祭り 陽温
18 午後の風河津桜もゆらゆらと 妙重
19 「春にまた」別るる友にささやけり 妙重
20 春日受けパラボラめくや露地福寿 語后池
21 広縁の投げ出す足に春の風 栞
22 果てしなく大根の花滿ちあふる れいこ
23 菜の花に卵落とした朝餉汁 れいこ

2024年03月03日

1 心行く鮨屋で春を喰らふ夜 希星楽
2 娘来る埃をとって雛祭り 汗馬
3 麗かやイータックスで税申告 丹三
4 雛あられ甘酒よりもコーヒーを 丹三
5 朝焼けのつゆ晴れ浮かぶ桃光り 善友
6 日の中の生けし桃枝の花開く 語后池
7 庭の鳥鳴き声響く雛祭り 博充
8 ジョギング路顔を横切る風寒し 博充
9 太々しこの世を嘲る寒鴉 勉聖
10 鳥居から獲物狙うや寒鴉 勉聖
11 蛤の香る昼中住宅路 暁雫
12 河原での響きと似たる雛あられ 暁雫
13 健忘やべツドで戯む風光る 長操
14 麻酔溶け窓より風の光りくる 長操
15 雪解けの軒先伝ふ雫かな のりお
16 啓蟄のそよ風に揺れ虫も飛ぶ 妙重
17 鼻声でマスク外して春浅し 妙重
18 古民家の土間に微笑む稚児雛 栞
19 夕東風のブイに見紛ふ鷗たち 風民
20 春の芝踏み込み投げる野球帽 れいこ
21 葉っぱなきすくっと伸びた黄水仙 れいこ

2024年03月02日

1 おおいぬのふぐり蒲公英並び咲く 丹三
2 梅の花伸び伸びと咲く空き屋敷 丹三
3 咲き誇る河津桜や鳥遊ぶ 博充
4 散歩路流るる水や春の音 善友
5 食卓は色とりどりの春野菜 希星楽
6 カマクラに尻を填めたる子の笑顔 暁雫
7 湯気のまど鳥影残し風光る 長操
8 杜若写真の中で鮮やかに 暁雫
9 女川面風光り薄暮かな 長操
10 深呼吸振り向く先に山笑ふ 希星楽
11 紅梅や卒業式も終わりけり 勉聖
12 庭奥に一樹赤き白梅かな 勉聖
13 早咲きの三寒四温の風に揺れ 妙重
14 春光の庭に出た芽をひと回り 妙重
15 海に出る複数の海女船に乗る 汗馬
16 山焼きの残り火闇にほのかかな れいこ
17 音立てて草芽ひしめく雨あがり れいこ
18 摘めばまたその隣なる蕗の薹 風民

2024年03月01日

1 春の暮富士山の日に西を見る 丹三
2 雛あられ孫から貰う絵手紙も 丹三
3 子の口がぽかんと丸い花火かな 暁雫
4 春の色小鳥さえずり梅元気 善友
5 しつとりと匂ふ梅花や雨上がり 語后池
6 しゃぼん玉ふわり虹色表裏 長操
7 すずめ色葉を落ちて生く竹の春 長操
8 梅が蕾の枝枝に鳥の舞ふ 博充
9 春の池競演したる鴨と鯉 博充
10 満天星の花芽に雨滴ひかる春 語后池
11 桜貝三つ拾いし母に見せ 陽温
12 デージーと名前がついた子犬来る 陽温
13 花見月落ち葉の下に新しき芽 善友
14 採血の探る針先春曇り 勉聖
15 湿る海苔輝く場所はベンチかな 暁雫
16 蚤の市湯呑みの向こうは下紅葉 希星楽
17 孵化させる親鳥共に巣に籠る 汗馬
18 点滴は命の一滴春の雨 勉聖
19 雨けぶる小川に小さき春の音 れいこ
20 日経平均一気に高値春一番 れいこ
21 電線の撓みし朝や春の雪 のりお
22 落ち積もるもののうへなる落椿 風民
23 陰翳の中に落ちをり紅椿 風民

2024年02月29日

1 蒲公英が小さく咲いた道路際 丹三
2 春暁や部活の生徒厚着なり 丹三
3 春ならい避難ビニール波打ちて 長操
4 河川敷犬の鼻先風光る 長操
5 薔薇の芽や夢へと繋げ今朝の空 善友
6 ちぎられたレタスにかけるマヨネーズ 汗馬
7 春寒や顔を横切る風つよし 博充
8 梅が香や歩きながらの鼻動く 博充
9 草や木も暦の上でも春立ちぬ 勉聖
10 一炷の線香あげる春彼岸 勉聖
11 花弁飛びなを匂い来る梅の蕊 語后池
12 春靄の向こうに啼く鳥姿なし 妙重
13 瀬を落ちる音柔らかに春の水 風民
14 畑の端に一番乗りのクロッカス 風民
15 燕の巣見つけられたら月暮らし 陽温
16 枕抱き夢を結びて朝寝かな 希星楽
17 つくしんぼ顔を寄せ合ひ何語る 希星楽
18 鰊蕎麦御殿並んだ北の海 陽温
19 春寒のコロッケ箸で午睡する 暁雫
20 芝一面餌人を待つ春鴎 れいこ
21 指先の残り香濃きや蓬の芽 れいこ
22 白梅やティッシュ配りも早一年 暁雫

2024年02月28日

1 春嵐治ればまた好天来 語后池
2 囀りや柔き朝日の差す窓辺 語后池
3 草生えて春めいた庭猫も来る 丹三
4 雛人形飾って孫に動画見せ 丹三
5 満を持し数多華やぐ蕗の薹 長操
6 ながらへば今風に咲く侘助や 長操
7 梅が香やかほり嗅ぐごと池の鯉 博充
8 梅が香やかほり漂ひ鯉の舞ふ 博充
9 黄水仙温か揺れて日和よし 妙重
10 か弱きはスノードロップ首垂れて 妙重
11 朝陽差す雪の丘キラキラ輝き 善友
12 孫二人受験に挑む幸あれと 善友
13 春夕べ立ち読みしたる旅行本 勉聖
14 一葉忌流るる如き筆の跡 水琴窟
15 微粒子に人あらがいて鼻の中 陽温
16 日も飛機も鴉も西へ春の夕 風民
17 ジェット音谺す夜空冴返る 風民
18 天までとコバルトブルーの春梯子 陽温
19 寝てる間に終はる散髪春うらら 栞
20 一掴みの紅刺す雲や春兆し れいこ
21 出来立ての重箱持する鶯餅 れいこ
22 強風に綺羅めき舞ふや春の雪 のりお

2024年02月27日

1 石灯籠鳥が次々春告げに 丹三
2 チューリップ去年の場所に葉を出せり 丹三
3 膨らみし梅が蕾の鳥さそふ 博充
4 枝垂れるや名残の雪に紅散華 長操
5 梅の蕊陽光もとめ迸る 長操
6 ホカホカのご飯と食べる花菜漬 汗馬
7 春うららやっと五千歩万歩計 勉聖
8 蓑虫や家の造りはプレハブよ 勉聖
9 梅の蕾やふくらみて鳥さそふ 博充
10 大風へ子ら跳ねまわり二月尽 語后池
11 雲もなく河津桜も散り始め 妙重
12 ビル風に抗い進むも二月尽く 妙重
13 指冷えて桃色二月白い息 陽温
14 強風が春押し返す旅暦 陽温
15 電柱の雀かしまし春日かな のりお
16 土匂ふ犬の散歩も長くなり のりお
17 咲き満ちて強風に揺る薮椿 栞
18 老夫婦祝うは菓子のお雛様 栞
19 水溜まりの雲と走る吾朝の東風 れいこ
20 春疾風風に背押され遊戯ごと れいこ

2024年02月26日

1 春埃隣家の工事で家揺れる 丹三
2 春の川町を挙って土手掃除 丹三
3 春めくや順番待ちの滑り台 博充
4 かぎろいの燃ゆり来る赤バスを待つ 長操
5 春めくや息吹の草木萌へいづる 博充
6 金ぴかの釦の眩し一年生 水琴窟
7 啓蟄や懸垂十回やっと出来 勉聖
8 囀りやボール蹴る子らの声高く 勉聖
9 赤提灯灯り知れぬ日永かな 語后池
10 蒼天の日を貫ける風春寒し 語后池
11 雨戸くれば庭の葉にある春朝日 風民
12 吹きすさぶ風に微塵と梅散れり 水琴窟
13 アカシアのコサージュつけて鏡前 陽温
14 路線から桜の漢字マーカー線 陽温
15 春満月火の用心の鐘澄めり 風民
16 帽子打つ音はつきりと春の雪 のりお
17 稜線を染めて墨絵の朧かな のりお
18 雨あがりの目地に群がる草芽かな れいこ
19 春疾風走る自転車戻されし れいこ

2024年02月25日

1 街路樹の蕾不揃い早春よ 丹三
2 とうなんてん半数咲けり雪に耐え 丹三
3 春を待ち主に立ち帰れと声ぞする 妙重
4 春近しレンテンローズ風に揺れ 妙重
5 満開に隠れしあまた梅ふふむ 長操
6 老いてなおチェロしなやか春フェステ 勉聖
7 小鳥きて無人隣家の羽音かな 勉聖
8 ママチャリの錆に降りくる春の塵 長操
9 草や花息吹きあふるや春動く 博充
10 窓越しの雨に打たれし桜花 令美
11 梅花や蕾膨らみ鳥誘ふ 博充
12 白木蓮の花芽に筋の入りにけり 語后池
13 のつそりと端寄る鯉や水温む 語后池
14 舟行けり岸に散り初む梅の花 水琴窟
15 焼きあがる壷焼きの身を串で取る 汗馬
16 下萌えや野端に泥のサッカ球 れいこ
17 ゆっくりと降り解け急ぐ春の雪 風民

2024年02月24日

1 冬と春はざまの陽射し庭石に 長操
2 春動き息吹あふるる草木萌ゆ 博充
3 啓蟄や爺も一人の吟行へ 丹三
4 撒いた種無事でいるのかみぞれ降る 丹三
5 感性もそれぞれ味あり春の句よ 妙重
6 鶯のまだ啼かぬかな青空よ 妙重
7 彩の野花が守る地蔵かな 令美
8 昼下がりカフェの窓辺が霜となる 令美
9 三味の音に集う仲間や春うらら 勉聖
10 山鳩の気怠く鳴くや春の風 勉聖
11 木の根明く同心円に広ごりて のりお
12 紅白紅白紅白と梅の道 風民
13 山の雲春雪解かしつつ空へ 風民
14 キリストの姿の踏み絵足をおく 汗馬
15 帰り来て庭にほのかな梅あかり 水琴窟
16 凍て返る木々白く染む郷の家 れいこ
17 十万のキャンドルと雪灯回廊 れいこ
18 残雪の堅き探りて進む尾根 のりお
19 電車にて化粧す乙女春うらら 語后池
20 地に光る星屑のやう犬ふぐり 語后池

2024年02月23日

1 冷たい雨元気な患者通院す 丹三
2 一斉に草が生え出る春の庭 丹三
3 天皇が被災地思う誕生日 汗馬
4 葉隠れに馬酔木咲く庭陽のかをり 長操
5 満開と見えし紅梅ある蕾 長操
6 枝垂れ梅雪に負けじと枝たもつ 令美
7 薔薇落ちて露に花びら散りゆきぬ 令美
8 埋めたる目印は棒大根掘る 風民
9 曇天に明き一隅福寿草 風民
10 早朝の障子越しに人の声 勉聖
11 顔の皺奥に苦労の春彼岸 勉聖
12 四十年隔てて二月手を握る 妙重
13 旧友と語る梅林鳥も啼く 妙重
14 短か世を駆け抜け生きし一葉忌 水琴窟
15 面影に少女の名残り一葉忌 水琴窟
16 冴返る玄関ノブは手にひやり 語后池
17 春の雨軒先で蹴る球遊び 語后池
18 まんさくや明るき雨の雑木山 れいこ
19 早春や独り鉈降る杉林 れいこ

2024年02月22日

1 寒戻り冷き雨の降る夜明け 令美
2 めくる朝雪の報せに猫丸く 令美
3 春動き息吹あふるる草や花 博充
4 浅春の風の鋭く通りけり 博充
5 庭のにら駒返る今株分けす 丹三
6 庭の木の枝を整理す芽吹く前 丹三
7 竜飛崎波打つ飛沫や冬カモメ 勉聖
8 雪しづり瞬にまたまた雪しづり 勉聖
9 吹き荒ぶ百米十秒の春一番 長操
10 もう一度木を植えた人開く春 陽温
11 ひね大根ただで良いよと直売所 水琴窟
12 川石に丸く積もるや春の雪 のりお
13 葡萄柚光を弾く粒 水琴窟
14 冴え返る半袖震るる羽田線 れいこ
15 うとうととまるまる母や春炬燵 れいこ
16 春雨の止み間に子らの球蹴る音 語后池
17 威勢よく春雨を切る車の音 語后池

2024年02月21日

1 春霞寒いくらいがちょうど良い 陽温
2 旅立ちのカバン整え落ち椿 陽温
3 春めくや大犬ふぐり青く咲く 丹三
4 春耕の前にもぐらが土を掘る 丹三
5 雛飾り家族の絆願ひます 博充
6 凍道を登り行く先金色堂 長操
7 庭草や一雨ごとに駒返る 長操
8 小雨降る行きつ戻りつぬくくなれ 令美
9 喉鳴らし人を憂いて猫が添う 令美
10 春の陽や猫寝むりたる鬼瓦 勉聖
11 星空は世界地図なり山眠る 勉聖
12 春寒や花弁に揺るる雨しづく 語后池
13 内裏雛どこから見ても笑み返す 博充
14 一葉の短冊の文字冬の月 水琴窟
15 寺神社雛人形が並ばれる 汗馬
16 手入れ良き幾十年の吾子の雛 語后池
17 冬時雨玄関の傘滲み雫 水琴窟
18 春光へ開け放ちたる愚陀仏庵 寝子
19 グランドの芝穴広し浅き春 れいこ
20 いびつなる大きな苺青い空 れいこ
21 散り敷いて山茶花のなほ咲きみだれ 風民

2024年02月20日

1 光射す厨にかほる浅蜊汁 希星楽
2 外套を脱げずにつらい電車内 丹三
3 街路樹の枝先丸し春きざす 丹三
4 起きしなにシクラメンをば窓際へ 語后池
5 ざーざーとシルクのごとく若葉雨 希星楽
6 笑み映す洗面鏡や水温む 語后池
7 梅の花わづかな蕾ほころびぬ 博充
8 梅匂う堀の向こうの河川敷 勉聖
9 降りそそぐ飴色春陽廃家の窓 勉聖
10 鳥居前梅桃桜ほのかなり 陽温
11 土笑う三日雨降り温き春 陽温
12 春動き生気あふるる草や花 博充
13 一葉館小さき文机春浅し 水琴窟
14 グツグツとほうれん草が茹で上がる 汗馬
15 春待てず異国語溢れる新幹線 妙重
16 早咲きの桜の色に目休まる 妙重
17 人力車駆ける浅草福詣で 水琴窟
18 春の雨グランド青む土堤青む れいこ
19 蒼天に追ひかけつこや鴨の声 のりお
20 春の日や中なほ暗し円古墳 風民

2024年02月19日

1 伝え聞く梅満開にほくそ笑む 語后池
2 停め置きの春日の車中夏ごとき 語后池
3 雪溜まり枝出て開花とうなんてん 丹三
4 雪予報付け方知らぬチェーン載す 丹三
5 梅の花胸も膨らむ蕾かな 博充
6 鴨と鯉競演のごと春の池 博充
7 何時いつも庭の初めの黄水仙 長操
8 庭草や下駄裏返し駒返る 長操
9 鳥救うトウネズミモチここにあり 陽温
10 襟開けて深呼吸した春の雨 陽温
11 雪虫の空へふわりと溶けてちり 勉聖
12 一杯のコーヒーで始まる春スキー 勉聖
13 春浅し雨の雫に肩すくめ 妙重
14 早春の列車に乗れば心わく 妙重
15 パン焼けてポンと飛び出で春近し 水琴窟
16 川土手を転がる子等や四温晴れ 水琴窟
17 冴返る梢の白や白樺 のりお
次のページ