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2023年06月09日

1 畦立てばシンとこちみる蛙かな むらを
2 雨音はすれど明るむ夏の朝 丹三
3 荒れた梅雨ダム放流のサイレンよ 丹三
4 早苗揺るトゥクトゥクの風畦走る 睦花
5 曇天に藪雨の声姿観ず れいこ
6 落ち梅実ふっくら黄みて香りたつ れいこ

2023年06月08日

1 老犬を抱いて子鴨を眺めけり むらを
2 さつき闇読めぬ漢字は目のせいか 丹三
3 風青し傾く茎に足す支柱 丹三
4 風と波海猫の群れ戻りたり 水琴窟
5 朝顔の面影写す日記帳 水琴窟
6 廃校の片隅占める百日紅 リエ
7 誕生を寿ぐ深紅のアマリリス リエ
8 梅雨入りやアナベルの道連綿と 睦花
9 黴の香や開け風流る奥座敷 れいこ

2023年06月07日

1 噴水や傘のつるぎの大飛沫 むらを
2 梅雨前に苗植えたくて肥料撒く 丹三
3 ギャーギャーと啼く鳥の群れ出でし夏 丹三
4 焼け跡に唯一輪の百日紅 リエ
5 山荷葉低き梅雨空透かし居り 睦花
6 杜若一番咲きが命日と れいこ
7 蛍狩源氏と平家いくさせず れいこ

2023年06月06日

1 くしゅくしゅの花もちあげる菖蒲かな むらを
2 十薬よ庭半分にひしめいて 丹三
3 更衣ジャージーの腹ゆとり出て 丹三
4 銀杏の葉地から幹から茂りけり 水琴窟
5 紫陽花の白きに蜂の吸い寄せり 水琴窟
6 簾戸やせいろを運ぶ下駄の音 睦花
7 黴生えし大木並ぶ散歩道 れいこ

2023年06月05日

1 葱坊主空を見上げて飛ぶ邪心 小牧
2 休耕田飢えのあの日は忘れまい 小牧
3 跳躍のリズムは合わず夏の朝 むらを
4 激辛のトムヤンクンや夏の空 睦花
5 打つべきか夏のワクチン接種券 丹三
6 炎昼よ外出避ける二病の身 丹三

2023年06月04日

1 春蝉や風に揺蕩う日章旗 えいじ
2 朝の日に大きく白く百合の花 えいじ
3 反抗期掴めぬ心ところてん 小牧
4 夏木立となり町まで陰続き 丹三
5 寝覚めして駄句を連ねて明早し 丹三
6 急降下狙い定むる夏の鳶 睦花
7 勝の字の彫り消え大樹緑さす れいこ

2023年06月03日

1 百合咲くや雨粒ひとつ滑り落つ えいじ
2 三尺寝己が鼾に飛び起きぬ えいじ
3 とらわれを離れひらひら舞う紅葉 小牧
4 出水ふせぐポンプ音する放水路 丹三
5 五月雨を集めた川に警報が 丹三
6 夏桑や背伸びの先の紫黒の実 睦花
7 噴水や漲る力天を衝く 水琴窟
8 噴水や空を目指して駆け登る 水琴窟
9 鳳蝶大きく揺れるガウラかな れいこ
10 夏嵐終焉の友今召さる れいこ
11 紫陽花や人に優しき我は生く 小牧

2023年06月02日

1 捕虫網持ちて自転車右左 えいじ
2 温かなハンカチ朝に受取りぬ えいじ
3 梅雨の川溢水間近土手えぐれ 丹三
4 久しぶり髪刈り少し涼し気に 丹三
5 息災か電話短かや藪椿 小牧
6 新緑の香る真ん中待ちぼうけ 小牧
7 街路打つ雨粒避けて夏柳 睦花
8 万緑の中ソーラーパネル埋もれいし れいこ

2023年06月01日

1 横目して声をかけたる扇風機 えいじ
2 折り目ある合羽拡げて梅雨に入る えいじ
3 パン酵母薫る店先明易 睦花
4 草茂る空地にできた近道よ 丹三
5 夏木立陰のベンチの有難し 丹三
6 燕二羽乱れ飛び交う巣は空ろ 水琴窟
7 道中を毛皮を纏う毛虫かな れいこ
8 訃報欄幾度も見しやシオン花 れいこ

2023年05月31日

1 玉葱の神楽鈴めく吊るされり えいじ
2 玉葱の二百三百ぶらぶらと えいじ
3 沈むまで夕日は赤く燃えている 小牧
4 風に乗り路地まで届く金木犀 小牧
5 蝸牛雨の日だけは居るような 丹三
6 ミニ菜園梅雨の晴れ間に植えた苗 丹三
7 白玉の浮きたる湯気や富士薄ら 睦花
8 鶯や海遠く見ゆテラス席 水琴窟
9 白和傘傾げ佇む牡丹かな 水琴窟
10 カルメンの血潮の如く蔷薇の咲く リエ
11 竹の皮脱ぎて足元青々と れいこ
12 甘酒や米粒ついた野菜漬 れいこ

2023年05月30日

1 幸運の予感茶柱立っている 小牧
2 コスモスのみんな主役の舞踏会 小牧
3 露天の湯手足のばせば被く虹 えいじ
4 夕暮れに叩く木魚の音涼し えいじ
5 句集読むみどりの雨の降る日には 丹三
6 蝸牛年重ねなお読めぬ字が 丹三
7 ソロの夜や寝袋のやや傾きて 睦花
8 清流に白きリボンの薔薇の束 れいこ
9 紫陽花や藍色の酒酔う如し 水琴窟
10 雨もらい石のあお苔なお蒼く れいこ

2023年05月29日

1 春蝉や白き塔なる時計台 えいじ
2 緑陰や空よりスパンコールめく えいじ
3 向日葵に紛れ黄色のジャケットが 小牧
4 満月を飲み込んでいる広い海 小牧
5 今朝咲いたバラは揃って深い赤 丹三
6 草茂る庭木の根本刈り難く 丹三
7 南風吹きて昭和硝子の小さく鳴る 睦花

2023年05月28日

1 日傘の娘大木ありと老いに告げ えいじ
2 春蝉やピン旗ゆれる松の風 えいじ
3 いつか僕も星屑となる天の川 小牧
4 笹舟の旅だ荒波を越す絆 小牧
5 豌豆のすぢとる母や卒寿の手 睦花
6 柿若葉黄色の葉あり今まだら 丹三
7 ヤモリ出ず夏草を刈る我の前 丹三
8 紫陽花や雲垂れ込めて沈む空 水琴窟

2023年05月27日

1 田植えして水澱みなく納まれり えいじ
2 夏の朝老婆背にするドアラの絵 えいじ
3 揺れる穂に棚田を染める赤蜻蛉 小牧
4 清流に辿り着きたい濁り水 小牧
5 竹藪の若竹青し向こう岸 丹三
6 葉桜の陰の釣り人静かなり 丹三
7 薄絹を解きて広げり花菖蒲 水琴窟
8 緑陰や青き実の影紛れたる 睦花
9 水張りて空を映せる田んぼかな 水琴窟
10 桑の実の紫滲む右の指 れいこ

2023年05月26日

1 夏蝶を追う子に追いつく丘の上 えいじ
2 満々の枇杷の実つたう雨雫 えいじ
3 満月に会いたいと咲く月見草 小牧
4 風薫るゴルフ場から木立経て 丹三
5 若竹が水際までも迫りおり 丹三
6 明易し文庫積みたる枕元 睦花
7 コスモスの花揺れてきてハグをする 小牧
8 ガラガラの車窓は緑燃え立ちぬ れいこ

2023年05月25日

1 春の野辺お地蔵さまの慈悲の顔 小牧
2 葉桜がザワザワ揺れる胸騒ぎ 小牧
3 緑蔭で身振り手振りの笑い顔 えいじ
4 青嵐すかさずダンとドア閉まる えいじ
5 夏めくや庭木元気に枝のばし 丹三
6 庭の木が脱ぎ捨てた跡夏落ち葉 丹三
7 サルビアの花が崩れて萎む赤 立秋
8 真っ白な雪の中からふきのとう 立秋
9 稜線の緑の揺るる代田かな 睦花
10 故郷の植田の水の白夕陽 れいこ

2023年05月24日

1 鼻先に真紅の玉の蛇苺 えいじ
2 草刈りの人は木陰で猿子眠 えいじ
3 蒲公英の綿毛ふわりと乳母車 小牧
4 飽食の子らも素直に麦飯を 小牧
5 まくなぎの漢字が読めずネット辞書 丹三
6 夏は朝五時に明るくまた静か 丹三
7 薫風や野外フェスの音ビル街へ 睦花
8 ワクチンや悪寒発熱五月晴れ れいこ
9 五月晴れ滑って掴むほうけ蕨 れいこ
10 塾帰り頭垂れたる紫陽花や 水琴窟

2023年05月23日

1 一瞬の拳打つ吾子の夏来る えいじ
2 草刈りて休む古老の紫煙かな えいじ
3 秋深し空き家を歩く風の私語 小牧
4 カラカラと落ち葉走って冬支度 小牧
5 ふたたびの学びの夏よ句集読む 丹三
6 蜘蛛の巣が頭に掛かる夏の庭 丹三
7 枇杷の実や団塊のごと実りけり 睦花

2023年05月22日

1 草刈機熱れのなかを唸り来る えいじ
2 草掠め空へ翔け上ぐ夏つばめ えいじ
3 新緑の朝に誘われ万歩計 小牧
4 コスモスの笑顔と歩く青い空 小牧
5 この夏は黄砂インフル爺籠る 丹三
6 新築の家夏向けか高い屋根 丹三
7 葉も枝も捥がんと猛り青嵐 水琴窟
8 夏燕水平線を上下する 睦花
9 ハングライダー涼風背なに蹴り発ちぬ れいこ
10 パラグライダー夏の海をも隠しけり れいこ

2023年05月21日

1 水やりの妻は目深に夏帽子 えいじ
2 昏れかぬる夕日を映す代田かな えいじ
3 風薫る若葉の中を歩いてる 小牧
4 波乗りの富士を背負ひて滑り来る 睦花
5 生垣を溢れんばかり紅躑躅 水琴窟
6 老い忘れ薄暑のうちに苗作り 丹三
7 梅雨上がり近い羽音にふり返る 丹三
8 八朔を剥くや光の粒弾け 水琴窟
9 五月晴れハングライダー赤一機 れいこ

2023年05月20日

1 剪定の妻さしあげし大ばさみ えいじ
2 手旗振る誘導員の光る汗 えいじ
3 枝ゆすり鍬形虫を採れる木よ 丹三
4 コロナ避け夏に延ばした墓まいり 丹三
5 恋せる日紫陽花紺に色着けり 水琴窟
6 夕焼けと一緒に歩くわらべ歌 小牧
7 甘藍を一葉子犬の馳走かな 睦花
8 ジェット機を囀りて呼ぶ四十雀 語后池
9 迎車の炊きたてにぎり目にあおば れいこ
10 ふるさとの若葉尽くしがご馳走よ れいこ

2023年05月19日

1 トンネルを出でてやにわに西日受く えいじ
2 誕生日妻に捧ぐや夜の薔薇 えいじ
3 迎車の炊きたてにぎり目にあおば れいこ
4 満月が落ちてきそうな棚田かな 小牧
5 ついに得た土地にひまわり撒いてみる 丹三
6 カミキリムシ子供欲しがり空き缶に 丹三
7 新緑や何げなき木々眩しけり リエ
8 娘の如や雨毎色づく手毬花 語后池
9 夏休み親の背に乗る狐猿 水琴窟
10 犬追ひて茅花流しの浜辺かな 睦花

2023年05月18日

1 カーテンの風も吸い込み扇風機 えいじ
2 あさぼらけ網戸とりつき猫鳴けり えいじ
3 朗吟し歩く人あり五月晴れ 語后池
4 カブト虫欲しくて枝を棒で打つ 丹三
5 鯉かかり釣り上げられぬ夏休み 丹三
6 携帯の右角縁を蟻渡る 睦花

2023年05月17日

1 木漏れ日や妻の真白き夏帽子 えいじ
2 夕暮れて仙人掌の花ひとつ咲く えいじ
3 母の日の夜花届き妻笑顔 丹三
4 暑い日々肩の関節動き楽 丹三
5 はなみずき紅白春を締めくくり リエ
6 噴き上げて噴水の鶴水を浴む 水琴窟
7 手水舎や夏蝶の来ぬ造花かな 睦花

2023年05月16日

1 番傘の連なるごとく山法師 えいじ
2 あかつきの影絵となりぬ親鴉 えいじ
3 夏めくやコーラがうまい退院日 丹三
4 崖の上カブト虫いる秘密の木 丹三
5 ベランダに衣花咲く梅雨晴間 語后池
6 紫陽花や色日陰より付き始む 語后池
7 潮干狩り両手に貝で寒さ失せ リエ
8 夏草や子規球場の球拾い 睦花
9 ヨロヨロとまっすぐ伸びる田植跡 れいこ

2023年05月15日

1 雨降るや茶碗ひとつに豆御飯 えいじ
2 雨降りの波紋ひしめき田水張る えいじ
3 新築の屋根だけ出来た梅雨前に 丹三
4 走り梅雨家族の留守に偏食す 丹三
5 舗装から生える草にもさつき雨 語后池
6 春夕焼け親子の心ひとつなり リエ
7 雨降れど撥ねる雫は夏近し 語后池
8 渋面の童や十薬に靴の跡 睦花
9 山羊の群れ鈴響かせり秋の暮れ 水琴窟

2023年05月14日

1 笠連ね雨の滴る山法師 えいじ
2 梅雨上がり二階の横を羽音行く 丹三
3 五月雨を集めて流す溝を掘る 丹三
4 母の日の息子のギフト花の束 文華
5 海散歩一人の卯月曇りかな 睦花
6 あかつきの樹頭に啼くや親鴉 えいじ
7 十薬や縁石の隙生え出でる 語后池
8 雨間の墓の草取り五月雲 語后池
9 コーランの澄みて響くや秋の空 水琴窟
10 桑の実のちぎりついばむ雀たち れいこ

2023年05月13日

1 屋根上の起床ラッパや親鴉 えいじ
2 うりずんや夕日一閃海の濃き リエ
3 足を停め唐椀供養の鐘の音 リエ
4 夏の雲グラデュエーション灰から白 丹三
5 退院を迎えるバラとつつじ蝶 丹三
6 初夏の夜呟き数えちどりあし 語后池
7 薄暑光求めて開く季寄せかな のりお
8 懐かしき顔に出会えり紅躑躅 水琴窟
9 噴水の水音誘う周り道 睦花
10 忘じと薄紅の薔薇子命日 れいこ

2023年05月12日

1 夏つばめ夕日の空を滑空す えいじ
2 黄色地の黒きまだらの美しバナナ えいじ
3 父あらば父と浴びたし菖蒲の湯 文華
4 雷や居眠る我の頭に呻る 語后池
5 滑り台夏の日暑く滑れぬ子 丹三
6 空暗む雷あれど雨降らず 丹三
7 水馬のさらさら描く波紋かな 睦花
8 通り雨浴びて艶めく松の芯 のりお
9 吊されし鈴なり粽あおきかな れいこ
10 神祝う法被姿や宵祭 水琴窟

2023年05月11日

1 サイダーにアイス浮かしてはしゃぐ母 えいじ
2 夏めくや庭で枝より蔓がのび 丹三
3 起きられぬ病室の窓雲は夏 丹三
4 ベランダの目高の鉢に十八夜 睦花
5 雷や居眠る我の息止まる 語后池
6 酔い渡るしましま光る初夏の夜 語后池
7 新緑や小窓開けたる鳥の声 リエ
8 夏の空マスク付けずに高笑い 水琴窟
9 波のごと吹かれ吹かれて春の蝶 のりお

2023年05月10日

1 囀やキャッチボールの若夫婦 えいじ
2 風もなくひとつばたごの花落花 えいじ
3 駅近の空地ひまわり皆で播く 丹三
4 草茂るわが庭猫の隠れ場所 丹三
5 青麦の穂波蹴立てて汽車走る リエ
6 花御堂お姿どこか恥ずかしげ リエ
7 蝶の宴菜の陰ひなた巡り舞う 語后池
8 薮奥に光り放てる真竹の子 睦花
9 鶯や静けき里に澄みし声 水琴窟
10 松の蕊空へ真っ直ぐ伸びにける 水琴窟
11 すげ解いて結びなおせぬ笹粽 れいこ
12 夏燕そこにはいつも妣がいた れいこ
13 リラ冷えや白さ際立つ時計台 のりお

2023年05月09日

1 かたばみの花に似合いの小庭かな えいじ
2 紫陽花や一輪先に色づきて 水琴窟
3 草茂る石垣の隙噴き出でて 水琴窟
4 蝶ひとつ又ふたつみつ畑を舞う 語后池
5 夜半の道灯りの如く白き薔薇 睦花
6 リラ咲いて夢見心地の乙女かな のりお

2023年05月08日

1 吾子の手に余る弓なりバナナかな えいじ
2 葉に残る雨滴がころり五月来る 語后池
3 傘立ての滴溢るる青嵐 睦花
4 病室の遠くにひかる若桜 さざえ
5 風いとい傘を傾げし五月雨 れいこ
6 たはむれに初蝶追ふや山の中 のりお

2023年05月07日

1 鯉のぼり片目見開き箱の中 えいじ
2 蛤や古代文字めく爪の痕 えいじ
3 半袖の二の腕白き立夏なる 睦花
4 降り出すや軒飛び出でり親燕 水琴窟
5 金色に薄葉瞬く若葉晴 語后池
6 夏めくや緑艶やかに光る雨 語后池
7 豆飯や塩加減よき母の味 文華
8 アスパラガスさくつと切れば山の香 のりお
9 やわらかき甘き一服祖父新茶 れいこ
10 春鳥や羽の曳き跡残しけり 水琴窟
11 接待の締めは女将の蜆汁 のりお
12 つやつやの日焼けしそうな柿若葉 れいこ

2023年05月06日

1 トランプの合わぬと泣くやこどもの日 えいじ
2 あかつきやまつわりながら春の鳥 えいじ
3 蚊遣り焚く茅葺きの家遺品展 水琴窟
4 風薫る木立の庭に猫一匹 丹三
5 揺れるよう母に駆ける子草茂る 丹三
6 日に風に瞬く若葉小枝の先 語后池
7 運休の船押し揺する南風強し 睦花
8 リビングの小さき骨箱春の果 のりお

2023年05月05日

1 新緑や楠の木陰の鬼ごっこ えいじ
2 カレンダーは風に傾き夏来る えいじ
3 四辻路の先を誘わる花蜜柑 睦花
4 外暑しロビーのテレビ誰も見ず 丹三
5 日盛りや親はテントで子らを見る 丹三
6 空高く青竹風に抗えり 水琴窟
7 木の臼を郵便受けに夏の庵 水琴窟
8 隠 り沼 の見え隠れする緋鯉かな れいこ

2023年05月04日

1 さざ波のひろがりながら田水張る えいじ
2 ティー挿せばティーグランドの落花かな えいじ
3 タンポポの種飛ぶ爺の足当たり 丹三
4 ぶたな咲く空地黄色に彩って 丹三
5 新緑や揺れ触れる葉のさざれ音 語后池
6 参道の一重も八重も花は葉に 水琴窟
7 鳶飛べり縦横無尽夏の浜 水琴窟
8 絹鞘の筋取る厨黙の時 睦花
9 鯉菓子の両手にあふれ子供の日 文華
10 幼児のつかまり立ちや風光る のりお
11 春日傘デビューの日差しやわらかし れいこ
12 翻る燕のごときワルツ舞う れいこ

2023年05月03日

1 アカシアの花房垂るる産業路 えいじ
2 靴底の泥や新緑峰走る 睦花
3 新緑やヤツデは緑また黄色 丹三
4 南風止んで飛行機小鳥現れる 丹三
5 山あいにぷかりと浮けり夏の海 水琴窟
6 全山に鴬の声賢治の碑 水琴窟
7 バーディーのガッツポーズや山笑う えいじ
8 草むらの暗きに熟れた蛇苺 れいこ
9 綿雲やぽっかり浮かぶ母の顔 れいこ

2023年05月02日

1 ビル街に太きけがきや夏つばめ えいじ
2 ダンサーの衣装いつでも夏衣 丹三
3 草茂るわが庭猫の昼寝場所 丹三
4 雨の中優雅に咲きし花菖蒲 文華
5 ビニールの筍泳ぐ帰路弾む 睦花
6 提灯に神田祭の太き文字 水琴窟
7 住職の木魚のテンポ目借時 のりお
8 ビルのなか万緑の河走りけり れいこ

2023年05月01日

1 照り返す夕日のなかを田水張る えいじ
2 メーデーや褪せし腕章抽斗に 睦花
3 夏めくやワイシャツ越しの日の強さ 丹三
4 救急車揃って休む薄暑かな 丹三
5 夏の浜空舞う鳶に見せぬ飯 水琴窟
6 春の夜遠き過去から来し写真 水琴窟
7 閑かなリオフィスの灯消え茶摘み頃 語后池
8 沿道を矢筈豌豆染めにけり れいこ

2023年04月30日

1 自転車のなびくポンチョや春驟雨 えいじ
2 砂礫浜昼顔の低く咲く 睦花
3 小手毬の千々に降り散り春は行く 水琴窟
4 蜜豆や江の電通る店の窓 水琴窟
5 風薫るブタナの黄色あちこちに 丹三
6 塀越しに見えるツツジは赤紫 丹三
7 真ん丸や夕日真似たか鴉の巣 のりお
8 まだ青き桑の実一つ手のひらに れいこ
9 一本のすくもに一羽子雀等 れいこ

2023年04月29日

1 ふくらみて目玉煌めく鯉のぼり えいじ
2 新緑の枝は隣家に延ばすまじ 丹三
3 コロナ明け同窓会のたより来る 丹三
4 南風江の島削る波頭 水琴窟
5 三十路の子にやり母出す兜かな 語后池
6 波乗りに被さる波や春嵐 睦花
7 新緑や風駆け抜ける吉屋邸 水琴窟
8 あえかなる松葉海蘭風薫 れいこ
9 一升餅背負つて立つ孫昭和の日 のりお

2023年04月28日

1 行く春や妻と向かいて苺パフェ えいじ
2 弓張りて星と向かへり春の月 水琴窟
3 竹の子や地割顔出す車庫の前 文華
4 草茂る大きな草は牛さんに 丹三
5 庭の木々それぞれ違う緑色 丹三
6 潮の香の虚空を仰ぐ残花かな 睦花
7 日に五本単線の駅春うらら 睦花
8 方方に眠れぬ呻り春嵐 語后池
9 軒下の隙間に並ぶ月見草 れいこ
10 虎杖や通ふ人無き獣道 のりお

2023年04月27日

1 波のごと道を埋めたる苜蓿 えいじ
2 チューリップ背な颯爽と初出勤 リエ
3 つつじ咲く薄紫に色づいて 丹三
4 チューリップ倒れる前に花咲かす 丹三
5 春疾風添え木と忍ぶ若銀杏 水琴窟
6 つばくらめ灯台めがけ上陸す 睦花
7 灯台の丘や昼寝す猫二匹 睦花
8 旭光の連翹灯る通学路 のりお
9 艶なるや染井吉野の桜色 のりお
10 台襟を両手で閉める春疾風 語后池
11 寝転んで足音せまる杉菜畑 れいこ
12 冠毛の夜風広がる朧かな れいこ

2023年04月26日

1 空青くひとつばたごの花あふる えいじ
2 山吹の黄に囲まれて本読む子 リエ
3 春の雨犬かっぱ着て走りけり 語后池
4 黒潮や春三日月の露天風呂 睦花
5 球を打つ前に落花を掃き寄せる 丹三
6 駅前のツツジも見ずに駆ける人 丹三
7 千の鯉はためく幼稚園の空 水琴窟
8 冠毛と白詰草のさわぐ朝 れいこ
9 己が吐く絹の館の繭いでし れいこ

2023年04月25日

1 耕人や手にある珠をひとつずつ えいじ
2 迷い込む燕に窓を開け放つ れいこ
3 翻り水面をかするつばくらめ れいこ
4 次々と水族館に燕来る 睦花
5 味酒の鈴鹿の峰や朧月 えいじ
6 水筒の残り少なし蝉時雨 水琴窟

2023年04月24日

1 十の字の切れ目入れたる夏蜜柑 えいじ
2 思ひ出はグラス片手に朧月 文華
3 明るさが目覚まし代わり夏の朝 丹三
4 藤の花散る日は掃いて草刈りも 丹三
5 破顔して値切る老嫗や苗木市 のりお
6 鳥雲や尾翼に迫る茜色 睦花

2023年04月23日

1 蟹半身籠よりいでて潮干狩 えいじ
2 ヤツデの葉小道を塞ぐ夏の朝 丹三
3 赤きバラ3輪あわせ咲きにけり 丹三
4 こそばゆく甘く香るや薔薇が咲く 語后池
5 酒蒸しの浅蜊三つとなりにけり えいじ
6 日めくりの三分減りたる四月尽 睦花
7 春愁や友の病む子の長電話 文華
8 後より耳もと掠るつばくらめ れいこ

2023年04月22日

1 春荒れに欅指揮する丘の上 えいじ
2 カジュマルの芽立ち期待し丸坊主 あさむ
3 夏帽子老い行く背中若く見せ 文華
4 春落葉庭木の枝に鳩が二羽 丹三
5 自治会の至急回覧きょう花見 丹三
6 凍帰る説明会のパイプ椅子 睦花
7 朝堀の山葵目にしむ勝手かな のりお
8 緑野に白の映えいる花水木 れいこ

2023年04月21日

1 てんとむし数えるうちに飛立ちぬ えいじ
2 春眠や遊びざかりの孫とじじ 文華
3 春暑し並木の陰は小さくて 丹三
4 我が庭の藤の花はや散り始め 丹三
5 芍薬や雄蕊ばかりに気をとらる 睦花
6 星の城桜花灯るや五稜郭 のりお
7 うす紅に敷き詰めし道さくら蕊 れいこ
8 芍薬の青空仰ぎ波打ちぬ 睦花

2023年04月20日

1 砂利踏めば熱田の杜の春落葉 えいじ
2 ジャスミンの香の結界や無人駅 睦花
3 行く春や木々は黄緑ふかみどり 丹三
4 晩春にすれ違う爺シャツ姿 丹三
5 雨音の浅きまどろみ朝寝かな れいこ

2023年04月19日

1 千年の大楠揺らし春疾風 えいじ
2 夏近しミニトマト苗スーパーに 丹三
3 四月尽富士山頂の白僅か 睦花
4 散り始め満天星つつじ枝に地に 丹三
5 あえかなるベビーシューズや春遊 のりお
6 河川敷刈り干し草の香をまとう れいこ

2023年04月18日

1 暁を飛行機雲や鳥帰る えいじ
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