みのる選:2017年度

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2017年12月22日

俳句作者
境内が迷路となりし年の市せいじ
裸木にとり囲まれし鏡池せいじ
冬日燦池塘の松にかげろひぬせいじ
下馬標深き落葉に埋もれけりせいじ
霜晴に凛と義太夫始祖の墓菜々
冬晴へ反る本堂の大甍菜々
これ何と問へば叱られ年の市菜々
営業中らしき茶室に冬灯たか子
似て非なる千体地蔵冬うららたか子
極楽の庭に千両万両とはく子
堂屋根に鳩の居並び日向ぼこはく子
冬鳥の極楽浄土なる寺苑宏虎
一穢なき空へ万朶や冬木の芽宏虎
一服す茶室の庭の実万両満天
冬うらら浄土の庭に点茶受く満天
裸木のグチョキパーと仁王立つ有香
寒あやめ玉の日和をことほげり有香
幾何模様なせる斎庭の枯木影明日香
天を突く裸木八岐の大蛇めくうつぎ
二等身地蔵冬日にうづくまる小袖
冬日燦輝く金の鯉の鰭やよい
仁王門影を正せる冬日かなよし子
枯木立水辺に影を正しけりわかば
(参加者16名)
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2017年11月21日

俳句作者
濃もみぢに染まるルルドの泉かなはく子
冬ぬくし祈りの小径もとほればはく子
碧天へ大王松の色変へずはく子
谷道のここだ打ち敷く木の実かなはく子
瞑想の森のベンチに日向ぼこはく子
聖堂のマリアに障子明かりかなうつぎ
縺れ飛ぶ蝶に見紛ふ散黄葉うつぎ
空青し青しと見れば鳥渡るうつぎ
神の庭天降るがごとき黄葉かなうつぎ
昼暗き祈りの道は紅葉坂せいじ
冬の蠅イエスの像のみ衣にせいじ
塵ひとつなき参磴に一葉落つせいじ
庭紅葉大王松の下照らすせいじ
二重丸もらへたやうな今日小春よし子
門前のイエスの像に小鳥来るよし子
ゴーギャンの色に染まりし庭紅葉よし子
真白なる聖母マリアに紅葉晴よし子
小春日のスポットライト小袖
十字架に空の青さや冬の晴小袖
冬の鯉池面のマリア像揺らぐ小袖
聖母像映しルルドの池澄めるたか子
ゴルゴダの丘模す山路紅葉影たか子
仰ぎ見る頬に触れもす散紅葉たか子
錦繍の祈りの小道たもとほりみどり
姫神を祀る社へ冬紅葉みどり
竹春の小径の洩れ日瑞々しみどり
支え棒されて古木の紅葉燃ゆかかし
孤高なる大王松や冬の晴かかし
覗き見る塀の死角に冬菜畑こすもす
たもとほる祈りの道の小春かなこすもす
黙想の家凛として白障子菜々
天からの書信のごとく木の葉散る菜々
冬日燦両手広げしイエス像満天
落葉積む祈りの道は渓深く満天
トラピストへと歩を運ぶ紅葉坂わかば
社殿いま昼を灯して神の留守わかば
一末社裏参道に年木積むよう子
な滑りそ仰向き歩く紅葉坂よう子
木洩れ日を踏みゆく山の落葉道明日香
ご受難のレリーフ見つつ落葉道ぽんこ
裏白の風にダンスをするごとく有香
(参加者17名)
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2017年10月17日

俳句作者
芝庭の落葉紛れに雀どちうつぎ
秋霖や残念石の濡れそぼつうつぎ
団栗の掛かりし蜘蛛の留守囲かなうつぎ
とび翔ちて雀とわかる庭落葉うつぎ
霧深しダム湖は隠沼のごとしせいじ
どんぐりを踏まねば行けぬ深山道せいじ
秋天へ祈るすがたの天使像せいじ
木の実落つ雨の石段な滑りそせいじ
雨だれが穿ちて池の水澄まずたか子
古民家の煙ひとすじ秋時雨たか子
総玻璃のビル秋霖に歪むごとたか子
茶室への小径は石蕗の花あかり満天
雨に耐へ皇帝ダリア花掲ぐ満天
庭園の曲水に沿ふ石蕗の花満天
水底に筏組むごと木の実敷くわかば
実むらさきしとどの雨に垂るるなりわかば
四囲紅葉して湖の藍深むわかば
すがれ虫残念石のうしろからかかし
五線譜をこぼるるごとく萩散りぬかかし
ほ句の秋句材求めて万歩計宏虎
園めぐるどの径行くも木の実路宏虎
薄紅葉水音高鳴る沢の道はく子
萩雨に伏して山路をせばめけりはく子
きのこ展実物見よと小雨中小袖
採れたるはみなこの辺てふきのこ展菜々
草紅葉石仏多き能勢の里有香
絨毯のごと木の実敷く森の道よう子
(参加者14名)
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2017年9月19日

俳句作者
四散して斑猫我を惑はしむせいじ
つくばひの水面に立ちし秋の風せいじ
小流れの岩間岩間に蛍草せいじ
せせらぎに和して合唱つくつくしせいじ
草の花森の洩れ日に笑むごとし菜々
歩を止む吾を虜とす群蜻蛉菜々
せせらぎへ枝垂れし一枝薄もみぢ菜々
御簾のごと萩の枝垂るる石畳よう子
こぼれ萩沙弥の箒に掃かれけりよう子
彼岸花延命橋の橋袂よう子
斑猫の出迎え多き山路かなわかば
秋の日を弾きて湖の藍深しわかば
石走る著き瀬音や秋山路わかば
ほろほろと連理の句碑にこぼれ萩うつぎ
豪勢な精進料理子規祀るうつぎ
磊々の汀を綴る彼岸花ぽんこ
道をしへ日の射す岩に玉びかりぽんこ
天辺は萌黄の風や竹の春たか子
朱の中に一茎白き彼岸花はく子
秋澄むや天使の像に日の燦と満天
蹲居に木賊の影の揺れやまず宏虎
法話聞きつつ句作しぬ彼岸寺有香
(参加者14名)
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2017年8月29日

俳句作者
ロープウエイ涼し樹海をひとまたぎ菜々
仏母寺の庭に数えて秋七草菜々
爽籟やオリーブの葉をひるがへし菜々
牧涼し吾を見る牛の目の澄みて菜々
礎は峠茶屋跡草紅葉菜々
爽やかや宝前砂紋乱れなし菜々
秋うらら牧に仔牛の保育園うつぎ
仏母へと灯明ゆらぐ堂清かうつぎ
行き着かぬ廃寺の路秋思憑くうつぎ
秋の雲へと高牧の馬柵のびるうつぎ
チーズ工場目指して牧を避暑散歩うつぎ
峰寺の白砂の庭の風は秋小袖
六甲の標高千の秋を聞く小袖
一湾を眼下に山のバス涼し小袖
新涼の牧のベンチに瞑想す小袖
雷激し車軸を流す雨となるよう子
少年の牧駈け上がる白い靴よう子
友の腕頼みにのぼる露の磴よう子
風抜ける鎮守の杜や豊の秋はく子
夕映えの川面をなぜる秋の風はく子
小流れの水面をなぞる枝垂れ萩わかば
水澄むや堰落つ水の音もまたわかば
カーブまたカーブ山上バス涼しこすもす
牧場のスタッフ腰に蚊遣香こすもす
一望の夕日輝く蕎麦の花宏虎
那智黒の小径を綴る秋海棠ぽんこ
夕映をきらきら返す秋の川満天
(参加者12名)
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2017年7月18日

俳句作者
万緑の嶺にゴンドラの見え隠れ明日香
幾つもの滝壺を経し瀞場かな明日香
万緑を洗ふ雨脚しるきかな明日香
滝壺の深淵魔物棲むならむ明日香
幽谷の岩間を裂きて滝落つるぽんこ
岩窪を高御座とす滝不動ぽんこ
遠雷の聞こゆ茶店に梅雨やどりぽんこ
岩襖晒すがごとく滝落つるぽんこ
布引の滝落ちてより瀞碧しうつぎ
雷神を呼びよせたるか飛滝神うつぎ
鼓滝とはいひがたし梅雨の滝うつぎ
眼福の現代アート館涼しせいじ
出し抜けの雨に四散す蝉つぶてせいじ
緑雨かな塵ひとつなき石畳せいじ
滝壺の際立つ白と深緑たか子
一条にはた二条にと滝落つるたか子
滝壺を見せぬ樹林の深緑たか子
煤こけて蝋涙しるき滝不動わかば
大岩の奈落に響く鼓滝わかば
一瀑布樹間隠れに轟きぬわかば
滝道の一歩に涼し沢の音小袖
滝茶屋の窓に古びし登山靴小袖
水晶の杯翳すごと大噴水菜々
川跨ぐホームに佇てば風涼し菜々
夏つばめグランドゴルフ囃すかにこすもす
安寧の風通ひくる滝不動なおこ
松籟の涼しといゆく川堤はく子
大滝のマイナスイオン深呼吸宏虎
一陣の滝風木々を揺らしけり有香
乗換のホームの長し駅薄暑よう子
(参加者15名)
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2017年6月21日

俳句作者
羊歯涼し森の洩れ日をうち煽ぎはく子
せせらぎに沿ひてカラフル七変化はく子
蝶縺れつつ木洩れ日に紛れけりはく子
人声に泥かぐらたて蝌蚪消ゆるはく子
蜂猪に注意と札や登山道はく子
乱舞せる水輪と見ればあめんぼううつぎ
大蒜の棒のごとくに茎立ちぬうつぎ
空谷のなぞへを埋む羊歯涼しうつぎ
漣の生れては消ゆる池涼しうつぎ
空梅雨や河原は石の庭のごとせいじ
せせらぎに和して四葩の毬揺るるせいじ
友の手を杖と頼みて避暑散歩せいじ
木洩れ日と戯るるごと羊歯涼しせいじ
逍遥す森に序破急青葉風ぽんこ
エンゼルを囲みて園の薔薇香るぽんこ
日矢こぼれ落つ群落の羊歯涼しぽんこ
小蘭亭青葉隠れに飛簷かなぽんこ
展けたたるダム湖に望む青嶺かなわかば
谷川の磊々洗ふ音涼しわかば
風あそぶ羊歯群落の目に涼しわかば
倒木を沈めて山湖澄めりけりわかば
渓あぢさゐ木々の漏れ日に色深め菜々
筆洗ひ池へ傾く花擬宝珠菜々
せせらぎへ枝うち重ね若楓菜々
登山道譲りあひては相会釈有香
山の影映して青田昏れなんと有香
晩鐘のごとくに峡の遠蛙有香
なだれうつ羊歯の群落夏木立明日香
茶室への径擬宝珠の花明かり明日香
楊梅の味見などして吟行すこすもす
老鶯の声が歓迎深山路こすもす
清流の畔はことに濃紫陽花小袖
水漬く枝の先は蜻蛉の休み処小袖
一茎に二三は白し半夏生たか子
病葉を沈めて澱む山湖かなたか子
山峡を縫ひ七曲りバス涼し宏虎
緑化園奥へ奥へと青葉満つ宏虎
走り根に足なとられそ木下闇よう子
亀の首遠見するごと梅雨晴間よう子
寄りあふて頭突きす風の葱坊主よし子
(参加者16名)
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2017年5月16日

俳句作者
椋鳥らかくれんぼせる苜蓿うつぎ
園丁ら横一列に草を引くうつぎ
川風に高舞ひもして蝶遊ぶうつぎ
草笛を吹き休憩の合図とすうつぎ
水難碑訪へば裏から雨蛙うつぎ
水飲場はとが占領園薄暑せいじ
バス停によき影落とす楠若葉せいじ
疲れ見ゆ昨日の薔薇と今日の薔薇せいじ
たもとほる猪名堤草芳しき菜々
若葉していよよ明るき楡の天菜々
膝ついて侍者のごとくに薔薇手入れ菜々
野の草をあれこれ摘みつおしゃべりす満天
慰霊碑へ千手を翳す楠若葉満天
車椅子みんな笑顔や薔薇の園満天
バラの園犬づれ子づれ車椅子明日香
草笛を鳴らし先導吟行子明日香
薔薇百花繚乱の園たもとほるはく子
野に遊ぶ名草醜草隔てなくはく子
一斉に駆け出す風の竹落葉有香
天降るごと浴びる新緑鳥語また有香
喬木のグリーンシャワーや風薫るわかば
緑陰におしゃべりしつつバスを待つわかば
ひたすらに薔薇に顔寄す車椅子ぽんこ
草の秀をのぼりつめたる天道虫ぽんこ
(参加者12名)
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2017年4月18日

俳句作者
黒雲を押上げ六甲山笑ふ菜々
夙川のなぞへに傾ぎ緑立つ菜々
堰落つる水に揉まるる落花かな菜々
川堤海へまつすぐ風光る菜々
鎮魂の童像たつ花は葉に満天
花吹雪いまし特急通過中満天
花の道抜けて海坂一望に満天
園児らの双手をあげし花吹雪満天
園までの道に迷ひし薄暑かなせいじ
園統ぶるメタセコイアの芽吹きかなせいじ
公園の樹間を埋む八重桜せいじ
ジョギングの歩を緩めたる花の径よし子
急流に足早となる花筏よし子
昨夜の風公園中を花畳よし子
一頭の蝶の紛れし花吹雪うつぎ
飛びきては落花畳を乱す鳩うつぎ
一叢の著莪に歩をとむ散歩かな小袖
園庭の花の遅速にめぐりけり小袖
桜蘂つもる坂道な滑りそこすもす
桜蕊混じる玉砂利踏めりけりこすもす
一陣の風四阿へ花吹雪よう子
雨ふふみ伏し目がちなる八重桜よう子
園めぐるどの径も草芳しき宏虎
老幹の洞に嵩なす春落葉ぽんこ
手をつなぐ試歩の二人に花万朶有香
花屑を虜としたる潦わかば
(参加者13名)
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2017年3月21日

俳句作者
裸木の珠と散りばむ雨雫うつぎ
立浪のごとくに丘の梅白しうつぎ
鎖樋せせらぎの楽春の雨うつぎ
春雨の珠こぼれ落つ鎖樋うつぎ
梅が枝の蕾に紛る雨滴せいじ
春の雨彩色しるき多宝塔せいじ
佇めば珊瑚礁めく梅の丘せいじ
春雨のリズム生まるる鎖樋小袖
朱の門の一歩に園の梅香る小袖
白梅のなだれ咲く丘匂ひけり小袖
亡き友の思ひ出語り梅探る菜々
あたたかや水子地蔵は供華囲ひ菜々
梅真白石の櫃の門へかざし菜々
紅白の梅綾なして丘埋むはく子
芽吹き初む枝に雨粒滂沱なるはく子
花あせび雨滴に鈴を落しさうはく子
梅の丘読経を流すスピーカーこすもす
Vサインしてもの芽出づ汀かなこすもす
梅林の雨のベンチは役立たずたか子
閻王と目の合ひてより春愁ふたか子
堅く閉じ雨を拒みし椿かななおこ
参磴を春雨傘の登りくるなおこ
適適と春の雨音くさり樋宏虎
梅林の奈落に響く読経かなぽんこ
満開の梅林迷路めきにけりよう子
楼門の甍を濡らす春の雨よし子
石棺へ雨の羨道春寒し満天
石窟の羨道暗く菜種梅雨わかば
(参加者16名)
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2017年3月21日

俳句作者
裸木の珠と散りばむ雨雫うつぎ
立浪のごとくに丘の梅白しうつぎ
鎖樋せせらぎの楽春の雨うつぎ
春雨の珠こぼれ落つ鎖樋うつぎ
梅が枝の蕾に紛る雨滴せいじ
春の雨彩色しるき多宝塔せいじ
佇めば珊瑚礁めく梅の丘せいじ
春雨のリズム生まるる鎖樋小袖
朱の門の一歩に園の梅香る小袖
白梅のなだれ咲く丘匂ひけり小袖
亡き友の思ひ出語り梅探る菜々
あたたかや水子地蔵は供華囲ひ菜々
梅真白石の櫃の門へかざし菜々
紅白の梅綾なして丘埋むはく子
芽吹き初む枝に雨粒滂沱なるはく子
花あせび雨滴に鈴を落しさうはく子
梅の丘読経を流すスピーカーこすもす
Vサインしてもの芽出づ汀かなこすもす
梅林の雨のベンチは役立たずたか子
閻王と目の合ひてより春愁ふたか子
堅く閉じ雨を拒みし椿かななおこ
参磴を春雨傘の登りくるなおこ
適適と春の雨音くさり樋宏虎
梅林の奈落に響く読経かなぽんこ
満開の梅林迷路めきにけりよう子
楼門の甍を濡らす春の雨よし子
石棺へ雨の羨道春寒し満天
石窟の羨道暗く菜種梅雨わかば
(参加者16名)
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2017年2月21日

俳句作者
ピエタ像篭に野の花溢れしめはく子
尖塔を過るま白き春の雲はく子
堂に満つオルガンの音の温かしはく子
彩窓を貫く春日木椅子へとはく子
桜の枝川面へなだれ芽吹きけりはく子
磔像の胸に一条春日さすうつぎ
真紅なる聖體ランプ四旬節うつぎ
白マスクして賛美歌を弾く乙女うつぎ
うららかや案内の司祭唄ひだすうつぎ
春愁やピエタの像に佇ちてよりわかば
照り翳りなす彩窓の春日かなわかば
尖塔の十字架光る春の天わかば
聖堂の木椅子の堅さ春寒しかかし
聖堂の車椅子席春日燦かかし
手を堅く組みて祈れば悴まずせいじ
尖塔のクルス仰げば風花すせいじ
草萌えに立ちし震禍のモニュメント菜々
手づくりの命のしをり温かし菜々
静粛の札立てし堂冴返るひかり
彩窓に透きて揺らげる枯木影ひかり
蒼天へ尖るクルスに風光る満天
白梅の奥にルルドの聖母像満天
梅ま白ルルドの聖母像もまたよう子
接収を逃れしカリオン復活祭よう子
瑕のあるチャペルの木椅子春寒しよし子
絵硝子の堂に綾なす春日影よし子
教会の庭のものの芽存問す小袖
電車混む肩に淡雪のる人もこすもす
聖塔の余寒の空へ尖りけり宏虎
(参加者17名)
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2017年1月17日

俳句作者
鴨の陣俄に乱れ小競りあひ明日香
鴨の陣つかず離れず進みけり明日香
鈍色の空裂けて洩る冬日かな明日香
飛び石をエイと気合で初渡り明日香
対岸の句友と交はす御慶かなせいじ
地すべりの跡地に芽吹く柳かなせいじ
梅ふふむ震災復興なりし町せいじ
一穢なきみ空に阪神忌を悼むせいじ
楝の実ミルクキャンデー散らすごとなおこ
口笛を吹けばこち向く日向鴨なおこ
奏で初む待春の川見て飽かずなおこ
冬日燦池はダイヤの漣すなおこ
欄四温水かげらふを見て飽かず小袖
あふちの実万朶の小鈴散らすごと小袖
そここに小枝の刎ねる雪解かな小袖
地すべりの震禍の跡地冴返る菜々
冬萌に仁川の奏でそめにけり菜々
飛び翔つも阿吽の呼吸番鴨菜々
磊々はみな丸き石水温むうつぎ
鵜に追はれ汀へ退避日向鴨うつぎ
身に入むや震災資料館を出てたか子
吟行の寒しカフェーへエスケープたか子
大池に伝はる神話鴨群るるぽんこ
強風にちぎれちぎるるどんどの火ぽんこ
高台に立つ慰霊碑や阪神忌満天
青空を支ふるごとし辛夷の芽満天
自づから序列をなして鴨進む有香
初雪がどか雪となり屋根悲鳴有香
梢より洩るる鳥語や春隣わかば
コロニーを棲み分く鷺と汀鴨わかば
絵灯篭みな手作りや阪神忌はく子
風神の一と吹きに揺るとんどの火ひかり
阪神忌未明の闇に祈りけりよう子
(参加者16名)
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