みのる選:2015年度

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2015年12月15日

(参加者14名)

俳句作者
千体地蔵彩とりどりの毛糸帽ぽんこ
普賢菩薩像の慈顔や冬温しぽんこ
着ぶくれて押すな押すなのバーゲンへぽんこ
名苑の辞するに惜しき冬紅葉宏虎
四阿の固き木椅子や冬ざるる宏虎
暗き堂出て目潰しの冬日燦せいじ
砂庭に濃ゆき堂影冬日向せいじ
姿よき松を映して池小春よし子
超高層ビル影揺らぐ池小春よし子
実千両灯す庭隅茶筅塚満天
日向ぼこ腰痛封じの石に座し満天
出揃ひて亀日向ぼこ石舞台わかば
あひ互ひ息災祈り年忘れわかば
白壁を映す林泉櫨もみぢよう子
池の面に声を落として鴨翔ちぬよう子
冬うらら賓頭盧天のぴかぴかと明日香
散紅葉仏足石にとどまりぬ明日香
冬あやめ茶室へ凛と裾さばき菜々
寺小春廻して軽きマニ車菜々
落葉踏む池泉の庭をたもとほり小袖
義士祭の名残の寺や子守柿小袖
積木めくアベノハルカス秋天下うつぎ
うろこ雲貫かんとす摩天楼有香
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2015年11月18日

(参加者11名)

俳句作者
広芝へ黄落やまぬ大樹かなわかば
せせらぎを覆ひ彩なす紅葉かなわかば
綿虫の着床したる水際かなわかば
山荘へなだるるごとく山紅葉わかば
蘭亭の飛簷掠めて紅葉散るわかば
冬木立羊歯群落を褥とすわかば
那智黒の玉石るるとしぐれけり菜々
大岩を砦としたる冬の池菜々
鈍色の空へ溶けさふ冬桜菜々
曇天に斯く清楚なる冬桜満天
山荘へ誘ふ石蕗の小径かな満天
十字塚風化の面に冬日差小袖
登りきし展望台は薄原小袖
お茶室の耳門に一歩冬紅葉よし子
ちんまりと肩寄す地蔵草紅葉よし子
嵩なしてせせらぎを塞く落葉かな宏虎
温室の屋根に嵩なす落葉かなこすもす
山荘の蒼天焦がす照紅葉んぽんこ
ブロアーの風に従う落葉かな明日香
木洩れ日の斑を敷く径に石蕗黄なりひかり
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2015年10月20日

(参加者11名)

俳句作者
叢林の磐座に佇ち秋惜しむわかば
秋さぶや触るれば動く力石わかば
音立てて木の実弾ける石畳わかば
叢林の裂け目に覗く天高しわかば
秋日さす杜抽んでし甑岩わかば
甑岩めぐり祈願や秋天下ひかり
朱柱のさはにまぶしき宮小春ひかり
叢林をもとほりをれば残る虫ひかり
宮小春誰も彼も撫づ力石ひかり
磐石に座して動かぬ秋の人せいじ
大杉をうち仰ぐ天高きかなせいじ
参道の木洩れ日縫ひて秋惜しむせいじ
走り根にな躓きそ落葉径宏虎
天辺に彩づく紅葉砂防ダム宏虎
菊の賀や百寿ことほぐ初句集かかし
破れ柘榴ムンクの叫ぶごと落下かかし
参道のここだ木の実や踏むまじく菜々
立札に神水六讃杜さやか菜々
セコイアを門柱として天高し満天
秋日和鳥居くぐれば力石満天
神の磐撫ぜて秋思をうべなひぬ小袖
神の磐割れ目に宿す草紅葉小袖
昼暗き神の樹林や小鳥来る明日香
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2015年9月15日

(加者15名)

俳句作者
秋愁や撫でるばかりの力石うつぎ
うららかや宮に犬用手水鉢うつぎ
色鳥来千木より高き神の杜うつぎ
力石少し離れて蟻の道うつぎ
拝殿へ磴高飛びに道をしへうつぎ
そこここに漣駈けて池さやか明日香
色変へぬ松の根方に力石明日香
浮御堂水かぎろひて池さやか明日香
金秋の葉洩れ日を浴ぶ力石菜々
玉垣の外にささゆれ萩紅し菜々
水引草即位記念の碑ほとりに菜々
連山の稜線著き秋の晴わかば
秋茜湧く境内や力石わかば
秋天へ緑青の千木尖りけりわかば
青天の宮わがものと秋あかねひかり
釣果などどうでもよろし池小春ひかり
小春日の池塘太公望が占むよし子
神の木の枝のそよぎも秋の声よし子
爽涼や池に浮きたる四阿に満天
秋蝶のつかずはなれず力石満天
みころもに露したたりぬ磨崖仏宏虎
池の面駈けてはもどる秋の風宏虎
この庭のもみぢ愛でよと野点傘ぽんこ
樹下さやか謂れ札たつ力石ぽんこ
海光に黄金波の棚田かなえむ
稲の香をまとふ農夫や里のバスえむ
投句箱溢れんばかり獺祭忌かかし
奥池の面に谺すつくつくしせいじ
道をしへ大ジャンプして急かせけり小袖
太公望女も紛る池小春有香
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2015年8月18日

(加者15名)

俳句作者
秋水の高鳴る峡の奈落かなわかば
秋めくや山路に昨夜の出水後わかば
法師蝉四囲にしば啼く山湖かなわかば
新涼や谷川の水高鳴りてわかば
御目伏す石の地蔵へ法師蝉菜々
かなかなの輪唱に覚む旅の宿菜々
今生の声ふり絞り秋の蝉菜々
松籟に夙川堤の秋を聞く菜々
縮緬波たたみにたたむ池涼しひかり
彩窓を貫く秋日濃かりけりひかり
対岸に佇つは句仇秋澄めるひかり
道をしへユーターンとは何ごとぞひかり
吾が影に蛙とびこむ手水鉢ぽんこ
岨道を急かせるごとく法師蝉ぽんこ
山湖いま色なき風の渡りけりぽんこ
斑猫に道ゆずらるる吟行子ぽんこ
猪母子現れて行厨大騒ぎこすもす
道をしへ忍者の如く失せにけりこすもす
筒抜けの原爆ドーム鰯雲宏虎
秋暑しバスの隣席太鼓腹宏虎
蝉しぐれ枯山水に静ごころよし子
ラムネ壜桶に犇めく峠茶屋よし子
物干しに色とりどりの浮輪かなえむ
突堤に魚の匂ひや秋暑しえむ
ひまわりに負けじと笑顔写真撮るよう子
大の字に亀浮きて池澄めりけりつくし
名水と標す井の中あめんぼうかかし
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2015年7月21日

(加者16名)

俳句作者
白鷺を毳立てゝ過ぐ青田風うつぎ
樹下涼しマンモグラフィー検診車うつぎ
夕焼にひとり降りたつ島のバスうつぎ
ドライミスト降らす天窓日の盛りうつぎ
夙川堤いゆくかぎりに蝉時雨菜々
風薫る延命地蔵に供花あまた菜々
葦の間に鼻筋たてて鷭現るゝ菜々
水脈に水脈重ねて涼し夫婦鴨菜々
水墨の一幅めきて滝涼し宏虎
日の匂ふ地産のトマトまるがじり宏虎
走り根に褥と積みし夏落葉宏虎
さながらに寂光浄土蓮の池宏虎
緑陰の古社に一礼園児どち小袖
夏空を射抜かんと立つ天狗杉小袖
網逃れては高舞へる揚羽蝶小袖
句碑めぐる神苑の杜蝉時雨よし子
浜に散るラジオ体操海開きよし子
フレンチの店の天窓青葉揺る明日香
鮎の瀬の等間隔に竿並ぶ明日香
蒲の穂の揺らぐは鯉の仕業かなわかば
蒲の穂の揺れて薄ら日はじきをりわかば
吟行に誘ひの電話梅雨明くるよう子
あるはずの豆腐を探す冷蔵庫よう子
涼風の通ふ四阿去りがたくひかり
蝉時雨ぱたりと止みし亭午かなひかり
なで肩の女塚たつ木下闇せいじ
万緑の山に傾く電車かな満天
航跡の縦横無尽瀬戸涼しえむ
長蛇なす貨物列車の暑さかなぽんこ
公園の柵に夏帽忘れものこすもす
牛蛙一と声句座の和みけり有香
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2015年6月16日

(加者17名)

俳句作者
根上りのよき手摺なす登山道うつぎ
滝音の間遠となりて鳥語聞くうつぎ
急流もなにするものぞあめんぼううつぎ
茶屋涼し瀬音に和して鳥語降るうつぎ
燭一つ不動尊へと梅雨の闇うつぎ
滝道に沿ひてせせらぎ呂に律に菜々
滝しぶき白銀となる岩襖菜々
梅雨じめりして護摩堂の注連古りし菜々
滝茶屋の昼を灯してなほ暗し菜々
滝しぶき羊歯群落の揺れやまずはく子
男滝あり女滝は木の間がくれかなはく子
赤銅の岩をさ走る滝白しはく子
懸崖をのりだし仰ぐ滝頭せいじ
左折れ右折しては滝落つるせいじ
緑苔をまとひし樹々や滝の道せいじ
白布うち広げしごとく滝落つるひかり
滝しぶくま近に句帳開きけりひかり
立ち仰ぐ樹間の奥に女滝ありぽんこ
滴りの岩に目をむく不動尊ぽんこ
古しまま開かずの祠黴にほふ明日香
木隠れにくの字に落つる女滝かな明日香
大木の根方を埋む濃紫陽花つくし
梅雨の滝古き祠にしぶきけり宏虎
梅花藻の流れに添ひて水涼しよし子
六甲へ矢印の立つ滝の道こすもす
瀬の風に定家葛の匂ひけり有香
良寛の臨書に挑む夏座敷かかし
滝音に佇てばストレス消えにけり満天
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2015年5月19日

(加者14名)

俳句作者
瀬しぶきや花十薬の群落に菜々
バルコニー石の柱に薔薇攀じる菜々
山覆ふ靄にまぎるゝ花樗菜々
泉石をつゞりつゞりて糸とんぼ菜々
お茶室へ野草の小径風薫る菜々
万緑へ蘭亭の簷いよよ反る菜々
昨夜の雨ためて輝く薔薇百花わかば
溪川の響く奈落の緑濃しわかば
五月晴苑は百花の香に満つるわかば
夏霧の覆ひつくして山見えずわかば
一枚は幼稚園児の田植かなかかし
緑さす手話の会話の指先にかかし
若葉風太極拳の深呼吸かかし
昼憩ふ白つめ草の起伏野に小袖
那智黒の敷石濡らす青葉雨小袖
緑化園青葉若葉にたもとほり小袖
若楓覆ふ奈落の瀬音かな宏虎
昨夜雨に高鳴る瀬音若楓宏虎
万緑を突く蘭亭の簷牙かな満天
三角の屋根そのままに蔦茂る満天
河骨と顔つきあはす吟行子よう子
バス停によき陰落とす緑樹かなよう子
耳朶涼し水琴窟の筒に添ふひかり
山拓く自然公園百千鳥ひかり
薔薇の園羽ひろげたる天使像ぽんこ
尺取の一人をどりす糸の先有香
茶室窓昼なほ暗き緑雨かなよし子
耳当てる水琴窟の音涼し明日香
日焼して除染を担ふ男どちせいじ
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2015年4月19日

(加者12名)

俳句作者
高欄に高鳴る瀬音夏近し菜々
筆洗池の面染む新樹陰菜々
夏近し山湖は碧き水湛へ菜々
山つつじ映して山湖藍深む菜々
春惜しむ百花百草めぐる園菜々
若楓さざめく影や石畳菜々
風光る山湖を駈けるさざ波に満天
掛軸の達筆読めず春憂ふ満天
うぐひすの声が誘ふ深山道満天
穀雨得て園の百花の目覚めけり満天
さざなみのごとくに風の若楓小袖
奥池へ辿る山路の風さやか小袖
岨の道猪垣の扉の押せば開く小袖
小さき錠鎖されし茶室青葉闇小袖
急磴に腰を伸ばせば山笑ふぽんこ
飛簷へと風に高舞ふ落花かなぽんこ
つくばひに良き影落とす若楓ぽんこ
右左つつじを愛でる岨の道ぽんこ
石楠花の山へと続く茶庭かなわかば
うぐひすのしきり山湖に谺してわかば
木隠れに淡き彩さす山躑躅わかば
若葉愛で立ち去りがたき茶庭かな宏虎
繚乱の百花に園の春惜しむ宏虎
水草生ふ鯉悠々と影連れて宏虎
池鏡白く映ゆるは新樹影こすもす
石畳隈なく埋む桜しべこすもす
杉美林樹間に透ける山つつじこすもす
若楓山湖に影の揺れやまず有香
桜蕊積む蘭亭の飛簷かなよう子
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2015年3月17日

(加者15名)

俳句作者
朱の欄に佇ちて一望梅の丘ひかり
梅日和観音映す鏡池
泥水に足なとられそ蓮植うる
白梅の枝に透きたる空真青
逍遥すなぞへの径は梅盛り
遠足の子らのリュックがベンチ占む
彩窓を貫く春日堂に満つぽんこ
春塵や五百羅漢の怒り顔
石櫃羨道深く滴れる
閻王の大きまなこや春埃
観音の御手指す丘の梅万朶
紅白を咲き分く梅に人だかり明日香
節くれし老幹なれど梅真白
春塵や仁王の掌にも生命線
つばくらめ一閃二閃空ま青宏虎
紺碧の空に溶けこむ梅真白
大砲のレンズ向けられ梅盛るせいじ
梅林の小道を塞ぐカメラマン
あたたかや撫牛なでて吉願ふよし子
六甲の嶺々まろやかに笑ひそむ
風船売る露天に一つだつこちゃんうつぎ
伽羅蕗を買ひもす荒神詣でかな
参道の露店を梯子春うららよう子
落椿結界なせる禊橋
草団子並ぶ参道寄り道すわかば
白梅の影くつきりと鏡池
門入りて仰ぐ天守に風光る満天
クリスタルビル春空に溶け込みし
草萌ゆる利休産湯と標す井にかかし
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2015年2月17日

(加者15名)

俳句作者
鈴生りの願いの絵馬に梅固しよし子
紅梅の一枝挿されし吉野窓よし子
愛のチョコ八十路の夢を膨らますよし子
なで肩をずり落ちさうや春ショールよし子
苑めぐる北枝の梅はまだ固しせいじ
梅が枝の雨滴に太る蕾かなせいじ
池の面襞あちこちす四温かなせいじ
春雨に濡るる宝塔丹のしるきせいじ
閻王の鏡曇らす春埃うつぎ
ちらほらの人出に苑の梅固しうつぎ
音の無き堂のさざめき涅槃変うつぎ
涅槃図に濁世の雨の募りけりうつぎ
涅槃図の蛇はとぐろを解きて哭く菜々
春光に尖る宝珠の九輪かな菜々
囀りへお耳ふくよか観世音菜々
観音へ七折れ八折れ芽木の坂菜々
石室へ暗き羨道春寒し満天
梅園の歌碑に屯す吟行子満天
雨雫溜めて犇めく万朶の芽わかば
春時雨苔まみれなる石塔にわかば
瀬の楽と鳥語とが和す早春譜こすもす
早春の風にはためく五色幕こすもす
のどけしや参道の店ジプシーしひかり
雪解水集め高鳴る瀬音かなひかり
老幹の梅一輪に力満つかかし
室の花水子地蔵に溢れけり明日香
うどん屋の湯気に足向く梅味かなよう子
お御足にすがる老婆や涅槃変有香
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2015年1月20日

(加者17名)

俳句作者
誓子句碑冬日の漏るる樹下ここにわかば
大鳥居高きを仰ぐ淑気かなわかば
着脹れて狭きベンチに割り込みぬわかば
御社の裏山はまだ春遠しわかば
枝絡む日に数多なる冬芽かなわかば
カラヤンのごと髪乱す春疾風せいじ
まず一礼して門くぐる初社せいじ
裏山へ誘ふ道は春隣せいじ
走り根にな躓きそ初社せいじ
みつばつつぢ杜の四温にちらほらと菜々
二の腕にはたちの気迫弓始菜々
冬帝へ真白き鳥居高々と菜々
山下りくる川筋に風光るうつぎ
火の粉撒きとんどやぐらの崩れ伏すうつぎ
百枚の棚田を統べて大とんどうつぎ
骨太の墨をどりだす吉書揚かかし
花丸の干支の字をどる吉書揚かかし
祝詞読む神官の声冴えわたるつくし
神の杜広し嵩なす松落葉つくし
犬好きの会話果てなき日向ぼこひかり
冬日燦レンガ造りの尖塔にひかり
凍て道に立ち往生す老二人よう子
無人市あれば寄り道踏青子よう子
ぜんざいを食べておしゃべり女正月宏虎
寒日向揃ひ踏みする宮の鳩宏虎
御手洗の一杓口へ寒の水満天
親子句碑梢もる日のあたたかし満天
また爆ぜてとんどの前を去りがたく小袖
宮庭に吾とすずめと日向ぼこよし子
初夢の友達はみな中学生こすもす
堆き裏参道の落葉踏む明日香
春の日に千木の輝く大社かなぽんこ
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