吟行句会みのる選・2013年

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2013年11月27日

箕面公園 参加者13名

木洩れ日に煌めき落つる紅葉ありわかば
千本といふ満目の谿紅葉
倒木の谷へなだるる冬木立
切り岸に炎のごとき紅葉かな
紅葉宿文豪来しを誇りとすうつぎ
石龕の小さき弥勒に紅葉影
紅葉影瓔珞となす弁財天
寺小春仏足石に日の温み
幾度も振り返り見る紅葉山ひかり
玉の日の参道に満つ紅葉寺
小春日の径はハイカー銀座かな
落葉敷くヘヤピンカーブ恐れけり小袖
寒の水浴びせて祈る不動尊
母苞へ艶めくもみぢ拾ひけり
もみぢ影さす川の淵魚影濃しせいじ
せせらぎは癒しの楽や紅葉峡
奈落より見上ぐる峡の照り紅葉
仰ぎ見るバルーンのような紅葉山有香
弁天の胸に色射す紅葉影
峡の日を空に散らして照紅葉よし子
紅葉影さす沢水を掬ひけり
紅葉枝の八重垣なして谷深しきづな
寒禽の鋭声を浴びて深山路
紅葉谿へと全開す茶屋の窓菜々
紅葉冷茶屋にあつあつコーヒー飲む
紅葉山登るシースルーエレベーター満天
紅葉山パノラマとなるカフェテラス
小春の日瑞雲橋の擬宝珠に宏虎
照紅葉天蓋なせるカフェテラスはく子
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2013年10月23日

神戸異人館通 参加者13名

秋雨に彩深めゆく里山路わかば
秋霖の石畳踏む北野坂
一望の港は指呼の霧の中
カラフルな時雨傘行く北野坂百合
秋思否ベンチでひとり推敲す
一陣の風に耀ふ花芒
秋灯下おもちゃの木馬歩きそう菜々
秋しぐれ街灯灯る北野坂
木守柿築一世紀てふ異人館
身じろがず秋雨そぼつ風見鶏満天
蔦覆ふ珈琲館の昼灯
震災に落ちし煙突身にぞ入む
レトロなる時計の音や秋灯下宏虎
宮うらら英語韓語の絵馬混じる
トランペット吹いてる像に秋しぐれつくし
街灯の灯る北野の時雨坂
小鳥来る庭の要の大楠へきづな
異人館板の間光る秋灯し
秋霖に濡れて無聊や風見鶏ひかり
新蕎麦や看板なせる大水車ぽんこ
石畳濡れて北野の秋しぐれよし子
秋闌けて喫茶に一打古時計小袖
宮うらら叶ひ恋絵馬連綿とはく子
蔦紅葉覆ふ老舗の珈琲館
秋の雨震禍のままに残る庭
秋うらら焼き立てパンの匂ふ路地
秋霖に楽士の像の濡れそぼつ
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2013年10月15日

能勢吉川界隈 参加者11名

秋深し岨みち果つる捨て棚田雅流
猪罠の傾ぎしままに冬ざるる
豊の秋神の杜より笛太鼓
爽やかや湯立ての巫女の白衣裳
ふるまひの神酒一献新走よし子
秋高し湯立神事の湯煙に
石仏の土台となりて蔦紅葉
遊女宿てふ廃屋の柿たわわ公子
鵙高音養護ホームの裏山に
里山にひびく太鼓や秋祭
丁目石半分沈む落葉嵩小袖
みなし栗けどばしもして山路ゆく
爽やかに鈴振る巫女は幼な顔
天辺の棚田の跡は芒原ひかり
さはやかや神楽の舞の鈴の音
秋草の名を教はりつ吟行す
隠沼いづくともなく秋の蝶うつぎ
村まつり主役は稚児の巫女袴
おごそかや湯立の釜に今年米有香
行厨の楽し野菊の咲く丘に
北限の椎の杜とや村祭りともえ
もみを焼く煙の匂ふ里山路えつ子
立ちのぼる谷戸の煙に秋惜しむよう子
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2013年9月25日

奈良公園 参加者12名

秋の空めざして登る若草山きづな
そこここに木の実散らばる春日道
遠望の大和三山豊の秋
法師蝉かけあひで啼く下向道
薄原若草山の天辺にわかば
秋天へ飛簷重ねて五重塔
きちきちや若草山を斜滑降
唐風の御堂の屋根に小鳥来るつくし
松が枝に透ける九輪や秋の晴
秋思あり発掘調査穴数多
天平の衣裳のガイド古都の秋ひかり
参道の秋日に傾ぐ灯籠かな
澄む水を一擲したる鷺の嘴
鰯雲若草山を覆いけり菜々
玉砂利に紛れ散らばる木の実かな
色変へぬ松を裳階に五重塔
風の萩乱れに乱れ磴隠す宏虎
ささやきの小径に恋の鹿屯こすもす
神苑に角突き合はす奈良の鹿
秋雲の白さの映ゆる鏡池ぽんこ
頭突きせる角を切られし鹿二頭せいじ
秋日濃し直哉旧居の蔀戸に満天
秋天下若草山のまろしかなはく子
鹿老いて神の大樹を拠りどとす
色変へぬ松の傾く大鳥居
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2013年6月19日

川西郷土館 参加者17名

趣をたがへ庭石梅雨に濡る小袖
小祠の母屋に向きて坪涼し
蛇の目傘借りて愉しき梅雨の宿
端居して風にまどろむ旅二日なつき
古時計鳴る梅雨暗き異人館
旅荷解く気になるまでの端居かな
風通ふこの縁涼し推敲すきづな
ぴかぴかの広縁に映ゆ緑かな
鎖されたる土蔵の鉄扉梅雨湿りせいじ
樋落つる水の音きく緑雨かな
坪庭を要としたる廊涼し菜々
土間涼し二つ並びておくどさん
暮れなづむ里山栗の花あかりはく子
中の間のランプの古色葭戸透く
襖絵の吉祥天女衣涼しつくし
庭石の古りたるままに苔の花ぽんこ
緑蔭のアトリエ杢の香に満てる満天
庭石の音なく濡れて時雨けりよし子
出格子の軒にさ揺らぐ釣忍うつぎ
廊涼し鴬張りの音もまた
青しぐれ旧家の甍洗ひけり

2013年6月19日

能勢温泉 参加者17名

千枚田形さまざま風涼しこすもす
川沿ひに数珠なす駐車蛍狩
をちこちの鳥語聞きつつ避暑散歩
湧きいづる如竹林に蛍舞ふ
たかむらにいよよ佳境や蛍の火菜々
バスの窓右に左に蛍沢
恋蛍闇深まれば高く舞ひ
小夜更けて葦間に点る蛍かな
明易や鳥語に覚むる旅の宿はく子
高みまで命燃やさん恋蛍
つと吾に寄り来るはぐれ蛍かな
葦叢の蛍浄土を愛でにけり
谷戸暮れてをちこちともる蛍かなせいじ
漆黒の川筋たどる蛍狩
先駆けの蛍火一つ草叢に
梅雨湿りかわたれ時の風ことにぽんこ
蛍火の点滅の息揃ひけり
さながらに動く宝石蛍舞ふ
栗の花香る川辺を朝散歩百合
葦叢にまたたきやまぬ恋ほたる
能勢の郷みどりの風を満喫す
くっきりと山影暮れて蛍待つきづな
谷戸ここだ蛍の川の水匂ふ
朝風呂の至福や旅の髪洗ふともえ
鮎や鱧贅を尽くせり宿の膳
林間に華燭散りばめ蛍群るなつき
対岸の闇を浄土と蛍舞ふ
手に当たる喜雨の一滴すぐに消ゆ有香
堰音の絶えず蛍の闇深し
恋蛍もつれ合ひつつ杉の秀へよう子
橋の上に影寄り添へる蛍人
夏木立深呼吸して朝散歩わかば
高舞ひてツリーのごとく蛍群る
夜のとばり下りて蛍の点りごろよし子
山頂の吟旅の宿の明易し小袖
幼子のおいでおいでと蛍狩つくし
目交を過る深山の恋蛍ひかり
蛍火に水さすなかれ小糠雨満天
幼帝の里寧かれと蛍舞ふうつぎ
縺れつつ風に抗ふ恋蛍
床下の暗きにもあり蟻地獄
力石見おろしてをり立葵
橋一つ渡り蛍の闇深む

2013年6月18日

長谷棚田 参加者17名

畦涼しS字を畳む棚田かなわかば
夕帷まとひて白し栗の花
夕さりて山影映す植田かな
四方山を屏風に谷戸の青田かな
山の水引きし棚田に青葉風せいじ
走り根に傾ぐ墓石や木下闇
蟻地獄朽ちし御堂の縁の下
葦の間に見え隠れする恋蛍雅流
蛍火の動き出したる葦間かな
をみならの蛍待つ橋かまびすし
万緑の嶺々砦とすダム湖かな菜々
高嶺へと青田積み上げ能勢の里
なぞへなす千枚駆けし青田風よし子
石仏に日傘さしかけ吟行子
廃屋となりしかや葺き苔の花こすもす
道のべの仏に夏の日射しかな小袖
蛍火のまたたきゐたる闇深しともえ
千枚の棚田見おろす畦涼しなつき
通ひ来る谷戸の棚田の風涼しひかり
里山路夜目に浮き立つ栗の花うつぎ
茅葺きの片屋根のぞく緑かな

2013年6月18日

清普寺・野間石仏 参加者17名

雨垂れの跡にはあらず蟻地獄せいじ
万緑の谷戸をつづりてバスの旅
栗の花谷戸の一村埋めけり
大欅千手をかざす青葉かなわかば
農具小屋すっぽり包む凌霄花
里山の裾といふ裾栗の花
梅雨兆す旅の鞄は嵩低にきづな
坂がかるここより能勢路栗の花
近づくは人影ばかり蟻地獄小袖
千手の枝かざすは神の大夏木
修行堂のぞけば畳黴匂ふつくし
里路なる六体地蔵蟻のぼる
菖蒲池傘下に抱く大けやきなつき
護摩焚きの跡うろうろす瑠璃とかげ
老鶯や局の墓碑に額づけば菜々
落し文ひろふ帝の陵に
豪族の墓供花もなく灼けにけり満天
老鶯や天皇稜に谺して
堂縁を借りて一服風涼しよし子
力石試す人なく灼けにけり
旱田の亀甲模様広げけり雅流
幼帝の杜寧かれとさへずりぬこすもす
里山をおほい尽くして栗の花ともえ
畦道の茅花に谷戸の風渡るひかり
まなかひに陵見ゆる丘涼し有香
神の木をハレムとしたる青葉木菟百合
吟行子つばなながしに足軽しよう子
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2013年5月22日

南禅寺 参加者15名

インクライン鉄路まつすぐ新樹光わかば
古都薄暑インクラインをたもとほり
苔庭に影うち重ね若楓
日に透けて若葉耀よふ水路閣
蟻登る国宝門の太柱よし子
遥拝す京の五山は夏霞
薫風や大三門の大甍
水路閣アーチ門より青葉風
大三門額縁として若葉山満天
画布ひろぐインクラインの緑陰に
汗ふきて天井の龍仰ぎけり
東山連峰指呼に欄涼し
水路閣逸る流れや新樹光ぽんこ
草茂るインクラインの鉄路錆び
高欄に滴る嶺々を遥拝す
遅刻して気が急くばかり道薄暑有香
下闇を水馳せてゆく水路閣
遠望の五山うっすら夏霞
三門へ松亭亭として涼し菜々
水路閣アーチ抜けくる若葉風
赤レンガ若葉に映ゆる水路閣
句ともがら日傘を連ね水路閣つくし
中腹の甍は古刹山若葉
森林浴涼し疏水の楽もまた宏虎
水路閣水の奏でる楽涼し百合
三門の回廊めぐる風涼しこすもす
下闇に水の香立つや水路閣よう子
薫風を総身に纏ひ入山すきづな
暦日をきざむ高欄山若葉はく子
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2013年4月24日

野崎観音 参加者14名

鶯の声の四方より展望台せいじ
門入れば法の御山に藤盛る
新緑に目を見開きし羅漢かな
春灯や御簾の奥なる観世音
山裾の墓苑に隣る竹の秋
悲恋塚牡丹は雨にうなだれて
展望台足下を埋む若楓宏虎
子宝を願ふ一途や東風の絵馬
寺の樹々艶増す今日の緑雨かな
法の山眼の洗はるる若葉かな
山門をくぐりて仰ぐ懸り藤有香
法若葉慈母観音を要とす
観音のさしのべし手に若葉雨
急磴や左右のつつじに一休みひかり
春灯江口の君は御簾の中
唐門に雨やどりせる猫の夫
若葉雨無縁の塔のやすかれとわかば
懸崖に傾ぎ枝を張る若楓
猫の夫らし御手洗に寄り来るぽんこ
山門を額縁として山の藤
新緑の雨に全開江口堂よし子
桜蕊散り敷く磴は二百段
禅寺の磴また磴や山若葉つくし
春灯江口の君は御簾隠れきづな
法の山おほひつくして懸り藤はく子
尺取り虫地に着くまでの宙測る
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2013年3月19日

垂水なぎさ街道 参加者15名

各停の電車に揺られ春眠しひかり
のどけしや沖の巨船の遅々として
海へ向く朱の大鳥居春日燦
浜風にのりていかなご炊く匂ひ
岬に佇ち春光の海パノラマに小袖
若布屑競り場を流す水に消ゆ
春の水奏でて注ぐビオトープ
潮の香に誘はれゆく春岬
浜長閑干されしままの漁綱かなよし子
航跡の白一文字春の潮
つちふるや海と空とのけじめなく
春の波寄せては返す岬鼻菜々
春告鳥恋人岬への道に
国生みの島へ八重なす春の潮
強東風の恋人岬人を見ずはく子
国生みの島を指呼なる春岬
口開けて並ぶ蛸壺浜日永
大橋も下航く船もおぼろかなせいじ
春風に乗りて高鳴る鳶の笛
日の斑洩る稚魚の溜りや水温むわかば
いかなごの匂ひの洩るる蜑の路地
風光る船銀座なる須磨明石有香
干されたる魚網に絡む桜貝
恋誓ふ鍵あまた吊る春岬よう子
春の波テトラポットを洗ひをりきづな
ビオトープめぐる一歩に初音かな満天
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2013年2月27日

昆陽池 参加者15名

歌碑巡る昆陽の池塘や百千鳥うつぎ
木隠れに池の明るさ風光る
瓢の笛ひと吹き鳴らし句座和む
苑うららたちまち鳩に囲まるる
次々と鴨着水の水しぶきひかり
昆陽池の鴨百態を見て飽かず
葦叢の池畔にあまた恋の鴨
芽木の間に広ごる空のありにけり
靴跡の向きばらばらや春の泥よし子
鳥帰る彼の地平和であるように
鳥曇ドームの屋根は総ガラス
紅さしてふくらむものの芽のありぬ
春雨に片袖ぬるる西行碑菜々
春うらら気根犇めく汀かな
鵜の群れの中州を占むる昆陽の池
逍遥すふるさと小径春落葉
すみれ野と呼びたきほどや館の前わかば
小流の水際を埋む名草の芽
春泥に足をとられつ歌碑の径
鴨引いて風の細波あるばかり小袖
大池に一尾の鴨も見あたらず
笹子鳴く径句碑歌碑をつづりけり
園児らの黄色き声や草萌ゆる宏虎
句碑歌碑を訪ねゆく径初音聴く
白鳥の首の自在に毛繕ひ満天
春雨のぬれて読めざる恋の歌碑
そぞろ歩のふるさと小径下萌ゆる有香
せせらぎに座る盤石名草の芽つくし
レストラン大玻璃ごしに木々芽組む英一
陸の鴨機嫌の腰を振りにけりともえ
春泥に足なとられそ探鳥すかかし
踏青や不即不離なる老夫婦きづな
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2013年1月23日

能勢炭焼き 参加者12名

幣立てて菊炭の窯守りけり菜々
里山の櫟を守りて炭を焼く
寒詣磴は胸突き七曲り
小屋開いて百の農具は春を待つ
昨夜雨に椎茸榾は春子吹く
窯二つ阿吽に並ぶ炭焼き場うつぎ
あんぐりと台場櫟の洞ぬくし
炭出しを控へて窯の黙しをり
煤まみれ夫唱婦随に炭を焼く
猪の罠風倒木に隣りけり有香
寒々と廃屋残る行者道
寒林の中も郵便配達区
春泥の轍ぐちゃぐちゃ網模様
菊炭の窯を守りて半世紀よし子
苔むして石みな仏寒詣
炭斗に菊花模様の炭並ぶ
春泥に靴底重くなりにけり
厳冬と言へど行場の苔青し哲子
猪の罠かけある河原背ずり痕
注連古りて瘤あまた持つ大枯木
炭を切る嫗の鼻の煤よごれ
能勢四温台場くぬぎの枝伸ばす雅流
絶やすまじとて炭を焼く老夫婦
明日出すといふ炭窯の眠るごと
炭焼を誇りとしたる生計かなよう子
斎垣の区切る聖域冴えにけり
猪鍋の看板の立つ深山道かかし
春泥の庭を闊歩すちゃぼをかし小袖
堆く廃屋包む枯落葉満天
窯出しを待つ炭窯のほのぬくしはく子
炭を焼く妙見さんの懐に
間歩あとの穴明神に春の雨
明日出すといふ炭窯の香の仄と
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