投句控


2018年8月   
陶うさぎ丘の千草に見え隠れ  菜々
極楽や花野囲まれ風と行く  宏虎
農小屋の小声はラジオ葛の花  うつぎ
花野行く天使のはしご幾筋も  せいじ
道草のお陰や萩の一叢に  たか子
草の色変わり秋吉台は秋  三刀
高々と紫苑活けたる大広間  みのる
八千草の乱れ咲きなる扇状地  たか子
女郎花無縁墓へと寄り添ひて  満天
八千草の台地ライダー爆走す  よし女
鉄道草高架化すすむ廃線路  なつき
泣き伏せとばかりにそよぐ千草かな  みのる
湿原の水路に迷ふ花野径  わかば
風に逢い葉裏を返す葛の花  三刀
道のべの地蔵へ野の花草の花  菜々
ゆるゆると恋人岬へ千草道  菜々
廃校や秋草繁る停留所  よう子
縹渺の丘のコスモス揺れやまず  わかば
撫子や刻字の読めぬ石標  ぽんこ
牛膝一筆描く裾模様  明日香
左右より山路を狭め萩の花  さつき
豆萩を避けて山家の草葎  よう子
芒の穂靡くを後にドライブす  あさこ
吾亦紅風に触れ合ふ二三あり  たか子
青紫桔梗の五裂整然と  宏虎
廃屋の錆びた煙突蔦紅葉  こすもす
尾根一つ曲がり燃え立つ吾亦紅  智恵子
大花野パラグライダー飛び立ちぬ  さつき
ポジティブに畑一隅の鶏頭花  小袖
溝そばのおほふ小流れ飛んでみむ  はく子
城壁を覆ふ勢い血止草  明日香
車椅子とめて手折りぬ赤のまま  やよい
崖を打つ波音が好き葛の花  よし女
藤袴風の色はと問はれれば  ぽんこ
朝顔や長屋の格子焦げ茶色  ぽんこ
コスモスを揺らし野原に一両車  智恵子
分譲の区画ものかは猫じやらし  せいじ
萩揺るる舟形の四阿すすむかに  なつき
崖の牧秋の草食む隠岐の島  宏虎
茶の床にえのころ草と赤のまま  やよい
職引きし夫との会話藪からし  なつき
猫じゃらし中でなにやら猫会議  明日香
秋日濃し背丈に余る畑の草  三刀
ここもまた古戦場なり芒原  更紗
こんもりと土俵の名残猫じゃらし  こすもす
桜蓼何と可愛いい花ならん  はく子
玉砂利を踏み行けば萩こぼれけり  せいじ
立ち並ぶ古色の歌碑や草紅葉  ぽんこ
八千草の炭焼窯を隠したり  うつぎ
不器用に生きて荒れ野の吾亦紅  よう子
秋風や通行制限草を刈る  三刀
待ち合はす時刻を忘れ大花野  さつき
葛の蔓迫るベンチやバスを待つ  こすもす
畔横の流れ清らか蓼の花  はく子
赤のまましきりに恋し祖母の膝  明日香
蚊帳吊草引っ張り合ひしあの月日  たか子
墳丘は今し千草の花衣  みのる
捨畑の畝覆ひたる千草かな  よう子
草の花念仏踊り伝承す  よし女
阿蘇五岳ふりかえりつつ花野道  さつき
ねこじゃらし歩道の脇にスウィングす  なおこ
撫子の風にふるさと思ひけり  満天
萩こぼる父の遺品の手帳かな  更紗
ご無沙汰の墓地へと千草触れながら  たか子
芒原ラジコン飛行機不時着す  やよい
大阿蘇は風のなびきし花芒  宏虎
葛の葉を踏まねば行けぬ畦の道  あさこ
海の青眼下に展ぐ花野かな  わかば
白粉の咲きこぼれをり遊女塚  みのる
暦日の妹背の句碑へ萩の雨  菜々
時来れば一本伸ばす吾亦紅  あさこ
ドリーネの果ての果てまで葛の花  よし女
鉢植の道の端に揺る釣船草  あさこ
山門へ萩に触れつつ磴のぼる  満天
野点席裳裾揺らすや萩の風  満天
牛乳パックに投げ入れられて萩すすき  やよい
子らの来ぬ砂場は固し秋の草  なつき
母見舞ふ道に摘みきし千草ぞと  みのる
松の木に絡みしへくそ葛かな  こすもす
露草や雑草の丈刈られけり  ぽんこ
ままごとに大活躍の赤のまま  はく子
無人駅ホームにのびのび野菊咲く  智恵子
草の実のいつのまにやらジーンズに  こすもす
平凡に生き来て二人蓼の花  はく子
猫じゃらし水音にゆれ風にゆれ  よう子
芒分け濁流に釣り糸垂らす  なつき
気が付けば海へ出る径草紅葉  宏虎
起伏野に色を添へたる草紅葉  せいじ
引き返す三角点やすすき山  やよい
露草や昔汲み場はこの辺り  うつぎ
水難の岸辺に溢れ秋の草  さつき
草の花ルーペ持たずを悔いにけり  うつぎ
草原のパノラマ灯す千草かな  智恵子
ビオトープに魚影いくつ草は実に  菜々
秋草や野辺の道草時忘れ  わかば
「ちゃん」付けで母に呼ばれて秋桜  更紗
羊群に似たる岩間の草紅葉  せいじ
人住まぬ門に日の射す草紅葉  満天
リコーダー吹く下校子や赤まんま  更紗
仔牛小屋取り囲みたる赤のまま  よし女
ドリーネの底の底まで芒の穂  三刀
葛の葉のあでやかな花隠しをり  明日香
的中す矢は風を切り花桔梗  更紗
刺されたと騒ぐ子の背にゐのこづち  智恵子
水車廻る音の響くや秋桜  あさこ
黄昏の野に陰揺らす薄かな  わかば
露草や土管に響く水の音  うつぎ
パノラマに一番星と秋の草  なおこ
2018年7月   
神の庭涼し一水さらさらと  菜々
打ち水に艶めく古都の古のれん  智恵子
香水のすれ違ふ人お洒落して  満天
真青なる海へ真白き水脈走る  わかば
ハリセンボンゆうゆう泳ぐ館涼し  なおこ
湯上りの首筋に打つ天花粉  三刀
勝鬨のこぶし突き上ぐ雲の峰  みのる
風の死し高層ビル街無表情  三刀
子ら担ぐ海の家よりゴムボート  せいじ
みたらしだんご謂れの清水ほの甘し  菜々
アルプスの雪形崩る半夏生  なつき
松林縫うて浜辺の風涼し  みのる
穏やかな海面突と鰡の飛ぶ  ぽんこ
鰻の肝お椀の底に沈みけり  あさこ
吉と出る神籤に暑さ忘れけり  さつき
海の藍たたへて灼くる浜辺かな  わかば
休耕田背丈に余る夏の草  三刀
空蝉やわらべ地蔵の肩に乗り  智恵子
砂文字を消さんと畳む土用波  みのる
夏野菜いろいろ育て老の畑  うつぎ
鴨川の中洲に丸太梅雨出水  明日香
灯が点り打水ゆかし祇園小路  宏虎
潮風に吹かれ青松笠涼し  こすもす
朝涼や仏飯供ふ足裏より  たか子
かきまぜて遠き日の音ソーダ水  うつぎ
夏怒濤埠頭に残る潮溜り  せいじ
部活子へ母持て小型扇風機  なつき
臨海の泳ぎの準備避暑ホテル  ぽんこ
今日の事さらりと忘るる冷素麺  満天
シーサイドホテルの一弦琴涼し  なおこ
もてなしの緑の美しき冷茶かな  なつき
三日三晩家居と決めて梅を干す  菜々
あめんばう神の流れに逆らはず  菜々
梅干を忍ばせ参加す句会かな  こすもす
カラフルなリュックの一団避暑ホテル  こすもす
波凉し大型フェリー滑りゆく  ぽんこ
中天の雲もほんのり夕焼くる  はく子
壺に挿してひと日の栄白むくげ  はく子
ビニール袋の浮沈海月と見紛ひぬ  こすもす
鳥の来て人来し山の岩清水  宏虎
熱帯夜更けて見上げる望の月  三刀
夏の水ゆるゆる廻し外輪船  たか子
さまざまに水の都の橋涼し  たか子
蜘蛛の囲の通せんぼなす獣道  智恵子
大毛蓼頭を垂れて野にありぬ  はく子
金魚提灯白壁街に揺れ続く  よし女
花の中同化するごと夏の蝶  ぽんこ
紺碧の海の果てなる雲の峰  わかば
押し車鰻を食べに足軽し  あさこ
交差点杖を頼りに夏帽子  明日香
露台へと影のかたむく磯馴松  みのる
串焼の鰻直ちに縮みけり  あさこ
西日射すステンドグラス恍として  智恵子
新婚の孫へ梅酒と夏野菜  よし女
行く雲の切れ目跳び越え水馬  よし女
石段を一足飛びに道をしへ  さつき
一斉に光蹴りてはあめんぼう  うつぎ
千年を説かる宮居や夏木立  うつぎ
酷暑日や思考停止の続く日々  三刀
百家族百の修羅あり遠花火  明日香
節電と言ってはをれぬ暑さかな  うつぎ
さし石と彫字鮮やか木下闇  ぽんこ
砂日傘はみ出してをる美脚かな  みのる
老いの身の鰻重小口注文す  あさこ
子に持たす分ねんごろに梅を干す  菜々
門口に水の鉢あり路地涼し  たか子
大輪のループピアスやサングラス  みのる
豪華船海月かきまぜ出港す  宏虎
裏畑へホース引き摺り夏野菜  よし女
大橋を潜るカモメや瀬戸夕焼け  智恵子
海坂に林立したる雲の峰  せいじ
落蝉のまだ生きたしと宙を掻く  明日香
灼け砂の噛み付くごとき熱気かな  せいじ
奉納の天神さんへ大花火  はく子
夏野菜届け見上ぐる望の月  よし女
三伏や猛獣猫か動物園  宏虎
夏座敷泥染めかごに師の色紙  なつき
風鈴にのつて聞こえる君の声  なおこ
喜寿米寿海をみてゐる白日傘  宏虎
手花火を子らと囲みしは何時のこと  はく子
流木の乾ききつたる夏の浜  せいじ
あお向けの蝉のひと声断末魔  たか子
街路樹に百日紅ある京の町  明日香
一碧の水平線や浜涼し  わかば
串焼の鰻を返す手の早し  あさこ
蝉時雨万の献灯ならぶ杜  なつき
窓涼しガラス拭く人手際よし  こすもす