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 今週の秀句鑑賞を読む 

 最新更新日:2024.04.16 New!

2024年4月14日

4月6日~4月12日 コメントを書く

2024年04月12日
よどみなく馳せる疎水の花筏むべ
花屑を吐きて大きな鯉の口康子
銀輪の轍くつきり落花道かえる
祝福のごとく総身に花吹雪むべ
2024年04月11日
遠山は花の曼荼羅鍬休めうつぎ
花下に笑む一会の人は車椅子むべ
花筏分けて棹さす渡舟かなせつ子
2024年04月10日
花筏分けて水脈引く残り鴨やよい
雨粒を溜めて仰向く落椿康子
夕映に鏡びかりす柿若葉むべ
陣旗立つ古井戸に花散り込めりなつき
虎刈りに焼跡三笠山笑ふもとこ
2024年04月09日
切株に並べられある落椿むべ
母と肩ならべて覗く犬ふぐり康子
2024年04月08日
手作りの菓子持ち寄りて花の宴澄子
花の雲馳せゆくジェットコースター智恵子
大池の水際を綴る花の影せつ子
曇天に読経くぐもる花御堂もとこ
背伸びする幼の指に花吹雪せつ子
湧水に渦巻いてをる花筏康子
2024年04月07日
試歩の母饒舌となる花の道康子
ウエーブのごとくに風の花菜畑澄子
大木をどぐろまきして蔓芽吹くみきえ
2024年04月06日
放流のダムの飛沫に飛花落花千鶴
公園の子供列車に花ふぶきみきえ
この平和永遠にと願ふ花の下たか子
渚めく広場の落花畳かな澄子

2024年4月7日

3月30日~4月5日 コメントを書く

2024年04月05日
花万朶妣いまさばと思ひけりわかば
媼みな姉さん被り鹿尾菜干す智恵子
雀どち狼藉やまぬ落花かな康子
くろぼこに円陣なせる仏の座かえる
一門の墓碑堵列せる木下闇澄子
谷川の瀬音に和せる初音かな千鶴
2024年04月04日
兄と手をつなぎ入学お下げ髪なつき
あひ互ひ蔓絡めあひ豆の花かえる
山門を入れば天蓋大桜康子
うち仰ぐ古刹の磴へ若葉影むべ
阿形なる仁王春塵まみれかなたか子
2024年04月03日
小流れの岩を縁取る花筏康子
羊群のごと中腹の山桜せいじ
春暁や靄の内なる畝傍山明日香
春風に犬の立ち耳と見かう見かえる
桜餅葉つぱ食べる派食べない派もとこ
発進も停止も優し花のバス山椒
花の雨傘渋滞す太鼓橋なつき
花筏雨粒に揺れはじめけり康子
欠伸して猫も春愁あるならんわかば
2024年04月02日
青空に辛夷の映ゆる朝かな明日香
帰北の吾子見送る駅に桜まじむべ
碧眼の人と並びて花下に佇つぽんこ
久闊を叙す満開の花の下たか子
七色に陽をはじきゐるしゃぼん玉康子
四姉妹ボックスシート花の旅かえる
もの憂さな猫の欠伸も麗らけし澄子
バトミントン羽根満開の花に消ゆ康子
羽拡ぐ孔雀に喝采花の客なつき
オクターブ上げて啼きつぐ匂鳥やよい
2024年04月01日
老幹の洞に舞ひ込む落花かな康子
花韮の侍る大樹の根方かなかえる
旅うらら踏切待ちの間も俳句澄子
靴擦れの踵を撫でる新社員山椒
うち屈み犬と語らふ春帽子あひる
子ら登るジャングルジムへ花吹雪康子
2024年03月31日
対岸の土堤を埋めて花菜畑康子
霖雨晴れ芽吹く垣根となりにけり澄子
雨粒の珠と輝く木の芽かな康子
里山を墨絵ぼかしに春霞やよい
ぺちやくちやとひと駅愉し踏青子澄子
思はざる友と再会イースターわかば
旅疲れ癒やす車窓の春夕焼むべ
旅うらら俳句談義の尽きるなしかえる
行き一分帰り三分や花堤あられ
2024年03月30日
花冷の両手につつむふるまひ茶なつき
草野球雀隠れに球探すみきお
鎌倉のブランド大路踏青す澄子
焼杉塀つづく古町木の芽晴むべ
賀茂堤花の遅しとたもとほりもとこ
エリカ映ゆ異人館めく白壁にかえる
白皙に深く被りし春帽子かえる
中庭に花見椅子置く資料館康子

2024年3月31日

3月23日~3月29日 コメントを書く

2024年03月29日
みつまたの匂ふ裏山黄に染めてやよい
一門の諸子うち揃ひ花下に笑む康子
紙垂のごとやぐらに垂るる蔦青葉むべ
掘り返す土柔らかき穀雨かなみきお
前撮りの花嫁さんが芽木越しにかえる
啓蟄の雨にやぐらの土匂ふかえる
若草の飛び出してをる四つ目垣康子
切先を立てて出でたる物の芽かなぽんこ
雨晴れてきたと囀りはじめけりせいじ
春の日を弾く広葉樹林かな澄子
近寄れば柵に顔出す牛のどかやよい
春泥の道に敷かれし歩板かな千鶴
うち仰ぐ磴はむなつき新樹光康子
蒼天の梢のたかきより初音澄子
春光にぎよろ目見開く仁王かなかえる
胴からも芽吹く大樹の桜かなかえる
やぐらからつぎのやぐらへしじみ蝶むべ
虚子やぐらへと通ひくる若葉風康子
丹の欄に記念写真や古都うららむべ
2024年03月27日
小物店ジプシーしつつ路地うらら澄子
白無垢の渡る堂縁風光る康子
一門の墓春陰に横列す澄子
竹林の風に押さるる遍路道なつき
春天を貫くごとく飛行雲かえる
古都うらら和服姿に彼彼女康子
花終へし水仙は葉を三つ編みにかえる
2024年03月26日
一穢なき空にあえかや初桜康子
丹精の庭に春愁癒やしけりかえる
ご朱印に猫の絵もあり遍路寺なつき
山門を額縁として寺若葉康子
急磴のなぞへを綴る落椿澄子
老いの息整へて跳ぶ春の泥もとこ
2024年03月25日
竹秋の細道抜けてやぐらへと康子
水平線曖昧模糊と春霞こすもす
春昼や杖忘れある孔雀小屋なつき
何の樹ぞ怒髪のごとく芽吹きをり澄子
山門へいざなふごとく若葉影かえる
海坂へ道真直ぐや風光る澄子
024年03月24日
ちりちりと古傷痛む余寒かなもとこ
野の花も手向けられをる彼岸かなかえる
ぜんまいの赤子の拳めきにけりかえる
蔦青むやぐらの口を縁どりて康子
春空の果へ消えたる飛行雲山椒
鎌倉の春を巡りて吟行す澄子
あまたなるやぐらを抱き山笑ふ澄子
2024年03月23日
みどり児の小さき欠伸桃の花ぽんこ
山門を潜る一歩に落椿康子
山襞を見せては隠し薄霞たか子
白子干混ぜてお日さま匂ふ飯むべ
岩盤のなぞへを埋む著莪の花澄子

2024年3月24日

3月16日~3月22日 コメントを書く

2024年03月22日
蒼穹を黄で刷くごとく花ミモザむべ
初蝶の虚子のやぐらを存問す康子
白無垢に唐傘透ける春日かな康子
老犬と歩調を合はせ青き踏むみきお
朝窓を明るうしたる春の雪やよい
一穢なき蒼天さして緑立つむべ
春うらら手水の水面揺れやまず澄子
2024年03月21日
かがみ込み土筆と心通はせるかえる
大粒の雨先立てて春雷すかえる
春疾風大楠の揺れただならず澄子
落椿とどまつてをる崖つ淵康子
春山の奈落は森林浴めきぬせいじ
妻が指呼せる揚雲雀吾には見えずせいじ
風の道知つてをるやに鳥帰るみきお
2024年03月20日
花舗の鉢なぎ倒したる春疾風むべ
猫の目のごと照り翳る春時雨ぽんこ
亡き夫の形見分けもし初彼岸たか子
定まらぬ写経の字粒彼岸寒うつぎ
土手の道続く限りに花菜畑康子
夕餉にと摘む山道の蕗の薹やよい
墓碑まえのすみれの小花抜かでをくはく子
刎ねつるべめきたる風の雪柳かえる
2024年03月19日
一張羅迷ふ三寒四温かな澄子
芹を摘むことが目あての野辺歩き千鶴
眉月を揚げし秀枝の桜かなむべ
摘ませじと棘が袖引く山椒の芽むべ
雨晴れてきたと高鳴る春の川かえる
干し物の白に誘はれ初蝶来わかば
2024年03月18日
金剛杖つく道の辺に蕗の薹なつき
百幹の竹うち鳴らし春疾風澄子
枯蓮亀の甲羅のごと水漬くうつぎ
幌ひらく俥夫の手際や春時雨康子
見るほどに心浮き立つ花ミモザわかば
外堀の水面煌めく城の春ぽんこ
落椿関所めきたる峠道なつき
のどけしや夕告ぐ鐘の間遠よりわかば
倒木と見たれど芽吹く力あり澄子
花韮が根方を埋む大切株かえる
学舎より風に乗りくる卒業歌満天
2024年03月17日
売れ残る球根網に芽吹きけりえいいち
一枚の休耕田いま花菜畑こすもす
春水を延べし鏡に浮見堂たか子
水掻きのオレンジ色や鴨進むもとこ
杖にどうぞと枝並ぶ登山口あひる
2024年03月16日
足弱の夫励ましつ青き踏むぽんこ
見晴るかす京の都は春霞あひる
雛の宿地酒古銭も飾りたるなつき
吟行の野に得し幸や土筆飯わかば
七色に灯点る架橋春の宵わかば
卒業の子にコサージュを直さるるむべ

2024年3月17日

3月9日~3月15日 コメントを書く

2024年03月15日
播磨灘沈む夕日の朧なるきよえ
杖の妻気遣ふ夫や花の坂なつき
由緒読む春雨傘を傾けてなつき
隈笹をこぼれ落ちたる残り雪愛正
保護者席からもあひ和す卒業歌むべ
啓蟄や木屑と見しは亀の首ぽんこ
2024年03月14日
桜餅食む川風の床几かなあひる
花下に笑むきものギャルらの一屯あひる
倒木はベンチともなり百千鳥澄子
幕末の戦場はここ花堤せいじ
手庇に朝日刎ねつつ青き踏むかえる
大の字の火床抱きて山笑ふもとこ
2024年03月13日
散歩人犬と揃ひの春ベスト満天
春障子庭木の影の機嫌よし千鶴
思ひ馳す実りの姿剪定すわかば
老ひ母の春愁を受けとめにけりむべ
ギャラリーは古りし土蔵雛飾るなつき
花椿一枝影置く火灯窓澄子
群鳩のくぐもるる声や芽木の森千鶴
病む母のベッド移動す薔薇の窓みきお
2024年03月12日
鈴の緒の美しき岩戸春社明日香
思はざる身の災ひに春愁ふわかば
春陰に閉じて久しき古水門むべ
雨晴れてより艶めける春の山康子
集落に夕刻知らす鐘朧みきお
2024年03月11日
ふらここは漕がずに内緒話かなかえる
門灯に燃えたつ寒緋桜かなむべ
水底に揺らぐ日の斑は水草影澄子
2024年03月10日
寺の鐘間遠に響く朧かな澄子
ぽこぽこと蕾玉なす利休梅明日香
海風の吹き上げ通ふ花菜畑智恵子
卒園証書掲げママへと突進すあひる
銃眼を覗けば頬に春の風康子
春時雨傘もて客を追ひかけぬうつぎ
春とともに来たる富山の薬売り千鶴
2024年03月09日
術後の身外湯に癒やし春を待つやよい
陶器雛九谷大皿屏風とすなつき
芽柳の揺るるを待ちて自撮りの娘明日香
畑帽子掻つ攫ひたる春疾風千鶴

2024年3月10日

3月2日~3月8日 コメントを書く

2024年03月08日
菜の花を揺らす腕白雀かなかえる
星空をよぎり飛機の灯冴返るみきえ
斑雪野となりし朝に鵯さわぐむべ
2024年03月07日
古の彩のゆかしき土雛澄子
春日燦糺の森の小流れにわかば
春風を讃美して揺るビオラかなあひる
百鉢の芽吹きを朝な存問すうつぎ
子らの描く絵雛口開け大笑ひなつき
あえかなる初花と見し一二輪もとこ
2024年03月06日
日時計が待合せ場所春麗らせいじ
堰落ちて逸る瀬波に風光る康子
春光を撒く激つ瀬の飛沫かな康子
クレソンに水ゆき渡る川辺かな澄子
里人に笑ひ初めたる四方の山やよい
うち仰ぐ白亜の天守風光るせいじ
春泥の径に敷かれし藁筵むべ
2024年03月05日
春光や堰落つ水の高鳴りてやよい
嫁と手をつなぎ春野の下り坂たか子
そぼ降れる雨に末黒野匂ひけり千鶴
春しぐれま青な空を置土産明日香
芽柳や蕩々として濠の水せいじ
落椿勤王志士の碑ほとりにこすもす
2024年03月04日
水に映ゆ岸辺の河津桜かなわかば
春光やどこまで伸びる飛行雲みきえ
大股の靴跡残る春の泥みきお
忽然と向きかへ野火の迫りくるうつぎ
竹林のくいぜに溢る春の雨むべ
子午線の城に日時計風光るせいじ
2024年03月03日
狭間より覗く城下や春うららみきえ
玄関の雛に目細め配達夫あひる
畝に肩出して取入れ待つ大根きよえ
のけ反りてくぐる山門梅真白なつき
存問の絵てがみに笑む夫婦雛うつぎ
踊るものつま弾くものや雛の宴あひる
ジーパンに膝のぞかせてギャルの春満天
2024年03月02日
春禽のついと消えたる洞昏しむべ
播磨灘沖行く船の灯の朧きよえ
湧水のゆらぎに任せ蝌蚪の紐澄子
梅散らしたる狼藉は目白どちむべ
駈けつこに疲れ寝転ぶ犬ふぐりうつぎ
球児らの声高らかや芝青むみきえ
種の殻帽子に双葉出でにけりかえる
水底に砂紋きらめく春の川なつき
日時計の針影薄き春曇千鶴

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