毎日句会投句控


2018年08月12日
微笑むや糸のみほとけ蓮の花もとこ
眼と耳と歯も恙なし生身魂宏虎
新涼や白き漣湖に立てり智恵子
玄関のアレンジに足す桔梗かな明日香
供花生けし吾に寄り来る秋茜智恵子
水の音まな板の音涼あらたやよい
父の捥ぐ長き胴体瓜の馬なつき
ちちはは子夫の眠れる墓洗ふはく子
ごったがえす買い物客や盆用意こすもす
秋暑しまとめて捨てる領収書なつき
盆僧の読経に合わせ庭の蝉あさこ
白帆とぶ大海原に夏惜しむせいじ
盆近し真鍮磨き日もすがら明日香
はらからの皆老いけらし墓洗ふはく子
不動尊一尺の水涼新たぽんこ
廃港に遊ぶ雀や晩夏光せいじ
子をほめる育て方あり夏休み宏虎
孫一人囲んで老いの盆料理たか子
炎天下我がもの顔の瑠璃蜥蜴三刀
タイブレーク汗と涙の甲子園満天
対岸の花火見てゐるバーベキューやよい
水占に乙女にぎやか夏夕べ菜々
盆の空飛行機乗りの父偲ぶたか子
露草の昨夜雨残し光りけり満天
カーテンを揺らす風生む雷雨後こすもす
すっぽん煮も出て納涼床料理菜々
2018年08月11日
色褪せたブックカバーや秋桜智恵子
街中の空き地の砂利に秋の光治男
手汗拭きチップ受けとる大道芸なつき
店頭は盆花菓子と満載に満天
花芙蓉笑顔はぢける女学生菜々
弁才天池に映れる百日紅ぽんこ
秋暑しヘリの低空飛行かな隆松
人あふれいつもの駅も夏休みもとこ
帰省の子直ぐに戻りぬ大阪弁たか子
忘れ物回覧廻る祭り後たかを
新涼や跳び跳び飛んで雀どちよし女
明易や言葉浮かびて句にならずやよい
水泳もメダルラッシュの日本勢はく子
色違え早稲田晩稲田延延と菜々
初穂垂れ始めたるかな谷戸景色隆松
身を構うその気になれぬ残暑かなたか子
風死して事もなき夜のクラシック智恵子
熱闘や高校球児の汗眩しうつぎ
草刈り機あわて飛びだすキリギリス三刀
弟が手作り西瓜仏壇にたかを
冷やしつつスマホ充電熱帯夜こすもす
朱の文字の吾が入る墓掃苔す宏虎
阿波踊りの前に飾りしぼんぼり揺れ治男
治癒力の遅き老いの身秋は来ぬやよい
墓参り供華のあるなし目立ちけり宏虎
山の日や過ごせずじまいそれらしくこすもす
満席の団扇もなびく甲子園満天
奥琵琶の山滴りて湖碧しせいじ
盆供養香煙の中鐘数打ぽんこ
西瓜買ふ昔ながらの叩く癖せいじ
スポーツの秋老も若きも楽しまむはく子
蝙蝠や大道芸の火を吹けりなつき
2018年08月10日
帰省の子薬袋を食卓になつき
盆休み見知らぬ子等の声高し満天
マイセンの白きお皿に西瓜盛り宏虎
立秋や溜まった家事に手を付ける明日香
鰯雲の里へ拡がり朝あかね治男
絵日記の踊りし文字や西瓜割り智恵子
死ぬほど暑い河原で遊ぶ子らが言ふよし女
大輪を朝日へ向ける紅蜀葵満天
包丁を咥へ放さぬ大南瓜やよい
御堂筋残暑横断歩道の長きこと菜々
大宇陀は星の故郷天の川宏虎
渋滞を抜け故郷の青田風智恵子
マンションにパーマ屋開店秋うららはく子
天碧き画布と見ゆるや百日白隆松
韮なめこオクラ納豆我が家丼はく子
木々透かせ盆灯籠の灯る家うつぎ
喫茶店の空き家覆う蔦かずら治男
露草の大樹の陰に凜と咲きぽんこ
夏の坂もみじマークの大型車たかを
故郷の盆踊りの輪二重三重こすもす
微風あり三時休みの木陰かなたかを
潮風の涼しはためく万国旗こすもす
当面は卒寿を目指す生身魂三刀
夏のはて此処ぞとばかり鳴きつくすもとこ
風死して身じろぎもせぬ大風車せいじ
農道を並木道とす百日紅隆松
小学生衣を纏い盆僧にぽんこ
酢の香たつ廚や鯖の寿司を押すやよい
火星見て寝床ころがる熱帯夜なつき
秋暑しエスカレーターB3から明日香
湖水切り風切り水上スキー飛ぶせいじ
2018年08月09日
一群は佛に見えし秋の雲治男
病室で子規の聴かす夜の秋治男
ぎゅうぎゅうに詰めても軽き樫落葉こすもす
朝顔の風にまかせて蔓遊ぶ満天
丹精の金魚の稚魚の鉢増えて明日香
秋立ちて生駒稜線くっきりとはく子
ナガサキも映像で知る原爆忌もとこ
夏夜舞ふ雷切光る万燈かななつき
茄子の馬いつもいびつに四本あしたか子
山地はや主役は代わり法師蝉さつき
玉ねぎの玉葱らしき淡路産こすもす
頑なの吾が意通せし生身魂宏虎
秋蝉の声の衰へなき兆し満天
常夜灯の笠かすめたり流れ星隆松
夕涼む湖面に滲む常夜灯隆松
近付きし見つけてみろと蝉の声たかを
汗沁むる金券整理祭り後たかを
ロープウエイ泳ぐ如くに樹間縫ふそうけい
参道の茶屋みな氏子秋祭りさつき
車夫をかし日焼裸身にシャツの跡せいじ
蓮の実の触れれば落ちし泥水にぽんこ
甘い風綿菓子回る夜店の灯智恵子
満面の笑みでビールを売りに来し明日香
風の向き少し変わりし長崎忌三刀
山宿の霧去りてより星月夜はく子
新涼やひび割れ地蔵涎掛けぽんこ
日焼の子抱つこの父も日焼してせいじ
日々草咲かせて老いの日々元気菜々
手花火の火薬の匂ひ遠き日や智恵子
冷茶持て汗の主のもてなせるなつき
ごはごはの葉蔭にかぼちゃ花ひらく菜々
太陽の赤吸い込みぬ緋のカンナ宏虎
高階のテラスに仄かな門火焚くたか子
2018年08月08日
岩飛沫ひときわ彩す草紅葉智恵子
人生は十人十色生身魂宏虎
ちょうど良き風の作れる団扇かなこすもす
旅の宿せせらぎ縫ひて河鹿鳴く智恵子
林道においでおいでと水引草さつき
氷の音コツプの中に響かせてともえ
座り方時々変わる盆僧侶こすもす
西日照る障子に踊る木々の影三刀
入口に縮みの浴衣道の駅せいじ
浜闊歩日焼自慢の男どちせいじ
夏休み朝練励むバスケットぽんこ
新蕎麦はいつもの味のあの老舗たか子
落人の此の淵渡り子持ち鮎治男
向日葵の直立不動疲れをりもとこ
秋立つや池面を渡る風にさへ菜々
秋兆す流るる水音空の雲宏虎
湖渡る音より先の遠花火隆松
炎天やテーブル下の将棋盤たかを
閑なる風車小屋や風の死す隆松
爽やかにカーテン揺らす朝の風はく子
冷水に顔横向けて猫笑うたかを
山陰る里にかなかな狂ひ鳴くなつき
温かき珈琲立てて今朝の秋はく子
新涼や涼しといえる日を待ちしともえ
命尽きる蝉の一声雀飛ぶぽんこ
秋の風一枚橋を人と犬治男
盆用意おがらの箸と蓮の皿明日香
秋立ちてウォーキングペア増へにけり満天
町中の家庭菜園秋の色満天
青芝に転がっている子の如雨露菜々
秋立つや出入り忙しき理髪店よし女
台風去一日だけの万燈舞なつき
オクラ入りカレー炒飯元気でる明日香
色褪せて風に疲れし秋簾たか子
2018年08月07日
会えばまず暑さの愚痴を言い合えりたか子
赤信号眩しき空や日の盛りたかを
秋立つや乾杯ワイン喉に染むやよい
夕暮れの会話つぎつぎ秋の風満天
フィナーレ音の高鳴る大花火宏虎
今朝秋と思うテラスの風に触れたか子
今朝の秋ドリップ珈琲匂ひ立つやよい
白菊のやつと咲きだし仏花にと明日香
赤ん坊の赤ら顔見て父試合に治男
早稲実る湖面を渡る風受けてせいじ
ペディキュアのいろあせにけり秋簾もとこ
熱の子の抱つこせがみし熱帯夜なつき
古刹床「無」の大書あり夏座敷宏虎
子の記事を夕刊に見てより涼しよし女
ただいまに欠伸で返す猫の夏たかを
秋立てど街道筋はぎらぎらとよし女
病葉の水路ゆつたり色浮かべ満天
草木やや紫めきて秋に入る更紗
其の気配辺りに見えぬ今朝の秋三刀
夏蝶の道あるごとく飛来次ぐせいじ
刈草を解けば群れなす団子虫智恵子
走馬灯父母との月日引き寄する菜々
フローリングに腹這いの犬涼しそうこすもす
同窓の書道展見る秋の光治男
露草や空の青はた海の紺うつぎ
菜を刻む音の涼しき厨かな更紗
秋立つや客一組のもんじゃ焼きなつき
朝戸繰る新涼の風入り来し明日香
雑草のなぞへ際立つ灸花ぽんこ
空っぽの校庭を埋む蝉しぐれ智恵子
盆用意先ず庭草を引きてより菜々
高校野球ソファーで観戦秋立つ日こすもす
2018年08月06日
潮騒の音とも鳴りて貝風鈴はく子
天の川吾住む星も大宇宙宏虎
一人居の夜に出でくる油虫なつき
落蝉をうつ伏せにして植木鉢明日香
このあたり見ぬ天牛や地に果てし有香
しののめの空に黙祷広島忌三刀
風鈴のお堀跨いで音微かこすもす
小糠雨一際目立つ白芙蓉宏虎
山へ急く鴉の群れや夕焼け雲治男
痴呆でなく朦朧もあり夏果てる治男
子どもらの誓ひ頼もし原爆忌せいじ
南瓜やなまくら包丁歯の立たずたか子
かほ知らぬ祖父の日記や虫払ひもとこ
打ち水のごとくしみこむにわか雨こすもす
水中花グラスの泡に浮かびけり智恵子
家事の手を止めて黙礼原爆の日菜々
語り部の静かに響く原爆忌智恵子
里に家なし子ら連れ行きし日の西瓜よし女
あられなき格好にて耐ゆ酷暑かなよし女
熱の子の額に触るる短夜かななつき
八時十五分吾も黙祷原爆忌やよい
涼しさや遊覧船に灯が点り愛正
原爆忌定期購入水届く満天
秋立ちて何だか違ふ物の影せいじ
羅の裾ひるがへし急ぎ足ぽんこ
炎天を歯科検診の音高し満天
片羽のけなげに舞へる秋の蝶さつき
2018年08月05日
奉納の提灯護る秋すだれぽんこ
久方に虹の立ちたる湖上かな隆松
木陰なき草原なれど風は秋さつき
山寺の沼池を埋めて菱の花智恵子
入日未だ燃ゆる中なる盆太鼓よし女
蚊奴に刺されし放題祈願せしさつき
どうしてもやる気が出ない猛暑の日明日香
竜胆の蕾の捩れ解きて咲くせいじ
公園の動くものなし酷暑かな満天
水に哭き水を怨みし原爆忌宏虎
石仏の並ぶ貸し畑花臭木なつき
宵闇に打ち込む祭り太鼓かな三刀
ごろごろと昼寝三昧今日ひと日明日香
山頂の鉄塔きらめく大夕焼治男
明石蛸釣しとみやげに帰省の子菜々
踊り下駄今スニーカーに夜の更くるはく子
目潰しのペーブメントや大西日せいじ
大方は法被にパンツ踊りの輪はく子
風涼し新居へ煉瓦のアプローチ菜々
原爆忌かの地の水禍痛ましくたか子
蝉穴の縁を働き蟻急ぐ有香
肝試し落つ日に集ふ里の夏智恵子
丸坊主いつしか四十なりし夏もとこ
大虹の片脚湖に浸るかな隆松
しめやかな鉦と黙祷原爆忌宏虎
暑き中ジョギングの老笑顔なり治男
読経済みくるり向き変え盆僧侶こすもす
丸刈りの盆僧マリッジリングしてこすもす
汗拭ふ金髪の香具師の首細きなつき
焼きそばが一番人気夏祭やよい
校門の錠前固し夾竹桃ぽんこ
川端に大きく垂れて夏柳ともえ
豊作に礼し木を曳くミニトマトよし女
百回を汗と涙の甲子園満天
農夫の手我が子のようにかぼちゃ撫づたか子
2018年08月04日
反り返る湯引きの鱧の白さかなたか子
外車の上揚羽蝶飛ぶ外車臭治男
五時過ぎてよりの買い物猛暑の日こすもす
輪の中にひと際手振り良き踊りはく子
川端に大きく垂れて夏柳ともえ
過ちは繰り返さずや原爆忌宏虎
踊りの輪もはらに子らは屋台へとはく子
今年からアイス常備の厨かな明日香
カナカナをBGMに露天の湯智恵子
中天の朝日に浮かぶ半月よ明日香
朝涼や赤信号も苦にならずさつき
打ち水やたちまち庭に風を呼ぶ三刀
白光を四方に放ちて屋根灼くるせいじ
原爆忌朝蝉加え黙祷す宏虎
家の猫夏バテ知らずか庭行き来菜々
暑さ遠ざけんと庖丁音高く菜々
子の供養千体地蔵菊の花ぽんこ
観音の羽衣ふわり風凉しぽんこ
木下闇小さきお堂のお地蔵さんこすもす
今ここに注ぐひぐらし陽明門智恵子
父の背でまつり提灯手を伸ばしもとこ
大揚羽亭午の窓を過り行くよし女
孫子らの見舞ひ嬉しや夏の風邪せいじ
月下美人咲くを知る香や台風裡なつき
造り滝海の名残りの樹林かななつき
青葉山鴉飛び行く碧き空治男
酒豪なる婿に買い置く芋焼酎よし女
更け行くに手足揃ふや踊りの輪満天
踊り果て闇夜に赤き火星光る満天
一山の滴り集め河奔るたか子
風涼し鍾乳洞への道すがらさつき
2018年08月03日
一陣の風炎昼を和ましむせいじ
岩清水落ちて奏でる水凹み智恵子
気懸りに決着つけしより涼したか子
万歩計五百に満たぬ酷暑かな明日香
メモ色々買い物頼む夏の果てやよい
我が町のすべて手作り夏祭満天
蝉の声部屋に入るもまだ耳に明日香
公園に鳩のみはべる夏の暮治男
千枚田サワサワ靡く青田風智恵子
回覧板と共に持ち行くミニトマトよし女
一休みしては又鳴く油蝉こすもす
レール溶け切断と云う極暑とはたか子
生きたしと間遠に聞こゆ蝉の声ぽんこ
夕焼けて一番山車の奉納舞なつき
暴走車追ふパトカーや極暑の夜やよい
方形の建物増えて街溽暑菜々
水の音風の匂ひに夏惜しむ宏虎
移動してテニスの応援日陰占め有香
炎昼の庭山蟻の走る影三刀
忠魂碑汗の冷たきリュックの背なつき
夏日燦女性の撃ちしスタ−ト音治男
ゆくりなく高舞ふ夏の蝶二頭せいじ
ビル街の林立の影いわし雲ぽんこ
一山は蝉蝉蝉の桃源郷宏虎
落鮎か腰まで浸かり網投げるこすもす
法被着て主婦別人の踊りの輪満天
学習塾の子らを励ます百日紅よし女
2018年08月02日
乗り継ぎの夜半の空港天の川宏虎
絢爛なる湖水現る花火かな隆松
石磴のうねりのごとく萩の花ぽんこ
一雷に間髪入れず夕立来る菜々
一言のでんと響けり生身魂宏虎
新聞配達短夜の街動き出すやよい
差し入れの鰻に英気ギブスかなやよい
涼風や玄海灘を見下ろせばさつき
熱き茶の喉に沁むるや夏の風邪せいじ
上り来て手の窪飛び立つてんと虫有香
大夕立去りて一瞬静もれるはく子
八月来て強き日射しの衰へず満天
芙蓉咲く茅葺の里赤ポストたか子
頬に風けふよく鳴けり夏うぐいすなつき
川畑に大きく垂れて夏柳 ともえ
向日葵の強き日射しも受けて立つ満天
国分かつ高嶺を窓に夏座敷菜々
音の無き水車小屋や草茂る隆松
清流で洗ふ野菜の籠涼しそうけい
墓の上黒揚羽舞う父なるか治男
大夕立仏舎利塔も洗ひけりはく子
畑に水やれば寄り来る黒揚羽よし女
海からの風はたちまち青田風三刀
風立ちて不意に高舞ふ夏の蝶せいじ
弁当に箸を忘れし猛暑かなさつき
大波にキャッキャ喜ぶ浮き輪の子智恵子
夏霞夜空に一つ火星あり智恵子
稲の穂の出揃いたりし議論の声治男
冷房に居れば尚更外は苦手よし女
やはらかなゴーヤのわたを取りにけり明日香
いつからか南瓜切るは夫の手に明日香
朝顔の紫染まる古刹かなぽんこ
2018年08月01日
夏草のカーブに電車消えにけり三刀
熱帯夜妣のほほえみ夢に立つ宏虎
雀らの砂浴び跡やさるすべりよし女
東雲に舞ふ蝙蝠の黒き影智恵子
風鎮は流水模様夏座敷菜々
三尺玉スターマインに花火果つはく子
双眼鏡涼しベランダ赤き火星満天
向日葵の頭垂れたり今日も無事治男
瞬かぬあれが火星や夕涼みせいじ
風鈴の舌に夕日の煌めけりさつき
雨乞の鈴の音高し雲の峰よし女
明易し遅刻の夢に目覚めけりやよい
天も地も洗い流して大夕立はく子
茉莉花の二度咲き会ひ笑みこぼる明日香
句碑守りの下枝刈つて樹下涼しなつき
駆け回る吾子の浴衣の寸足らずなつき
朱の火星したがへ遠く月涼したか子
月涼し火星を追つて中天へせいじ
風にのる微かな匂ひ稲の花こすもす
風呂上りベランダ立ちて風晩夏満天
六地蔵朝の勤行蝉しぐれぽんこ
青田風丹波但馬の国境菜々
灼熱といふ言葉今体験す明日香
文月や火星いびつな輪を描く有香
稲光一閃浮き出る街の貌宏虎
夏草や左折のハンドル慎重にこすもす
下闇のベンチ譲らぬ鴉かなさつき
夏の月赤し火星のなほ赤しやよい
夕顔の闇に艶めく路地の垣智恵子
細流沿ひ鷺の屯の茂りかな隆松
吟行地頭冴ゆるか氷菓子治男
夏の日の葉洩れ尽くまで並木ゆく隆松
2018年07月31日
山の神家庭の中心喜雨となる宏虎
遠花火消えても残る火星かな明日香
灼くる砂渚まで皆猛ダッシュ智恵子
わつしょいと団扇で煽る万燈かななつき
旅の途の船上に見る大花火はく子
大風にまろびまろびて蝉の殻せいじ
せせらぎに和して数多の風鈴を満天
炎昼の砂場飛びたつ群れ雀三刀
火星見ゆくちびる乾く熱帯夜なつき
野菜みな大きめカット夏カレーこすもす
居眠りも防ぐ塩アメ舘涼しこすもす
子の作りしメロンの固し性格似治男
炎天行く吾がさす傘の影たよりよし女
葡萄食む小粒ながらもいと甘し菜々
山姥は晩夏に出でし鬼女なりぬ宏虎
水色の濃淡で描く夏見舞満天
車椅子に夫と見たりし大花火はく子
おちょぼ口つぼめて上手葡萄食む菜々
前の人倣ひて茅の輪くぐりけりさつき
炎帝に参ったと言いただ歩むたか子
夏休み子らの暦は真っ黒に智恵子
駅前はやぐら高々盆用意たか子
夕風の遠くに音す草刈機よし女
涼しさや写真撮り合う夫婦いて治男
山頂へ舞ひ上がりたる夏の蝶さつき
葉の裏にしがみつきたる蝉の殻せいじ
テニスボール炎天の空消へにけりぽんこ
幾重にも花火ひらくや川面にも明日香
2018年07月30日
山溪をバス七曲がり雲の峰宏虎
昨日より確かに空は秋の色たか子
手花火に顔のでこぼこ望の月よし女
夕張のメロンを食し旅想う治男
夕涼み僅かな風に首伸ばす智恵子
日盛りの三軒目てふ道遠しなつき
英虞湾の真珠イカダに月あかり愛正
鳥除けの網切りブルーベリー摘むなつき
ひまわりの百万本と対峙せりよし女
親と子の七夕飾り公民館こすもす
瓢箪池へ闇引寄せて蟇の鳴く菜々
猛暑日の今日の買物迷ひけり満天
謂れある井戸に飛び交ふ朝の蝉ぽんこ
ゆさゆさと空磨きたる百日紅たか子
川床や水音と蝉に会話閉づ明日香
処理水に金魚フリルを広げけり宏虎
苑ぐるり見上げし空に花木槿ぽんこ
短夜や音消えるまで救急車満天
台風の去って一山蝉しぐれ三刀
涼風にカラカラ回る風見鶏智恵子
貴船社の赤の灯籠川涼し明日香
素麺に舌鼓の子等七夕会こすもす
蝶追うて猫は戻らず蝶戻るたかを
風鈴の路地ゆく風を捉へけりさつき
ラグビイ−のゴ−ルに入りし大夕焼け治男
財閥邸の池の底より蟇の声菜々
讃美歌に和して序破急蝉しぐれせいじ
生き返るとは斯くならむ冷房車せいじ
2018年07月29日
何事もなくて夕べに時鳥有香
釣忍粋な邸の軒先に宏虎
宮涼しいづこに立つも水の音菜々
台風一過翠巒青空戻りけりはく子
髪すなほ夏の少女手にスマホもとこ
古里の暗き納戸やゆすらうめ有香
青しそを摘みて夕餉に香を添ふるはく子
冷蔵庫隅のこんにゃく金平に明日香
点字打つ湿布の袋夜涼かなやよい
台風のときに余波なる風騒ぐせいじ
台風後風に押されて故郷へ治男
身を寄する庇もなくて大夕立ぽんこ
夏の夕映へておわすや伊吹山隆松
台風の来るを知らずや蝉しぐれ三刀
若衆の肩組み跳ぬる祭の夜なつき
大嵐去って準備の盆踊り満天
秋空を仕上げ風雨の去りにけりたか子
海沿ひの駅一呑みに大西日せいじ
高校球児のごくごくタイム氷水よし女
朝まだき墓掃除へと自転車をこすもす
運転のバックミラ−に夕焼け雲治男
草陰に稚魚見え隠れ川涼し智恵子
雨上がり虹立つ不思議天体ショウ宏虎
真夜中の雨戸叩くや台風通過満天
雲の峰試合の合図高らかに菜々
祭衆の勢なだむる通り雨なつき
野分後余韻の残る風の音ぽんこ
厨房は蒸し風呂と化し止まぬ汗智恵子
かかし高齢交通安全たすき掛けよし女
ほつとして鉢戻しをり野分後明日香
伊吹峰に笠雲のあり夏の夕隆松
朝涼や自転車で行く墓参道こすもす
鳩どっと翔ちて社や苔の花たか子
2018年07月28日
テレビ画面を台風コースと二分けにこすもす
水占に浴衣の肩を寄せあふて菜々
暑気払好みの茶碗にお薄点て満天
葬祭壇白花多く浮く夏菊治男
朝焼け雲裂くよな旭天放ち隆松
母の忌や息吐くごとく百合ひらくなつき
誰か居る視線返せば日輪草たか子
夏日差し川底の石揺らしをり明日香
昨日よりがつしりしたるバッタの子せいじ
風鈴の好む山風別荘地宏虎
百均に並ぶ印鑑涼新たよう子
蟻あまたシンクに跋扈跳梁すせいじ
少量の梅酒の琥珀望月夜よし女
海霧や水着の乙女影絵なす智恵子
余念なき窓拭き掃除玉の汗ぽんこ
切り株の石と化したる夏の果ぽんこ
一茎に三輪の百合釣り合って治男
虹の橋目掛けリフトの上りゆく宏虎
猛暑日の屋根白銀のごと光る三刀
紅芙蓉土手に咲かせり休耕田なつき
懐かしきソプラノ聴くや館涼し満天
イルカ跳ね濡れ鼠なる夏休みもとこ
渦巻のコース突飛や颱風来たか子
夏空へ連理の賢木あをあをと菜々
東空も焔立つよな大夕焼け隆松
黒揚羽二羽が木の間の闇に消ゆよし女
溽暑中テニスボールの音弾むはく子
走り根の砂利に隠るる夏貴船明日香
赤と白ワイン二本のお中元こすもす
夕映えや未だ色淡き赤とんぼ智恵子
萩祭の案内届きぬ萩の寺はく子
夏柳そろひて揺れる川の淵ともえ
2018年07月27日
列島にまた近づくや夏台風満天
足音に亀の子首を伸ばしけりぽんこ
五歳児の塾の宿題短き夜治男
遊泳す若者の四肢生白しこすもす
炎天下重機頸振り家こぼつ菜々
漂着の流木あまた秋思憑くせいじ
蝉取りやタオル巻く子等背伸びしてもとこ
ランニングTシャツ汗でびしょ濡れにこすもす
故郷無く友羨まし夏休宏虎
石垣の隙間に繁茂蔦青しぽんこ
ふと見やる垣根の縁を黒揚羽明日香
老鶯や触るる点字の化石句碑なつき
川遊びの子らの声聞く化石句碑なつき
背のすらり青々とせる青芒宏虎
猛暑とてシルバー連日ゴルフへと満天
聴き度きは蓮開く音その風情たか子
汗拭きつ手旗きびきび保安員菜々
茗荷の子酢水たちまちピンク色よし女
日盛りやATMの無人ボックスよう子
ライトアップ池の底ひの青もみぢはく子
忍耐の外に術無きこの猛暑三刀
雲の囲に今朝もかかりし老の顔治男
故郷の簗に夢中の子らと彼智恵子
翠黛の迫りて瀬戸の風涼しせいじ
扇風機信号待つ女の手に回る智恵子
抱へ来る篭に山盛り茗荷の子よし女
木々高く静まる小社炎暑かなたかを
夏の夕峰かすめゆく茜雲隆松
火鳥めく雲の翔ぶかな夏の夕隆松
夕まぐれまだ来ぬ夕立ホース持つ明日香
2018年07月26日
山寺の梵鐘撞きて大暑飛ばす宏虎
堤防の外壁を打つ土用波せいじ
ナイター観戦東京音頭生で聞くこすもす
夏草の一面に生え水道局治男
客寄せの巨大西瓜に触れもして満天
五センチの片陰寄りて歩きけりもとこ
その奥に乗馬クラブや夏木立菜々
生徒等と避難訓練夏つばめ治男
午後三時西日の車内瞼閉づ明日香
撒き餌する鯉の大口池凉しぽんこ
サングラス少しく齢かくさんとはく子
ロケットの打ち上げ見送る雲の峰はく子
御手洗の岩のくりぬき苔の花ぽんこ
ボサノバの漏れ来る浜辺海の家智恵子
花鉢を栖としたるバッタの子せいじ
スーパーの買ひ物後に避暑として満天
クリーム山飛び来て着地夏の虫たかを
縁結び鳥居の前に水を打つなつき
ナイター観戦売り子の声の良く通るこすもす
熱中症文字を見るたびお茶を飲む明日香
山百合や王者の貫禄香を撒きぬ宏虎
風鈴をうるさいと云ふ大都会智恵子
すべり台へ良き影こぼす夏木立菜々
靖国に吊す献句の樹下涼しなつき
検査受く自動車学校草刈られよし女
熊蝉の炎暑の狭庭掻き回す三刀
小さき家時折聴こゆ遠花火よし女
2018年07月25日
車椅子止めて指呼する遠花火更紗
三味洩るる祇園花街軒すだれ菜々
旧邸の座敷のカフェや夕端居はく子
浮かぶなら陰作っておくれ夏の雲隆松
自転車のサドルの灼くるひもすがらぽんこ
愛犬の鼻先を飛ぶ道をしへさつき
山道に落石多し紫陽花園治男
洗濯を干す手の日焼け日毎濃く智恵子
古すだれ隠棲のごと窓かくす菜々
ひらひらと夜目に白き手蛍呼ぶなつき
人気メニューはコーヒーぜんざい避暑ホテルこすもす
猛暑日の音の絶えたる我が町に満天
青田中進むがごとし湖西線隆松
刈草の日影に群るる村雀よし女
鵜飼の火川面に反射不夜城に宏虎
熊蝉の鳴くを見たくて双眼鏡明日香
俳句への師の情熱に汗の引く明日香
雲の峰高層ビルを抽んでし更紗
蝉時雨子の絵を飾る美容院なつき
タクト振る奈落の影や灯の涼しよう子
蝉時雨再建の目途立たぬ館満天
故郷の寺の睡蓮過ぎし日日治男
神の森一枚岩の滴れりさつき
0.風鈴や狂い咲きたる藤の花三刀
早桃パフェ期間限定愚痴聞くよもとこ
夏闌けて入江に群るる魚影濃しせいじ
我もまた男もすなる日傘差すせいじ
飛沫上げカヌー岩場に突入す智恵子
刈草の真白となりし酷暑かなよし女
火の匂ひ水の匂ひの鵜飼かな宏虎
引き波の後はさながらレース模様こすもす
2018年07月24日
砂利道の音の乾きの暑さかなはく子
大暑なる吾が町の名を見るニュースなつき
駆ける子の背を追ひかける赤蜻蛉愛正
大西瓜腹で支へつ持ち呉れしやよい
日傘さす翁ときには杖として満天
フェリー涼し小豆島にも行くかしらこすもす
今日大暑ラジオ体操息切れすなつき
冷奴葱と生姜のトッピング満天
貨物船進む沖合夏がすみこすもす
今朝が一番寺苑の蓮満開によし女
滑り滝土砂に埋もれて流れ変ふあさこ
無音界まだ風棲まず青芒宏虎
水道局喉渇くごと蝉の鳴く治男
アスファルト炎気に耐へる靴の底よう子
白雲の影黒々と夏の山せいじ
毛刈りされアルパカ細く雲の峰よし女
糺の森そよりともせで蝉しぐれはく子
大寺の屋根反りかえる猛暑かな三刀
崩れいる歌人の墓に蝉時雨ぽんこ
幾重にも月の暈あり大暑かな明日香
七夕竹町屋の軒の其地此地にさつき
体温を超えて熱波の襲ひ来る智恵子
友の葬冷房強く涙する治男
風涼し賀茂の流れの潺潺と菜々
合羽着てナイアガラ見る二重虹宏虎
涼しさや境内を掃く竹菷さつき
お供えにじゃがりこ ゼリー地蔵盆明日香
青空を少し見せをる軒簾せいじ
五輪向け東京タワー五色なす智恵子
彼彼女賀茂の河原に夕涼み菜々
押し上げて両手広げる夏の雲有香
2018年07月23日
灯籠のろうそく揺らぐ夕涼しはく子
連日の猛暑静かに梅酒飲む三刀
掛け絵馬のことりともせぬ大暑かなさつき
公園に刻を惜しみて夜鳴き蝉智恵子
朝まだき草刈り重機始動する明日香
夏祭りぼんぼり灯りのど自慢治男
ほととぎす一と声テレビの中と知るよし女
露草のジャンボに育ち溝塞ぐせいじ
産土神の初の風鈴祭来るよし女
風通る両の窓より蝉しぐれせいじ
子のプールベランダに水流しつつなつき
蛇口より水が湯となる大暑かな満天
噴水のしぶきにはしゃぐ子ども達こすもす
鬼百合の邸の並ぶ山手かな宏虎
地方での祇園祭や商工会明日香
大暑かな事の進まぬ探しものやよい
大鳥居潜りし一歩風涼し菜々
炎天下グランド修理散歩人治男
ぼんやりと上弦の月熱帯夜智恵子
夕涼み大正遺構の縁に座し菜々
四十一度のテロップ流るる大暑かな満天
脳みそも息も絶え絶え大暑かなたか子
朝拝の整列したる巫女涼しさつき
寺火事にくすぶる宝珠お風入れなつき
ボランテイア泥と闘ふ汗しとど宏虎
昼寝より対処なき日々足の怪我やよい
水に映る己の姿青とんぼぽんこ
足跡は鴉木陰のベンチ下こすもす
2018年07月22日
裏山のすべてが今は蝉浄土三刀
尻尾継ぎつ二陣三陣蝉時雨うつぎ
鎖なか緑陰鎮座力石智恵子
帰宅して祇園囃子の耳残る宏虎
夏祭りちんどん屋来て後に付き明日香
芝居はね羅の太夫募金箱よう子
老いの身の猛暑に頼る水枕あさこ
バオバブの巨木の花や夏の星もとこ
土用うなぎ息災祈りつ奮発す菜々
雲くぐり出て上弦の月涼し菜々
夏草に掉さしてたつ渡し舟なつき
掛け軸の紙魚の風格山水画宏虎
外つ国の家族の憩う木陰かなこすもす
添へ書きの地震水害暑中見舞満天
パトカーが目立たぬところ夏祭り明日香
泣きやまぬ児の髪汗のしとどなるたか子
海の上山の上にも雲の峰せいじ
肩にかけ手荷物両手夏休み有香
普段より辛めのカレー暑気払いたか子
選り分けるママの手見据えサクランボ有香
息切らし登る渓谷山の百合智恵子
お洒落して園児等夕涼み会こすもす
お中元の礼に始まり体調問ふ満天
芝を刈るオレンジ色のヘルメットせいじ
渡し場へ風を集めて夾竹桃なつき
2018年07月21日
住み古りて誰も友達納涼会うつぎ
早起きの真先目高の子を数ふうつぎ
夏祭り鉢巻浴衣おむつの子もとこ
青空に夏の夕月確かなり治男
峡空へ変幻自在夏の雲菜々
子と囲む卓の素麺流しかなこすもす
憤怒する不動明の眼日の盛ぽんこ
わづかでも動けば汗のしたたりぬ明日香
表門大きく開けて夏館せいじ
老鶯や夏来る今も鳴きともえ
夏休み文楽人形握手攻めよう子
電柱のほそき片影赤信号なつき
鰻屋の前の渋滞すり抜けりなつき
青きまま道にこぼれし榠樝の実せいじ
干し物の暑さもろとも畳みけり満天
わっと来て土用波引く中国語宏虎
洗濯機何度も回す酷暑の日明日香
年長さん縫上げ無用浴衣着るこすもす
根無し草淀みに宿り花開く智恵子
夏休みスタンプカード首に揺れたか子
塀越しに煙匂ふや庭花火智恵子
黒揚羽帝の歌碑のそびらより菜々
土用ウナギ朝から忙し客並ぶ宏虎
海の色いよいよ青く夏休み三刀
夏空にクレーンどこまでビル工事ぽんこ
紫陽花の一輪清しかもめーる満天
体力の衰へ覚ゆ日の盛りたか子
病の子を励ます会や炎天下治男
2018年07月20日
手を繋ぎ男の照れる夏の路地治男
我が頬も真つ赤に火照り梅を干すうつぎ
高気圧二重奏とて西瓜食ぶよう子
下校子の両手の荷物夏休み満天
汗まみれの指を折りては吟行子菜々
大型ごみ夫と運べり土用入りなつき
煙浴び土用うなぎの列に待つなつき
除草剤青田の畦の黄ばみけり明日香
しゃーしゃーと家事急かせたる蝉暑しやよい
老の身に酷暑の予報容赦なくはく子
山の端に立ち上がりたる大銀河せいじ
鉾曲がり東山舞ふとんちきちん宏虎
アクシデントに予定キャンセル油照やよい
今生の命の限り蝉しぐれぽんこ
風の死し頭を垂るる草草も三刀
裏返す時は傘着て梅干せりうつぎ
汗に来てミストにしばし駅ベンチ菜々
ビーチパラソルひろげ交通量調査こすもす
稲の穂のそろいて靡く農夫の眼治男
駅広場ミストのベンチ涼しけり満天
酷暑でも句材求めて外に出る明日香
風鐸の無音を偲ぶ古刹かな智恵子
蝉しだく今朝また数をいや増してせいじ
祇園祭四条通リを狭くせり宏虎
機嫌良く目覚め朝顔数えけりこすもす
寄る辺なき風の意のまま夏の萩ぽんこ
蝉落ちて土に帰れぬアスファルトもとこ
ミシン踏む速度を上げる蝉時雨さつき
宅配の人へ感謝の氷水智恵子
2018年07月19日
木の胯に水筒預け草刈女さつき
向日葵や童心となり絵を描きぬ治男
老鶯の美声聴きつつ苑去れりぽんこ
夏バテが口内炎に出る人も明日香
打水に待つていたかと庭の木々満天
すれ違ふ浴衣の乙女シャボンの香智恵子
太陽のぬくみ杏のジャム煮詰むやよい
土の道失せていよいよ町灼くる菜々
日常と言う幸せや冷奴たか子
胡瓜揉み母のまな板黒ずみてもとこ
OFFにすることなく稼働のクーラーこすもす
歳忘れ派手な夏帽風を切る宏虎
花びらの池面に散らす蓮浄土ぽんこ
この暑さ地植えの木さえ喘ぎをり明日香
灼くる道這ふはジゴクノカマノフタせいじ
暑き卯建ベトナムの娘(こ)と写真撮る治男
ペチュニアの赤極まりぬ炎天下せいじ
胸板をゆっくり下る汗の玉三刀
炎天にスクラムを組む力石有香
人声の途絶へ切ったる町酷暑やよい
ワンドリンク歌三昧に暑気払いはく子
山伏は錫杖と法螺慈悲心鳥宏虎
渓谷に落つる宝石翡翠かな智恵子
筆運び優し濃淡暑中見舞満天
裏返る蝉に容赦のなき日射しうつぎ
蝉骸左右対称極めたるうつぎ
蓮池の風下に立つ骨董市なつき
原発のパネル並べて暑き風なつき
旅疲れするりとほぐれ冷奴菜々
外出を避けクーラーと留守番すこすもす
車座になりて休憩草刈女さつき
背の高き人の日傘の内に入るよう子
椰子の葉の翼を広ぐ盛夏かな更紗
2018年07月18日
緑陰に万葉歌碑読む吟行子満天
七日すぎ転がり落ちて蝉あはれもとこ
ひまわりのまだ丈足らぬ花の丘たか子
右往左往万葉歌碑に遊ぶ蟻ぽんこ
国東に摩崖仏多く滴れり宏虎
波打ち際第九の聞ゆ歓喜の夏治男
夏萩の枝垂るる径の古刹かな宏虎
秋草に歌垣のごと歌碑並ぶ菜々
姦しき蝉も家族や朝の卓せいじ
友の訃を聞きし夜更けの遠蛙やよい
水筒の氷カラカラらっぱ飲みよう子
そばで鳴く老鶯姿見せぬままはく子
誕生日のお祝い帰りや天の川こすもす
風通ふメタセコイアの夏木立せいじ
時計見て放流待てり作り滝なつき
はたた神驟雨を連れてご登場たか子
向日葵も入れて祝いの花束をこすもす
さざ波が枕元行く夏の夢治男
空蝉や万葉歌碑へ道とれば菜々
昨日今日一気に増えた蝉の穴三刀
ハンカチを落としましたよ背より声明日香
予定詰む手帳をめくる鼻の汗なつき
石仏に瓔珞のごと蔦青葉ぽんこ
仏桑花おちょぼ口なす夕の浜智恵子
万葉歌碑に薄紫の四葩添ふ満天
万葉の庭一面の蝉の穴やよい
菅笠にアイス忍ばせ人力車智恵子
2018年07月17日
婦長さんを女医に見紛う百合の花治男
青柿のたわわに実る薬草園ぽんこ
様々な季語に遊びて句座涼したか子
葛餅や軽く持ち上ぐ御石様なつき
菩提寺の境内に聞く蝉の声こすもす
鳩の脚赤々として炎暑かなたか子
黄昏の縁に一献暑気払い智恵子
すれ違ふ老いも若きも半ズボンせいじ
せせらぎの楽の漏れ来る青葉闇せいじ
日の斑洩る竹林渡る風涼しはく子
夏料理島の訛りをまぶしけり宏虎
山蟻と共に詣でむ奥の院はく子
住職は俳句好きなり卓涼しよう子
御殿雛祭る本殿黴臭しやよい
氷屋の旗に誘われ男坂なつき
入院の娘に見せる夏満月治男
喧騒の一歩緑陰万葉歌碑満天
公園の出口に老鶯しきりなる満天
下校児に麦笛教ぶ農夫かな愛正
遠雷と思うや否やゲリラ雨智恵子
溽暑なりギブスの足の重きことやよい
熊蝉の声かき回す血潮かな三刀
ソーダ水脳裏に浮かぶ貨物船隆松
銅鑼の音ハンカチそっと眼を押さえ宏虎
白蓮に白蓮の人影もなく濁り水ぽんこ
夏うぐひす万葉公園森深く菜々
2018年07月16日
中元はゼリーと決めてうん年にせいじ
風涼し橋をくぐるも滝の道なつき
ハイビスカス歌の指導者何時も笑顔満天
薫風や墓所入口のクルス墓有香
ブラインド閉ざせしままの夏館たか子
シャンプーの犬追ひかける日向水智恵子
紅白の揺れる駅前夾竹桃満天
糊パリツ夏座布団の写経かなよう子
風涼し天神下の交差点なつき
香水の残り香ありぬグリーン席宏虎
合い鍵の店に双子や百合の花治男
夏鴨の一羽も見えず池広したか子
碧天の田んぼの青波凪いでいる明日香
打ち水に下校途中の子らはしゃぐ智恵子
ひまわり畑ゆるりと回る風車かなぽんこ
空蝉の朽葉に紛れ横たはるせいじ
テレビでなくラジオで過ごす大暑かなこすもす
青田中揺らぐ葉先のやはやはと明日香
夏草の影に横たふホームレスぽんこ
花札を婆子に教え夏嵐治男
夕涼や風さはさはと鏡池やよい
裏山の闇を突き抜け鵺の声三刀
一杯の麦茶に奈良漬け一切れもこすもす
滝壺の踊りづめなる水の精宏虎
夕蝉や長坂くだる足萎えてやよい
2018年07月15日
食細く喉通るのはお素麺明日香
山の茶屋緑映して心太たか子
売地看板覆ひ隠して草いきれやよい
もちくれし氷菓で締むる午餐かなせいじ
風の意に影揺れ止まぬ稲穂かなぽんこ
狭庭とて今朝の数多の蝉の穴満天
道灼くる地団駄の犬掬ひ上げうつぎ
朝六時待つてましたと蝉の鳴くせいじ
スマホ地図ぐるぐる回る炎暑かななつき
猛暑日の一歩の外出取り止めに満天
カーペット慌ててしまふ夏が来るもとこ
振る舞われ元気を貰う紫蘇ジュースこすもす
寝返りを何度も打つて明早し明日香
炎昼の町溶けんとす無音界よう子
直立す托鉢僧の薄衣こすもす
歴史館涼し私の歴史見るごとしはく子
鞘堂に鎮守の社夏日影小袖
花の名をひとつ覚えて夏盛んたか子
仕舞屋の庇に草の茂りかなやよい
冷房車座れば睡魔襲ひ来る智恵子
明日と言ふ期待のありし髪洗ふ宏虎
狐穴のぞく一陣風涼しなつき
甲虫鎧がっちり隙のなし宏虎
走り根の先に三つ四つ蝉の穴三刀
神主の達筆踊る夏まつり智恵子
2018年07月14日
外出の度汗滂沱に洗濯を満天
目が覚めて猫と目の合う夏の居間たかを
雨蛙だけは平気で手の上にこすもす
水打つて建て替へ終へて静かなる満天
鳶の輪の次第に高し梅雨明くる有香
干瓢干す老いの背中へ朝日燦明日香
雑談の輪に入り来る夏の蝶たか子
コンクリの柱引掻く穴の蝉せいじ
濯ぎ物干す間も流れ落つる汗せいじ
夏の朝あの子は夜の延長やもとこ
万緑の峠を越えて白男波治男
噴水の伸び縮みして子の燥ぐ宏虎
ブルーベリージャム煮るにキッチンいや暑し菜々
剰え奥座敷入る大西日智恵子
渾身の力に尻もち草を引くうつぎ
ひと息に上り汗拭く夫婦坂なつき
館涼し昔なつかし家電並めはく子
射る如く滝壺へ水突き刺さる宏虎
夏草の畑よりわっと群れ雀三刀
来し方を指さす尾根や雲の峰花茗荷
ポリグリップ我の長梅雨晴上がるたかを
花供ふ暑いですねと語りかけ菜々
舘涼し展示のレトロ扇風機はく子
水中に潜る子の上黒揚羽治男
冷房と外気の行き来からだ萎えたか子
回覧板両隣とも打水をこすもす
ひとしきり鳶の笛降る朝涼しやよい
渋滞中七里ヶ浜に蝉しぐれ智恵子
開け放つ箪笥押し入れ梅雨の明やよい
白シャツの袖触れ合へり冷房車なつき
登り来てパノラマ涼し方位盤花茗荷
干瓢の簾のごとく干されをり明日香
蜩や奉納神楽巫女ふたり小袖
迂回路のダム満水や梅雨濁りよう子
2018年07月13日
温泉で潜り泳ぐ子父無し子治男
成すをなし天寿全う合歓の花宏虎
炎天や耐震工事の美術館よう子
冷房なき体育館にて号令を満天
碧天へ大手広げて楠茂る菜々
神の井に戸惑うて落つ夏落葉たか子
片影のつづく天神女坂なつき
つがい鳥青葉の奥に潜りたりたかを
得意気に猫持ち帰る蝉の空智恵子
親子連れ桃色日傘しゃりしゃりとたかを
梅雨明けて公園往き来清掃車菜々
鳴き止みて蝉一匹の声と知るせいじ
鳶の輪の次第に高し梅雨明くる有香
昼顔の点々と延ぶなぞへかな明日香
パソコンの機嫌なおりし冷素麺ぽんこ
十四度と言ふ水温に咲く花藻たか子
水遣るも暑さに負けし鉢五つ明日香
登校に異国の声も夏の朝もとこ
奥手なる我が家の蝉も鳴き始むせいじ
雀らも木陰に遊ぶ極暑かな三刀
雨やみて楽に捗る草むしりこすもす
初蝉や脱皮直後か濡れており宏虎
河川敷に名残ありあり梅雨出水こすもす
猛暑来て集ふ仲間と歌三昧満天
神門に深き辞儀せり汗の人なつき
金遣い荒らし老人山開き治男
井戸水にまくわ瓜など三つ四つはく子
夏帽子脱ぎて飛び込む木陰かな智恵子
2018年07月12日
断水や温泉憩う扇風機あさこ
足元の靴裏返り三尺寝たか子
京の夏女人法度の鉾を組む小袖
青簾揺れてほのかや路面の裏智恵子
定食のおまけの如き冷奴うつぎ
売り切れの食パンの棚梅雨出水よう子
テニスコート汗の吹きだすラリーかなぽんこ
瓶詰のサワークラウト目に涼しせいじ
墓碑囲む寺の甍や夏日影治男
向日葵の高きを背筋伸ばしけり満天
大観の霊峰十趣館涼し小袖
転職し赤き浴衣を買ふ子かななつき
炎天下シルバーゴルフの賑はひて満天
ハワイにてサンセットてふ船料理宏虎
初蝉や街をつらぬく街路樹にはく子
漂着のがれき積み上げ海開きたか子
炎天下軌道が街をふた分けす菜々
穴蝉の横転重ね壁のぼるせいじ
舟虫の瞬時散らばり姿なし宏虎
薔薇園に兎と猫が遊びおり治男
早朝のレッスンなれど日焼け止めぽんこ
なだらかな青き稜線雲の峰三刀
日の永し家電の変遷館に観て菜々
腹筋を鍛えだす子や梅雨明くるなつき
ランドセルほふり出してや蟻の道もとこ
カーテンを蹴って熱風襲ひ来る智恵子
2018年07月11日
扇風機唸り仲裁してくれずうつぎ
梅雨明けの川沿ひすつきりチェーンソー満天
つまみ食ひしたき夏雲空の旅明日香
太柱しかと爪たて蝉の殻ぽんこ
野牡丹の散りて広ごる濃紫はく子
蓮の花日に日に増える死者の数三刀
アスファルト溶けてタイヤに絡みつく智恵子
濯ぎもの急ぎ取り込む入道雲こすもす
園児らの声の空飛ぶプールかな宏虎
水平線のろしめき立つ雲の峰智恵子
冷奴絹だ木綿だまず一献よう子
梅雨明けの川に白雲流れゆく満天
水引きて亀の子二匹岩の上治男
西瓜切るたちまち真中ひび走るぽんこ
あたまツンお喋り止まるかき氷もとこ
虫干会不断桜をゆらす風なつき
工事場に小さき日除けの喫煙所なつき
端居して洩れる本音を聞いてをり小袖
バリバリにシーツの乾く梅雨の明せいじ
昼食後手から本落ち三尺寝治男
鴨家族畦をよちよち夏盛りたかを
夕暮や遠音に蝉の声を聞くせいじ
夏旅や白き観音見えて果つ明日香
成せばなる大志抱けと雲の峰宏虎
夏芝に足あとつけて風の道たか子
聞くまでも無く昼餉には冷素麺たか子
腰伸ばし又屈みては草引けりこすもす
ひたひたと梅雨の晴間の泥の川たかを
2018年07月10日
梅雨明けの風吹き抜ける家の中三刀
道庁のポプラの絮の髪に背に明日香
朝焼の嶺に離れて夏の月せいじ
短夜や被災のニュースつぎつぎに満天
若竹の風さはさはと祖師廟へ菜々
山蔭のお不動の手に苔の花治男
雨止みて青葉眼に沁む笛の音治男
ジャンプして脚長きこと雨蛙たか子
雨傘を日傘にかえて子等下校たかを
納涼船桟橋を埋む異邦人智恵子
まん丸のお腹にフリル水着の児智恵子
美人の滝細き流れを手に受くるなつき
大西日鮓桶の箍外れたりよう子
バナナ持て歩き初む子の足早しなつき
蝉の声神馬の耳のそばだてりぽんこ
朝焼に染まりもせずに夏の月せいじ
茹で上がる白玉団子突と浮くたか子
山谷のマラソン人生走馬燈宏虎
草繁る広場の遊具親子連れこすもす
道の駅ゴーヤカーテン青青とこすもす
短夜の通り過ぎるや救急車満天
札幌は大木多し針槐明日香
町内のここに広がる植田かなたかを
炎天の墓標に掛けて多の水はく子
梅雨出水暮らしと命奪ひけり花茗荷
六法踏み汗ほとばしる襲名やもとこ
地震要らぬ熨斗つけ返す雲の峰宏虎
2018年07月09日
雨晴れて初蝉を聞く朝の卓せいじ
梅雨明けや潤ひ満ちた神の山明日香
颯爽と白靴走る駅階段宏虎
祝ひ事あれば鱧ずし押す慣ひはく子
空蝉の日差しに今に動きさう満天
梅雨明けの日射して雨にドタバタと満天
麦わら帽リボンを付けて顎紐に智恵子
梅雨の月明るすぎたる螢の夜なつき
翠巒にひかる豪滝轟轟と宏虎
ビアガーデン宵の屋上誘ふ灯や智恵子
広大な歴史公園夏つばめこすもす
神殿の大屋根越しに梅雨の明けぽんこ
子の墓で言い足らぬ事朴の花治男
切通し過ぎて展けし青田かな愛正
街角のひまわりすくと道標ぽんこ
蛍の火目で追ふ先の梅雨の星なつき
ドロップが終点となる蟻の道たか子
雲の峰救助のヘリの飛びゆけり有香
梅雨明けて雄々しく青嶺起ち上がるたか子
梅雨明けてぎらつく道のアスファルトせいじ
渦が渦生みて土色出水川菜々
参観日後ろ向き向き白服の児治男
夏草の広場をサッカー少年等こすもす
山の端に白雲ひろげ梅雨上がる菜々
襲名の旗ひるがへり梅雨明けるもとこ
交差点信号無視の赤とんぼ三刀
梅雨明けと聞くや雲まで真つ白に明日香
2018年07月08日
梅雨断水亡き子の買ひし水使ふあさこ
餌を乞う鯉と見劣りせぬ金魚ぽんこ
木彫の盆の輪染みや冷麦茶よう子
声も出ずテレビに狂ふ梅雨出水せいじ
熱心な解説や資料館涼しこすもす
荒梅雨の上がり夫の忌無事修すはく子
雨上がり茄子の水滴アメジスト菜々
夏木立一本道の先は湖智恵子
蝉なくや空澄みわたす声響きもとこ
アルプスの風に遅咲き半夏生なつき
鎮守の森吹き抜けて行く青葉風菜々
鈴なりの青きトマトに声をかけよし女
梅雨晴や互ひ安否のメールする満天
長雨に花びら乱るる桔梗かなぽんこ
朝日差し蝉のひと鳴き指呼の先明日香
古代衣装涼し展示の絵巻物こすもす
豊作の茄子やレシピをプリントすよし女
傘干すやすぐに驟雨のやって来て明日香
子猿来て獣の匂ひ梅雨晴れ間なつき
鮎釣りの竿動かずやカメラ向け治男
ベランダの風が大好き麦わら帽智恵子
平穏の願ひを記し星祭更紗
七難を隠しおおせぬサングラス宏虎
汝が父の帰宅を阻む梅雨出水せいじ
落柿舎の部屋通る風夏涼し宏虎
揚羽二羽もつれつつ飛ぶ老の前治男
梅雨寒や大雨過ぎて次は地震満天
法要の膳に焼かれし香魚かな三刀
2018年07月07日
梅雨前線居座る列島水浸しはく子
父の部屋のいびき止まりし梅雨の雷なつき
何もかも秘密知ってる熱帯魚宏虎
亡き君へ好きな紅茶を星今宵やよい
ふる里も彼の地この地も梅雨出水せいじ
釈迦堂を抜けて翠蔭力石智恵子
予定日通り出産の姪星祭こすもす
蛍めでし清流濁り氾濫すたか子
大雨に短冊笹も見ず七夕満天
星型の薄焼き卵冷素麺こすもす
潮入川揃って上る水母かな治男
遠き日の園児も父や星祭るやよい
長梅雨に番組表とにらめつこ明日香
心筋症今ははしゃいで梅雨の犬たかを
夏木立さらにその上燕舞うたかを
チェンバロの若き奏者や眉目涼しよう子
梅雨深し大雨被害ぞくぞくと満天
保育所の迎えの母等半ズボン治男
七夕や海白銀のごと光る三刀
丘の上に蕾向き向き鉄砲百合菜々
台所椅子の軋みや梅雨湿りぽんこ
憔悴の町長の面梅雨出水うつぎ
荒梅雨や子猫泣く声耳につきもとこ
いつの間に白粉花が一面に明日香
出して着るははのモンペや夏野菜よし女
赤レンガ駅舎に飛び込む青き芝智恵子
期待大の孫の名刺や雲の峰宏虎
腕病んで胡瓜刻むも難儀せりよし女
今日も雨情報たより日の過ぎしともえ
梅雨出水湖を縁取る泥の色隆松
豆腐屋の梅雨を物ともせず呼子せいじ
期待ほどわさびの効かぬ氷菓かななつき
夫の手も借りてピューレに庭トマト菜々
河骨の同じ角度に傾ぎけりたか子
交叉する旧街道や夏燕うつぎ
2018年07月06日
ジーパンをカバンに仕立て七変化ぽんこ
荒れ梅雨や警報解除の安堵かなたか子
道に泳ぐブラックバス鯉梅雨出水やよい
山頂に蓋するごとく梅雨の雲さつき
梅雨しとど大和三山薄墨に明日香
七夕や異な横文字も短冊にせいじ
水馬と小雨の水輪交錯すそうけい
白蓮や息ひそめじっと音を待つもとこ
梅雨寒し待てども待てどもバスのこず菜々
列島を龍神駆けて梅雨出水たか子
避難場所へ変はる会場梅雨はげし満天
門川のそこここに咲く花菖蒲なおこ
向日葵の伸びて寄り添ふ三兄弟せいじ
お風入れ太子像より出でし袈裟なつき
水玉のまろびし梅雨の石畳なおこ
埋め立てて基地となる町雲の峰なつき
避難メール幾たび未明梅雨出水やよい
荒梅雨に案ずる馴染みの地名かなこすもす
欄間涼し螺旋階段も木造こすもす
山滴つ両手で受けて一礼す智恵子
駆け下る大蛇のごとき梅雨出水三刀
土砂崩れ通行止めの梅雨籠りよう子
藍浴衣肩を揺すって力士行く宏虎
梅雨雲の故郷の方へ流れゆく治男
向日葵や善意の解釈親譲り宏虎
香久山の裾引くごとく青田かな明日香
海を向く家持の歌碑夏つばめ花茗荷
絶え間なく大雨警報梅雨末期菜々
街道に重ぬる古地図夏燕うつぎ
荒梅雨に予定キャンセル句集アップ満天
山小屋の天の川見ゆ星涼し智恵子
夏嵐婆の凝視す兵士像治男
2018年07月05日
向日葵や曇る心に明日の見ゆ治男
白南風やYシャツ眩し昼下がり智恵子
子燕の三羽巣に寄り親を待つともえ
園丁が剪る紫陽花の毬すべてせいじ
雨音とテロップしきりの梅雨籠満天
掌に五つ六つほど茗荷の子三刀
ぐい飲みを切子に変へて冷酒汲む宏虎
音もなく糸の如降る梅雨じめりともえ
テロップに子や友の地区梅雨出水明日香
青嵐蔵に織りなす影法師智恵子
ソーダ水大事な話何もなし宏虎
夾竹桃通学生の分かれ道治男
ブテックの前に白百合大輪を満天
噴水の肩の力のふいに抜けたか子
泣き相撲兄は気楽に蟻追へりなつき
風の見ゆ窓に簾を掛けしよりせいじ
7月来ルーティンせずに日々過ぎてもとこ
ソーダ水会話煮詰まり泡ひとつたか子
歌人生まれし旧家の庭や蝉の声こすもす
同窓会へ沖縄土産のアロハ着てこすもす
園長がプール開きのカッパ役さつき
ハイカーら集ふ山麓台風過さつき
泣き相撲茅の輪くぐりて進みけりなつき
荒梅雨や避難勧告スマホ鳴るよう子
ワイパーを止めると直ぐに驟雨かな明日香
音読の一年生に遅れけり有香
2018年07月04日
弁慶の泉と伝へ椅子一つうつぎ
娘を訪えば裏庭狭め梅雨の靴有香
休日の古刹の池や未草こすもす
白少しのぞくや明日咲く睡蓮こすもす
園児らが列なしかつぐ星の竹さつき
一揆寺夾竹桃の紅の濃しなつき
夏風に貝殻動く潮入川治男
シーサイドに百合の百花繚乱すはく子
花五彩活けて飛ばさん梅雨の鬱菜々
笹百合の大樹の下に楚楚として満天
側溝の草起ち上がる梅雨晴間せいじ
茄子トマト詰めて孫への宅急便三刀
蒲の穂に鷺は姿を隠しけりぽんこ
焼け残る銀杏青葉や一揆寺なつき
二人ずれスマホ忍ばす浴衣かな宏虎
台風の余波とや日がな雨と風たか子
噴水のしぶきに躍る子らの声智恵子
青葉風お袈裟ゆるりと日蓮像菜々
惜敗のサッカー談義庭涼しよう子
一陣の風に蒲の穂お辞儀せしぽんこ
生徒待つグランド工事八月迄治男
雨降るの予報はずれる梅雨末期明日香
きりぎりす廊下で鳴くや姿無く明日香
片陰にスマホ片手に信号待ち満天
合歓咲くや駅舎に通ふ山の風うつぎ
笹飾り平和や平癒恋の字もたか子
土用波テトラポットを打ち鳴らし更紗
台風余波菜園手入れ余念なくやよい
鬼百合のキリンの首のやうに伸ぶせいじ
茄子の花陰日向なく生きぬかむ宏虎
荒梅雨や何するでなくけふひと日やよい
窓掠め又掠め飛ぶ濡れつばめ小袖
チェンソーの音に負けじと蝉の声さつき
石投げる子に逃げもせず水海月智恵子
2018年07月03日
一匹に大袈裟に焚く蚊遣り香たか子
梅雨最中列島竜巻大雨に満天
閉ざされし防空壕や夏の蝶よう子
遠雷となりて日差しの戻りけりせいじ
台風の前の静けさ猫あくび菜々
サーブする球の行方や蝉の声ぽんこ
鳩雀どこへ逃げたる台風来さつき
店の中歩みは緩む酷暑かなたかを
ところてん突きだす憂さももろともにやよい
水溜まりへ児達這入るや梅雨の朝治男
ティンパニを連打せるごと夕立来るせいじ
どの鉢もかちかちの土日の盛明日香
手作りの団扇も添へてコーヒー来こすもす
防空壕今に斎庭の木下闇うつぎ
小流れに沢ガニ右往左往かなこすもす
荒れ狂う木々の声聞く台風裡三刀
一喜一憂未明のサッカー手に汗すやよい
素振りする靴底やわき白つめ草ぽんこ
空蝉の命の湿りほのぬくし宏虎
当番や旧暦でする地蔵盆明日香
梅雨寒や訃報回覧次つぎと満天
三間続き開けて仏へ青葉風菜々
風入の堂に氷の置かれをりなつき
城下町まつり提灯並ぶ軒智恵子
空蝉の飴色に透く朝日かな更紗
手を翳し一人楽しむ遠花火智恵子
下校生鯛焼き買うや夕焼け雲治男
天守閣優雅に刻む水馬たか子
聖堂に白百合多に静かなりはく子
まつば杖つく跡取りや梅雨の葬あさこ
忖度に風雲急や夏の霧宏虎
お風入れ堂より僧の講話洩るなつき
2018年07月02日
ソフトクリームこれが楽しみ吟行地ぽんこ
夕闇に河鹿鳴く声露天風呂宏虎
五色旗揺るる山門虫干会なつき
鉄塔はみな影絵めく夕焼かな愛正
引つ詰め髪に白きうなじや夏衣菜々
夏衣声よく透る新発意菜々
透けている五ミリに満たぬ蝸牛明日香
七月の空へと延びる昇降機たか子
蛸食べる慣ひを知らず半夏生はく子
温泉の湯槽に光るはたた神治男
バス待つやバス停標識片影にやよい
裏口に古き杉玉半夏生こすもす
ビデオ見る部屋の片隅蚊遣香こすもす
三菜を夫婦分け合ふ半夏生なつき
梅雨最中南座修復遅遅として満天
断捨離や百科辞典の梅雨湿りよう子
濁流の音立て走る半夏生三刀
銀漢やはやぶさ宙の竜宮へはく子
早わき芽剪定始む四葩かな明日香
と見る間に道が早瀬に男梅雨せいじ
入道雲力瘤みせ老の意気治男
合戦す水鉄砲の姉弟かなたかを
浜っ子ら目指すは小島海開き智恵子
達筆な川床品書きは女将筆宏虎
大粒の雨さきがけて梅雨の雷せいじ
もふもふの産毛残して巣立ちけり智恵子
手作り市寺庭占めたる梅雨晴間ぽんこ
梅雨晴の川床料理賑はひて満天
2018年07月01日
ペデキュアのサンダル目立つ夏衣宏虎
竹林へ歌三昧の七夕祭満天
定位置を越え生ひ茂る並木かなせいじ
むつき当て富士山の回しや泣き相撲なつき
思考練る競馬新聞夏帽子ぽんこ
茄子成りて序列つけられ苗三つたかを
夏服の二の腕まぶし女学生菜々
暑いねがメールの出だし昼下りたか子
史実読み蜂須賀墓所を汗し拝す治男
掬ひ来し金魚今宵はどんぶりへ智恵子
梅雨の月覗き見んとて人の里たかを
左側へと座席移動す大西日こすもす
泣き相撲声なくすまで泣く力士なつき
夕暮れの浴衣点在川沿ひに満天
身に入むやブルーシートの屋根あまたせいじ
草矢打つさみしい時は吾が影へ菜々
定番の一人の昼の冷そうめんはく子
擦りへし墨匂立つ星祭やよい
夜店の灯ブリキのおもちゃ一つ買ふ智恵子
急かされて軽便鉄道梅雨晴れ間有香
くぐり戸や旧家の土間の涼しかりこすもす
ペディキュアに無縁の素足布草履うつぎ
青葉山飛ぶ雲追いし鳥の行く治男
水車小屋朽ちて久しや半夏生たか子
どくだみへ朝の給水匂い立つぽんこ
子燕の戻る事無し巣のしじま小袖
白南風や豪華客船停泊中宏虎
茄子胡瓜捥いで始まる一日かな三刀
2018年06月30日
風流と言はれてみたし川床の膳宏虎
梅雨しとど眠るがごとき死者の顔あさこ
短夜を憩ふ船内ミニライブやよい
子燕の巣立ちのまずは電線へ小袖
梅花藻をすすむ体験カヌーかななつき
紺碧の海7月のカレンダー菜々
せせらぎに良き影落とす合歓の花せいじ
入道雲高々ひまわり田広しこすもす
久に来る子へいそいそと胡瓜もみ菜々
夏霧の解けて牧場の牛近し智恵子
未央柳延命地蔵黄に染めしぽんこ
面構鋭き魚や夏料理こすもす
体操へ小振りの団扇バックに入れ満天
自転車に西瓜と刺身子の家へ治男
切手貼る郵便局の笹飾うつぎ
散歩道猫への土産猫じゃらしたかを
二つ三つ花ありゴーヤカーテンに明日香
胸躍る明日白山の山開き花茗荷
風もない夕暮れ淡く合歓の花小袖
自転車の補助輪鳴らし梅雨夕焼なつき
青蔦のすつぽり覆ふブロック塀明日香
衰えの紫陽花なれど凛となすぽんこ
街中の青田にしばし立ち止まり満天
グーの如ジャンケンポンと梅雨の雲たかを
クーラーも手入れをすれば上機嫌せいじ
己が影連れて夏蝶みぎひだりたか子
浜木綿や風紋出来る神の技宏虎
百科事典を売るか寄贈か梅雨曇り治男
緊急の避難命令梅雨出水三刀
せせらぎや橋の袂の恋蛍智恵子
参道に散る凌霄花踏むまじくたか子
ごみ拾ひ終へて始まる海開きやよい
2018年06月29日
畦消えて大海原の青田かな明日香
指先のパンを啄む雀の子ぽんこ
量販店梅雨傘続く回転日たかを
海開き学童総出逗子の浜智恵子
百合園の賑はふ観光バスの客よう子
降り続く雨にうなだれ梅雨の木々菜々
大物ににやり笑顔の夜釣かな宏虎
初ものの南瓜厨に座りをり三刀
五分ごと雨風強し荒梅雨に満天
雨上がる梅雨雲空へ帰しつつたか子
願い事のハードル下げて星祭りこすもす
義経像白旗なびく青葉山治男
梅雨晴れ間白アナベルが緑色明日香
子燕の巣に寄りあいて親を待つともえ
雨の間に一声もらす杜鵑三刀
醤油屋の重き暖簾や梅雨しとどさつき
体操の背中流るる汗滂沱満天
螺階上り展望台は茂り中なつき
短夜の新幹線に揺るる宿なつき
頂きを離れておぼろ梅雨の望はく子
空梅雨にあらず間欠泉のごとせいじ
療養所の門番めきてタイサンボクこすもす
ふり注ぐ火の粉に潜る鵜飼かな智恵子
虹たちし風景が好き天体ショウ宏虎
大安に土地購入す蝉時雨治男
七夕や大き願ひに逆さ文字うつぎ
轟音の列車の通過牛蛙ぽんこ
校正も楽しからずや梅雨籠せいじ
浮世絵のやうに走りてゆだちかなたか子
茄子トマト胡瓜も加へシチュー煮る菜々
2018年06月28日
老鶯の声峠より谷間より有香
片陰の幅の広きを選りて行くたか子
寺万緑玉垣るると卍道菜々
風采の上がらぬ漢ヨットの帆宏虎
広縁に軒の風鈴音かろし宏虎
庭石菖庭一隅を輝かせ有香
余念無き鳥の遊び場花野原ぽんこ
電車待つ駅の屋根越し栃の花こすもす
寺門のうす紅風に蓮大輪満天
桜ん坊種出す幼おちょぼ口こすもす
梅雨曇り親指痛く字が踊るあさこ
廃屋や途絶ゆる暮らし夏の草たかを
夏草や水路に流れ休耕田よう子
白鷺の陣取る中州宮の池智恵子
供花あふれ涼風吹き抜く千仏堂菜々
夏座敷開け放ちたる三間続きたか子
虎刈りの子は早寝して夏の月なつき
牛蛙一声鷺の飛び立ちぬぽんこ
寺門の源氏の像の木下闇満天
氷枕寝苦しき夜に頭の下あさこ
寺青葉眼光鋭き仁王像はく子
病院の庇に太る燕の子三刀
梅雨晴れてストロベリームーン現るるはく子
屋敷蛇らし庭先を通り抜けなつき
白南風や雲を払ひて望の月智恵子
傘立てを占領したる捕虫網うつぎ
薔薇香る病床娘おとこ顔治男
梅雨バテや血圧下げる常備菜明日香
石塀の長き旧家や朴の花治男
2018年06月27日
晩年は長きようにて蟻の道宏虎
寺町に風立ち上がり夏の水治男
夏落葉余念なき爺竹ほうきぽんこ
梅雨晴の急磴真向ひ伏見城満天
蟇鳴くや雨を誘うて低く鳴くたか子
梅雨末期時に太陽顔見せて明日香
神主が門扉を開く紫陽花園さつき
店跡の工事の煙炎暑の日治男
少しだけ果汁を入れて氷水せいじ
梅雨晴れ間女性車掌の眉きりり明日香
若竹の風さらさらと奥つ城へ菜々
庭雀独り舞台や梅雨晴れ間三刀
寺青葉眼光鋭き金剛像はく子
夏薊これより先は獣道智恵子
茂り濃し大神おはす遥拝所なつき
古茶煎りて香り楽しむ午後の雨智恵子
二つの巣燕子育て競ゐけりたかを
酔漢の水ぶら下げて螢狩なつき
小康の外出夏のネックレスたか子
勝たねばと囲碁試合行く梅雨暑しあさこ
奥の院へ磴は胸突き竹落葉菜々
季語にある花苗頒ち句会果つうつぎ
急磴を万緑の中登りゆく満天
宝塔の九輪水煙梅雨晴れへはく子
玄関の貸家のポスター秋桜ぽんこ
意識して枕頭に置く氷水せいじ
蛍舞ふ闇を追ひ詰め星遠し宏虎
2018年06月26日
菜園のつやつや太る梅雨晴間満天
捨て鉢の隅よりによつきり捩り花明日香
背ナを射す太陽はやも真夏めき明日香
夕闇や雲間火のごと夕焼けて治男
高速道なぞえに合歓の花盛りこすもす
尻振つてバスは青葉の九十九坂はく子
梅雨しとど診察待ちの人の中三刀
吾は洗濯夫サイクリング梅雨晴間菜々
水路橋青サギ覗く古刹かな智恵子
庭トマト捥ぐより今日の始まりぬ菜々
吾が丈を越して開きし蓮の花さつき
田水車の含みて吐き出す稚魚の群れ智恵子
春蝉や雲立ち込めて佐渡見えずなつき
夏柳湖面届きて離れざるさつき
紫陽花の道両側に色競ふ満天
南国や月もぼんやり夏の宵もとこ
樹樹茂り遠くなりたり御神殿治男
形代にほぼ全身をあてがひぬたか子
夾竹桃有るなし風に戦ぎけり宏虎
御手洗に漏れ日差し込む水陽炎ぽんこ
色づいて何にと焦る実梅かなたか子
藻の川をオール十本ボート漕ぐなつき
影薄き羽をたたみし糸とんぼぽんこ
亀虫の梅雨のホームにをちこちすせいじ
高速路出迎ヘ来るる夾竹桃宏虎
足取りの覚束なきや雀の子せいじ
池涼しとりどりの鯉自由自在こすもす
夏霧に迷い込みたるバスの旅はく子
2018年06月25日
泉州の水茄子漬を餞にせいじ
遠き日の麦茶の薬缶母の手とたか子
厚き雲の天より漏るる杜鵑三刀
早苗田に囲まれ爺の野菜畑うつぎ
古寺の礎石をつつむ苔の花愛正
炎天に刺身を買ってペダル漕ぐたかを
万緑の高速道路やバス快走こすもす
もてなしは水羊羹と決めにけりせいじ
黄昏のにぶき太陽梅雨暑し智恵子
早苗田の畦に張り付く黒ビニール明日香
滴りて苔の水音や万華鏡智恵子
里山に金のひと叢今年竹菜々
枇杷熟れて盗つ人鴉集合すよし女
木道の足元注意蛍狩なつき
友人は風の便りや夏の星宏虎
梅雨晴や子守りしつつのスマホ手に満天
町中に残る里山みどり濃し菜々
バスの旅海あり城あり梅雨晴れ間こすもす
梅雨の堂剥落しるき絵馬あまたはく子
礼服で路地行く人や額紫陽花治男
風鈴や遠慮気兼ねの無き暮らし宏虎
花槿陸墓の兵を悼むかにぽんこ
石垣の抱く走り根木下闇ぽんこ
ヒスイ峡岩場に蝌蚪の黒き影なつき
川沿ひのチェンソー後追ふ黒揚羽満天
夏霧や続く祈りの恐山はく子
登校児傘で水馬追つており治男
落とし穴あるごと嵩の松落葉そうけい
二重三重滲む梅雨月中天に明日香
枇杷全滅根元散らばる種無数よし女
2018年06月24日
静寂行く海底のごと森林浴宏虎
電車内暑さいや増す話し声こすもす
蕎麦の花警笛ながき一両車なつき
鉢ふたつ植え替えただけ梅雨晴れ間明日香
西日受く笑顔絶やさぬ受付嬢さつき
夏の縁煮干し一つが猫を待つたかを
無音なる蟻の街道幾重にもたかを
喫茶店閉ざす張り紙額の花ぽんこ
遊覧船サザン流れる夏の海智恵子
絵馬掛けの深き庇や梅雨しとどさつき
短夜や余震に灯具揺れ続くはく子
ほの暗き樹間を照らす十字花三刀
梅雨晴れ間張り切ったけど空回り明日香
夏草に埋もれんばかり無縁墓菜々
酔ひ冷ます外湯に梅雨の月仰ぎなつき
雨季さ中囲碁打つ母や紅一点智恵子
短夜を更に短く余震あり満天
アトリエに四葩を描く四人かなせいじ
梅雨晴の校庭乗り込む父兄たち満天
合歓咲くや父に背負はる子の笑顔うつぎ
干さでもの物まで干して梅雨晴間たか子
寡黙とは米寿の矜持風薫る宏虎
ペパーミント息吹き返す夏の庭せいじ
梅雨寒し地震に倒され墓数多菜々
落果はげし楊梅城の磴染むるやよい
それぞれの小指を立てて枇杷すするたか子
白南風や丹後の海てふ名の電車こすもす
2018年06月23日
捥ぎたての胡瓜隣へ直行す三刀
田は凪ぎて清水た走る用水路せいじ
短夜や余震の中のしまい風呂こすもす
子の勤めし母校の樹樹の茂りおり治男
自己流の句集作りや梅雨籠る明日香
足跡の乾く植田の上がり口せいじ
飛び上がる蛙の背ナに赤き蟻たかを
梅雨空の底に一村隠れ里たか子
羽根たたみ身じろぎもせず梅雨の蝶明日香
どくだみの庭隅かたまり白十字満天
着岸の船を迎へし水海月智恵子
額の花誠橋てふ小さき橋なつき
梅雨寒や岩肌煙る恐山はく子
大樹天辺巣へ青鷺のふわり降るやよい
頭突きして蝌蚪の喧嘩か泥神楽うつぎ
登りきて滴る神水味はひぬ智恵子
郭公のひやつほうと鳴く旅の朝なおこ
物置に子猫鳴く声梅雨の月なつき
作りし人子の手で触れる手毬花治男
万緑や登城の背ナへ吹奏楽やよい
老いてなほ夫カラフルに夏帽子たか子
ゆるやかに木立戦ぎし風涼したかを
降るでなく黒雲坐る半夏生宏虎
梅雨籠ネット操る八歳児ぽんこ
梅雨寒や地震の傷跡あちこちに満天
パソコンに遊び遊ばれ梅雨籠る菜々
農家忌む棚田を叩く半夏雨宏虎
2018年06月22日
黒南風に免許返納未練あり宏虎
ジャムを煮る匂ひ包まれ梅雨籠さつき
偕老のメット姿も緑陰にせいじ
湧水の砂の踊りて夏めけり宏虎
掬われし金魚持つ子や背ナに眠る智恵子
先達の白頭かすめ夏燕なつき
銀の糸追へば蛞蝓雨上がり智恵子
産直の会話途切れしさくらんぼ満天
牛乳飲む臨月の姪昼寝起きこすもす
夏至の日や午後八時まだ畑仕事明日香
鳶魚閣の茅葺に揺る青楓やよい
もじずりの咲きて空き地のわだち跡たか子
夏至の夜メールの写真印刷す三刀
紫陽花の咲きつぐ宮に力石はく子
ビル街の更地に揺らぐ猫じゃらしぽんこ
音たてて苔食む鯉の暑さかなぽんこ
音もなく糸の如くや梅雨じめりともえ
百舟余それぞれに見え梅雨港治男
端居してここしばらくの事思い馳すたか子
大粒を白磁の鉢にさくらんぼ満天
泥水が足跡かくす植田かなせいじ
白南風や制服カラリと乾きけりこすもす
豆腐屋の喇叭の威勢梅雨晴るるうつぎ
梅雨最中樋門のガラス夕映えぬ治男
夕映えを愛でつ仰げば夏の月明日香
跨ぎ行く妻の踵や昼寝人たかを
花菖蒲くまなく磨く茶屋の窓さつき
梅雨空や塔屋の脇の室外機たかを
城塁より落ちては縺れ揚羽蝶やよい
結願のバスに寝息や梅雨寒しなつき
2018年06月21日
紫陽花に埋もれシャッター若夫婦やよい
今日は夏至お泊まり保育の説明会こすもす
ブロック塀大中小の蝸牛明日香
遠青嶺奥の山ほど淡くなり明日香
色に惚れ一枝を乞う挿芽かなぽんこ
梅雨川や寸時戸惑う波頭たかを
夏至と言う曖昧な日を家居してたか子
本降りの雨に手入れの菖蒲池さつき
白南風や上手く畳めたレインコートこすもす
墓石は西向き多し梅雨晴れ間治男
梅雨晴や歩道の花愛で吟行す満天
夏至晴れて筋肉痛の足さするなつき
緑陰に人生談義老ふたりやよい
夏至の夜記念のワイン飲み干せりなつき
かしましき団体去りて堂涼しさつき
実梅落つ手に取ればまた芳しきせいじ
異国にて時を忘れる白夜かな宏虎
あめんぼう風に逆らい突き進むぽんこ
塀の穴に紫陽花見ゆる赤子の声治男
梅雨晴れ間庭草引かな傘干さな菜々
陽の庭に雀は遊ぶ手毬花三刀
鷺一羽植田の隅に見張るごと満天
団地には目標となる濃紫陽花智恵子
わらべ地蔵寝転び苔の花に笑む智恵子
明易し剥がれるように痛み消えもとこ
林間に実梅を拾ひゆく老爺せいじ
茗荷の子和風サラダの決め手なるたか子
紫陽花に色一つ足し蝶止まるうつぎ
くれなゐに滲む棚雲梅雨夕焼菜々
隣人の杖付く姿梅雨晴間たかを
断崖は命を呑みし沖縄忌宏虎
2018年06月20日
地震後に追いうちかける梅雨出水はく子
梅雨長しお稽古ごとを又休むやよい
日の高く何か出来さう夏至夕べ宏虎
雨上がりさきがけ開く沙羅の花三刀
水匂ひ蛍点滅草に消ゆ宏虎
雨ひと日梅味噌つくる梅漬くるやよい
大南風サムライブルー溢れけりもとこ
石段をはみ出すごとく四葩咲く更紗
我似かな娘の足や夏の部屋たかを
梅雨籠余震忘るるサッカー勝利満天
滔滔の水路四通に植田澄む菜々
明王の半身苔生ふ五月闇なつき
紫陽花に覆ふ往来外厠ぽんこ
夏つばめ堤の起伏すれすれに菜々
なゐ明けの薔薇園に人つゆも見ずせいじ
三犬に引かれる女梅雨最中治男
雑草の中花菖蒲二三本せいじ
紫陽花の大輪支へる艶の葉に満天
カッパ着て車椅子押す菖蒲園さつき
ミリでなくセンチ単位で草茂る明日香
あじさいの通過電車に雫浴び智恵子
石像の諸手広げし梅雨激し治男
麦藁帽破れしままの庭師かなさつき
蟻地獄ついつい覗く縁の下智恵子
星もなく暗き夜空に只三日月ともえ
降りぐせの空のしかかり五月雨たか子
録画せしクイズ番組梅雨ひと日こすもす
仔犬等と遊びし頃の木陰かなたかを
下闇に消ゆ寺猫の白き影なつき
安らげる主治医の言葉そとは喜雨たか子
期限切れの納豆見つかる冷蔵庫こすもす
荒梅雨や鳩は一列電線にぽんこ
2018年06月19日
梔子の香る門前立ち話三刀
梔子に顔よせる子や香の良しとこすもす
退院し我が厨房に胡瓜揉むたか子
梅雨晴間なゐに負けじと吟行すせいじ
愛犬と休む夏草土手薫る智恵子
梅雨空に見へ隠れするヘリと飛機満天
夕焼くる雲海を機上旅終るはく子
紫陽花の人混み友見失ふぽんこ
尼寺の撫で撫で地蔵梅雨の蝶なつき
テーブルの下より出ぬ子梅雨寒しこすもす
軒下に姉さん被り梅を漬くさつき
肉じゃがに新じゃが使ひさつぱりと明日香
野仏のほとりを照らす蛍かな愛正
子の部活に水筒届け母の汗治男
散り敷きてなほ色褪せぬ海紅豆たか子
紫陽花や墓苑の柵にどこまでもたかを
梅雨晴れ間グランド一杯子等運動治男
伸び過ぎてフェンスを隠す姫女苑うつぎ
梅雨晴れや安否尋ねるひととなりもとこ
さざ波の回折しをる植田かなせいじ
月見草岩石灯す富士裾野智恵子
カタカナの名をつけられて白菖蒲さつき
なかんづく天を覆うは楠青葉菜々
裏山に鳴きつる主はホトトギス小袖
黒南風やみな鼻欠けし九品仏なつき
天守仰ぎては推敲の樹下涼しやよい
緑陰にラジオ聞きつつ将棋かなやよい
石灯の陰より覗く額の花ぽんこ
梅料理番組を見てひと日終え明日香
何処までも堤明るし姫女苑満天
児と戯れるモンペの老女植田畦たかを
菖蒲田の歩板をしづと徒鴉うつぎ
2018年06月18日
梅雨寒し地震に倒され石燈籠菜々
万緑や鞠はずむごと駆ける吾子もとこ
下闇の木柵伝ひの願ひ道なつき
梅雨一ト日余震に備へ暮らしけりたか子
安否確認安堵す梅雨の大地震やよい
天辺に狂い咲きたる紫木蓮三刀
一瞬の地震に黒南風ひるむかに菜々
週明けの出鼻を挫く梅雨の地震こすもす
投げ苗の泥をかぶりてお田植祭さつき
長老の声のびやかに田植え歌さつき
押し合ひて一羽のり出す燕の子なつき
父の日や宅配便のチヤイム鳴るたかを
磴下るとき梔子の花匂ふせいじ
夏の蝶地震(ない)知らぬ気に緩やかにたか子
山襞に雪渓のごと靄残る明日香
干し竿の雫に写る百合の花治男
梅雨湿り日毎に変る山の彩宏虎
梅雨寒や関西揺する大地震満天
展望すビル群梅雨の晴れ間より更紗
活断層蠢き出したか梅雨寒しはく子
なゐ突如素足の指へ茶碗落つせいじ
花蜜柑気取りおごりの無き暮らし宏虎
行儀よく並ぶ早苗のほほえまし明日香
苔茂るオゾン溢れる登山道智恵子
衝突す二言三言蟻示談たかを
餌を運ぶ燕電柱碍子へとやよい
老鶯や梵鐘響く三重の塔ぽんこ
梅雨寒やヘッドライトに光る道智恵子
梅雨寒や高階に出会ふ大地震はく子
蓮の葉に宝石ふたつ雨雫ぽんこ
黒南風や追い打ちかける朝の地震こすもす
梅雨空を掻き回すごとヘリコプター満天
植田路に水溢れおり下校児等治男
2018年06月17日
青芝を蹴ってサッカー猛ダッシュ智恵子
炎天下お辞儀をしたる警備員さつき
帰路に着く高速バスや月涼し更紗
勝ち棋士緩みし顔や扇閉づよう子
万緑を抜きん出るビル川沿ひに満天
薄暑光仕掛け鳥いで大時計小袖
恙なく昭和一桁羽抜鶏宏虎
万緑や高き峡谷かずら橋宏虎
畦隅に早苗の束の置かれをり明日香
潮引きて川底に見ゆ白き靴治男
稲の苗数本づつの頼りなさたかを
朝経のさ中に近し時鳥智恵子
科学館隈無く遊び梅雨ひと日こすもす
五月雨に緑青いよよ神馬像菜々
金星と接近の美し夏の月たか子
父の日や似た人見かけまた想ふもとこ
薗薄暑戦で残る松に傷なつき
いつの間にズボンの裾の草虱こすもす
堂涼し由緒刻みし大梵鐘せいじ
体験の手裏剣打ちや城青葉やよい
一山を領して涼し神呪寺せいじ
霊沢の岩場水浸む雪の下なつき
石の上死んだ振りする金亀虫ぽんこ
三代の夫婦の写真父の日に三刀
大川の梅雨晴映し雲流れ満天
歩み出す落ちし毛虫や根方へとたかを
御田植祭サリーの親子加はりてさつき
アカシヤを左右に陸奥峠越えはく子
公園の青芝でいて親を呼ぶ治男
大楠の青葉にうづもる社殿かなはく子
殿様うどん食ぶ天守茶屋梅雨暑しやよい
石橋のたもとの流れ燕子花ぽんこ
白き十字何を祈るや山法師たか子
白南風や今にも駆けん神馬像菜々
低空を鳴き叫ぶ鳧巣は見えず明日香
2018年06月16日
梅雨の夜の袖通すもの柔らかき更紗
犬眠る木陰の器水満ちてたかを
上着手にサラリーマンの首の汗智恵子
茱萸の実の頭に落ち来る女坂やよい
万緑の谷間を渡る黒揚羽三刀
夫茹でるパスタの向こふ梅雨夕焼もとこ
石磴の両袖彩どる燕子花ぽんこ
蜥蜴這ふ路面は夜半の雨残し更紗
蒸し暑しリハビリしつつ太宰読む治男
灯台に添いて浜木綿皎となす智恵子
野面積みどかと根を張る枇杷たわわやよい
反り橋を渡り更なる濃紫陽花菜々
梅雨晴れ間子等を引き連れ里帰りたかを
児童らの心ひとつに田植え舞さつき
父の日や何も要らぬと言ひながら宏虎
釣人の帰り支度や河骨閉づなつき
偕老の手を繋ぎあふ四葩かなぽんこ
無縁墓へ供えてありし白牡丹治男
乾杯のビールの後の尽きぬ話満天
楊梅や鳥より先に枝たぐるなつき
余り苗片手に持ちて田の中へ明日香
父の日や父となりたる子と酌す宏虎
黒南風へひたと閉ざして長屋門菜々
山登る震禍復せし渓伝ひせいじ
早苗田に小島のごとく家のあり明日香
夏祭りよちよちの児も豆絞りたか子
大の字に野良着干したる梅雨晴れ間さつき
梅雨晴や旧姓飛び交ふ同窓会満天
父の日の手紙パパのみ片仮名でこすもす
山登る道なき道も潜り抜けせいじ
パソコンの目尻に揺るる手鞠花よう子
生駒嶺の山裾に住み明け易したか子
2018年06月15日
ペディキュアはコバルトブルー梅雨曇りもとこ
山頂にふはりとかかる夏の霧明日香
枇杷甘し子に種入れる頬ぶくろなつき
街中の代田一枚暮れ残るはく子
雨粒が跳ねて四葩の毬弾む智恵子
女坂ようこそお出で萩の花ぽんこ
燻し瓦の家並みの隙間百日紅こすもす
青鷺の水路滑走まつしぐら満天
下山して振り向き仰ぐ青嶺かなせいじ
濡れそぼつ俳人塚や梅雨深しせいじ
小流れにさざ波の立つ目高かな宏虎
来ぬ電車ホームに座る遠足児明日香
病棟の深夜の呻き梅雨最中かかし
子燕の巣に寄りあいて親を待つともえ
月曜の傘は重しとさみだるる更紗
板塀に続く社家町緑立つ菜々
青嵐ゃ甕の水飲む番い鳩三刀
降り止んで又唐突に男梅雨たか子
日本一低い山にて山開き治男
長谷観音目指す石段アヤメ池智恵子
ハエ取り蜘蛛同じ隅っこ今年またたか子
大樹より落ちし毛虫の帰路険したかを
青紫蘇のレシピとりどりトッピング満天
黒南風へひたと閉ざして社家の門菜々
アカシアを左右にみちのく峠越へはく子
枇杷の種目をくりくりと吐き出せりなつき
水琴窟リズムに聞こゆサングラス宏虎
巣へ急ぐ白き腹見せ親燕ともえ
子雀のしきりに羽を振つて飛ぶ治男
梅雨の朝三三五五と傘の傘の子等こすもす
くちなはの眼や松之廊下跡更紗
病棟のナースの笑みや濃紫陽花かかし
枯山水松を要に山法師ぽんこ
2018年06月14日
ウオークのゴールで食べるソフトかなこすもす
池埋む睡蓮の花みな真白せいじ
帰宅後のドーナッツ作り夏の午後こすもす
自転車で車椅子追い夏の暮治男
緑陰にウオーキングペア給水す満天
人形を人と見紛う夏山路治男
最果ての灯台白く梅雨空へはく子
あじさい寺老若男女人の波ぽんこ
梅雨晴れや帰りたくない子供どちもとこ
きっかけは紫陽花の色長話よう子
蜘蛛の囲のひかる雫のはじけては更紗
町溽暑ビルの狭間に寺の門菜々
衣更へて身辺整理始めをりかかし
杜涼し不二の神水ふふみてははく子
凌霄花や上へ上へと歩道橋智恵子
いつの間に架かりてゐたる蜘蛛の糸更紗
蝸牛この世の機微に触れぬまま宏虎
世の中は裏表あリ半夏生宏虎
夕暮れの微熱の喉や氷菓舐むたか子
歌碑見えぬ路傍の草の茂りかな明日香
玉葱を軒に吊るして大構え菜々
肩掛けを母にはおらす薪能なつき
つんつんと天心射すや今年竹やよい
宝くじ当たる夢見や床の汗智恵子
残雪のヘアピンカーブ雲上へなつき
梅雨晴へ車吐き出す連絡船やよい
梅雨晴やフル回転の洗濯機かかし
不順なる気候に扇子忍ばせるたか子
梅雨途切れ蒼の深さや白き雲たかを
梅雨晴や懐かしき歌学び舎より満天
朝刊を手に水玉の七変化三刀
鐘の音の突如響ける青葉山せいじ
岩壁を覆い隠せる蔦青葉ぽんこ
2018年06月13日
日干しなす海鵜に膨らむ烏帽子岩智恵子
夏灯し津軽三味線生演奏はく子
短夜や島に煌く街明りやよい
子燕の翔ける山頂空展けせいじ
黒南風や歴史の謎の古墳群かかし
尼寺の苔みずみずし御母堂所小袖
立佞武多(ねぶた)灯り圧巻夏めけるはく子
捕虫網振り回す子や蝉の声治男
行行子声の響きて姿見ず宏虎
機嫌良く老鶯の声繰り返す三刀
掲示板へ額縁のごと凌霄花満天
楠茂る大川端へ影広げ菜々
夏草の一期一会の線路沿いぽんこ
薄日差し山緑から黄緑へ明日香
梅雨晴れ間ラリーの音の軽やかに菜々
濁り池菖蒲ですよと和尚さんよう子
マンションの八階の風梅雨晴れ間こすもす
畑継いだ友が西瓜を抱へ来しなつき
川音の悔し高鳴る桜桃忌宏虎
梅雨晴れや家族みんなのシーツ干し更紗
山襞の陰を濃くせり大夕焼明日香
鳥の影ふいと横切る梅雨晴間小袖
山頂のケルンに刻む願ひ事せいじ
病室に明け易残し退出すたか子
万緑の中に遊具の赤黄色満天
お昼寝の爺に猫添ひ踏み踏みす智恵子
叔父のいる忠魂碑訪う楠青葉治男
お百度の周辺の黙梅雨曇かかし
船窓より仰ぐ大橋さみだるるやよい
外人に席譲られる冷房車こすもす
日の当たり半分青き四葩かな更紗
仏壇にともしび色の枇杷一つなつき
めつぶしの西日を受けて信号待ちぽんこ
三時でもランチ満席梅雨晴れ間たかを
2018年06月12日
梅雨の鬱吹き飛ばさんと髪染めに菜々
漁船の灯あまた海峡明易しやよい
祭笛閉ざす庫裏より酢の香かななつき
青楓樹下は子どもの秘密基地なおこ
老鶯や連山活気取り戻す宏虎
紫陽花の曼陀羅めきし寺に入るよう子
梅雨ひと日歳事記横に雨音聴く智恵子
紫蘇揉みの香に良いねと床の母智恵子
食い終えて破顔一笑男梅雨たかを
枇杷の実の一果残さぬ群れ鴉三刀
伏せた猫その長きこと梅雨畳たかを
我が町の歴史探訪梅雨晴れに菜々
山頂を縦横無尽燕の子せいじ
なだらかな青き稜線梅雨晴れ間三刀
井筒ごと色を違へて花菖蒲さつき
口笛に夏鶯の呼応せりせいじ
梅雨空の空港立ちて秘境旅はく子
梅雨寒や雑草絡みし鎖すスーパー満天
梅雨空を解体クレーンかき回す満天
耿耿と臨界工場大南風やよい
雨上がり前の連山新樹燃ゆ治男
時の日の運針の目の弛みなく更紗
草刈女右へ左へ身を伸ばしなつき
故郷より流れ来たりし夏出水治男
木下闇佇む歌碑の文字柔し明日香
残雪の津軽富士いま真姿にはく子
これよりは立入禁止蛇苺更紗
青梅の熟すくを待てる笊の中ぽんこ
夏落葉踏みつつ探す隠れ歌碑明日香
紫陽花の若返りけり雨を抱く宏虎
2018年06月11日
雨上がりゆつくり舞ふや梅雨の蝶満天
古宮の奥へ誘ふ樹下涼しさつき
苔茂る隧道清か天城越へ智恵子
上半分梅雨雲覆ひ黙す山明日香
犬病んで涙止まらず梅雨最中たかを
梅雨深し向う三軒ひっそりと菜々
機械でも足止めて見る田植かな明日香
風青く植田の鷺の屯してぽんこ
若き棋士昇段祝ひ風薫る宏虎
万緑や津軽なまりのバスガイドはく子
若葉風緑の海のループ橋智恵子
芝涼し古都の楽市食べ歩きよう子
伸びる度竹皮脱ぎて散らしけり満天
梅雨深し水の溜まりし畑の溝三刀
陸奥の早苗田どこまでも続くはく子
亡き父に手向けし庭の薔薇一輪更紗
夕涼の点る大橋潜りけりやよい
目薬のあっかんべーやゆやけ差すたか子
甲冑のからから鳴れり祭衆なつき
従兄弟よりもらふ赤本蔦若葉更紗
先代の遺愛の蔵書黴匂ふ菜々
この角の紫陽花が好き粗野なればせいじ
碧き空雨後の紫陽花華やげり治男
昼暗き長きトンネル夏遍路治男
奉納の小舟が巡る菖蒲池さつき
驟雨去る雀のはしやぐ声残しせいじ
梅雨深しいよいよ薄く義姉の嵩やよい
淡い色濃ゆい色あり菖蒲園あさこ
取り敢えず成り行き次第髪洗うたか子
田植え終え水の匂ひし夕の風宏虎
青時雨鎌倉道の切通し愛正
休み田にすっかり肥えた鳥の夏たかを
緑さす坂に利家公の列なつき
2018年06月10日
朱の楼門大万緑を抽んでて菜々
日の方へ方へアガパンサス傾ぐせいじ
前栽を一新したり梅雨晴間せいじ
取れとれを抱へて皆に夏野菜満天
炎の天街路樹わずか戦ぐかなたかを
サービスエリアトイレに置かる団扇かなやよい
花時計バラの洋館石造り智恵子
まほろばの水田柔し薄みどり明日香
万緑理グランドゴルフを三ゲームこすもす
暮れなずむ白夜の空やバルト海宏虎
時の日や作業を区切る腹時計三刀
菖蒲池芥掬ひて神事待つさつき
夏落葉網代模様に掃かれをりなつき
笑点の積んではとらる夏座布団宏虎
蟻運ぶ天道虫を裏返したかを
車座の昼食タイム若葉風こすもす
短夜や本読みふけてあわて寝るもとこ
夜の雨のしづく残せし花あやめ更紗
地蔵尊の前掛け白き樹下涼し満天
目のくらむ飛び石で渡る蓮池なつき
木戸固く閉ざす屋敷や花菖蒲更紗
夏空に両手拡げし連理杉ぽんこ
さなぶりのお礼のお酒貰ひけり明日香
潮干狩岸に熊手の置き去りにさつき
初なりのトマト仏と分かち合ひ菜々
すべり台へボ−ル蹴り上げ白靴の児治男
ダム放流警報の村栗の咲くよう子
南風吹く露台に無残鳥の羽根たか子
黒南風や詰所皓々昼灯したか子
一望の植田おちこち鷺群るるやよい
遊歩道あじさい咲う狭きかな智恵子
おやつ時や分け方工夫初西瓜治男
2018年06月09日
神輿屋の槌音ひびく夏暁治男
大人猫でも鬼ごっこ梅雨の家たかを
田植機の付け睫毛の子運転す宏虎
雨晴れて門前掃けば蚊の寄り来せいじ
広い窓何処覗きても青葉山こすもす
ベランダは満艦飾や梅雨晴間満天
部屋中に風通しをり梅雨晴れ間三刀
沖合に点景となる潮干狩さつき
掘りたての馬鈴薯並び空青しこすもす
梅雨晴れや歓声響くよーいどんもとこ
青葉山吊り橋揺れる子の叫び治男
月下香月出ず庭に大花なす智恵子
山肌をなほ濃くしたる緑雨かな更紗
庭の木々つややか梅雨は中休み菜々
梅雨晴間廻り道して菜園へ満天
蜘蛛の巣の幾何学模様神の技宏虎
砂の道夏草抜けて海真青智恵子
畑仕事いそしむ夫や梅雨晴間菜々
南西風や並ぶヨットのマスト鳴るなつき
明日行くよ萎える心に虹かかるたか子
茶工場の曇りガラスに昼灯すなつき
田んぼの真中に咲ける栗の花ぽんこ
夕暮れて紫濃ゆき花菖蒲さつき
梅雨晴れ間雲間の太陽誇らしげ明日香
晩学や新本届く梅雨の空あさこ
天がける鳥の音しるき梅雨晴間せいじ
梅雨空へ愛犬ひとり駆け抜けるたかを
雑草に背伸びするごと薊かなぽんこ
湧き出づる清水や銀の色なして更紗
溜め池の満々として田植えかな明日香
喉ごしの旨し見舞いの初西瓜たか子
2018年06月08日
紫陽花のブルーが目立つ雨の中満天
夫留守の梅雨のひと日の長きこと菜々
交代で親の介護や梅雨曇りぽんこ
海眺め駄菓子屋で飲むラムネかな智恵子
時の日やリズム正しき砂時計宏虎
梅雨空や長靴買うて貰いし頃治男
梅雨の傘色とりどりの出会ひ橋なつき
あちこちの痛み出だすや梅雨最中満天
万緑や日本真中の円空仏なつき
宇宙船めきしドームへ驟雨かなたか子
八十路過ぎ活け花習う夏座布団治男
古代米のおにぎり添へる夏料理こすもす
義姉見舞ふ夜の航路や梅雨しとどやよい
犬埋める家族集まる梅雨の庭たかを
甲板の露天湯に聞く梅雨の雷やよい
薔薇アーチ父と手を組み通りぬけなおこ
無人駅旅人多し七変化智恵子
朱の点の増し加はりし実梅かなせいじ
急の雨庭の草取り中断すあさこ
初ものの茄子と胡瓜で杯をあぐ三刀
梅雨の宵大きく叫び犬逝きぬたかを
山開き名山三百制覇とやたか子
夏雲に触れるごと鯱尾を上げて明日香
十薬の生命力やギブアップ宏虎
うつ伏して愚痴ばかりかな梅雨に入るもとこ
梅雨晴や検診結果封を切るよう子
自転車で走る農道夕映えてこすもす
キッチンにバットの実梅匂ひけりせいじ
梅漬ける無病息災願いつつ菜々
2018年06月07日
接骨院帰りをともに梅雨晴間たかを
あをぞらを遊べや遊べ揚雲雀敬和
どこも同じニュース報道梅雨籠りやよい
悠久の時を楽しむかたつぶり宏虎
炎天に濡れる瞼や照る舗装たかを
ラベンダー北の大地の丘続く宏虎
父の日や父の車を磨きし子治男
早苗田に映す電車はトーマス号満天
夏服のナースの腕の若さかなたか子
外房のそこここ撓わ枇杷の道智恵子
無事巣立ち静寂の朝空の青智恵子
梅雨めきて暈のかかりし日が昇るせいじ
主婦忙し庭草引かな梅捥がな菜々
雨粒のぽつぽつはねる若葉かな敬和
梅雨めくや淀の水嵩いや増しぬせいじ
翠巒の比叡比良指呼に船遊びはく子
万緑の中へ飛び込む鳥の影三刀
どくだみの香を運びくる雨後の風菜々
盆栽の実梅ひとつぶ葉隠れにやよい
灯籠に宿す灯赤し夏の夜なつき
カート引きスーパー特売梅雨晴間満天
短夜や尽きぬ電話の旧き友もとこ
保育所の遊具揺れおり夏の暮治男
道に座し金箔かかる氷菓食ぶなつき
2018年06月06日
蒸気掛け床はツルツル梅雨の入りたかを
橋殿の鳳凰かざり風涼しなつき
曇天へ千の灯の如枇杷熟るる菜々
調理人の二十四才夏料理こすもす
私事に紛れいつのまにやら梅雨に入るたか子
葉裏には雨が苦手かカタツムリこすもす
梅雨晴れ間眼の手術後は明るい世治男
クリスタルグラスに一茎額の花はく子
曲線を描く植田に山写るなおこ
屋形船竿さす先の花菖蒲智恵子
葉柳の触るる水面の光かななつき
代田かき村の老農顔和む宏虎
紫陽花に埋もるる庭のあやなしてやよい
オカリナを義姉に会わせる夏の歌治男
花首の見えぬほど虫群がりて明日香
梅雨に入る形見の傘の出番かなたか子
旧姓を告げる老女や青林檎たかを
夏めくやサラダたつぷりガラス鉢満天
ついに屋根越えて隣の枇杷熟るる菜々
梅の日と言ふらしけふの梅雨入りかなやよい
芒種寒夕餉は熱き献立に満天
青梅や父亡き庭にポツリ落つもとこ
うぐひすの庭に遊ぶや正調ならずともえ
どくだみの溜り場めきし外厠せいじ
小流れの音に華やぐ著莪の花宏虎
夫作る玉ねぎレタスお土産に明日香
梅雨入りや街の本屋で珈琲を小袖
奔流に溝のどくだみ抗ひぬせいじ
高架駅貫き青葉の楠大樹はく子
麦刈りて祠に参る老夫婦智恵子
梅雨寒や焼骨拾ふ竹の箸三刀
道をゆく沢蟹川へ返しけりなおこ
小雨降る夏草の道友見舞ふぽんこ
2018年06月05日
大南風やふいに遊ばれ風見鶏智恵子
本殿へ磴また磴や蟻のぼる菜々
六月や時の祖神へ詣でけりはく子
紫陽花の主役となりし狭庭かな三刀
田植えするおのが姿を映しつつ明日香
万緑へ開けて丹の門燦燦と菜々
威勢よく道にはみだす金糸梅せいじ
緑蔭にアベツク二組雨模様治男
キッチンはらつきよの匂ひひもすがら満天
手を伸ばしむずかる吾子や黒揚羽智恵子
噴水数多たてよこななめ向き向きにはく子
夫婦とは出合いの動機茄子の花宏虎
箒目は網代模様に菖蒲園なつき
花みかん畑の真中に大鳥居やよい
涙目に土付きらつきよ漬け終はる満天
黄金の麦田控える社かなたかを
喫茶店甕いつぱいに綿の花こすもす
青ブドウたわわや店は定休日こすもす
梔子の花白は一瞬褪せしままぽんこ
梅雨湿り猛獣猫か動物園宏虎
葉がくれの実梅を笊に雨を呼ぶぽんこ
原色の観光客や菖蒲園なつき
曇天や何処かきらきら水中花治男
どくだみや古家つつみて白き闇もとこ
嘴のごとアガパンサスのふふみそむせいじ
持ち呉るる園児育てしじゃがいもとやよい
ひとしきり何処で鳴くや四十雀よう子
生ぬるいサウナのような梅雨の入りたかを
2018年06月04日
園児等の大きな荷物プール開きこすもす
風薫る滋賀の都を行く限り菜々
あのビルの角からいつもゆやけかなたか子
今年早や居間に座りし扇風機三刀
白靴が柵に干されて紐長くたか子
遊船に白波蹴立て大びわ湖菜々
今いづこ狭庭生まれの子かまきり明日香
街薄暑着物に靴の異邦人満天
青葉漏る一条の日矢眩けり隆松
夏空や麒麟覗きて何を問ふもとこ
園内へ誘ふ菖蒲のミニ展示せいじ
大鳥居の駅前混みて街薄暑満天
国道に散らばる実梅落し物やよい
世を捨てしびくと動かぬ山椒魚宏虎
外輪船のパドルに跳ぬる水涼しはく子
電池切れるまで銃撃つ祭の子なつき
北鮮の動静微妙六月入る宏虎
立ち上がり顔の涼しや杖の人たかを
V型の蒼天眺む青葉谷隆松
加賀鳶の金のまとひや緑さすなつき
風涼しみずうみ見ゆるカフェテラスはく子
三隻のボ−ト競争波高し治男
歓喜あげ幼の手には青蛙ぽんこ
満ち潮に海月ふわふわ橋くぐる智恵子
予防注射のあとくつきりや更衣こすもす
書斎はや団扇の出番ともなりぬせいじ
喘ぎゆくロードバイクや額の花よう子
掃除するは夫の役目やらつきよ漬くやよい
木下闇猫の目光る石ベンチぽんこ
追い風にヨット快走空真さ青智恵子
街中の新樹すがしや氏神様治男
水満ちて夕日に染まる棚田かな愛正
2018年06月03日
老いて尚百姓女性花菖蒲治男
万緑の朱の仁王門のいと鮮やか満天
五月晴れ植え替えを待つ鉢幾つ明日香
犀川の水面掠めり夏つばめなつき
純白のおくるみの嬰青葉影なつき
軒下に新玉ねぎを吊るしけり三刀
万緑の息吹に大地臭ひ立つ智恵子
板塀に沿ひて真っ赤な立葵智恵子
沿線の四葩軌道を狭めたりやよい
天皇の活動一年七変化宏虎
水神さん暑き所に安置され治男
あじさゐやあちらこちらに野の仏やよい
夜の厨青梅の香のむせるほどさつき
ともがらに曾まご誕生聖五月はく子
矢の如く飛んで黄蝶の立ち止りたかを
せせらぎのほのかな灯り半夏生ぽんこ
今もある水当番や夫起こす明日香
立ち尽くす燃えんばかりの夕焼けに菜々
銀輪や麦田に続く風涼したかを
夏草や陸墓の一基崩れけりぽんこ
狙ふのはチヌとや無口な親子連れこすもす
高僧とおぼしき人の軽羅かなせいじ
青空や糸短めに凧揚げすこすもす
夏帽子並ぶ子見つめゴリラの子もとこ
梅雨晴間友に誘はれ山歩きせいじ
万緑の中まつしぐらに磴登る満天
キッチンの窓に夕焼一人占め菜々
背景で保護色となる雨蛙宏虎
鉄なすや糠床の茄子濃紫よう子
2018年06月02日
帰る途なし猫の背に赤き蟻たかを
六月の運動会の招待状満天
鈍色に灼けしドームや街の綺羅たか子
蜘蛛の子散るまさか全てが屋敷内うつぎ
家近く夾竹桃の燃ゆるごと治男
海風の涼しヒトデは乾涸びてこすもす
三輪山の背ナより湧くや雲の峰明日香
会ひに行く度に大きく子鴨かなやよい
夏の朝ナース飛び出す廊下かなたか子
あざやかな傘買ひにけり6月来もとこ
枇杷もらふ小粒で甘露なる枇杷をせいじ
水墨画さながら竹林五月雨るるよう子
江ノ電や雨後の紫陽花雫跳ね智恵子
先ず仏へ庭の初なり茄子きゅうり菜々
万緑や駆けるカラスに追うスズメたかを
蛞蝓に殻があったらいいのにな明日香
眼下には海月ユラユラ昼の海こすもす
くし型のパック詰めされ並ぶメロン満天
噴水のしぶきに踊る犬と子と智恵子
一番星百万石の城夕焼けなつき
紫陽花や動詞減らせと指導受く宏虎
教え子の贈呈の百合医院開き治男
花樗亀の甲羅に降り注ぐぽんこ
梅雨夕焼摂の稜線滲ませて菜々
夏落葉の影の揺れゐる方生池なつき
電線に巣立ちの鴉親を待つ三刀
親の留守丸く寄り添ふ子鴨かなやよい
シーツ干す梅雨入り前の晴れの日にせいじ
薔薇大輪太き支柱に凭れをりさつき
又逃がす動作機敏の油虫宏虎
囲碁試合初人に負け汗流るあさこ
2018年06月01日
夏野菜配る夫の脚軽し明日香
色具合見極め枝の枇杷を捥ぐ三刀
藁葺屋ひさし不揃い走り梅雨よう子
花弁の黄の目が印花菖蒲せいじ
驚きは色の濃きこと梅雨の月こすもす
ふるさとは盆地の真中麦の秋菜々
甘き香の籠る伊豆山花蜜柑智恵子
かき氷をんな集いて山崩すもとこ
予報士の助言を聞いて更衣明日香
走り梅雨還暦祝ふ姉妹旅なつき
あじさいや変体仮名の道標やよい
街薄暑餃子の店に列をなす満天
敷物も洗濯終えて梅雨支度智恵子
眼をぎょろり咽喉震はせる雨蛙宏虎
栗の花花火の如く垂れをりぬこすもす
足元に蜥蜴の屍梅雨晴間たかを
真夜中に目覚めて仰ぐ梅雨の月せいじ
親燕出入りす軒に雨宿りなつき
こと切れる如中断す梅雨の雨たかを
テニス終え早く帰れと夕立雲ぽんこ
一川に沿ふて父祖の地麦の秋菜々
ブロックの隙間に見ゆる立葵ぽんこ
立ち止まれば鳩寄り来たり杜の夏治男
ランドセルの重さに慣れて六月来満天
旬の枇杷大きな種が邪魔をする宏虎
紫陽花のトンネルぬけて寺めぐるやよい
大犬に小犬吠えおり町暑し治男
紫を門まで伸ばし濃紫陽花あさこ
不意の事駆けずり廻る街暑したか子
2018年05月31日
黒光りの茶釜どっかり茶屋涼しこすもす
雲切れて梅雨満月の煌々とせいじ
茶屋の窓すべて開きて菖蒲園さつき
客三人の乗り合いバスや麦の秋こすもす
雨風に真っすぐ伸びる立葵満天
紫陽花の毬いちどきに路地埋むせいじ
ぴかぴかにキッチン磨き梅雨に処す菜々
新社員スーツの肩に雨の粒なつき
鈍色の空を広げて梅雨に入る菜々
腰まげて狭庭草引き根勝負宏虎
大墓地や揚羽蝶ゆく新の墓治男
万緑裡雨に万緑裡雨に鎮もる合掌家なつき
雨を待つ路肩の草と蝸牛智恵子
青鷺や流れに佇ちて凝視すもとこ
賑やかし巣立の近し雛の声智恵子
紫陽花や引導の鐘鳴りやまずぽんこ
齢経て好かれて困る雌蚊かな宏虎
結界の竹は古色に梅雨湿りよう子
竹の秋五本は有りぬ廃屋にたかを
入れ替わり骸担いで蟻戻るたかを
青紅葉添えて八寸赤絵皿たか子
鉄橋を一輌電車夏の川たか子
公園や空腹なりし新樹の香治男
紫陽花の色を極めて雨あがる満天
紫陽花の毬の小さき煉瓦塀ぽんこ
膝痛め歩行難渋五月尽三刀
2018年05月30日
消ゆるまで後おひ吹くやしやぼん玉ともえ
背の高き築地仰げば花楝せいじ
曇天や間遠に聞こゆホトトギスこすもす
若人の泥んこ美容七変化治男
雨だれや亡父と聞いた梅雨の部屋たかを
古き家の穴から番い梅雨空へたかを
雨粒をのせて反りゆく花菖蒲さつき
万緑や太鼓の応援力あり満天
腹くちて箸を句帳に避暑散歩よう子
玉砂利の参道包む青葉かなはく子
黒猫の何処へ行くやら走り梅雨たか子
蕗煮るや聴くばかりかなその電話もとこ
青蜥蜴動悸のはやき風呂の窓宏虎
リサイクルの柿渋染めや衣更やよい
卯の花腐し体調の崩れゆくたか子
青鷺の一声零し飛翔せり宏虎
火を熾すにも蘊蓄やバーベキューうつぎ
野菜カレーことこと煮上げ梅雨に処す菜々
園児らが実梅拾ひの戦力にさつき
竹林のさわさわとして園涼しせいじ
音もなく梅雨の走りか雨ひと日菜々
入梅や先師の句碑の文字流麗治男
梅雨夕焼け塒へ急ぐ群れ鴉三刀
奔放に咲きをる柏葉紫陽花こすもす
防波堤サンダル持ちて少女行く智恵子
ケーブルカー俯瞰の森に夏来たるぽんこ
スカートをつまみて素足波を蹴る智恵子
走梅雨お稽古ごとのさぼり癖やよい
ビアサーバー後に据へてバーベキューうつぎ
転法輪自然に回る青嵐ぽんこ
マンションの裾に華やぐ未央柳満天
2018年05月29日
曇天や紅うつぎの香こもる渓よう子
薫風も仲間に入れて弾む会たか子
高速路風の生まれる夾竹桃ぽんこ
発掘調査のブルーシートや青田風こすもす
青葉山ベ−トウベンの像に礼治男
冷水器旨し水かなもう一杯たかを
防風林越えて飛砂散る大南風智恵子
緑陰に石斛の花しろしろと菜々
下闇の己の靴音響くのみぽんこ
フォーティーエイト少女らいよよ夏めきぬはく子
真実は闇の中なり梅雨に入る三刀
真っ直ぐに伸びゆく威勢今年竹宏虎
夏めくや胸元光るネックレスはく子
昼顔やフェンスに絡みて上機嫌智恵子
風うけて塀よりのぞく花南天満天
茄子の花濃きむらさきを葉の陰に満天
愛猫の日本語解せり風薫る宏虎
鐘楼に座して行厨風薫るせいじ
梅雨の雲なだれ落ちるや大赤城山たかを
銭洗ひの笊を濯げる青葉闇なつき
薫風や茅葺き四阿に一休みこすもす
十重二十重若楓なす影柔し明日香
藤の房に顎置くモデル撮影会治男
艶やかに南蛮屏風金魚をりもとこ
堂涼し大仏殿の鴟尾眼下せいじ
三歳を祝ふや吾子と袋掛なつき
大蟻に思はず弁当持ち上げて明日香
2018年05月28日
ひそやかに鳥語聞こえて夏の暁もとこ
曇天に客を引き寄すアマリリス満天
蹴られるよ言われても撮る母子鹿明日香
蟇鳴くや修忌の経を唱ふれば菜々
ハックションと一つ聞こえる更衣こすもす
枇杷熟るるぐんと疎水に迫り出してやよい
ラディッシュのサラダ赤丸夏めいてはく子
行き過ぎて卯の花の香に戻さるるたか子
山門の一歩に見張る若楓ぽんこ
昼寝覚め上目遣いで見る駅名明日香
草野球茂る夏草球隠す智恵子
左見右見古刹を包む若楓ぽんこ
春昼の扉を閉ざす参籠所せいじ
子の墓地や青葉繁りし天空へ治男
若枝を血色に染めて青楓せいじ
燕の子鳴きたる後の疲れようたか子
中空に泰山木の花薫る宏虎
獲物得て崖駆け登る小さき蟻たかを
夏痩せの未亡人又句ともがらはく子
改札越し語るカップル駅薄暑なつき
青葉風友の溺れし川の青治男
歩を運ぶたび風薫る石畳愛正
列島に早くも告げし梅雨入りを満天
梅雨空も大好きですと鳥弾むたかを
鳥語聴く産土神の緑陰にやよい
鎌を手にたかんな探す朝一番三刀
薔薇園のスケッチ赤の溢れけりそうけい
蜘蛛の囲や行くを憚る獣道智恵子
小流れに沿うて大寺風薫る菜々
巾広き飛行機雲や夏の空こすもす
公園の芍薬蕾雨たたく宏虎
2018年05月27日
万緑に汽笛一声高架橋智恵子
歌いつつ起こしに来る子夏の朝こすもす
子沢山の鴨奔放に親囲みやよい
六甲の紫散らす菖蒲かなぽんこ
信号の変はりてよりを片陰に満天
観覧席直すグランド夏の光治男
巣燕や水子地蔵の軒を借りなつき
衣掛けの松は切られて蝶舞へりなつき
バラ園の真中のテーブル混みあへる満天
万緑の葉先煌めく鳩の声三刀
お茶室の杉戸を繰れば苔青しせいじ
あづまやに一望みどりの春日山菜々
竜舌蘭夕の江ノ島燃えるごと智恵子
白煉瓦覆ふ青蔦異国めく明日香
女坂二月堂へと薄暑行くたか子
庭涼し樹下のベンチに緋毛氈菜々
夏霞薄日射したる眉の山治男
木陰にて歌碑解説にかはづ鳴く明日香
千年杉走り根浮きぬ苔の花宏虎
みずみずし何のしんじゅかにおい立つともえ
薫風や旅路に食ぶるダムカレーやよい
スタミナ欲しあの身の何処に水馬宏虎
薄暑かな電車乗る子等あかき頬もとこ
耕され後は水張待つばかりはく子
水際の歩板にかわす九輪草ぽんこ
辻芸を励ます拍手駅涼したかを
東雲の空を切り裂くきぎすかなよう子
食卓に点る三色の釣鐘草せいじ
年取りて更衣にも遅れけりあさこ
一斉に市民の広場夏の花たか子
2018年05月26日
シロップかジャムか実梅に思案中たか子
鹿好きの店主水分準備してこすもす
米寿経て派手を好みし更衣宏虎
古書街の茶房の暗し走り梅雨なつき
青鷺の凝視の姿カメラ向けぽんこ
万緑のゴルフ賑はふシルバー達満天
入れくれし新茶のぬるし甘かりしはく子
開かずの門寄ればかたばみ種弾けなつき
麦刈りや軽トラ追うて群すずめたかを
駅前の巨大ビル建つ街薄暑満天
六甲の稜線崩す夏霞宏虎
庭の池天蓋なして若楓こすもす
新樹光六十五歳以上フリー明日香
麦酒飲む今が一番美味いときもとこ
露地涼し関守石の対なしてせいじ
はぐれし子声高く呼ぶ鴨の親やよい
花さぼてん道しるべなす浜の宿智恵子
人力車古刹へ抜ける四葩かな智恵子
三笠山稜線丸く雲の峰たか子
ラグビ−のゴ−ルに這入る夏夕陽治男
棒高跳び一瞬かすめる夏燕治男
井戸の縁何やら蟻の内緒ごとせいじ
舟繋ぐ河口へ走る青葉潮三刀
役目終え工場閉鎖風涼したかを
杣道を老鶯の音に励まされぽんこ
宙返りまた宙返りつばめショーやよい
2018年05月25日
松手入れ終えて透けるや青い空こすもす
雑草も共に茂るやモスガーデンせいじ
早乙女の昭和は遠くなりにけり三刀
古町に緑まぶしき知事公舎せいじ
老鶯の声はこだまに返しつつぽんこ
薫風や一筋奥に築地塀明日香
裏木戸の屋根に夏草芽吹かせてたか子
喜寿米寿祝う大会雲の峰治男
ゆるい靴裸足のような心地するたかを
お隣に赤子も生まれ芝青む菜々
万緑や千古の杜に鳥語降るはく子
柿若葉返す朝日のきらきらと満天
故郷の新茶が目当て道の駅菜々
虎ファン世界一なり初鰹宏虎
走る子の背に夢の文字夏日射治男
ヤドカリや鳥の羽音に石と化す智恵子
吟行子迷いに迷いちらし寿司明日香
二月堂より遠望の古都万緑裡こすもす
学童の後ろを突きたる鹿の子かなぽんこ
鹿の角ドントタッチと注意書きたか子
茶摘女の籠振り分けにして担ぐなつき
茶畑を見下ろす小さき稲荷かななつき
皇居より漏れし老鶯谷渡り智恵子
高梯子まだその上の松手入れはく子
鉄線花紫秘めし蕾かな宏虎
異常気象に心惑はす更衣満天
夏のれんかけて一度に涼しげにともえ
打水のバケツに非ず鹿の水うつぎ
2018年05月24日
風かおるバス待つよりも歩けとは明日香
夏めくや飛行機雲の駆ける青もとこ
庭万緑明治の玻璃戸に揺らぎては菜々
吟行の歩や新緑のむんむんと宏虎
新緑の若草山を指呼の間にせいじ
片影に張りつくやうに女どちなつき
卯の花の匂ふ小径や三笠山たか子
鹿の子に生え初む小指ほどの角はく子
ベリーダンスの美女境内に聖五月やよい
三社祭言霊超えし浅草寺智恵子
売店の主の愛す奈良の鹿こすもす
若楓茅葺き屋根を明るうすたか子
千枚の代田に写る谷戸の空隆松
剪定の松葉に透けて命綱せいじ
明治維新前の茶釜や茶屋薄暑こすもす
入道雲カバン投げだし公園へ智恵子
緑陰に鎮もる煉瓦の公会堂満天
生前に葬儀費払う夕焼け雲治男
新緑の山に起重機天を突く治男
子に宛ててグリーンピースの宅急便三刀
東大寺鴟尾の光に夏来たるぽんこ
縁側の歪む玻璃戸に躑躅映すぽんこ
雨滴つけて重たげ小判草うつぎ
夏空へ錐をきりりと良弁杉菜々
寝てる猫跨ぎ切れずや梅雨の老たかを
街を出て愈々広し初夏の空たかを
建売りが片側ならぶ遍路道なつき
神苑へ一歩汗ひくウォーキングやよい
水満々とばらぞのばしに薔薇めぐり満天
バラアーチ完成までにあと三分明日香
麦の秋明日香の梵鐘遠く聞く宏虎
2018年05月23日
久方の雨に顔出す蝸牛智恵子
童謡と同じ垣根や花うつぎ明日香
飛魚の跳ぶ波吠えり雲流る宏虎
粽解く時が楽しと老い二人うつぎ
出格子のならまち行けば雲の峰たか子
潔し刈入れを待つ麦茎穂たかを
キャンバスは公会堂と薔薇アーチ満天
薪能翁面取る若きシテ宏虎
やはらかき雨に包まれ若葉濃くもとこ
小流れのなぞえに空木枝垂れけりこすもす
剪定のリズミカルなる鋏の音せいじ
生垣の要に箱根空木の花三刀
雑草中子の退ける夏薊治男
餌を狙ふその白鷺をカメラマンせいじ
段畑の畝行儀良く緑立つ智恵子
紙袋の音に馳せ来る親子鹿明日香
五月晴川沿ひの新美術館満天
縁側に柏餅待つ子らのゐてよう子
柏餅一男一女育てあげ小袖
夏草やかくも古びし冠木門たか子
万緑や六トン仁王の度迫力はく子
葉桜の影に引つ込みバス待てりなつき
羊草小さき木の橋ゆらぎては菜々
鹿の絵のワンディチケットに初夏の旅菜々
歩はゆるむ木陰の続く河畔かなたかを
誤作動の火災報知器薄暑なりやよい
暑き日の先達くばる塩の飴なつき
ガードレールの支柱の陰の蛇苺こすもす
つぶらなる鹿の瞳に一目ぼれはく子
耳当てて千年楠の五月聴くやよい
神社横新築並ぶ松の芯治男
2018年05月22日
夏小虫納豆掻くや馳せ参ずたかを
満開の杜鵑花に映ゆるわが社かなせいじ
麦の秋遠ちに青々生駒山菜々
遍路衆去りて甘茶の空やかんなつき
糞よけの傘吊り太る燕の子よし女
朝の日にこぼれ翔ちたる雀の子よし女
墓石に花南天の日除けなす治男
つくばいを狭しと鳥ら行水す智恵子
綿すげの池塘彩る尾瀬ヶ原愛正
すれ違ふ汗の匂いや部活生智恵子
卯浪立つ沖を行き交ふ貨物船三刀
雨上り露落ちかかる蜘蛛の糸そうけい
リズム良き祭太鼓や茶碗酒宏虎
緑陰に静かに絵筆写生子等満天
左折せば杜鵑花こぼるる道現れしせいじ
能管の闇をつんざく薪能うつぎ
風涼し鳩近寄りて足の先たかを
奈良の鹿はや夏負けの体をして明日香
五月晴れ鹿と外人遠足子はく子
引き寄せし卯の花こぼる水の面よう子
蔵構えつづく大和路麦の秋菜々
古き墓や新しき墓夏の寺治男
喧騒に凛と開きて紅き薔薇満天
児らと鹿若草山の夏めきて明日香
空豆や性格違ふ兄妹やよい
麦の秋老い二人して皺深し宏虎
揺れどうし眼鏡の前のまくなぎはぽんこ
吟行の一万五千の歩の薄暑たか子
合掌す拝殿抜くる風涼しやよい
耳遠き婆ら甘茶を継ぎ合へりなつき
2018年05月21日
四阿に日差し凌ぎて菖蒲園智恵子
けふ一日一人の気楽新茶汲む菜々
新茶淹れ味の判るる歳となり宏虎
心地よき緑陰過ぎる風の音三刀
保育所の遊具淋しや夏の暮治男
額に汗ランドセルの子走り去るよし女
畑の物すくすく育ち今日小満菜々
紫陽花のそれぞれの色雨を待つ満天
対岸の青鷺じつと洗堰ぽんこ
薪能夜風に扇たえてをりよう子
山頂の鉄塔光る大夕焼治男
千枚田等間隔の早苗かなぽんこ
落ち花を池に見立てて雀の子もとこ
遊園地の一角占めて薔薇満開こすもす
ウォーキング梅酒試飲すスタンプ所やよい
万緑や千年楠の風騒ぐやよい
手刀で蜘蛛の囲をまづ払いつつ明日香
夏ツバメ指差す園児らの散歩こすもす
風薫る緑の底のベンチかななつき
五月雲切れて広ごる青き空せいじ
寝たきりの犬よく眠る薄暑かなたかを
紫陽花の好みの色を玄関に満天
避難橋スカイツリーの遠霞なつき
雨上がり煌めく雫夏薫る智恵子
空翻りひるがへり夏燕はく子
谷戸の池鯉の群がる水五月宏虎
新緑を二倍にしたるショーウィンドーせいじ
城櫓仄と朱を帯び薪能うつぎ
踏み入れば濃く匂ひけり花蜜柑よし女
2018年05月20日
高くとも万年筆だ柿若葉治男
句会出て刺激受けるも夏痩せす明日香
トンネルに展けし眩ゆヨットの帆智恵子
カーナビのごと前を往く夏燕せいじ
古書街のはしごにカレー匂ひくるなつき
父祖の地に黄金の波や麦の秋菜々
豆飯の炊き上がる香の二階へと満天
ハイテンションでおかわりする子豆ご飯こすもす
ソーダ水沖のタンカー透かし見ゆ智恵子
城跡に亡霊の舞ふ薪能うつぎ
軽暖やくはへ煙草のトラクターさつき
万緑の園にホルンの音響くぽんこ
からと乾く魚の干物五月空よし女
城山の木々さんざめく薪能うつぎ
麦の穂の怒れる顔や蝶の恋たかを
夏木立湖にはみ出す朱の社よし女
軽トラのボディー掠めて夏燕せいじ
黒猫に真っ白仔猫風薫る宏虎
豆飯は皆が好物三度目に満天
万緑の森を逍遥目の薬ぽんこ
夜風きて空席目立つ薪能よう子
一面のしろつめくさの香に噎せるやよい
白髪染めやめて銀髪青葉風たかを
娘の墓慈愛と名付け若葉風治男
青あらし友の病ひを受けとめるもとこ
蜘蛛の囲のつなぐ羅漢の肩寄せりなつき
日付入れひまわりの種蒔きにけりこすもす
麦の秋屋根だけ見えて札所寺菜々
初鰹元気な漢鉢巻す宏虎
ほととぎすの声しきりなる雑木山やよい
三門を額縁にして若楓明日香
縄文の遺跡に香る花楝三刀
2018年05月19日
兄弟の如く豌豆並びけりぽんこ
強風や地上惨憺夏の空たかを
うなだれて咲き尽くしをり赤薔薇やもとこ
風呂上がりチョコのアイスの美味さかなあさこ
一郷を明るくしたる麦の秋三刀
金雀枝の黄色ふさふさ自己主張宏虎
薔薇なぶるヒマラヤ杉を揺らす風なつき
緑陰に車座となる吟行子せいじ
俯瞰する植田の列の消失点たか子
親子連れバラ真っ盛りの観覧車こすもす
夏の風草花ゆれる揺れぬものと治男
柿の葉寿司セットのおうどん薄味に満天
今年又ようこそ此処へ燕の巣たか子
青嵐木に引っ掛かる帽子かなぽんこ
若楓透かして三門聳えけり明日香
譲り合ふ同じ薔薇好きらしき人なつき
曇天を磨きゐるごとブラシの木やよい
子ら描く画用紙薔薇の十色かな智恵子
夏立つや木洩れ日水路音立てて菜々
なんじゃもんじゃ池塘ひときわ明るうすやよい
満員の白ブラウスの車内かな明日香
栴檀の花を降らすは虻ならむせいじ
京古刹木魚の洩るる新樹かな宏虎
モダンジャズ洩れし古書街夏帽子智恵子
湧き水の山葵田浸す水清しあさこ
新茶淹れ地元力士の応援を満天
豌豆のさやを飛び出す勢いかなよし女
鉄工所の家を取り巻く蔦若葉治男
貸店舗軒にいくつも燕の巣さつき
ハンバーガー食べる木陰のベンチかなこすもす
サラダにはオニオンスライスたっぷりと菜々
芍薬の壺よりあふれ美容院よし女
2018年05月18日
快晴や波唄ふごと皐浪立つ智恵子
吟行子大緑陰に屯してせいじ
雨模様燕は低く草を飛ぶ三刀
汗涼し古書の頁をそっと繰るなつき
片影の古書店街の特価棚なつき
若葉風二拍子が好き葉と遊ぶたか子
参道の脇に青梅二つ三つこすもす
黙々と一人で豌豆剥く子かなこすもす
クレオパトラツタンカーメンてふ豆を食ぶ明日香
蕗剥くや宿はその香に満たされてよし女
害虫を平常心で殺せない明日香
山寺へ高き石段風薫る菜々
寺ヨガに回る天井扇風機はく子
青き空雲游子なす夏木立智恵子
蓼の葉を皿に敷きあり祝膳よし女
桐の花深山一本聳えけり宏虎
水脈ひきて蛇泳ぎ行く速さかなやよい
手弁当空豆煮つけ旬を食む宏虎
道細る古墳のなぞへ韮の花菜々
池底に姿映してメダカ行く治男
泳ぎつつ蛇石垣の穴さぐるやよい
鳥騒ぐ低く垂れ来る梅雨の空たかを
参道に堂々横たふ孕鹿満天
蔦若葉古墳くるみて森となるもとこ
青葉蔭オカリナを吹く子連れ人治男
白服の参道うめる修学旅行満天
まづ薔薇のアーチをくぐる園児どちせいじ
接骨師施術の指に若葉風たかを
昼休み蟻の巣覗く老大工たか子
2018年05月17日
リフトにて空中散歩若葉風宏虎
万緑の句点読点山法師三刀
宿場町よもぎ餅つく蔵のカフェ智恵子
初恋は大輪の薔薇ほの紅しなつき
体揺らし初夏の畑行くカラスかなたかを
もふもふの産毛チラホラ燕の巣智恵子
無縁墓にドラマに出る名夏日燦治男
聞きにけりトッキョキョカキョクちっちっちたかを
グランドをトラックの行く夏に工事治男
足首へ通ひ来る風若葉冷えよし女
原付の免許とりたて青田風こすもす
新玉ねぎレンジでチンで透き通るはく子
退院を告げらる夕べ虹立てりやよい
薔薇の香を確かめたくて風下へたか子
薔薇園のベンチに座せば目の高させいじ
ラッシュアワーの人かき分けて駅薄暑菜々
卯波立つ海道長し砂嵐やよい
朗々と歌詠む講師夏スーツよう子
鉄柵の風に頷く赤き薔薇ぽんこ
向き向きに跳ぬる薔薇の名乾杯となつき
眠り落つ伊根の舟屋の卯波かな宏虎
水涸れて尖りし一葉(ひとは)も無き菖蒲たか子
金宝樹てふ和名似合わぬ真っ赤な花明日香
蜂も来て薔薇の蕾に接吻すせいじ
胃カメラに緊張極め汗ばむ手ぽんこ
薔薇香る苑に木の椅子石の椅子菜々
鳥語洩るビール片手の読書かなこすもす
目纏ひを払ひはらひて参道を満天
灯籠の間より子鹿の大き瞳満天
透き通る新玉ねぎの甘さかなはく子
山路いま一樹すきなく桐の花よし女
2018年05月16日
太き胴ねじり枝張る花楝よう子
薔薇の階レディーはスカーフなびかせて菜々
近傍を飛び交う燕巣立ちけりたかを
手相見の暇生む一灯柿若葉宏虎
吉野杉緑したたり素直になる治男
色抜けし麦わら帽や納屋の隅智恵子
白壁の蔵町通り燕来る愛正
木の名札答は裏面バラ公園こすもす
青空に吸ひ込まれそう花あふち満天
道の駅日に日にレタス大玉に明日香
夏に入る花梨は青き実を揺らし菜々
値札の零数ふる古書や薄暑なるなつき
蔦若葉古墳すっぽり包みけり満天
亀鳴くや四天王寺の池埋めてもとこ
白日傘見目の良きひと花の園たか子
雀の子ひとつ啄ばみ喉伸ばすたかを
風擦りて紫蘇匂い立つ大原路智恵子
ばら笑顔さんぽの子らも保育士もはく子
散策す雷鳥ゐたといふ処やよい
青葉寺いろはにほへとの下足札なつき
木々縫って鴉の雛の声漏れ来三刀
吟行子も園児も満喫バラ公園こすもす
薔薇アーチ何度もくぐりはしゃぐ児らたか子
緑陰に雀らも来て水浴びすせいじ
青空に吸ひ込まれそう花あふち満天
春愁や女奥の手空涙宏虎
送電の鉄塔抜くる植田風やよい
森林浴匂い確かむ犬と居て治男
ばら満開笑顔まんかい車いすはく子
白薔薇の香り際立つ鉄の柵ぽんこ
どの株も今が盛りや薔薇の園せいじ
2018年05月15日
風に揺れ峰下がりゆく峪若葉宏虎
香を放ち炎と燃ゆる赤き薔薇宏虎
夏霧を抱きし山の駅に立つやよい
手鏡に前髪なほす薔薇の園なつき
下山せし街は思はぬ若葉寒やよい
本当の色はと外すサングラスたか子
写真撮るために脱ぎ置く夏帽子よし女
行厨のベンチへ存門黒揚羽菜々
歯の痛み忘れてをりぬ薔薇の園せいじ
薔薇の苑風雨の傷み見えもして明日香
グランドのラインの光り汗ばむ子等治男
朝の日になぞえ一面きんぽうげよし女
秘境駅かほる若葉と湯のけむり智恵子
尾が知らす猫の居場所や夏布団たかを
黄菖蒲の水涸れに咲く力かなたか子
青嵐鴉止まるや舞う木の葉たかを
緑陰のベンチに読書する翁こすもす
謎めきし古墳の円み蔦若葉こすもす
園児らのおさんぽコースばら満開はく子
新樹光小高き古墳風渡るぽんこ
行厨の明かし天蓋新樹光ぽんこ
犬の散歩呼気激しくて日焼け人治男
日盛りの風干草の香を乗せて三刀
ばら五彩うす紫はさみしかりはく子
さみだれて水が水のむ疎水かなせいじ
老鶯の声澄み渡る団地の間智恵子
緑蔭のベンチで一句賜りし明日香
龍神を裾辺に古墳万緑裡菜々
地図回し来た道もどる街薄暑なつき
聖五月ゆりのきの花勾欄より満天
裸子や手力強きピアス取れもとこ
薔薇大輪添え木数多に支えられ満天
2018年05月14日
鳩と遊ぶ少女の像や風薫る菜々
水浸しなる軌道基地さみだるるせいじ
紫陽花の紫うっすら雨あがる満天
ヨーヨー釣り列なす地域の夏祭りはく子
停泊の豪華客船聖五月宏虎
傾きて支柱ほしがるトマト苗よし女
えごの花散って地上に星座描くよし女
旧友と話途切れず夏帽子たかを
夏霧を分けて下降すケーブルカーやよい
五月晴脱水時間短くす明日香
緑風に歩幅大きくウォーキング菜々
新玉葱ぽん酢とぴったり食すすむ満天
草引きて空耳ならむ母の声もとこ
イヤリング輝き増すや梅雨の空たかを
母の役こなして了る母の日よはるよ
びっこひきグランド廻る新樹光治男
満開の薔薇の真ん中アンネ佇つこすもす
花は実に猫の駅長大欠伸宏虎
大玻璃の外は鈍色さみだるるやよい
濁流の水門に蝶もつれ飛ぶなつき
穴子釣れ触れぬ吾の悲惨かな智恵子
グランドの見る席工事夏来る治男
好物の空豆を煮て母と食ぶせいじ
子ら去りて風と残りし花菖蒲なつき
目の癒えて鮮やかに夏始まりぬたか子
桟橋に競ひ賑はふ穴子釣り智恵子
リズム良き太鼓の音や五月照る三刀
土手を行く茅花流しを背に受けてたか子
2018年05月13日
鉄柵を越ゆ一輪の赤き薔薇せいじ
母の日や豆のスープのリクエストなつき
隣組初めて話す溝浚へ満天
別荘に来て鶯の声を聞くあさこ
十薬がコンクリートの溝埋むせいじ
梨の花見下ろす棚田水ひかる智恵子
一面の茅花流しの古墳かなさつき
見上げいる空に溶け込む花樗ぽんこ
緑陰の古きベンチに読書人ぽんこ
行く春を送るアルプス頂きにやよい
湧き水や崖に育む苔の花智恵子
変声期の子と声比べ夏の風邪治男
母の日や届かずじまいカーネーションたか子
母の日や戦中戦後後家通す宏虎
機嫌よしお着替え前の裸ん坊こすもす
さよならと会議を終えて夕涼したかを
九十九折れ山路遠くの海霞むあさこ
朴の花青空向きて咲きたがるよし女
あるなしの風にさゆるる虞美人草はく子
ガラス戸の先に進めず夏の虫たかを
おいでませ維新山口に待つ菖蒲よし女
母の日や子なき嫁よりプレゼント菜々
一笛に統率とれし神輿かな宏虎
母の日や子より手作り化粧水なつき
嫁してより届く駿河の新茶汲むよう子
梅雨の猫まるで鴉の濡れ羽色菜々
坂道をあえぎて登り滝光る治男
料亭の眼下卯浪の瀬戸の海三刀
五月雨の落ちるところへ並ぶ桶明日香
ゆくりなく大山れんげの純白にはく子
母の日や妣の介護を悔ひをりぬやよい
溝浚へ了へて雨音聞きつ茶を満天
園丁はイギリス仕込み薔薇の園さつき
犬走をゆっくりゆっくり蝸牛こすもす
母の日や年に一度の母なる日もとこ
2018年05月12日
ニイハオと声かけられる街薄暑よう子
母の日や流行り小物を子とのぞくなつき
薫風や安定飛行長き脚たかを
下町の駄菓子屋婆はひるね中智恵子
ひと粒の山桃添へる祝膳よし女
読書する乙女や園に夏来たるたか子
絶壁のセメン造りに青葉の木治男
揺れながら二両編成麦の秋たかを
牡丹園坂道巡り堪能せり宏虎
風に揺れ小さな草履小判草ぽんこ
夏めくやおやじバンドのライブかなもとこ
立礼の床の間すがし蛍袋満天
点ほどの人影降り来春スキーやよい
子や孫と米寿を祝う五月かな三刀
実桜やさながら鳥のレストランはく子
栗の花なぞ多きかなあの形智恵子
模擬店の顔見知りなる夏祭り満天
雨蛙だけは好きてふ媼かなこすもす
緑蔭で知らぬ選手等に挨拶され治男
行儀よき園児の列や風薫る菜々
鮮やかなシュプール光る春スキーやよい
追いかけて鳩を散らす児風薫るたか子
電柱の陰にどくだみ楚々と咲くせいじ
行厨は若葉の中の四阿にはく子
村のカフェお洒落媼のレース服こすもす
草隠れにルビーと紛ふ蛇いちご菜々
まちかどの花屋のびのびふじのぼりせいじ
母の日や子の食べつぷりみてをりぬなつき
限り無く花の点在うまごやしぽんこ
大輪の牡丹繚乱彩競ふ宏虎
三代夫婦の笑顔の写真風薫るよし女
2018年05月11日
母の日や便利な空輸生鮮品宏虎
街をゆく豆腐売の音夏めきぬせいじ
下闇を集団下校の黄の帽子せいじ
行厨は池辺の黄菖蒲愛でながら菜々
濃緑に浅黄色増ゆ四囲の山明日香
暮れてなお白極まるや山法師満天
風青しチンチン電車抜けてゆくもとこ
強風に隣家よりくる実梅さは満天
掃き了へし庭に来て跳ね雀の子よし女
課題曲窓より聞こゆ夏はじめはるよ
新緑の五彩ふちどる池の四囲そうけい
ねばならぬことは忘れて新茶汲むはるよ
虫たちのかくれんぼする提灯花ぽんこ
はためくはお田植えまつりてふ幟こすもす
五月空真二つに割る飛行雲三刀
邸宅は更地になりて夏の草ぽんこ
母の日や親孝行を今一度宏虎
若葉山樹樹盛り上がり絵画のごと治男
薔薇薫る人気なきかな大使館智恵子
つつじ了へ花殻掃けばうず高くよし女
草芳し木洩れ日小道行くかぎり菜々
温度差の激しき一日夏初めこすもす
娘の墓犬石像が守る暑さ治男
行厨や浜辺の松の樹下涼しなおこ
錆猫の傷口癒えて五月かなたかを
夏来る白髪なびかせペタルこぐたかを
墓参り青嶺あかりを越えし先たか子
新緑や樹林まぶしきケーブルカーやよい
金婚に雪の立山日本晴やよい
夕べ古茶朝は新茶老い二人うつぎ
遍路地図マーカー塗りし寺増えてなつき
和菓子煉リ仏間に母と新茶汲む智恵子
一ところ四方八方かかり藤たか子
老遍路足投げ出して経読めりなつき
相会釈してぶらんこの老夫婦愛正
2018年05月10日
ケーブルカーカップル席に風香るなおこ
青嵐ベートーベンのピアノ曲よう子
老鶯の声保育所の昼寝時こすもす
植田澄む伏流水の行き渡りうつぎ
雨上がりフワリフワリと燕の子たかを
トウバナてふ雑草ひとつなら可愛明日香
屋根越えて伸ぶる類ひの花卯木せいじ
白南風やカモメ休みし椰子木陰智恵子
持ちくれし丹精の薔薇ふくいくとたか子
若葉光五百羅漢の笑み多し満天
聖五月十字架ひかるネックレス宏虎
気温差に重ね着したる夏衣たか子
蔦若葉ひび割れし壁隠しけり満天
ご当地グルメ白えび尽くし初夏の旅やよい
白波と大砂嵐能登の春やよい
泣きやまぬ赤子をあやす青嵐智恵子
法螺の音に神鶏こたふ祭宮なつき
空広き水の都に夏来る菜々
塵埃をカラスに隠す山帽子せいじ
卯波立つ平家滅びし海の悲史宏虎
湖北里守りし仏踏む素足もとこ
威勢良き鳥居に近き鯉幟三刀
思春期の「うん」しか云はぬ若葉雨更紗
薫風や妹背句集を子に贈りよし女
夏の雲ヒマラヤスギは天を突くはく子
朝市のおまけ一枡白子干なつき
ネット柵よりはみ出し揺れる茅花の穂こすもす
卯の花を飾りコ−ラス練習会治男
森はいま鳥と緑のハーモニーよし女
遊船や通りし跡の河騒ぐ治男
昼寝猫寝たきり犬に身を寄せてたかを
葉桜やみどり深めて大川面菜々
2018年05月09日
尿の音猫の真顔や菜種梅雨たかを
海坂に船きらめくや初夏の室戸治男
業平像袖の汚れや五月雨るるなつき
青嵐散居に聳ゆ屋敷林やよい
葉桜の木もれ日燦々子守像はく子
堰落つる水のしろがね聖五月菜々
本殿へ新樹の磴を行列すこすもす
蜘蛛の囲にライト当たりて透ける闇もとこ
遠き日や姉と手拍子茶摘み唄たか子
笑顔にて幼女スキップ聖五月宏虎
道草のつましき花へ若葉風せいじ
三色に移ろふ箱根空木かなせいじ
艶やかに光と影の柿若葉宏虎
舟溜まり各舟名あり青葉風治男
願掛けて葉先を結ぶすすきなつき
薫風や羽ばたき真似て地を走る三刀
昨日京都けふはなにわの春惜しむ菜々
風薫る館外にての朗読会よし女
コート中砂にまみれしみみずの死ぽんこ
けぶる山晴れるごと増す緑かな明日香
廃線の錆びて卯の花腐しかなたか子
さんざめき絶へし紅白つつじ苑よし女
ひかる海夕の江ノ島風薫る智恵子
送電線しかと踏ん張る水田かなやよい
だるまさんが転んだする子かまきり明日香
老鶯の唐門くぐりてしきりなる満天
声走る躑躅の波間かくれんぼ智恵子
薫風や幹すべすべのご神木こすもす
若夫婦転入挨拶若葉風たかを
若冲の墓へ翳すや樟若葉満天
2018年05月08日
尺八の知人の披露夏座敷治男
紫を四方に散らす紫蘭かなぽんこ
山笑うかざらぬ妻の笑顔かなたかを
手尺当つ浦島草の糸の丈うつぎ
老人会の司会をするや夏背広治男
五月来て日本列島気候変はく子
薄暑はや日笠さしゆけりともえ
葱坊主風に頭をぶつけあひ敬和
目瞑りてめまとひの群れ突き抜けしたか子
卯の花腐し話題も尽きて老い二人菜々
雨しとど青嶺と雲と融和して明日香
剣の葉守りに付けて杜若たか子
礼状の水彩画手に春惜しむ満天
高速路の風たっぷりと鯉幟やよい
名入り夫婦箸娘より五月の句集祝ぎよし女
十薬の匂ひ消したる雨雫ぽんこ
自転車で走る畦道風薫る敬和
黄金週間クレーンの首伸ばし切りやよい
気まま旅蛙の声聞く無人駅智恵子
真珠抱く貝の匂いや夏兆すこすもす
参道の走り根に生う若葉かなこすもす
スティックのS字模様は蟻の列せいじ
夕霞近くて遠き里灯かり愛正
老鶯の声澄み渡る天城越へ智恵子
藤蔓の掴むもの無き五月空三刀
コピー機の紙捌きよし若葉雨せいじ
炭酸水ボトルあふるる立夏かななつき
音もなく庭木々包む若葉雨満天
白き胸上昇一瞬窓の燕たかを
麦秋の中を駆け抜くバイクかな宏虎
白藤の下にて老の宴かなよし女
卯の花腐し色失うて大川面菜々
母の胸へ歩き初む子や五月来るなつき
ゆるゆると夏霧のぼる四囲の山明日香
見晴らしの峠の茶屋の若葉風宏虎
2018年05月07日
人気なき墓にも藪蚊はや出でて明日香
連休あけ珈琲ゆっくり若葉雨満天
水底に塔のゆらぎて池温む菜々
ふるさとのそら真青なる立夏かな更紗
初夏の風九名のみの同窓会治男
十二年振りの御朱印夏来たるこすもす
筍の煮汁したたる朝餉かな更紗
新樹光小さき白亜のチャペルにもせいじ
春宵や微睡てもう夕餉支度もとこ
アカシアの樹上に香る大道りそうけい
新緑の借景庭に続く山三刀
花御堂子ら花摘みて登り来る智恵子
滴りや忍者衣装の子ら駆けるこすもす
千本の鳥居くぐれば夏怒涛よし女
人住まぬ塀よりのぞく柿若葉満天
尚奥へ新緑尽くや日本海よし女
闊歩するヒール三寸街薄暑はく子
検査終へほっと安堵の夏来るぽんこ
藍刈りて水底動くヤゴを見ゆ智恵子
潮入川海月の傘の群れ泳ぐ治男
渡月橋七彩に見る若緑宏虎
ちりめんへ試食の手伸ぶ弘法市なつき
銀色に山塗りつぶしさみだるる菜々
雨粒を受けて躑躅のジョウロ咲くたか子
ためらわず年齢記せし花は葉に宏虎
咲き初める都忘れの濃紫よう子
リハビリの杖に手のまめ夏来るなつき
静やかに連休明けの若葉雨せいじ
ワイパーの機嫌や緑雨払ひてはうつぎ
2018年05月06日
磯笛は呼吸音とや海女実演こすもす
幼女走り薔薇を背平にポーズ取るぽんこ
土佐水木龍馬腕組み海望む宏虎
夕暮れのしじまを破る時鳥三刀
そら豆のお多福顔の親しかりはく子
若葉風講演出て総身に満天
フォンデュ鍋囲み近江の春惜しむせいじ
ねんごろに僧の読経や夏ごろもたか子
人ごみを離れて高原若葉風智恵子
打つ雨に一日踊れる新樹かなよし女
葱坊主宇宙の始め尋ねたしよう子
作物を荒らすカラスや玉の汗明日香
漁火や烏賊釣舟の隠岐の島宏虎
大きなるゴーヤネットや小さき苗たかを
姫皮も添へて今宵の若布汁菜々
花朴を葉ごと切り来て卓狭しよし女
川端の柳そろつて揺れ動きともえ
思い出の恋の小説春夫の忌治男
青空へつばめの円舞あちこちに明日香
乱れ髪スカート巻きて初夏疾風智恵子
和音なる蛙の声や雨激し治男
花水木それには見えぬ若葉かなたかを
薔薇園の給水ホース見へ隠れぽんこ
黄金週間終へて公園鎮まれり満天
小宴に彩りの美し夏料理たか子
春深しリハビリに吹くハーモニカうつぎ
出し抜けの雨に駆け込む藤の棚せいじ
香煙で婆の背さする花まつりなつき
校門に日焼け止め塗る女学生なつき
緑陰の宝探しや忍者村こすもす
蟻穴を出でて思案の首傾ぐ菜々
そら豆を剥きたる後の莢の嵩はく子
2018年05月05日
街路樹の目に青々と夏来たる満天
子も一諸入れし菖蒲湯懐かしく宏虎
仏へも竹の子ごはん木の芽添え菜々
夏帽子被ったままの床屋さんたかを
納骨を終え翻る鯉幟三刀
大海を彷徨ふごとく夏の月はく子
降り出しの風生温し菖蒲園なつき
大浴場の半分占める菖蒲かなこすもす
置き去りの杖の不思議や木下闇たか子
石畳み釈迦堂みえし若葉風智恵子
祖供養は新茶と決めて心満つたか子
影法師で姿勢を直す立夏の朝治男
温暖化ですねと交わし茄子植ゑるよう子
断崖の見上げる空に藤の花ぽんこ
膨らんだビオラの種をひとつずつ明日香
スケッチの運ぶ筆先蟻走るさつき
遊覧船手を振り返す薔薇の土手ぽんこ
燕の巣間違わぬのかみな同じ智恵子
父と子の弾むキャッチボール子供の日満天
三代で菖蒲湯に入る旅の宿こすもす
九十歳の句集仕上がり夏きたる治男
歯科医にてクラシック聴くヒヤシンス宏虎
青信号つづく駅への陽炎へりなつき
出払ひて一息入るるこどもの日せいじ
市の客春雨に算を乱さざりせいじ
用水路滔々と流れ夏来るはく子
シャッターの音絶え間なき薔薇の園さつき
合掌し糸引いて生る子かまきり明日香
ひなげしや花失いてうな垂れるたかを
子は独り立ちして疎遠子供の日菜々
紙かぶと迷惑顔の赤子をるもとこ
2018年05月04日
青空や軽軽揺れる葱坊主治男
強風や自在に泳ぐ鯉幟治男
下草を刈られ深まる木下闇たか子
蓬餅撞く実演や海ホテルこすもす
目交ひに橋の下より朴の花よう子
五重塔映し猿沢の池ぬるむ菜々
母寄るとすぐに駆けだす子鶺鴒たかを
夏嵐マンション盾に吹きすさぶはく子
紋付のもみ上げ長き祭人なつき
ジャングルジム天辺若葉風の中なつき
あちこちに囀り拾う日の出かなたかを
薫風に紙飛行機の宙返り智恵子
五月来て街行く人のイヤリング満天
過疎の川友禅流しめく鯉のぼりよし女
翠黛の山迫りくる立夏かなぽんこ
飛ぶ鳥の進路を阻む青嵐三刀
四囲すべてみなぎる若葉陶器市せいじ
野辺にありて主張しているかに薊はく子
卯の花の客を迎へて匂ひ立つせいじ
過疎村の一山石楠花浄土かなよし女
春光に稚児の冠きらきらと菜々
黄金週間の人出や玉砂利見えぬほどこすもす
夏霞富士の麗姿を隠しけり宏虎
マネキンの白きブラウス街五月満天
春暁や目覚めてじっと老いをみるもとこ
五月来る病にならず呆けもせず宏虎
庭隅を掃きて見つけし茗荷の子智恵子
おくるみの嬰抱くごと筍ようつぎ
能勢街道代田に映る山の影ぽんこ
2018年05月03日
笑み浮かべ孫のお下がり夏帽子たかを
万緑を縫ってSL谷渡る智恵子
宮守る神馬躍動夏近しぽんこ
何処から匂ふジャスミン夏近し満天
童心に返りてボッチャ春たのしせいじ
憲法記念日溜まる新聞纏め読みうつぎ
渓渡る縺れほぐれつ鯉のぼり明日香
水色の五月の空へ観覧車菜々
川風に六等身の鯉のぼり宏虎
身に纏ふ痛み捨てたき更衣満天
昨夜の雨若葉の色を仕上げたるたか子
赤瓢箪の御練りつつまし里祭なつき
山車待つや東海道に椅子出してなつき
丘に佇ち俯瞰の限り麦の秋宏虎
街路樹の葉擦れ騒がし青嵐ぽんこ
沿線の植田の風や山陰路こすもす
犬のやうフェンスに覗く鉄線花せいじ
蝶食われ風に漂う白い羽たかを
墓石展子は買おうかと春の暮治男
薫風や南海碧く祝婚歌よし女
五月晴れ家事に優先順位ありたか子
青空や植田広ごる車窓かなこすもす
花びらを銜えて跳ねて雀の子よし女
動く雲見詰む憲法記念の日三刀
琴坂や青楓ぬけ座禅寺もとこ
五月晴太陽の塔胸ひらき菜々
麦秋や金波銀波と輝いて明日香
藤波の香に潜り佇つ風の音智恵子
友逝くや寺の裏より亀の鳴く治男
2018年05月02日
老いて尚食欲のあり穴子飯あさこ
燕の巣下に日参他家の猫たかを
数メーター前ジャスミンの匂ひ在りせいじ
御手洗に二尺の菖蒲浸しけりぽんこ
種蒔きの約束交わし見送れりこすもす
豆腐売りのラッパ間遠や春霞こすもす
杉鉾をからめ捕るごと懸藤三刀
川の瀬に揺らぐ新緑影法師智恵子
端午の日新聞で折る兜かな宏虎
通院の母エスコート薫風裡せいじ
街に出て久々に買ふ夏帽子あさこ
燕の子へ今日は開けあり長屋門菜々
剥ぐ程に筍の皮くると舞ふよう子
目高の眼翡翠を秘めて5月来るはく子
やり直し効かぬ人生武者人形宏虎
過疎村に景気づけとか鯉のぼり明日香
大輪の媼育てし鉄線花満天
春うらら襖絵にまろぶ子犬かなはく子
子育てし看護師となる豆の花治男
藤棚は今年の花をつけぬままたか子
春深し煎り立て珈琲味はひて満天
雨雲を映すまばらなかきつ池なつき
夏来る分岐路に立つ石標ぽんこ
薔薇園や子連れ犬連れじじばばももとこ
炎帝よ無人グランド寂しかろたかを
水音の高しまばらな杜若なつき
若葉雨上がり界隈青々とたか子
衣替え古着にフリル着けもして智恵子
中一の授業参観夏近し治男
京生まれなれど騒がし燕の子菜々
2018年05月01日
喫茶店薔薇とコーヒー誘われてぽんこ
体操をしながら歌う田植え歌治男
春の夢くの字になりて眠る吾子もとこ
筍の湯がきにあふる糠の跡ぽんこ
自販機の音頻繁や夏近し満天
空虚なる喚く憲法記念の日宏虎
山桜つなぎし手の輪一会なり智恵子
食卓の花瓶葉ごとの朴の花三刀
ちらほらとアンネの薔薇の咲初めりこすもす
落慶の五色綱張る清和かななつき
春満月の虜となりて濡縁にやよい
大会の余興尻目に山女焼くせいじ
連休や駅空港の夏帽子宏虎
短夜や残りし夜をまだ眠るたかを
薫風や紅茶に入るる薔薇のジャムやよい
里山に春雲流れ浜遊び治男
草刈りに追はれ追はれて憩ひけりさつき
下枝へと陰重なりて緑濃し明日香
目印に水車の回わり小藤咲くあさこ
おつかいのやうやう出来し子菜の花黄菜々
平成の春の僅かと惜しみけりこすもす
春風が吹き抜けて行く三間つづき菜々
山藤が渋滞の憂さ忘れさすせいじ
九十九折れ捨て犬多し藤の花あさこ
打ち返すテニスの音や五月来る三刀
膝折ればワイ字渓谷半ズボンたかを
自販機に礼を言われて薄暑かなよう子
花灯窓借景彩す山躑躅智恵子
春深し思ひ通らぬ糸と針はく子
裾引きて稚児行列や春暑しなつき
煮て焼いて筍づくしの夕餉かなうつぎ
不揃ひの甘きかほりの苺持参満天
眼科へと通院アイテムサングラスたか子
母の日や遺句集を詠む習いなるたか子
2018年04月30日
薄暑はや日陰嬉しく小休止ともえ
新緑のまぶしき木々の遊歩道満天
春霞ぼんやり浮かぶ重い月もとこ
金雀枝や賑やか過ぎた孫一家ぽんこ
大筍届きてはたと鍋さがすなつき
老いてなお消えぬ思いや朧月たかを
山積みの筍土間に分けあへりなつき
皮つきより味つき嬉しタケノコはこすもす
パッチワークめきてなぞえの芝桜こすもす
春の海夕日の描く金の橋明日香
木香薔薇風に散りては雪のごと菜々
炎天に雲のひとつの救いかなたかを
鰯焼くに囲む七輪道の駅よし女
潮風の心地良きかな初夏の夕智恵子
連休の車内賑やか夏近したか子
小刀で削る鉛筆昭和の日うつぎ
幾度も月に立ちては春惜しむ菜々
洋服の補正しあがる昭和の日よし女
山里の空き家の呑み込み若葉萌ゆ智恵子
孫娘嫁入り姿春惜しむ宏虎
姿見に斜め立ちして衣更たか子
リハビリの後期高齢暮の春満天
ゆっくりと向き変ふ鯉や水温む敬和
夏近しいちばんぼーしみ〜つけたはく子
土佐生まれ漢地酒や初鰹宏虎
新緑の峠越え越え日本海三刀
老鶯の声の向こうに松山城明日香
生駒嶺の春満月と対峙せりせいじ
石橋にしゃがむカメラの杜若よう子
裏路地は行き止まりなり垣通愛正
白なればつい振り返る紫蘭かなせいじ
2018年04月29日
藷蔓を挿して一息昭和の日三刀
幼女得意髪飾りするクローバーぽんこ
千羽鶴柩に納め春惜しむはるよ
炎帝の思いのままの廃墟かなたかを
春風に駆ける子泣く子稚児行列菜々
葎よりかたばみ数多花掲ぐせいじ
受付の農婦饒舌ぼたん園よう子
稚児化粧のこる兄妹水遊びなつき
刈り上げし細き項や夏兆すはるよ
波しぶき保津川下り春惜しむ宏虎
草原にてんでばらばら蕨摘むさつき
蝶の羽左右に震わす花の上ぽんこ
親とゐて仔猫眠たく大欠伸宏虎
松山の湯釜薬師へ春惜しむ明日香
目の癒えて抜けゆく空や五月晴たか子
葉隠のゆすら一粒盗みけりやよい
疎らなる新緑並木陽の斑ら智恵子
四十年ぶりの兜飾りや柏餅こすもす
黄金週間暦空白厨事満天
夏草に鎌打ちつける老女かなたかを
豆飯におかずひと品減らしけり満天
故郷の畔懐かしき蓬餅うつぎ
暮れ初めて白薔薇白くなほ白くせいじ
朴の花佛の如く仰ぎけり治男
春風に法会の読経歌ふごと菜々
隠沼のさざ波きらり夕蛙やよい
蝌蚪の群覗けば手も出足も出て智恵子
豆めしや湯気の香りの馥郁とたか子
蜜柑の花の歌教えし子は校長治男
黄の中の白のやまぶきふと淋しはく子
光風や冠揺るる稚児の列なつき
石材屋の立ち仁王像柿若葉こすもす
2018年04月28日
売れ筋はくまモンラベルの苺パック満天
奈良そぞろ搗き立て草餅食べもしてはく子
藤咲いて札所詣での列続く菜々
塔再建の覆ひを高く春空へ菜々
ハウスには馥郁たる香紅いちご智恵子
波に倒けずぶ濡れの子や磯遊びなつき
囀を浴びて一日の始まりぬ敬和
春の道頭出ている下水工治男
葱坊主競ひてみんな同い年うつぎ
朝に夕に筍届き大忙し満天
夫々に思い思いの春の夜たか子
初鰹鉢巻きりり一本釣宏虎
豪邸の躑躅の垣根五彩かな三刀
シャッターを閉めんと外へおぼろ月明日香
神庭の古き灯籠やま躑躅ぽんこ
夏草や天に尻向け天道虫たかを
石地蔵石のすき間に蛇いちごぽんこ
打ち明けし話聞きたる春愁ともえ
だぶだぶの学生服に山笑ふ敬和
段ボールで草滑りの子風薫るこすもす
いちご狩り彼のくちびる苺色智恵子
薫風やわが町向きて天守閣やよい
鯛焼きのしつぽは妹に昭和の日なつき
峠越へのヘアピンカーブ新樹光こすもす
惜春や捨てる決断難しき治男
団子虫大きく転び夏を呼ぶたかを
国宝の塔をまなかひ緑立つはく子
工事現場閉鎖のままに桐の花やよい
パンジーの香にむせ返る戸口かなせいじ
卯木咲く隣の庭へ張り出してせいじ
常緑と新緑の襞山楽し明日香
野路楽し蓬摘み摘みたもとほるよう子
雨降りて紫こぼす花菖蒲宏虎
校庭を斜め一閃燕来るたか子
2018年04月27日
青麦も加へ机上の花とせりこすもす
風薫る空気の存在忘れ勝ち宏虎
夏来る初老混乱庭の畑たかを
種採れる日を心待ち茎立ちてこすもす
鳩居たりこんなところに雛三羽たかを
濠めぐる新樹の城を仰ぎつつやよい
うつむきて揺れていとしや花片栗菜々
生い立ちと似たるドラマや春愁い治男
春灯に故郷しのぶ水彩画満天
草餅の香り豊かに口の中よう子
切り通し休む岩陰新樹光智恵子
春昼の車内ゆらゆらうたた寝す更紗
白昼の漁船静かな夏めく日ぽんこ
ガレージの巣燕見てと向ひより満天
街なかの運河へんぽん鯉のぼりたか子
むき出しの地層のずれや海つばめなつき
家覆う蔦の若葉や稚児の声治男
春寒し一灯もなく不動堂菜々
軽風の川面に触るる鯉のぼりぽんこ
空しさを知れば知るほど蝉丸忌宏虎
蛤の汁にかち合う音やわきたか子
淀川のどのワンドにも春の空せいじ
はんなりと鎌倉婦人春日傘智恵子
金堂に五色の幔幕奈良の春はく子
彩に佇ち姿に佇ちて牡丹園うつぎ
鯉のぼりポートタワーのてっぺんにはく子
若葉風絵馬からからと鳴り響くやよい
卒業子タイル絵貼りし防波堤なつき
葉桜となりし堤に風通ふせいじ
薫風裡庭に雀の来て遊ぶ三刀
2018年04月26日
おぼろ月鐘の音響く露天の湯智恵子
お身拭ひ新の手ぬぐひ水吸へりなつき
終点や軋むブレーキ落花舞ふたかを
薔薇香る英国風の庭園にさつき
飲む護符の白湯に浮かべて朧の夜なつき
植田水道に溢れし下校生治男
五月雨に打たれつ雛を守る鷺ぽんこ
たんぽぽや塀の下より顔出す子治男
植木鉢かえせば底に蟻出でて明日香
喫茶店薔薇のアーチに誘われこすもす
村の子は村の宝や鯉幟うつぎ
鯉幟横一文字に川跨ぐ満天
黄昏に低空一閃燕飛ぶ宏虎
百千鳥枝から枝へ影移す三刀
花屑の狭庭に描く島宇宙せいじ
山寺の鐘伸びやかに鯉のぼりよう子
畦を行く母子のハミング花菜風菜々
我が町も川風に舞ふ鯉幟満天