毎日句会投句控

最新の10,000句まで表示されます。


2017年03月25日
つくしんぼ阻む小川に摘まれざり やよい
春寒く待ちし紅梅やつと咲きともえ
鼻つんと寝釈迦めきたる笑ふ山なつき
幼稚園ごっこの好きな子昼休みこすもす
学び舎の窓下の桜別れの日智恵子
お彼岸やうどんの麵を切るリズム治男
紫木蓮鴉の声を間近にしよし女
雪柳風に吹かれて風起こすたか子
級友の遺影を抱き卒業すさつき
懐かしき磯の香りの若布汁明日香
茎立や媼の花壇に大根も菜々
開店日行こうか止そうか春炬燵よし女
芽柳をそよと揺らして風遊ぶ智恵子
薄紅の小さき鈴振る花あしび有香
日だまりに赤子すやすや百千鳥菜々
行人の足引き止める紫木蓮三刀
人力車嵯峨野竹の秋廻り路宏虎
堂に満つ唱和の信徒彼岸寺はく子
休日の保育所猫のみ春麗ら治男
神木の大きな洞や春の雪豆狸
アルプスと夕日背に耕せり やよい
春休み子等は道路でホッピング満天
散歩する桜のつぼみ確かめつ明日香
青信号二秒延びたり冴え返るこすもす
海朧丸く小さな島ならぶなつき
春光を朝のキッチン段取り良し満天
急逝の仲間に祈る句座おぼろたか子
耳立てて子猫の首輪音鳴らす宏虎
2017年03月24日
春の鴨孤独なる水尾引きにけり豆狸
茎立ちや媼の花壇に大根も菜々
芽柳の風に従ふ素直さよはく子
春場所や人混みの中ちょんまげもこすもす
畑隅に黄水仙揺れややの声治男
山焼くやすすき育つを焼きて待つともえ
耳につく秒針の音春愁ふ宏虎
百千鳥鴉も混じり声高音宏虎
山羊達の餌やり体験青き踏むこすもす
作務僧乗る赤きジープや風光る やよい
紫木蓮マラソン会の大準備治男
潮匂ふオリーブ園の若葉風なつき
お寺より戴く風呂敷紫木蓮よし女
宇野千代の住まひ整ひ紫木蓮よし女
座らずに車内筋トレ春うらら明日香
山笑ふ朝と昼との気温差に満天
波音に転た寝なすや春の宵智恵子
古池にざわめく蝌蚪や音も無し智恵子
田越しの音のみ響く峡の里 やよい
海風がさらふ湯けむり春オリオンなつき
うららかや前歯欠けたる賓頭盧さん菜々
スケッチの頭上ひたすら百千鳥たか子
渋滞すテールランプの灯の朧まゆ
人の世の規範の如き白椿三刀
山々のふくらみはじめ水温む満天
梅よりも主張の色や桃の花たか子
2017年03月23日
単線の終着駅や花菜風宏虎
春禽の声に膨らむ雑木山三刀
囀りや僧は法会の支度中たか子
リボン付けヒールに袴卒業生満天
かさかさと音楽しむや春落葉満天
新横綱の力士幟や春うららこすもす
太陽を独り占めして花ミモザよし女
大阪の春風鬢つけ油の香こすもす
梅探る丹の橋渡り磴上り菜々
花粉症ぐずらせ泣かせ目のかゆし宏虎
学舎のチャイム鳴りし白木蓮ぽんこ
築地寺のパイプオルガン庭朧治男
千年の寺に馬酔木の花縷縷と菜々
花ミモザ道しるべなす観光地智恵子
江ノ島や椿の間に見ゆ夕の富士智恵子
手の届くところに初音散歩道はく子
鶯に唇吹きて応えたり治男
ゆっくりと墓参りする彼岸あけ明日香
入学を待つ子制服着て無口たか子
鶯や家紋入りたる千鳥破風 やよい
島朧七福神おく醤蔵なつき
目借り時木の椅子で見る紙芝居なつき
山すみれ其角の句碑の読み取れず やよい
湖風を招き寄せゐる花菜畑よし女
2017年03月22日
今生の恋訴えむ百千鳥宏虎
そら豆の型のてば島豆の花治男
傘の先梅に触れもし下り坂こすもす
木々芽吹き朱の欄干のいと鮮やか満天
花吹雪パクつく子らの平和かな智恵子
洋裁に籠るひと日や暮れ遅し やよい
梅林のそこここ雨のベンチかなたか子
窓開けて沈丁花の香匂ひ来るあさこ
牛蛙泥を背負いて畦のたり智恵子
水温む舫ひたるめる伝馬船なつき
山吹の開花の順を待つ蕾 治男
校庭の手持ちぶさたや春休み明日香
安産祈願の寺にふさふさ花あしび菜々
遠目にも際立つ大樹白木蓮 やよい
春耕の土黒々と整然とはく子
敷き詰めし絨毯のごと小草の芽よし女
昼下りもて余してる春日かな明日香
芽柳に雨のしずくの薄みどりはく子
名草の芽傷めぬやうに土ほぐすよし女
佃煮をみやげに買へり島遍路なつき
嵯峨野辺の葉の触るる音竹の秋宏虎
紫の中に一点黄水仙三刀
碧空をあふちて万朶花ミモザ菜々
つちふるや阿形の仁王眉険したか子
春暑し人気力士の星勘定こすもす
梅園の観音の御手天をさす満天
2017年03月21日
泡立ちて届く白波豆の花なつき
住職に押し頂きし花ミモザはんな
夕支度終へて遅日の庭に佇つよし女
細胞を全てオンにし初音待つたか子
貧乏神神社詣づや山笑う やよい
呼び水に答へて春の水溢る有香
門入るや朱の欄干に土佐水木満天
黄昏に一望残る花菜明かり宏虎
激流を小鮎逆らい上りけり宏虎
採掘の島のゑぐれる鳥曇りなつき
野あざみや人寄せ付けぬ獣道智恵子
牛の乳絞り体験春うららこすもす
観音へ小袋提げて彼岸婆菜々
石垣を洗ひし雨や蔦若葉智恵子
子の時に手伝いし畑緑立つ治男
土佐日向みずき咲かせて山の寺はく子
春動くグラスボートの下の海明日香
花屑の彩る参道吟行子こすもす
花みもざ一花一花に日を宿す やよい
老いの身も鞭打つ如き春疾風三刀
山茱萸の雨滴を纏ひ光りけり満天
墓地上に彼岸桜や曇り空治男
残り鴨我が物顔に泳ぎけり明日香
山茱萸の花火のごとくはじけけりはく子
春疾風美人ポスター破りゆくよし女
山制覇するかに宅地梅越しにたか子
五重塔落慶のごと梅満開菜々
2017年03月20日
目刺し奮発夕べ寄り来る猫なれば菜々
故郷の緑立つ山飛ぶ心治男
摘み草や切りなく摘んでしまひけりたか子
彼岸会に帰る子らへのちらし寿司明日香
花あしび小鳥来て飲む甕の水三刀
卒業生見送るチャイムや時計台智恵子
唐突に藪の中より初音かな有香
子の背押すふらここの音やはらかきなつき
座禅堂自己主張する百千鳥宏虎
青空へ河津桜の色濃きをはく子
キッチンの小さき水音や春の昼よし女
天麩羅かおひたしと言い草を摘むたか子
猫好きの出入りは自由春の猫はんな
だんだんと本気になって土筆摘む菜々
故郷へ空き地一面仏の座治男
山葵田の清冽な水音立てて宏虎
早咲きの花満開の枝を天へはく子
下萌や犬の散歩の仲間増え満天
一張羅の父ひ孫抱く彼岸入りなつき
靖国の杜に二輪の桜咲く智恵子
引き潮に乗りて沖へと落椿よし女
ふたかみに夕日の沈む春彼岸明日香
下萌や互い笑顔の車椅子満天
2017年03月19日
お隣のご主人送る入彼岸三刀
朝市の苗プレゼント勿忘草明日香
両親の思出話お中日こすもす
若鮎のひかり一閃奔りけり宏虎
種蒔いて次々夢のレシピかなはんな
春炬燵センバツに相撲くぎ付けに満天
わさび菜の苦味はやがて爽やかにたか子
笹鳴きにひかり注ぎし五輪塔智恵子
秒針に白蝶もつる花時計なつき
春泥や糺の森に轍あと菜々
あるなしの風にまかせて花ミモザ満天
ウトウトす助手席の子や春日射しこすもす
碧天下虻ホバリングする羽音宏虎
白鳥の美しき曲線クロッカスはく子
もの芽出て今日は五千歩ウォーキング菜々
春霞破り真っ赤な陽の落つる智恵子
お彼岸や白煙見ゆる刑務所に治男
若葦の水面より鷺翔ちにけりよし女
子の墓に春菊供え笑み交わす治男
鳥帰る旋回幾重もくりかえし やよい
幸せは普段の暮らしお中日たか子
耕人のおらずラジオの高鳴れり やよい
春塵の龍の目光る太柱 ぽんこ
風光る親子連なる滑り台なつき
椿坂子らは軽々ペダル漕ぐよし女
朝日子に白輝かすクロッカスはく子
2017年03月18日
彼岸会の僧と息災談義などたか子
百てふを実感の森百千鳥こすもす
琴の音の上がれば下がる紅枝垂治男
落書きをそっと隠して卒業す智恵子
土に手をスタ−ト練習春の光治男
御柱に触るる春宮暖かし やよい
媼寄るぽつくり寺の鐘おぼろなつき
夕べには雨となりたる彼岸入り菜々
草刈女手押し車に鎌乗せてなつき
春なれや飽かず眺む子水車よう子
麗らかや五百羅漢の笑み分かちはんな
鶯の初音より早やうぐひす餅ともえ
暖かや旅の話題の次々と満天
余命など誰も判らぬ涅槃西風宏虎
和宮遊びし庭とや涅槃西菜々
黄水仙はは手捻りの壺を置きよし女
蘆の角艶々ひかり精気満つ宏虎
四囲の山もやもやとして春の色明日香
梅日和マスク外して城巡るはく子
梅日和グルメ屋台も城広場はく子
浅蜊貝生きししるしや夜半の音ともえ
美容院より春コート脱ぎて出るよし女
教室に門に一礼卒業子智恵子
春の色黄色のれんぎょう土佐水木たか子
日の当たる窓辺に移す躑躅苗三刀
暖かや買い物終えて立ち話満天
店番をしつつ土筆の袴取りさつき
朝もやの湖におちこち春の鴨 やよい
彼岸とて陸墓の供華の無に等しぽんこ
2017年03月17日
黒塀より着物の女花水木治男
暖かや池坊展に人あふれ満天
風鐸の風に鳴るなり鳥雲に宏虎
人形寺に素朴古色の紙雛はく子
春愁や震禍を悼むサイレンにさつき
菜の花の吸い物添える古希祝いこすもす
新横綱日毎に強し春の場所あさこ
歴代の由緒の雛百々御所に菜々
大王のみささぎ出でて春明日香明日香
春の月始発フェリーを照らしたりなつき
長く待ちやつと開きししだれ梅ともえ
千代紙の裄一文字に立ち男雛菜々
大荷物持って帰宅や卒業子こすもす
街おこしとや雛飾る城下町たか子
宇宙には音波の多し朧月宏虎
夕方の微熱ぐせあり春炬燵たか子
げんげ田や小さき羽音に香のほのか智恵子
ふらここに若者一人手に論語治男
茎立菜夕餉いろどる一品によし女
たんぽぽの住処は塀の割れ目なりぽんこ
春光を返す甍や漁師町三刀
春の日を蹴ってサッカーに興じをり有香
唱歌うたう足踏みオルガンうららかに やよい
春の曲小さく流るる美容院よし女
助手席の歌う子に舞ふ花吹雪智恵子
ものの芽の朝日にほぐれ光りけり満天
残雪のアルプスの嶺嶺遠霞 やよい
合格のお礼参りや春の色ぽんこ
春コート風はらませて海見つむなつき
2017年03月16日
春の鳩ついばみてゐる古墳山なつき
点滴の雫を数え柳の芽治男
三川の合流地点水温むたか子
日差し良く鳩の集まり日向ぼこあさこ
彼岸会や声かけられて思い出し明日香
反抗の子も卒業の涙かなまゆ
花筒に青麦入りの仏花かな明日香
晴れ渡る学び舎よりの卒業歌満天
人影の点々午後の大干潟三刀
啓蟄や二度の洗濯早々と有香
すかんぽや気楽に余生さりげなく治男
のどけしやお喋り弾む下校道有香
掌にまんさくひとつ千の風はんな
卒業の予行演習涙なし豆狸
ものの芽の息吹に城の開門すたか子
春日差す木造校舎の長廊下やよい
つくしんぼ止まぬ話しや袴とり智恵子
椿餅母の笑顔の愛おしき智恵子
東風強し笠傾けて山頭火よし女
竹林に雪折れ数多堤行くこすもす
涙目の母と校門卒業子満天
のどけしや木造校舎に授業受くやよい
山茱萸や夕べの靄の花明りよし女
犬ふぐり花の閉じかけ昼下がりぽんこ
轟轟と奈落の音や観測船宏虎
春夕焼に染まりて鳶の風のままなつき
2017年03月15日
白砂の美しきほうきめ涅槃西風豆狸
検査終へふらつく足や犬ふぐりぽんこ
艶やかや里明かりなす桃の花智恵子
執念の野球の試合春の夜あさこ
蘆の角さざ波に見え隠れせり宏虎
青き踏む砲台跡を目印になつき
あやふやな国会答弁ねぎの花はんな
大干潟いま満々と潮満ちてよし女
春知るや淡路島産新子食ぶよう子
一人行く天国のごと野の霞治男
ルノワールの女の視線暖しなおこ
診察を終へて踏み出す春疾風三刀
桜餅の熱き抹茶に籠りけり満天
春の風邪診察手早く終わりけりよし女
鈍色の川面に触るる柳の芽明日香
エッセイ集読み切る電車春ぬくしこすもす
古式雛有職雛よと人形寺はく子
今日からは後期高齢春かすみ やよい
開発のエンジンの音冴えかへる有香
指の傷気遣いぞうし春なかば治男
あの店はいつも行列街日永たか子
卒業生見守り隊へ挨拶を満天
旧友の問わず語りや下萌ゆるたか子
春うらら行き先わからぬバスツアー やよい
動体視力試すかの如蝶々かなこすもす
更紗木瓜山路へばりて咲き満てり智恵子
春満月藍色の空白き雲明日香
笠かむる地蔵目を閉づ木の芽風なつき
空高く雲雀の声や春の空宏虎
取り残す蜜柑食べきり小鳥達あさこ
2017年03月14日
桜の芽育つ息吹の音幽か宏虎
しめ縄の残る鳥居や山笑うこすもす
橋おぼろ積荷を揺らしバイク行くなつき
山笑ふ天辺だけに日当りてよし女
入園の手伝ひ少しミシン踏む有香
軽トラの真白き建材春日燦こすもす
乱心か朱と討ち死にす落椿宏虎
家並みに囲まる社囀れりなつき
霾やビルの屋上普請中たか子
ふと見れば夕餉の時間春炬燵まゆ
あやとりの終りなきかな春の海智恵子
界隈の空我がものと揚雲雀たか子
梅林に鉈を帯びたる老婆かな治男
鶯や鏡の如き朝の海三刀
わらび狩り猪のえぐりし土赤し治男
池の面に漣駆けて風光るさつき
春なのに忙しく過ぎてもう半ば明日香
親子してキャッチボールや風光る満天
囀りや家電が喋る独り居にぽんこ
梅日和天守閣には登らずにはく子
残り鴨影絵となりて日の暮るる明日香
川はさみ河口へ続き桜咲く智恵子
街路樹のけやきに数個鴉の巣よし女
赤々と日没の空春兆す有香
お天守に現れては流れ春の雲菜々
エレベーターに稍の笑顔エレベーターに嬰の笑顔のあたたかしはく子
春空へ太閤天守きらびやか菜々
山焼くやすすき育つを焼きて待つともえ
雲ひとつなき青空へ囀りを満天
2017年03月13日
はるかなる銀嶺日矢に煌めける隆松
船室にトランプの輪の卒業子なつき
語りたき事もっとあったよ春の月満天
背の伸びし大人の顔に卒業子満天
菜の花の向こうは海よ小さき駅こすもす
石像の羊ちらばる春の丘なおこ
啓蟄やうごめく人の地下の街宏虎
車窓越し菜の花越しの日本海こすもす
朱の橋を越せば月ヶ瀬梅の里ぽんこ
覚えたる草の名言いつ青き踏むたか子
卒業生の名を読み上ぐる袴かなよし女
芽柳の並木さやかや赤レンガ智恵子
わいわいと喋るかのよう茎立ちぬたか子
春しぐれ空のどこかが明るくて菜々
海辺まで旧道下る梅日和三刀
代々の女系家族や古雛さつき
引き波に揺るる桟橋鳥帰るなつき
茎立ちの菜の花を摘みおしたしに明日香
揚雲雀あかねの雲の中に鳴く智恵子
乗馬するにきびの乙女卒業期治男
のどけしや金の御座船堀めぐる菜々
豆の花島の戦死者六十人治男
啓蟄や土なき暮らしにも慣れてはく子
啓蟄や解体前に伐る庭木よし女
占有の悠久の空雲雀舞ふ宏虎
野焼あと墨絵の景となりにけりまゆ
2017年03月12日
春風邪に熱き生姜湯ゆっくりと満天
芽柳やレンガ造りの倉並ぶ豆狸
早暁に角組む蘆に稚魚の影宏虎
春嶺や深きひかりに山動く智恵子
落ち椿踏まじと逸らす畔の道 やよい
ふらここや老いとて少し漕いでみんはく子
春雨の過ぎて珠なす軒滴まゆ
揚げ雲雀点となるまで声降らす菜々
春なれや水上バスの満席にはく子
塩をふく船窓に見ゆ芽吹山なつき
春炬燵実話感動一気読み満天
春光の聖母彩窓に降臨すよう子
川波に動き任せて春の鴨こすもす
土手の日にぎしぎし赤き座を広げ菜々
シンプルな生き方見せてクロッカスたか子
春の園ダンス練習する男女治男
束の間の保養眼に沁む枝垂梅はんな
春眠の車内ゆるゆる刻流る明日香
春の水飛びて齢を感じけり宏虎
服一枚脱いでウォーク風光るこすもす
すがすがし白木蓮や碧き空治男
被災地の涙六年かげろへるたか子
また能勢に春が来ましたひかりさん小袖
逃げ水を追いて遊ばれ武蔵野路智恵子
鎮魂の六年春の空青しやよい
船うらら母娘顔寄す円き窓なつき
2017年03月11日
父母の忌や家系図聞きて暖かし やよい
余寒なほ納得出来ぬニュースかな満天
春燈す堂に葵の紋の額 やよい
日時計の中へ入る児チユ−リツプ治男
芽吹き垣切られて広き生家跡よし女
花粉症の日に日に増える春マスク満天
春雨や満を持してる畝数多明日香
森友学園謎が謎生み山笑ふ宏虎
大木の枝大揺れに涅槃西よし女
緋寒ざくら淀殿自刃の碑ほとりにはく子
春夕焼うち寄す波に日のかけらなつき
紅白の梅を一樹の今盛りはく子
お喋りを止めて黙祷雛座敷こすもす
踏青や飴と句帳を供としてまゆ
軒先に漬物ずらり梅まつり智恵子
春の昼質屋の棚のサクソホ−ン治男
いかなごのつの字しの字の旨さかなたか子
明日巣立つ孫と並んで春月夜はんな
凍て返る城趾の門の刀傷明日香
梅まつり旗のひらめき鄙の村 ぽんこ
彼岸西風ひかり優しく送られよたか子
剪定の街路樹天にぐーを突く智恵子
五感もて女杜氏の寒造なつき
落ち椿地より咲く毎上向きてともえ
散らばりて置物のごと春の鴨菜々
新聞を置いて黙祷春炬燵こすもす
謎めきし豊洲市場や春の泥宏虎
なほ残るボタ山の果鳥雲に豆狸
2017年03月10日
月おぼろ看取りの母の手を握り やよい
投薬の又少し増え水温むたか子
庭隅の暗きを点す落椿満天
芽木の風吊り橋で島つながれりなつき
ビジネスパークの空は矩形に冴返る菜々
寒紅の化粧の別れ葬の列ぽんこ
陣羽織貸して写真屋城うららはく子
おみくじの白き花めく柳かな智恵子
公園に寄り道したき風弥生有香
春風に触れあふ絵馬と絵馬あまた やよい
風花や雲湧き渡る遠峰かな有香
中空の春満月を楽しめリ宏虎
春場所の地元力士の新入幕満天
表情の豊か手作り雛人形こすもす
飛行船春のひかりに銀放つ智恵子
潮風に揺るる菜の花分教場なつき
引っ越しの図面色取り卒業すはんな
風光る城石垣の流麗にはく子
春宵やほつほつと星空に増ゆまゆ
内堀の水の青さよ春の鴨菜々
名乗る声風邪声もいる句会かなこすもす
星連れてぼんやり浮かぶ春の月宏虎
梅の枝頼りに登る山の道あさこ
盲導犬何食わぬ顔春の泥たか子
梅匂ふ鬼貫の碑に見えけり豆狸
2017年03月09日
大坂城一の巨石へ春日燦菜々
耳に残るまたねの声や春炬燵こすもす
春愁や十石舟にブルーシート満天
潮の香のパターゴルフや水仙花なつき
戒名の光の一字冴返るぽんこ
春光の右近称えし青畝句碑ぽんこ
八十路越え今更手相山笑ふ宏虎
何見ても涙こぼるる春ひと日 明日香
うららかやデイサービスにネイルして やよい
春陰にひそと淀君自刃の碑菜々
通る度川岸覗く残る鴨明日香
春あらし友の急逝諾へずせいじ
若布刈る青竹に鎌結はへつけよし女
名草の芽それぞれ万歳してをりぬよし女
友送る棺に百合の花置きてせいじ
踏切の待つ間に散るや梅の花満天
すれ違ふフェリーの汽笛海朧なつき
コ−ラスの先生の声冴え返る治男
家壊す壁のにおいや草青む治男
パステルカラー溢る花屋や春爛漫 やよい
おぼろ夜の赤き灯近づく終列車智恵子
きりなきと言いつつ掃けり春落ち葉はく子
茎折れの水仙花に有る命かな有香
下萌えや命の色を芽吹かせてたか子
春泥を目指すスピード三輪車たか子
大川や総身に受くる芽木の風はく子
雲多き空割り雲雀急降下宏虎
黄金に注ぐひかりや花ミモザ智恵子
あんなことこんなこととて春炬燵こすもす
2017年03月08日
春雷や郷土の歴史読みをればよし女
観音の千手ひろげし春の空ぽんこ
新横綱のポスター凛々し春うららこすもす
冴返るひかり隠れし野よ川よまゆ
春日差してんてん天満の子守像はく子
落椿枯山水は粋なもの宏虎
枝枝を全て縁取り春の雪こすもす
流しびな焼かれ身罷るむくろかなやよい
もう来ないひかりの春をこふる日々明日香
春光の浮上の鯉を捉へけりせいじ
啓蟄や何故思ひ出すこんな事たか子
青き踏む夙川堤尽くるまで菜々
芹摘みて泥に真白のひげ根かな智恵子
朽ち舟のあちこちつんと蘆の角宏虎
宇治川へ芽吹き柳の風まかせ満天
春の月ひかりあまねしあたたかしはく子
目の合いし遺影微笑む菊の花ぽんこ
生家跡芽吹きの大木倒さるるよし女
老夫婦ふらここ高く競いおり治男
美しきゴスペルひびく春の庭なつき
夕映えの湖つくねんと残る鴨せいじ
草焼いて促すものと果てるものたか子
下萌えやひかりを受けて甦る有香
日の光弾き潺潺春の川菜々
アネモネやタイムスリップして聖地はんな
光年のひかりを乗せて春の星まゆ
優作てふ水牛車乗る春の旅明日香
寺田屋の芽吹きの庭に竜馬像満天
沈丁の香に沿いゆけり写楽展治男
湧く雲やひかり隠して寒き春智恵子
旅の連れグラスを鳴らす春の宵なつき
めざし買ふ南紀まさおな海と空 やよい
2017年03月07日
ひかりさん春風のやうありがとう明日香
地虫出づ観音市のにぎわひになつき
友逝きて支え崩るる梅の花ぽんこ
公園に寄り道したき弥生風有香
渋滞のバイパス下に鳥帰る宏虎
啓蟄に土の閂外れけり宏虎
春暁のまづ紫のひかりかなまゆ
池辺りを綴るがごとく菖蒲の芽ぽんこ
月に添ふひとつ明るき春の星菜々
椿咲き一輪残る寡婦の家治男
梅散るや笑顔やさしき思い出に満天
チェンソーの音途絶へたる春の雨よし女
花見ずに永久の旅へと急ぎけり満天
蝌蚪生れて千切れんばかり尾を振れりよし女
春星となりてわれらを照らし呉れむやよい
に寄り道したき風弥生有香
風花の舞ひて一筋ひかりさす智恵子
昼の月薬袋と種袋はんな
春愁やみのるの日記読んでよりこすもす
春寒し友の旅立ち知りてなほ菜々
春野辺や風にひかりの加はりてまゆ
かんばせを天へ海へと雛流したか子
一里塚鳥の巣抱ふ大榎なつき
 神事果つ庭に咲き初む桃の花やよい
春霞遠くにヘリ−見え隠れ治男
舞ふ蝶やひかりの中にまぎれけり智恵子
あの笑顔春のひかりに包まれよたか子
カメラマン節分草に膝汚し隆松
微笑みとひかりの温み忘れまじ明日香
2017年03月06日
波浴びる舟よりこぼる流し雛やよい
ヒヤシンスぐんぐん伸びて花掲ぐせいじ
雲の影ゆるゆる流れ水温む菜々
梅の里下水の蓋も梅模様こすもす
無縁仏前に苗売るご縁日なつき
春の鴨とゆきかくゆき陣なさずさつき
畦道の靴の足跡犬ふぐりぽんこ
啓蟄を籠るひと日となりにけりはく子
駄菓子屋に寄り道の子シャボン玉智恵子
外つ国も遠くなりけり鳥帰るたか子
太公望の自慢話や水温む菜々
ウエディングドレスのごとくヒヤシンスせいじ
通夜の座の親しき縁者弥生来るたか子
予備校の幟はためく春風裡まゆ
伐採の後の広さよ春の空よし女
音立てて流れる側溝雪解水こすもす
釣具屋の自慢の魚拓水温む宏虎
雨受けてほんのり匂ふ沈丁花満天
地面掘る犬の鼻先地虫出る豆狸
指さして夫と初音を諾へりよし女
手のひらの湯飲み嬉や梅見茶屋よう子
見失ふ小さき消しゴム夜の朧はんな
黒髪の艶は褪せずよ古雛なおこ
啓蟄や高速道路延長すやよい
子の髪の三つ編みのごと蘭つぼむはく子
春雨や調えられし三畝あり明日香
薄目して山も笑ひぬ昨日今日有香
はらからの児らの御慶の長短泰山
雨上がり旨い空気やおぼろ月智恵子
春の凍て老犬眠る香具師のひざなつき
ちゅらの海ブルーの色は夏近し明日香
目刺し通す一本の藁痛々し宏虎
水温むゆるりと鯉ののぼり来る満天
2017年03月05日
そよ風に誘われ一と日青き踏むまゆ
尾を振るは命の証蝌蚪生まるさつき
桜咲く加齢の速さ風に受け治男
春の海波よす音のリズミカル治男
剥落の涅槃図悲し皆絶句宏虎
梅日和太陽の塔こちら見てよう子
機上より神戸の街は春おぼろ明日香
公園を賑わす大樹さくら咲く智恵子
囀やマンション周りの木立にもはく子
草の芽や踏む他はなき岩場かなたか子
春愁や相違いろいろ夫婦旅明日香
濯ぎ干すガーゼふんわり春の雲はんな
山笑ふ前のパトカー追い越せずぽんこ
芝青む犬飼う話頓挫して菜々
啓蟄の立て続け鳴る家電話なつき
六個入り三百円也蕗の薹こすもす
笹鳴きの姿見へざる大樹かな やよい
暖かや地蔵尊前に集ふ媼満天
梅林を上から眺む高見台あさこ
暖かや川沿ひ走る子等の声満天
中腹に白煙真直ぐ棚霞せいじ
湖霞むはるかに白き伊吹の嶺せいじ
東雲の待ち遠しきや百千鳥智恵子
広々と顔の高さに梅香るあさこ
畑の春つるものは蔓奔放に」菜々
サランラップの切り口探す余寒かなよし女
心地よき風が梅の香乗せ来たる豆狸
銀色の同じ貌せり目刺し焼く宏虎
雛の舟波乗り越へてまた越へてやよい
幾たびも転居の我が家鳥帰るたか子
古本の整理に暮るる春一日よし女
股のぞく天橋立陽炎へるはく子
2017年03月04日
分ち合ふ世界祈祷日桜餅はんな
昨日より今日増へし赤落椿満天
梅寒し箱を舞台にパフォーマーなつき
名草の芽待ちて花壇の肥料かなたか子
暖かやサークル終えて話はずむ満天
話し込む媼二人や春菜畑こすもす
頂きし利休梅の芽ふくらみて明日香
雛流す桟橋洗ふ波高しやよい
紙雛折るマニキュア手品めくよし女
水彩の筆のタッチの春の雲ぽんこ
枯草をはらえば二世三世が明日香
川面へと芽吹き一途の花の枝はく子
紙漉夫近寄りがたき背中かなさつき
家移りの多くて雛の無い暮らしたか子
枯葦の水面を見つめ鷺静止ひかり
東風の坂サリーの裾をひるがへし菜々
朱の橋を透かし梅林広ごれりこすもす
穏やかに晴れて梅見の空となるよし女
幔幕に梅東風はらむ野点かななつき
碧眼も鯛焼かじる雛の宮やよい
介護2と認定の父寒戻る豆狸
日の堰をトントンくだる番鴨ひかり
凛凛と東風へ尾羽立て風見鶏菜々
2017年03月02日
ハイヒ−ルに振り袖姿卒業式治男
年号を昭和で通す春一番治男
春こたつ船頭手だれの棹さばきはく子
電線の鳩の高さに布団干す有香
春雨や伐採の枝うず高くよし女
冴え返るテープに詩吟の母の声よし女
アトムの絵残る農小屋春田打こすもす
稚魚放つ掌臭ふ春浅し やよい
燕来る木綿問屋の長屋門なつき
棚の上の遺影の前の小さき雛はく子
ダム放流とどろく池辺犬ふぐりなつき
三月や昼煌々と美容院三刀
新講座のチラシ配らる春うらら明日香
雛飾る店に誘われ買ふ和菓子満天
砲身のごとき土管や雪解水せいじ
欄干に火の粉散らして二月堂有香
のどけしや逍遥の土手あまねく日ひかり
妙齢の客人ありて雛飾るせいじ
春の雨こっぽりの音小走りに菜々
さみどりの湯通し若布香り立つ やよい
高速道列島網羅山笑ふ宏虎
雨晴れし朝戸を繰れば初音かな豆狸
轟音の通過の列車風光るひかり
由緒ある気高き内裏雛飾らる宏虎
がらがらの特急電車春寒しこすもす
手描して目もとやさしき色紙雛満天
母歩む杖に合はせて春堤まゆ
2017年03月01日
蓬つむ爪に残りし香とみどり智恵子
金縷梅の花火のごとく開きけり満天
面食いより心の美人嫁菜摘む宏虎
天皇の大墓発掘うららけし明日香
ものの芽の目覚むる雨と思ひけりまゆ
激流を逆らい帰る若布舟治男
日差し見てうっかり薄着春寒し明日香
小波立つ川の流れや水ぬるむこすもす
手に取りて巨大蜂の巣しげしげと満天
筆塚の先は斜めに風光るよし女
梅農家咲けば早や実の気配りすともえ
直角に曲がれば雪の嶺迫るせいじ
水清し風が風生む猫柳宏虎
まなざしに生あるごとく古雛さつき
切り株の多きなぞえや犬ふぐりこすもす
芽木の風サイクリングの頬撫づる菜々
福寿草傾ぎて咲けりもぐら塚なつき
ふらここや少し上達破顔の子たか子
七色の風まわしけり風車 やよい
川風に弄ばれて糸柳はく子
春光に鴉の背中白光る三刀
ごろんごろん寝返る猫や日向ぼこ やよい
さざなみの間にニョキニョキと蘆の角智恵子
諦めしパソコンの音三月来はんな
草木染め工房真中雛飾るさつき
母牛の骨ばりし背二月尽なつき
待ちし友春手袋を振りて来る有香
盲導犬梅見の主の歩を図るたか子
大護摩にけぶる一山春遅遅と菜々
諦めしパソコンの音三月来はんな
クリークの走る田んぼや草青むせいじ
春青空五本のポ−ル輝けり治男
春光や母在りし日の話などよし女
2017年02月28日
春うらら久しぶりなるデパートに満天
園児らは外の公園や春遊びひかり
春空へ声の弾けて幼稚園菜々
家を解く準備に暮れて二月尽三刀
梅の木のオーナー募集梅祭りこすもす
春うらら童女となりし媼と居て やよい
道端に壁なす雪の解けやらずせいじ
犬ふぐりローマ遺跡に腰下すなつき
菜の花や片付けられし母の物よし女
石垣にすみれ一輪日を集む やよい
竿売りの立て板に水二月尽よし女
駅偉大幾何学天井風光る満天
春愁を抜けしひと言褒め言葉たか子
のどけしや父九拾六の誕生日豆狸
大石忌酒色に騙し高楊枝宏虎
園児らのお迎へ時間たんぽぽ黄菜々
青麦の風の意のままさはさはと明日香
とび職のニッカポッカや街おぼろたか子
芽柳やマラソン大会わが町もはく子
風光るダム湖一望せる欄にさつき
暖かや児らに目配り保母忙しひかり
茶畑の見え隠れする梅祭りこすもす
奥琵琶のちりめん波を鳰くぐるせいじ
梅まつり丘に行厨手まり寿司智恵子
街かこむ山々陽受け笑い初むともえ
春日浴びグランド走る女生徒等治男
春光に五本のポ−ル輝けり治男
高齢は若さに勝てず蘆の角宏虎
ヨーデルが聞こえてきそう春の丘ぽんこ
傘寿てふ故郷の友や二月尽はんな
指先の笑ひて鈍き寒戻る智恵子
オリーブの枝葉の揺るる光風裡なつき
2017年02月27日
払暁の家並みに白き忘れ霜豆狸
老幹の臥龍の梅の香りけりさつき
整然と並ぶ茶畑初音聞くこすもす
春眠や出窓の猫の動かざり智恵子
ウインドウの花柄並ぶ春ショール満天
雪残る田んぼ一枚一枚にせいじ
園の児を追う親転ぶ春の光治男
梅匂ふ生家を壊す寂しさによし女
錫杖の高野への径涅槃西風宏虎
雛飾る座卓の隅に追いやられなおこ
冬霧や大鐘楼の閉ざさるるなつき
すべり台低し春の夜の園庭菜々
春浅き聖堂にいま通夜の弥撒菜々
奥琵琶に釣人あまた春兆すせいじ
巣作りの鴉の嘴に長きものよし女
売り出しの小旗を揺らす春の風三刀
金縷梅のあでやかな花舞ふごとし明日香
乾燥土と腐葉土の鉢黄水仙治男
春時雨舞妓高下駄蛇の目傘宏虎
春雨や木屋町通りの石畳はく子
料峭やビルの谷間の札所寺やよい
展望台一目八景梅まつりこすもす
春うらら揃ひのシャツでウオーキング満天
高階に春雨色なく音もなくはく子
縁結びてふ枝垂れ柳やみくじ結ふ やよい
鳥の声思はず仰ぐ春の空明日香
春祭色とりどりの紙ふぶきなつき
風花の乱舞す中をドライヴすなおこ
クシャミして洟垂れ犬や花粉症智恵子
2017年02月26日
梅香る二の丸跡と記す碑にさつき
手水舎の水琴窟に春を聞くよし女
物売りの絵傘ひろげり春の雨なつき
嬉々として鴨に餌をやる吟行子ひかり
暖かや子ら集まりて鳥語降る満天
春は曙薄雲の棚引けりはく子
春光や礼拝堂の天井画なつき
けはや座のこども相撲やあたたかし明日香
右左茶畑過ぎれば梅三分こすもす
春めくや首元すっきり女学生明日香
枝折戸替え径新しく梅の園宏虎
水温む音軽やかにポンポン船菜々
石柱は月ヶ瀬梅林春浅しこすもす
芝青む短足の犬転げ行く治男
紅白の椿や白は光撥ね治男
蒼天へ身を震わせてしゃぼん玉智恵子
幾たびも夢で醒めをり春眠しはんな
夫の押す車椅子妻暖かし満天
置き忘れあちこち捜す余寒かな、有香
北へ行くほどに畝間に残る雪せいじ
急磴を休み休みに梅探る豆狸
荒東風や髪を乱してペタル漕ぐ三刀
鳥曇り大樹のつぼみ見て回る智恵子
人形塚を縦横に斬る梅の影よし女
ダックスフントのお腹すれすれ草青む菜々
山の径初音聞きたり二度聴けず宏虎
山門に吊せし草履雪しまく有香
ふわり降りたちまち消える春の雪ともえ
春光や小高き丘のマリア像ぽんこ
春光のいざなふままに奥琵琶へせいじ
2017年02月25日
吟行に行く気萎えさす春の風邪ぽんこ
巨橋を跨ぎ高空鳥帰る宏虎
下萌や月に一度の墓詣ではく子
丑三つの間違ひ電話冴返る菜々
チューニングのラ音の温し大ホール やよい
梅散るや花びらと香を隣より満天
桜咲く花弁と花心皆揃い治男
町起こし石の手作り雛門にあさこ
朝日てり紅梅の色いよよ濃しよし女
巣作りや古巣に戻るつがいかな智恵子
お待たせや出番ですよとお雛様ともえ
金管楽器光る春昼コンサート やよい
春愁やトンネル内の大渋滞こすもす
春日和朝から心うきうきと明日香
花すみれ人形塚を取り囲みよし女
神殿の遺構に丸く草青むなつき
衛兵の交代の靴音冴えるなつき
挨拶の口もほころぶ春日差し明日香
同胞の突と旅立ち雪解光はんな
ムスカリの土手に群れ咲く去年今年智恵子
下萌にハングライダー着陸すさつき
春耕や土裏返し裏返しうつぎ
筆塚に半ば日当たり梅真白三刀
雄大な高層億ション春めける宏虎
黄水仙茎の元より風を受け治男
落合のしぶきに目覚めいぬふぐり菜々
ベランダの大量ウンチ春の鳥こすもす
春うららスカートひらひらホッピング満天
2017年02月24日
神将の怒髪天つく春の闇有香
シスターのベールふはりと春の風菜々
余寒なほ蜂蜜濁りたるままによし女
温顔の仁王拝せば霰打つうつぎ
春一番夫のファンのキャンディーズはく子
人気なき駅ビルカフェ卓日永なおこ
立退きにブルドーザーの音春寒し満天
春ともし一刀彫の達磨像三刀
春光の聖水盤に影ろへりせいじ
逝く日まで自分を愛しスイトーピーはんな
春暁や今にも開けそう死人の眼治男
ジャングルジムへ子らの挑戦風光る菜々
春の風邪高熱出してキャンセルす宏虎
雨後の庭初香りなす沈丁花智恵子
犬ふぐり立入禁止の杭の辺にはく子
拳上ぐわらびに息吹ありにけり宏虎
春耕やローマへバスのひた走るなつき
斜塔を支へる写真春うららなつき
受難日のレリーフにつむ春埃せいじ
グーチョキパーと足の体操春うらら満天
春光の焼き場で待つ間故人のこと治男
ベビーカー押すママ二人春うららこすもす
裏畑は夫の裁量三月菜よし女
影よぎり庭の樹揺らす春の鳥ともえ
雨音や弾みし傘に風温し智恵子
公園の遊ぶ子いつまで日脚延ぶこすもす
2017年02月23日
良きことの少しくありて犬ふぐりはく子
うららかやカリヨンの音は電子音せいじ
春寒し脳の輪切りを見せられてはく子
磯畑の貝殻に風光りけりよし女
パンのくず撒けば集まる残り鴨こすもす
踏まれても畦に彩放つ仏の座智恵子
早春の堰白々と暮れのこるなつき
何と無く抜け切り難き春炬燵三刀
狐狸庵も通ひしチャペル梅真白せいじ
館内に飾られ雛安らぎて明日香
高千穂の神話を探る春霞宏虎
信仰持たぬ吾にも聖堂あたたかし菜々
聖堂の窓へ春光あふれしめ菜々
夕ミサの鐘響きたり村朧なつき
山肌の柔らかき色春きざす明日香
冬霧や動きゆったり太極拳有香
三寒の風に船笛流れ来るひかり
高々と俗世を離る揚雲雀宏虎
梅まつり琴の調べを広げけりよし女
雨上がり芽吹く枝先光りけり満天
池に建つ真白き館や風光る満天
黄雀や甘えし声の先に親智恵子
就職の決まりし孫や春の海はんな
2017年02月22日
チャペルへの角の塀より土佐水木こすもす
春めくや信楽狸眼を細む宏虎
内裏雛めがね掛けゐて眼鏡店やよい
聖堂へと広き門開け風光る満天
物乞ひの赤きコップや冴返るなつき
春愁ふつひ神のこと尋ねけり明日香
信仰に触れた気のする春聖堂明日香
雲切れて広ごる春の空やさしせいじ
白魚の跳ねて水にまぎれけり智恵子
地蔵尊へ翳す数多の木々芽吹く満天
散り残る枯葉を散らす春二番三刀
茶がゆ炊く余寒の水を汲み足してよし女
野の花とつくし並べておままごと智恵子
強東風やベランダに鳩一羽来るこすもす
セメンはる広き山肌春の光治男
去り難きチャペルに名残りの寒あやめ菜々
冬霧へ消ゆる大鐘楼の先なつき
春愁や鏡の顔の皺深し やよい
囀りや饅頭のせし置手紙治男
新種あれこれ顔揃へたる春野菜よし女
淡雪の落ちて車道を濡らしけりせいじ
祈りつぐルルドの聖母へ芽木の風菜々
保存樹の札や老梅四方に咲きはんな
猫の耳動きづめなり春疾風宏虎
花開くリフトの足元ふきのとうともえ
2017年02月21日
かリヨンの仕組み力説春ぬくしこすもす
のどけしや学生集ふ古書の街智恵子
春の雲われに古里なかりけり やよい
山を焼く炎はみだし叩かるるよし女
切干の色よく乾き網たたむよし女
信仰の歴史の中へ春チャペル明日香
梅真白ルルドの泉への道に菜々
春めくや雲の合間の藍濃ゆしなおこ
正直に生きたる自負や蕗の薹宏虎
盆梅の四百年に支柱なし宏虎
イエス像目の当たりにし余寒かなこすもす
ほろ酔ひを夜風あたりて春運河なつき
途中下車落日前の土手のどか智恵子
春耕や畝に小鳥の来てはたつ三刀
春嵐夜っぴて鳴らす換気口はく子
聖堂は別世界なりあたたかし明日香
薄氷が朝日をはじく歩道かなせいじ
喧騒の一歩に教会風光る満天
フリージア売る落書きの塀の前なつき
平凡なことが幸せ根深汁やよい
芽吹く木々流るる雲の水面へと満天
生駒嶺のしぐれてここも雨滴せいじ
老梅の見事な家と呼ばれたりまゆ
拭き艶の触れてあたたか聖書台菜々
2017年02月20日
折り紙や世界にひとつの雛人形こすもす
薄氷や取り合ひ割りし通学路宏虎
セメントの広き山肌春の光治男
春一番千切れんばかり洗濯物明日香
春一番芥の開くる自動ドアー やよい
木製レジ今も現役草餅屋 やよい
春塵や門に掛けたる大草鞋はく子
春しぐれ苔の衣に六地蔵菜々
アルプスの尖りくつきり春夕焼なつき
小雨降る庭一輪の白椿三刀
裏の籔うなり声あぐ春一番明日香
雪解けのぬかるみ遠き峠越え智恵子
大仰な嘆きの様の涅槃絵図たか子
町眺む機窓に春の雨打てりなつき
春しぐれ御詠歌洩れくる大師堂菜々
焼山の太古は海でありしかとよし女
風花や入江にもやう五六そう有香
強東風に子等は自転車軽快に満天
絵馬堂の梵字へゆらり風光るたか子
血眼の我が身ぶっけむ猫の恋宏虎
水温む動く水路の鯉数多満天
春疾風一歩進みて二歩下がり智恵子
こがずとも進む自転車春疾風ひかり
春一番遠のき確かむ門扉かなはんな
反物のごとく和紙積む猫の恋治男
たんぽぽや異国へ発つ子よりメールよし女
里山を縫って流れる雪解水こすもす
2017年02月19日
トンネルを抜け梅香る郷南部ひかり
安産の願掛け札へ風光るたか子
雨上がり梅のうす紅煌めきて満天
遠山のはだれの雪へ日矢差して明日香
引く波の水際に群るる春の鴨よし女
水音の軽き対岸昼の蝶智恵子
春しぐれ苔をまとひし六地蔵菜々
足裏より凍てつく読経深山寺 やよい
早春の光を宿す並木道ひかり
料峭に菊紋凛と四脚門菜々
蕨もちかつては屋台の声聞きしともえ
気が付けばハミングしている早春賦たか子
馬見えぬ霞掛かりし草千里宏虎
日の射してきらめく雪解雫かなさつき
春光の車内はまさに揺りかご化明日香
春寒や左右描く眉不揃ひに満天
頭出し泳ぐ亀いる水温む治男
開帳の寺の賑はふ植木市 やよい
如来像春日に浮かぶ児の表情治男
楽しみの一つさきがけ馬鈴薯植う三刀
メリーゴーランド子等の笑顔に風光るこすもす
荒東風や林道抜ける砂ぼこり智恵子
早春や港の匂ひの中に佇ちよし女
食卓に伝言メモの暖かさ宏虎
春めくやしばし話して墓を辞すはく子
雨あがり初音こぼるる朝かな豆狸
2017年02月18日
旅の客手に手に上着京の春明日香
午後の陽に木々の影浮く春障子三刀
春暁や八千度参る村社なつき
冴返る木目際立つ堂柱 やよい
強東風に揺れて相打つ祈願絵馬さつき
枯木って葉っぱが無いねと四才児こすもす
自販機の音の深夜に冴返る満天
買物しておまけに貰う黄水仙あさこ
粛々と神苑包む春の雪はく子
北摂の山に抱かれ涅槃像たか子
伊賀の里どんでん返しや日脚伸ぶ智恵子
梅開く開く順番あるやうによし女
一陣の湖風梅が香を誘ふよし女
春うららホールインワンの声高し満天
大願塔金の水煙風光るたか子
春光や玻璃越し拝す阿弥陀仏 やよい
蕗の薹あさみどり出し土を割る宏虎
初音とや聞きなれぬ声でも初音ともえ
逆光に鎌振り下ろす草刈女なつき
湧き水に添ひて野芹や上機嫌智恵子
暖かな糠雨けぶる薄暮の街ひかり
蒼天や句友の増える春句会明日香
子らの声路地に弾けるこま廻し有香
人情味仄かな会釈暖かし宏虎
2017年02月17日
春一番追いつ追われつ雲走る智恵子
自転車をドミノ倒しに春嵐まゆ
春の雨竹林の土ふっくらと菜々
履き物に迷ふ玄関春の雨こすもす
降り出しの雨の明るき初弘法なつき
餌ねだる鯉の口へと風花すさつき
春日影新位牌ある累代墓治男
城門の修理のクレーン冴返る満天
梅ヶ香のトンネル抜けて薬師寺へ明日香
人力車赤き毛布や春の色たか子
春光や窓拭きあげて客を待つ やよい
総玻璃の超高層ビル春の雲ぽんこ
道の駅レジの近くのひな飾りこすもす
春寒や町内止まる救急車満天
早春や解放気分口笛す宏虎
降らずみの淀茫茫と春浅し菜々
朝毎に春寒かこち床離るともえ
三年生雛を飾りて得意顔有香
犬ふぐり対岸はるか国東の山三刀
高曇隊列組みて帰る雁宏虎
涅槃図や阿南尊者の顔ま白たか子
お斎食べ咳込む夫や春寒しなつき
里山を抜けて国道風光る智恵子
葉牡丹の朝日を浴びて丈伸ばすよし女
浦凪や日のゆきわたる花菜畑よし女
雛段の顔それぞれや老婆の眼治男
雨空に花を啄む目白いて明日香
リフォームの妣の着物や春コート やよい
2017年02月16日
春光や楽しみ増ゆる庭仕事明日香
春の宵菜の花ごしに予習の灯治男
味噌搗くや粘土遊びに似て可笑し やよい
墓所守るかにひとむらの竹の秋たか子
しゃぼん玉異国へと子を送りたりよし女
内濠の水の豊かに鴨残る菜々
梅日和巡る本丸二の丸とはく子
古草を手で掻き分けて探し物明日香
母と子の遊ぶ公園春温しこすもす
本丸へと誘ふ風や梅が香に満天
引き網に跳ねて歓声桜鯛智恵子
天守址斑雪の比叡をまなかいにはく子
飛び立ちし鴨の戻るは我が群れにともえ
研修車てふバス行くや春浅しこすもす
青空に樹氷おりなす影法師智恵子
寺苑より見下ろす街や春霞たか子
雪残る遠峰眩しくバスを待つ有香
早春の光の中をダルこぐひかり
初音聴く得した気分ゴルフ場宏虎
趣味違ふ春灯ふたつ一つ屋根 やよい
教会の鉄扉開きをり囀るるなつき
水鳥の一夜に去りて池無聊まゆ
菜の花の一輪ごとに渡る蜂治男
飛梅や殿に掲ぐる四神額なつき
パンジーの花びらゆするほどの風三刀
強東風やはばたく絵馬の夫婦鶏よし女
反抗に口利かぬ事黄水仙宏虎
春障子うぐひす張りの廊をゆく満天
濠へだつ本丸御殿を梅越しに菜々
涅槃会の僧の読経に灯の揺るるぽんこ
2017年02月15日
猫の恋優しさ何処へ眼の厳し宏虎
春の声大谷焼を見たる子等治男
春昼や描いたり詠んだり気ままなるたか子
暦日の松を映して水温む菜々
毘沙門堂前に小さき焚火跡なつき
早春賦を歌い出す婆猫より来治男
日溜りにシート広げて梅の宴ひかり
春光や唐門絢爛二条城はく子
透廊に猫の足跡春の泥 やよい
下萌や要塞跡の煉瓦道 やよい
梅林を抜け群青の海辺かなよし女
浅春や大政奉還成りし部屋はく子
終電車余寒厳しき夜の闇宏虎
春灯にうなじ艶めく先斗町智恵子
タンポポや駆けし子らの息吹かな智恵子
城濠に土塁の名残草萌ゆる菜々
春の雪ポンペイ展の別世界よし女
老幹の白梅凛と花ひらく満天
剪定の枝束ねられ天広したか子
立枯れの親に寄り添ひ菊若葉三刀
しだれ梅重き程にも蕾付きともえ
防空壕トンネル埋めて草青むなつき
襖絵の虎と目の合ひ冴返る満天
見送りと新聞とりや風邪癒えるこすもす
仕切るのは四才の孫雛飾るこすもす
2017年02月14日
地下足袋に履き替え摘みし蕗の薹はんな
餅二つ入れて茶がゆの朝餉かなよし女
滑り台ペンキ塗り立て春近しさつき
春光やS字の路地の手綱架けなつき
雪催い冷凍カレーも又よろしはく子
初恋の懐かしき歌春の夜満天
木道をけんけんぱして青き踏むなおこ
雛にも過ぎし日のあり老い知らず治男
鍵差して上手く入らぬ余寒かなたか子
熱湯に鹿尾菜一変春の色三刀
回覧の訃報次々春寒し満天
店先は少し見ぬ間に春めきしたか子
堂守の絶やさぬ灯り石蕗の花なつき
百千鳥近くて遠き迷路行く治男
幹虚ろ支柱に凭る枝垂梅宏虎
春屋敷いにしへ偲ぶ与力窓明日香
春寒や鹿に喰わるる案内地図 やよい
探梅の眼下は藍の門波かなよし女
園児等も準備のバレンタインチョコこすもす
ストーブと火鉢船頭休憩所 やよい
定年や着膨れラッシュ後わずか智恵子
魞を挿す金波銀波の比良颪宏虎
歴史負ふ移築の門や凍返る明日香
ユニホームで走る生徒ら風光るこすもす
薄れゆく気嵐の間に鳥数多智恵子
2017年02月13日
揚げたてのコロッケさくり春日向なつき
古き幹洞と瘤あり梅ふふむ宏虎
盆梅のつぼみ落として雪払ふなつき
紅と白競ふ梅の木我がさ庭明日香
雪まつり解体ショーに泣く子らも智恵子
下萌や上手に乗れて三輪車菜々
海沿ひを走る一団風光る三刀
春寒や和太鼓稽古不揃ひに満天
冴返る畳廊下の大書院 やよい
福の豆拾ひて朝戸繰りにけりさつき
春きざす園や行き交う試歩の人はんな
木蓮の芽の開きかけ子の瞳治男
春の雪溶けて海面は群青によし女
無灯火に注意優しき春の風満天
一の午とぐろのまむし酒売られはく子
耳しひに春の足音遅遅として菜々
吹けば飛ぶ袖につきたる春の雪 やよい
吾が干支の酉の絵馬打つ春の風よし女
風埃砂庭吹きぬく冬旱ぽんこ
アルプスのとぐろを巻きし雪解川宏虎
ドッグランの紀州犬の背風花すこすもす
山寺に響く瀬音や野梅垂る有香
恋冷めて歩調のゆるき猫の春たか子
青き空未だ茶色く凍てし庭明日香
公園の白梅一本香を散らすこすもす
枝に透くまさをな空や梅の丘ひかり
春の鳥樹樹飛び渡り吾が足見ゆ治男
おこぼれの餌にあずかる石たたきぽんこ
サラサラと陽射し柔らか竹の秋智恵子
春の泥サッカーボール捕えたるたか子
2017年02月12日
寒椿寺院のに日の灯り有香
梅固し亀は汀に身じろがず豆狸
庭に下せしかつての盆梅盛りなりよし女
砂遊びにつきあう広場の余寒かなこすもす
裏山や夫の掌にある蕗の薹よし女
中洲へと犬も渡りぬ潮干狩治男
チョコレートバレンタインの泣き笑ひ宏虎
梅ひらく子等に祝はれ誕生日菜々
紅梅や井戸をのぞきて顔と会う治男
重き荷や腕輪を付けた蟹届く智恵子
春の雪舞い散るなかの降雪ショーさつき
お遍路や若き女性の連れ立ちてともえ
ぐんぐんとバイモユリの芽背丈伸ぶ明日香
春浅しくるくる変わる今日の空明日香
春光や招き猫なる貯金箱三刀
水尾引いて壕わがものの残り鴨たか子
可aa寒椿寺院の奥に日の灯り有香
春菊のレシピとりどり目にやさし満天
殿修理の覆ひを高く春空へ菜々
池巡るに石の八ッ橋梅が香にはく子
しぐるるや見る間に変わる海の色ひかり
春光の中ゆっくりとモノレール満天
痛き風すくめし肩に春浅し智恵子
梅の蕊雨粒弾く朝ぼらけぽんこ
春の水天神山に高鳴れりなつき
園児らのうがい一列水温むたか子
地下鉄のプラットホーム冴え返る宏虎
俳人と写真家あまた針供養 やよい
梅園の春の雪積む茶屋床几さつき
水仙花自転車留め置く太公望こすもす
六畳の防空壕や梅の庵なつき
冬の湖鈍色染めて水鏡なおこ
望楼の闇を焦がして芝火哮る やよい
2017年02月11日
地植ゑせし鉢植ゑの梅ふふみけり宏虎
降りぐせの雪に列島混乱すたか子
春の鹿お辞儀するのは学習と明日香
水温む茶室へ架けて土の橋菜々
卒業やから弁当にアリガトウ智恵子
踏切の鳴りはじめたり梅三分 やよい
積み上ぐる奉納酒樽風光る菜々
雪嶺見ゆ八千日参の神明社なつき
ミニ国旗はためくバスや建国日こすもす
キリン型クレーン並ぶ春の空ひかり
満月の光あまねし雪の郷三刀
朝を雨午後を春雪京の果てはく子
積雪の様子故郷長電話満天
建国日在所に一戸国旗立つ治男
見に行けぬ発表会や風邪のママこすもす
春浅し観光客へなら瑠璃絵明日香
拾ひ来し伐採の梅香を放つ やよい
気象図の列島白き寒戻る満天
春雪のとけて夕風ゆるく吹きよし女
うたたねに呼び鈴遠し春炬燵よし女
モルヒネのスティック軽し梅白しはんな
先ず咲くと言ふまんさくの黄の濃かりたか子
猫柳恋におぼれし高瀬川宏虎
春燈の煌煌とあり古着店治男
つくばいにポトンと波紋紅つばき智恵子
粕汁を飲み干す椀に残る湯気なつき
2017年02月10日
春寒や更地の幟かたむきて満天
梅東風や禰宜の臥すてふ浦の宮 やよい
神苑に勾玉池てふ梅は五分はく子
紅白梅歳時記に詠む夫婦句碑はんな
ご飯やさん掛け放題の寒卵こすもす
手作りの軽便鉄道春浅し有香
雪解村新幹線の通りけり宏虎
強東風やひゅうひゅうごうを部屋で聞く明日香
賑やかに和服一団針供養 やよい
鍋の浅利がさりごそりと口開くよし女
凍てる朝それでも夫は畑へと明日香
藪陰にひそと山吹返り花はく子
梅匂ふ定家の歌碑に屈まれば菜々
雪道の行人なべて急ぎ足三刀
日向ぼこ猫がベンチを占領す豆狸
頬を刺す風にほのかや紅の梅智恵子
白梅や清貧に生き悔いのなし宏虎
一碧の勾玉池へ春の雪菜々
と言う間に芝生真っ白俄雪こすもす
入学の祝苺のモンブランよし女
子の名書く護摩木節立つ春愁なつき
霰みな吸い込まれゆくアスファルトたか子
梅早し下賜の針入る多宝塔なつき
祝宴の余韻や帰路の朧月たか子
春めくや脱ぎし手袋ポケツトへともえ
春寒し集団登校帽目深満天
道の駅菜の花もらい菜花買ふ智恵子
ブーム去りもとの静けさ春の宮ぽんこ
2017年02月09日
土塊に種の浮き出し春の雨治男
芽吹く木々へひもすがら雨音もなく満天
臥せし時夫の気配り暖かし明日香
しろがねの飛沫とばしる雪解川菜々
建国日日の丸の旗街に見ず宏虎
鍋に入るや競い口開く浅蜊貝ともえ
雲切れてシャワーのごとく冬日射すなおこ
仕舞ふには名残り惜しかな春炬燵智恵子
音立てる雪解け川の流れかなこすもす
冴返る乳鋲青錆ぶ宮の門 やよい
放課後のチャイムの間延び日脚伸ぶたか子
外ッ国の人色鮮やかな旅鞄ともえ
炬燵猫薄目開けては又ねむる有香
透き通る日暮れのチャイム春の雨はんな
梅が香の満つる神苑春しぐれはく子
茹で上がる菜花のみどり春の色満天
猫の恋闇より出でて闇に消ゆ宏虎
厄女一升の豆撒き尽すなつき
老二人昼餉にことり寒玉子よし女
老犬を侍者とし歩む霜の道豆狸
雪解風どの子も赤き頬をして有香
巡回の灯油売る声氷雨中ひかり
まさに雪化粧した庭春の雪明日香
振る舞ひの火落としてより余寒なほなつき
まち針の色とりどりに納めらる やよい
生き甲斐を論じる巷春の雨たか子
参道に枝折れの梅傾ぎけりこすもす
笑み浮かべわらべ地蔵に雪帽子智恵子
春愁や満州事変の日に生まれ治男
勿忘草師弟のえにしとこしなへ菜々
炊きたてのご飯に落とす寒卵三刀
寒さとは痛さなりけり岬径よし女
2017年02月08日
桜草多に咲かせて一人住むはく子
鳥交る鳥居の上に乗りし石治男
犬連れで賑はふ堤日脚伸ぶまゆ
橋くぐりては高舞ひてゆりかもめ菜々
船波がお気に入りらしゆりかもめ菜々
篝火の燃えかす匂ふ梅の宮 こすもす
舌を出すパックの浅蜊外は雨三刀
ペン先を試し書きして春の宵たか子
針塚へ納められゐる針の綺羅 やよい
猫の恋タマは勝者か連れのをりひかり
粕汁の湯気に仏足石隠るなつき
寒鰤の解体見ての切り身買ふ満天
礼服に失せし鍵ありつくしんぼ治男
炭を焼く翁の目にも火花散る智恵子
針供養爪あざやかな巫女もゐて やよい
余念なくはかまの準備卒業式よし女
若返る夫気に入りの春帽子よし女
折れ枝や五分咲きのまま梅の花こすもす
草の芽や隙間の多き城の垣たか子
走り根は古梅の静脈目覚めけり宏虎
草千里けむる火の海野焼きかな智恵子
薄氷や農道残る轍跡宏虎
振る舞ひの粕汁に芹散らしたるなつき
鰤捌く巨大包丁冴え返る満天
2017年02月07日
梅林や手入れ十分一変す宏虎
冴返る氏神奥社に蛇の池碑はく子
落椿庭の手入れのピンセット やよい
城門に托鉢の僧春の雲たか子
スーパーの鎖されしまま春寒し満天
白梅は清楚で床し見惚れけり宏虎
風邪の神ぐずぐずせずに出ていつて明日香
余寒顏父と胎内めぐりかななつき
遺影笑む蝋梅一枝仏壇に明日香
志士ら走りし長州の時雨道よし女
湯と水の直ぐに混じらず鳥の恋治男
楊貴妃てふ梅の枝振り伸びやかにたか子
箱のふた取れば転ぐる毛糸玉よし女
時雨月照らすを休みぼんやりと智恵子
春曇り下校児達の歌いつつ治男
遮断機の上がるをひとり春寒し満天
試し書く細き筆先春めけりなつき
寒戻る首をすくめて検診へ三刀
ガード下友とサッカー猛ダッシュ智恵子
水田にツンツン伸びる名草の芽こすもす
河川敷水際に傾ぐ猫柳こすもす
子の髪を輪ゴムで束ね日向ぼこ有香
やわらかき風耳たぶに春立ぬ やよい
耳あてて水琴窟の春を聞くなおこ
2017年02月06日
春の雨負けじとランナー堤防をこすもす
吾子の手を杖と頼みて青き踏むはんな
春野菜準備向き向き貸農園はく子
日溜りの渚飛び来る春の鴨よし女
鴨の陣少し離れて鷺一羽明日香
始まれば止まる事なし雪解の音ともえ
赤提灯に燈の入る頃や春時雨菜々
恵方祭水掛牛の向き変ふるなつき
いちごジャム煮詰む若き日思ひつつ やよい
遊歩道崖打つ春の波が好きよし女
バレンタイン全館挙げてチョコ香るたか子
少し離れ夫婦遍路や手に遺影治男
へそ出して反身で泣く子追儺鬼なつき
少年のボール蹴る音日脚伸ぶ三刀
探梅やしだるる枝に頬突かれたか子
凍て返る古刹廊下の黒びかり宏虎
釣り人の背に降り濯ぐ堀小春智恵子
強東風や竿に巻きつく幟旗明日香
落合となりて轟く雪解川さつき
厄除けのこんにゃく齧る春隣 やよい
地獄谷雪山登るロープウェイ智恵子
冴え返る空を占めたる星ひかる宏虎
目覚ましの赤子泣くごと猫の恋満天
美人画の鼻の白さよ水温む治男
犬走り一気に駈ける恋の猫満天
早朝の多摩川堤風光るなおこ
傍聴の二時間に雪二センチもこすもす
2017年02月05日
床板の隙き間に詰まる追儺豆なつき
横文字の絵馬見え隠れ梅の宮宏虎
痛み無き普段の暮らし日脚伸ぶはんな
一安心春場所チケット入手出来こすもす
節分や仏事神事は数へ年ひかり
春や立つ海は真澄に広ごりぬよし女
ベランダに光り一筋月冴ゆる智恵子
折れてなほ風にあらがふ枯蓮三刀
菜園に音なくつづく春の雨満天
聞くだけで立春大吉良き言葉ともえ
穏やかに暮るる浦曲や春立ちぬ やよい
水際まではずみ心に青き踏むはく子
春の雨蛇の目傾げて先斗町菜々
残雪の傷の山肌隠しけりぽんこ
暖かし音なき雨の幹伝ふ明日香
靴底に食い込む石や寒に入る豆狸
波際へ直線幾つ春の鴨よし女
容赦なし積雪ソーラーパネルにもこすもす
蕾固し梅の名所の美郷へ来治男
金棒で床打ち鳴らす追儺鬼なつき
水彩の淡きみどりに春来る満天
梅園は犬の喧嘩に乱さるるたか子
残る鴨水輪乱して浮き沈みたか子
春光のまぶしき朝や厨窓明日香
店頭に和菓子並べる春の色宏虎
埴色の庭の客土へ春の雨菜々
立春や塗り替えられし神馬立つ治男
枝枝にみかん刺しおき小鳥待つ やよい
桃の花里一色を桃色に智恵子
2017年02月04日
同窓会思いで話し蜆汁治男
何時の間に落ちたか新し落ち椿ともえ
立春の雲ひとつなき青き空満天
宙に音爆ぜる浄火や節分会よし女
雪解けの轍にはまり泥まみれ智恵子
畝畝に光るものあり薄氷明日香
立春の生駒稜線のびらかに菜々
立春や自家製パンの匂ひ満つこすもす
ヒヤシンス少し歩ひて直ぐ休みはんな
公園の四温に囲む将棋盤 やよい
節分会無垢な子が引く一番くじなつき
春兆す一期一会に握手する宏虎
賑わっていて靜かなる梅の園たか子
水音の軽やかなりて滝凍る智恵子
野焼き果て草も哀れや焦げ臭ふ宏虎
一湾の静かや入り日おぼろなる やよい
遠山の三本筋や残る雪こすもす
節分やついと手がでる卓の豆ぽんこ
春立つや梢に星の瞬きて菜々
北窓開く野球している高校生治男
梅の園観る撮る走るそれぞれにたか子
日差し受け渚に丸く百合鴎よし女
追儺豆つまみて拾ふ幼かななつき
立春や光あまねし瀬戸の海三刀
福豆に右往左往の人の波はく子
立春の並ぶ和菓子のうす紅に満天
節分会高々と矢は神南備へはく子
2017年02月03日
節分の浄火に待機の消防車よし女
くじ引きに運を使ひて鬼は外なつき
公園で歩行訓練杖冴える治男
豆撒きはテレビ観戦アップ良し明日香
鬼気も無く舞うて八坂の節分会たか子
節分や心の鬼を払ひもし満天
文殊堂へ雪解しずくの門高しはく子
蕗の薹戸籍年齢機能別宏虎
野兎の走り句帳に少し嘘豆狸
追儺会の鬼も入りて写真撮るなつき
夢を持ち生を喜ぶ犬ふぐり宏虎
和菓子屋に貼り紙新し寒の明けともえ
横綱も駆り出されたり節分会こすもす
立春の日差し居間まで豆大福はんな
冬萌えの中州寄り州へ群雀菜々
節分の宮に善哉振舞われひかり
時間かけ年の数だけ福の豆満天
木の駅舎降りて故郷春の月菜々
塩をまく手つきの横綱福は内こすもす
春潮の寄する漁港の船溜まり やよい
枯芝でボ−ル遊びや犬走る治男
リフレイン揺れるリフトや銀世界智恵子
接待の汁粉吹き吹く節分会三刀
厄落す宙を綿雲過ぎりけりよし女
雲が来るまた雲が来て冬の雷智恵子
鴨川の柳ほんのり春の色明日香
年を忘れ豆撒き競ひ拾ひをりひかり
節分の鬼怖がりし児も親にたか子
余寒なほ階段またも踏み外す やよい
2017年02月02日
犬ふぐり野原一面瑠璃の色宏虎
取り敢えず理髪屋へ行く春隣三刀
いやそうに抱かるる猫や春隣豆狸
小さき庭に小さき日溜りすみれ草菜々
寒牡丹わら家の奥にそつと咲くともえ
ウオーキング増へるカップル春隣満天
春コートにはまだ気温調わずたか子
振り返る人もなきかな座禅草智恵子
手移しに餌を食う雀冬うららはく子
レントゲン写真に我が骨冴返る菜々
風花や両手で捕まへはしゃぐ子等こすもす
病院に冬薔薇多し熱下がる治男
凍て道や若宮までの坂多し明日香
ほっこりと漂ふにおひ粕汁炊くひかり
三寒や下つ禰宜道足早に明日香
子の歓声楚に密に舞う雪の朝こすもす
スキーヤー茜に沈む影法師智恵子
溶鉱炉の煙真白や春近し やよい
天神社招くが如し梅満開治男
寒牡丹手つき膝突き覗き見るともえ
旧正月音と匂ひの中華街宏虎
日溜に野鳩ふくらむ一と屯ぽんこ
地蔵堂の供華の数多に春近し満天
食い違ふ心ほどけて根深汁 やよい
養生中小さき囲いや梅の園たか子
風花や漂流物のごと降れり有香
喜寿近く寡婦なりし我春を待つはく子
切干の色よくもつれ乾きけりよし女
菜畑の日和に唄ふ四十雀よし女
酒蒸の朔日餅や春隣なつき
冬の蜂小さき羽音に飛び立てりなつき
2017年02月01日
枯れ木路女持ち行く鋸と槌治男
春寒や歯を削る音洗ふ音 やよい
五十肩寒の戻りにぶり返す菜々
咲きそむる雪に埋もれし三日過ぎともえ
日に透きて臘梅まこと蝋細工菜々
火は風を風は火を追ふ野焼きかな宏虎
日脚伸ぶ宮址野夕日の唯中にはく子
幣ちぎる炭焼き窯のひび深きなつき
沖遠し海やや白く冬終るよし女
風花を添へてすべらすお賽銭たか子
三日月の星ひとつ添へ冴え返る満天
羽二重のごとく切干大根干すよし女
そぼふる雨枝に忘れの毛糸帽ぽんこ
親と子の揃いのスカート春近しこすもす
冬の空一点のしみなく曇り無しともえ
やぶ椿大壺に咲く商家かな智恵子
お遊戯会の真白きタイツ春隣こすもす
金平糖あか白きいろ春隣はく子
一笛に園児飛び出し草萌ゆるたか子
小春凪羽広げ干す烏帽子岩智恵子
如月の風竹林を揺らしをり三刀
霊園へ坂道長し水仙花 やよい
如月の風竹林を揺らしをり三刀
志野茶碗の抹茶ふはりと春隣り満天
しんしんと夜の更けゆく二月かなひかり
冬三日月しばし仰ぎて投函す         はんな
寒明けや何故か浮きうき身の楽し宏虎
神泉に水輪重ねてつがひ鴨なつき
老いの夢たとえば朝の紅椿治男
2017年01月31日
駐車場閉扉の鎖冴え返るぽんこ
遠目にもくっきり見える山焼き跡こすもす
朝戸繰る空に三日月余寒なほ やよい
澄み切った潮香もろとも鹿尾菜刈る三刀
ガーデンは春へと花の模様替えたか子
一月尽十二分の一老いて行く明日香
公園で女優談義や鴨の声治男
三寒の真澄の空の深さかなひかり
眼裏に夫の横顔鰤大根はんな
蕗の薹呱呱の声上げやや生まる宏虎
日脚伸ぶ少し手なづけ路地の猫たか子
山焼くや満月白く動かざりともえ
空に星犬ふぐり咲く路傍の上宏虎
山車連ね寒夜のまつり宮址野に菜々
橋潜る度に屋根下ぐ炬燵船 やよい
志野茶碗の点茶ふはりと春隣満天
腹満ちて家鴨寝まりし冬日向なつき
日向ぼこ祖父の浄瑠璃きこえくる治男
三寒の真澄の空の深さかなひかり
鳥遊ぶ枝から枝へ春近し満天
畦道を行く翁手に泥大根こすもす
池底のきらめく波紋水温むさつき
寒晴の祭事へ張子の大四天王菜々
廃線に添ひて顔出す蕗の薹智恵子
大絵馬を見上げて恵方詣かななつき
春節や両手に余る重き愛智恵子
2017年01月30日
雨止みて庭に見つけし芽吹きかな明日香
枯木立見下ろしてをる大鳥居さつき
まほらまの天も焦げよとお山焼き菜々
百蕾の梅に雫のそぞろ雨ぽんこ
ラガーらの厚き胸板ぶつかれるたか子
春隣輪に輪を重さぬ二羽の鳶三刀
大根干す風に網篭揺れ通し やよい
三つ四つ山を跨いで冬の虹こすもす
樹の姿少し育てし冬芽かなたか子
水仙花小さき祠の屋敷跡なつき
宮址野に祭たけなは四温晴はく子
冬天へ金色の鴟尾堂々と菜々
宮址野へ和太鼓轟く四温晴はく子
東雲の瀬戸内ゆらぐ海霧かな智恵子
風邪声の娘を避けて話をり有香
電線の揺れに乗りたる寒雀治男
雨晴れて艶めく木々の春近し満天
電車内和むや冬の虹見えてこすもす
枯れ並木グランドの声よくとおる治男
白みそにみどりの薬味春近し満天
駅二つ越せば明るい春景色有香
年の豆福と夢とを拾ひ食ぶ宏虎
カイツブリ小春に遊ぶ潮溜り智恵子
梅東風の丘にスカーフ被りたりなつき
白鳥の汀娘がいて孫がいてはんな
傘をなす大樹や連理玉椿 やよい
鬼やらい脱げばはにかむ優男宏虎
下萌えや飛び立つ鳥の名を知らず豆狸
2017年01月29日
コート脱ぎ経巻で背を叩かるるなつき
降りだして探梅行の中止なるよし女
白拍子緋袴裾引き寒に舞ふはく子
鉛空セピアに染まる寒の夕智恵子
春隣さ庭を叩く石叩三刀
喝と吾のうなじへ雪解雫かなさつき
SLの汽笛の余韻枯尾花はんな
年の豆鬼への幼ナ好奇心宏虎
鴨川の上空を舞ふ鳶寒し明日香
これ以上望まぬ余生君子蘭宏虎
墓地上の枯れ木山なり犬の声治男
駐車場まだ残りをり隅の雪こすもす
犬連れておしゃべり賑やか日脚伸ぶ有香
空き地いま小さき春の芽吹きあり智恵子
空っ風無人屋敷の小屋倒すよし女
鈍色の空に冬芽の戸惑ひを満天
護摩堂にしわぶける人初大師たか子
春隣遷宮記念の護符を買ふ やよい
冬天へ聳ゆ荘厳朱雀門菜々
緋を点す鎮守の森の寒椿 やよい
知り尽くす道を選びて梅の園たか子
平城宮址電車が過る春の昼菜々
葉牡丹の渦のむらさき鮮やかに満天
宮址野四温相撲甚句を朗々とはく子
枯れ蔦の空き家のカフエ覆いおり治男
薄氷を踏みて上れり脇参道なつき
2017年01月28日
老ひ母を家族で囲み初写真まゆ
古都奈良の夜空を焦がすお山焼きはく子
霜晴や今朝よく唄ふ小鳥たちよし女
包まるる甘き香りや楮蒸すなつき
明日のこと憂ふなかれと寒昴はんな
マネキンについ会釈する春近し治男
ニュース見て天神様へ探梅行よし女
買物袋両手に下げて雪の道こすもす
雲竜型よいしょで決まり冬終わるたか子
飛び出して肌の白さよ大根畑三刀
平城京の風を心地に凧あがる菜々
寒鴉地蔵の供物攫ひ行く やよい
四温晴ベランダ何処も満艦飾満天
明かり取り天窓を埋む雪明かり智恵子
笛習い帰る夜道や小鳥の声治男
凍てついて千体仏の列美しきたか子
月冴ゆるまた一つ堕つ昭和の星やよい
春めきて飛行機雲の二股に ぽんこ
楮蒸す桜の枝の火掻き棒なつき
観音の豊かな頬に春兆すぽんこ
雪合戦しつつ畦行く登校児さつき
早鳴りし五時のサイレン日脚伸ぶ宏虎
太白や冬の夕日を宮跡にはく子
楽しみの一つとなりし雪見酒智恵子
チョコレート売り場広がる春近し満天
ももいろに暮れゆく大和春近し菜々
文楽の語りに酔へり寒ゆるむ宏虎
2017年01月27日
金扇を出入り太夫の長者眉なつき
雪の間を裾つまみ上げ露天の湯智恵子
小商ひ無事に終ひて除夜を聞くまゆ
トタン屋根賑はせてゐる雪解かなさつき
全国で合格祈願初天神ともえ
前の席マスクを下げて飴ひとつ明日香
杖を手に坂道下る探梅行三刀
春を待つ花のクロスに取り替へて菜々
降る雪の谷戸に濯ぎし奈落かな智恵子
野菜くず畑に返し春を待つはんな
お神籤を付けし寒梅ほころびぬ治男
三寒を押しやり四温やってくるたか子
ビーフシチューことこと煮込み冬籠る菜々
居眠りや電車の中は温室に明日香
寒蜆暗き厨に音がさと満天
登校児寒に半袖半ズボン治男
土俵入り綱の真白や春隣やよい
梅の香に近付いてゐる白き杖たか子
摩りおろすみどり大根春近し満天
夜すがらに軒のしずりや雪の宿 やよい
二駅乗るローカル電車雪の午後こすもす
駐車場隅に出来てる雪の山こすもす
スクラムの男と漢ラガーマン宏虎
閉めるとき立て付け悪し寺障子なつき
未だ素顔本性見せぬ雪女宏虎
薄氷に乗り降りしつつ鴨泳ぐともえ
2017年01月26日
鳥語降る古墳の丘に梅早しはく子
路肩なる供華と線香凍て極む やよい
仏の座のびのび咲きし河川敷智恵子
絵仲間のおしゃべり尽きぬ筆始満天
光りつつ一滴ずつ落つ氷柱かなこすもす
病む犬に寄り添いすするホットワイン豆狸
写真撮れと冬の川鵜のポーズかな やよい
カーテンの隙間の明かり日脚伸ぶよし女
あまりにも明るき日差し外真冬明日香
寒鯉の真向き背きに身じろがずさつき
生姜湯と抹茶点てるや女正月満天
ご神事に猿もひと役初天神たか子
大根がうましと夫がおでん煮るよし女
躊躇する如くに氷柱融けゆけりこすもす
雲割って匕首のごと寒の月菜々
献上の梅の紅濃し天満宮たか子
彩雲やオーロラめきて寒の夕智恵子
梅の賀へ相撲甚句の朗朗と菜々
縄切つて温み残れり楮の束なつき
ヒール鳴る寒夜帰宅す子の電話なつき
旧正は集ひ狂騒中華街宏虎
休み田に野良猫三四四温晴三刀
眼は虚ろ上気せし顔春の風邪宏虎
初天神先を争いお賽銭ともえ
2017年01月25日
甘さ増す雪に耐えてのキャベツかな満天
公民館門に落雪注意書こすもす
登下校見守る坂の白き梅豆狸
ぶかぶかの子らの軍手や楮剥ぐなつき
故郷便土の匂ひと春野菜智恵子
上州は嬶天下と空っ風宏虎
金色の鯛がくすぶるどんどかなさつき
蜆舟湖底掻きゐる竿長し やよい
冷えわたる真夜のサイレン何事ぞ明日香
庭隅の落ちて咲くごと寒椿満天
庭に採れて里芋ころころ小鈴ほど菜々
初天神学問成就の絵馬あまたたか子
久々の立話の肩風花すこすもす
境内は湯気の屋台や初天神たか子
よく肥ゆる家鴨の寝まる恵方道なつき
こだはりは道産の鮭粕汁煮る菜々
久々の晴天喜ぶ干布団よし女
水菜売り頭上に載せる大原女宏虎
星冴ゆる子に返る人また一人はく子
初風呂や踏ん張る猫の爪の跡智恵子
過ぎてよりの香に振り向くや梅満開 やよい
陽のあたる土手にたむろす鴨の群三刀
星冴ゆる大往生の通夜の席明日香
春の雪キトラ古墳の見学路有香
漬けてある軍手にしかと氷張りよし女
2017年01月24日
佗助や織部に挿して心足る智恵子
牡蠣船の献立て牡蠣と肉料理ともえ
一湾の綺羅のひとつや浮寝鳥なつき
煮凝りの鰈の目玉深眠り宏虎
二十五年ぶりの雪や紀州の嶺嶺真白 やよい
独りの夜秒針の音冴返る菜々
小走りの集団登校息白し満天
浜どんど炎に揺らぐ島の影さつき
粕汁によめごほんのり頬を染め菜々
万物は冬帝の吐く息の中ひかり
雪止んでほのと日の射す安堵かなよし女
枯草や風に煽られ呆けゆく明日香
時ならぬ雪に身を寄す駅舎中有香
小屋倒れ通り抜けたる空っ風よし女
味噌汁に若布の合ひし日本人宏虎
小雪舞ふ都会に傘の花開く智恵子
除雪車の来ぬ道スコップ大活躍こすもす
正月の親子げんかを後悔すなおこ
冬将軍どかと居座る列島にひかり
何もかも寒さのせいにしておりぬ明日香
松枯れの薪どんとくべ楮蒸すなつき
初天神お参りの列砂利の音たか子
大雪のニュースに雑事早々と満天
きりもなき除雪作業や銀世界こすもす
城黒し堀川めぐる炬燵船 やよい
替えましょと連呼うそ替え神事なるたか子
石段を数えて登る初地蔵三刀
2017年01月23日
水漬くほど舟傾けてなまこ採るよし女
検診のひとまず無事に春近しはく子
朝なさなご飯にぶっかけ寒卵菜々
手をつなぎ園児の列も初戎さつき
寒の雨離島上皇苔の墓碑宏虎
白菜を貰ふ後悔駅遠し やよい
八雲立つ社の千木の淑気かな やよい
寒籠り熱き飲み物次々と満天
雪のこる枝に山茶花こぼれ次ぐともえ
ふくら雀ころころ日差しついばめり宏虎
飲み物はノンアルコール女正月こすもす
大雪と見る間に薄日差してをり明日香
春を待つ子に返りたる人と居てはく子
チョロチョロと雪解け初む瀬音かな智恵子
ただ一つ彩として有り冬すみれたか子
トンネルの先に江ノ島小雪舞ふ智恵子
柊差すべんがら壁の酒屋かななつき
女正月一願胸に朱橋越ゆなつき
着ぶくれて岩で焼く海老鬼の色治男
飛び跳ねる伊勢海老貰ひ塩茹でに満天
雪残る池に二羽のみ浮き寝鳥ともえ
タイ焼きの店つい並ぶゆうまぐれ明日香
お辞儀して名前の解せぬマスクかなよし女
参道の我へ一喝寒がらす菜々
寒の風清き流れの川に鳥治男
海を越え山越え来る冬将軍三刀
餌は何群れて啄ばむ冬の鳩たか子
蕎麦店の看板霞む吹雪の日こすもす
2017年01月22日
雪越し眠りの浅き旅枕 やよい
雪時雨朝の日差しは何処へやら明日香
飛び石は市松もよう寒椿なつき
強風裡火屑の逃げるどんどかなひかり
干物とて湯掻くと若布さみどりに宏虎
大川の流れゆるやか春近し満天
背中より煙の立ちぬ寒の灸 治男
船頭の美声に拍手炬燵船 やよい
青畝碑へ届く香煙初観音よし女
澄み切った瀬音のつづく冬の川三刀
室の花窓辺に彩す日向ぼこ智恵子
しづり雪樹がちいさくば音ひくし有香
解体の小屋近くまで尉鶲よし女
道問うて礼もそこそこ雪しまくたか子
風花にボ−ルの行方ゴルフ場治男
風花や特訓挑むボレーかなぽんこ
初みくじ引いて安堵す小商ひまゆ
凍み豆腐縄に括られおすそ分け智恵子
ローカル線屋根に雪解の雫ありたか子
時雨空出かける夫の少し老ひひかり
極寒の旅終へ夫の饒舌になつき
予定なき趣味それぞれの寒籠り満天
暖かや破魔矢の鈴を鳴らし来る有香
屋根の雪浮きたる如く綿の雲うつぎ
初場所や精進結実稀勢の里こすもす
図書館で止まらぬ咳に席を立つ明日香
ヘルシーな会席料理女正月こすもす
しぐるるや夫と子眠れる墓なりきはく子
自販機の缶コーヒ―抱く悴む手宏虎
昼の闇雷鳴一撃春呼ぶかはく子
2017年01月21日
用水路音たて流る雪解水こすもす
朱の剥げし山門雪解雫かななつき
初旅や織機のきざむちりめん館はく子
香煙に鳥も小声よ初観音よし女
ひろっぱの野鳥観察つぐみだけ明日香
寒晴の大阪城は眩しけり満天
葉を切ればクリスマスローズ花芽見ゆ明日香
蝋梅花空家の庭に香を放つ三刀
手を濯ぐ寒九の流れ五十鈴川 やよい
万葉の日本語美しき歌留多かな宏虎
開かんとして一輪の寒つばきよし女
神棚や塩とお米と寒の水宏虎
シュプールを描き風切る青き空智恵子
年用意終へて一息つく夕べまゆ
四温晴れ六甲稜線きはやかに菜々
冬の虹見しよりこころ和みけりたか子
寒夕焼け早く早くと消えぬ間にともえ
初旅やおみなばかりのバスツアーはく子
寒晴やビル林立の果てしなく満天
早々に旅の計画春隣こすもす
ラブシーン咳が出そうで映画館たか子
燃え盛る火屑は天辺どんど焼きぽんこ
風花のひとつは犬の鼻に消ゆ豆狸
春隣むらさきだちたる六甲山菜々
直角に曲がる回廊しずり雪なつき
尻たてて潜く鴨の目池の底ぽんこ
大寒や倒れしままの標石 やよい
雪景色日差しに巡る山手線智恵子
カート押す夫を侍者とし年の市まゆ
2017年01月20日
寒の星瞬き合ひし黙世界宏虎
堀川めぐり船の屋根打つ霰かな やよい
日の落ちてひと際高き虎落笛三刀
大寒の通り過ぎゆく救急車満天
大寒や歩数は百に満たぬままこすもす
火の番に餅など焼いて楮蒸すなつき
紅梅のほつほつ咲いて厨窓明日香
波がしら一つ一つに四温光菜々
大寒の物音ひとつなき昼間満天
朱の橋や斑に雪の残りをりこすもす
峠いま樹氷を抜けて風吠える智恵子
真っ黒な大寒の空風猛る やよい
寒の餅お粥に入れて食べてみる明日香
病院に冬薔薇多し熱の飛ぶ治男
一坪の展望台や椿山なつき
病院へ高架線音寒雀治男
日溜まりの祠に揺るる野路すみれ智恵子
大池の鴨と遊びて吟行子はく子
京の町蒸し寿司の香や顔つつむともえ
寒の水五臓六腑に一穢なし宏虎
一羽来て二羽来て日溜り寒すずめ菜々
籠り居にテント打つ音音寒の雨ひかり
風花の飛びついてくる犬のひげ豆狸
枯野なす川細々と町の中はく子
大寒や落ちて不明の一錠剤よし女
大寒やヤクルト嬢の長々靴よし女
2017年01月19日
風花の地に落ちずして又飛べりたか子
家々の犬に声かけ初散歩豆狸
予備校に自転車溢れ春近し治男
火の勢どんどの井桁早や尽きぬひかり
齢老いて染み皺の増ゆ初鏡宏虎
鴨は浮き潮先走る群れ千鳥三刀
縁小春野良猫いつかうちの猫菜々
池四温水鳥あまた遊ばせてはく子
老いて金遣いの荒らし女正月治男
初観音僧の読経のよく揃ひよし女
風紋に足跡著き鴨の浜なつき
春野菜花咲く前の菜摘かな智恵子
西鶴の偉業たたえる初社ぽんこ
寒行の太鼓夜道に染みる如こすもす
雅号持つ竹師の膝の冬日差したか子
神棚の供花の白梅ほころびぬともえ
小正月高きに仕舞う客茶碗よし女
雪景色頭を雲に伯耆富士 やよい
咲き初めし梅一輪厨より明日香
空を突く子らの拳や寒稽古なおこ
嗄れ声マスクで隠し挨拶す明日香
大寒やあの人黄泉へ発たれけり宏虎
左義長の火を煽らんと太鼓打つなおこ
雪原や動く影なし望の月智恵子
枯れ色の寒きん枝に飛び立たずなつき
日本一の日の丸仰ぐ旅始 やよい
寒天に身じろぎもせず風見鶏満天
一日家事休めてうれし風邪ひいて菜々
 楝の実今白金を寒晴れへはく子
2017年01月18日
忙しなき足知らん顔鴨ゆうゆうよう子
風花や電車待つ間に密となりこすもす
玉の日に雪つりの弦ゆるみがちはく子
鈍色の湖に竿さす蜆舟 やよい
阪神忌ゆかりの地へと吟行すたか子
二度高いととても暖か冬の朝明日香
初場所や贔屓力士に声絞る宏虎
池渡る風に震える菫かなひかり
枯芦に日の射す河原散策す満天
枯芦に水路狭きを鳥遊ぶ満天
大根焚き背中を焦がす寺男なつき
霜柱園児ら見つけ泥まみれ智恵子
酒蔵に甘き匂いや寒仕込み智恵子
木に残る蜜柑啄む冬の鳥こすもす
認知症ならぬを願ひ寒詣宏虎
ボランティア募集と阿蘇のお山焼き やよい
初観音婆むらさきに髪染めてなつき
雪残る池に二羽のみ浮寝鳥ともえ
山門に吹き来る風の冷たさよよし女
寒晴れの大池嶺々をパノラマにひかり
阪神忌小さき広場の紙灯籠たか子
冬帽子脱ぎて震災慰霊碑へ菜々
老若待つ主宰と汽車で初句会治男
接待のお汁粉を吹く初観音三刀
雪景色現れて歓声バスツアーはく子
寒泳を見るんと割込む厚化粧治男
仕事はじめ繁盛祈願巫女の鈴ぽんこ
本堂に鉢植え揃ふ冬ぼたんよし女
深雪晴稜線の空青深むうつぎ
冬深し地すべりあとに慰霊の碑菜々
2017年01月17日
初旅のバス掠め飛機着陸す やよい
笹鳴きや日差の堤逍遥すひかり
四温得て辛夷は苞をほぐすかにはく子
ゆりの町てふ坂の街梅ふふむたか子
枯れ桜並木となりて青空へ治男
強霜やカーブミラーの役立たずよし女
冬タイヤ検問通過高速路 やよい
枯れ枝に雪の残りて花の咲くともえ
初雪やもみの枝先こんもりと有香
蝋梅の万朶の枝や塀越しに明日香
園児らの作る熊避けストラップこすもす
鶏の絵を賀状に書くや猫の声治男
頬真っ赤園庭の子等雪遊びこすもす
鴨群れて右へ左へ池広し満天
校庭に立たされてゐる雪だるま宏虎
広池に水脈重ねゆく鴨の群ひかり
慰霊碑の花に囲まれ阪神忌はく子
淑気満つかるたクイーンの赤襷豆狸
弁天堂へさざなみ広げ鴨泳ぐ菜々
本殿の屋根に鷺立つ淑気かななつき
黒塀より少し覗きし梅二輪たか子
枯蘆に埋もれし川の奏で初むせいじ
初参り小さき宮のにわか巫女まゆ
登校児に次々抜かれ雪の道うつぎ
縁起物光るや香具師の大くさめなつき
今津線乗り間違えた初吟行明日香
冬館門より高く松聳え菜々
雪道行くへっぴり腰を隠し得ずうつぎ
白銀の山河を照らす寒の月宏虎
寒の月眠る草木の影絵かな智恵子
初雪にテンション高き子等と犬智恵子
寒晴や甲山見つ資料館へ満天
ひよんの笛風の鳴き声にも似たりさつき
いつの間に千両万両啄まれよし女
災害に負けじと誓ふ阪神忌せいじ
寒中の掛け声わっしょ裸の児ぽんこ
夕焼け空塒へ急ぐ寒鴉三刀
2017年01月16日
校庭にをどるどんどの影法師さつき
深呼吸して書き初めの筆下ろすまゆ
原爆のドームを抜けて雪積もる智恵子
駅伝のたすきと共に雪走る宏虎
残雪の狭庭に描く島宇宙せいじ
お茶室へ辿る庭石実千両宏虎
横殴る風雪金の鯱隠す智恵子
陽だまりの枝鈴なりの寒雀三刀
絶え間なく滴の落ちる氷柱らかなこすもす
蕪むく大名剥きの皮の嵩たか子
初旅や孫の手のぞく旅鞄治男
観音の頬に旭日淑気満つぽんこ
蝋梅の日射しとどめて艶やかに満天
青空を背に母と娘の初写真なおこ
買い初めの靴履き出かけ足軽し ともえ
生垣の雪に背伸びす幼かななつき
築地塀高さ継ぎ足し雪降り積むうつぎ
カタルシスなんば花月の初笑ひ明日香
海光や水仙の香に佇めばひかり
手びねりの壺へ侘助の一輪を満天
善哉を夫と楽しむ小正月ひかり
冬日燦白壁まぶし大和棟明日香
今日はしも父の命日朝の雪たか子
初めての雪握りしむ小さき手なつき
初糶に子らを連れ出す魚市場よし女
賞味期限なき酒を飲む狗日かな豆狸
日の差して車の雪も融け始むこすもす
風花や廻って廻って着地せり有香
門柱に置く雪だるま未だ解けずせいじ
母物に弱き育ちや帰り花治男
2017年01月15日
発初テニス突如の風に球浮けりぽんこ
探梅行潮待ち港抱く丘菜々
電線に体寄せ合う寒雀こすもす
正座にもなれて今年の歌留多会豆狸
雨戸開けしばしそのまま初雪を満天
咲き初めて床の間の梅香を放つ やよい
九十分遅れの特急雪しまくこすもす
山焼きや火が風起こし風が舞ふ宏虎
女正月きままに二人朝寝坊三刀
ラインにて孫子と話す小正月よし女
上向きのヘッドライトに雪しまくせいじ
出棺の警笛長し虎落笛 やよい
水仙や研ぎ澄まされし岬の風ひかり
女正月と言へどエプロンまかり出てよし女
成人式終へし振袖畳む母まゆ
小雪舞ふ高見の古都を人力車智恵子
初テニス突如の風に球浮けりぽんこ
神官の見え隠れするドンド火治男
ベランダの花に風花挨拶すはく子
旅なれや鄙の社へ初詣ひかり
寒月をのせて山嶺鎮まれり宏虎
鰻飯で会食するや小正月治男
朱印帳のめくり上がれりどんと焚なつき
パチパチと火の粉昇天どんどんかな智恵子
こはごはと朝戸を繰れば深雪晴せいじ
みくじ選る白き手首の春着の子なつき
風花の舞ひては止みてひもすがらはく子
風花とともに飛び乗る電車かな満天
小雪舞ふ小さき庭のはなやぎて菜々
金閣寺池に二羽のみ浮き寝鳥ともえ
高階に吹き上げ乱れ風花すたか子
雪もよい天一枚の重き雲たか子
2017年01月14日
刈り上げし襟足に北風吹きつけるせいじ
ジョギングの足裏にやさし春堤豆狸
舞ふ雪の一花窓辺に寄り来たるよし女
湯たんぽを貸し呉る浦の食堂店 やよい
探梅や大阪城の広き庭こすもす
小走りに成人式の輪の中へまゆ
自転車に寒風強し老懸命治男
護摩炊きの火屑をかぶり初大師たか子
ジャンパーの胸元嬰のつむじ見ゆなつき
寒晴や丁々発止の句会果つうつぎ
寒の水五臓を浄め薬とす宏虎
注連飾る花街の路地の細格子なつき
山の端に残照消ゆる寒の雨有香
蹴り上げしラグビーボール放物線たか子
冬日燦若草山の鹿の影明日香
千枚田降り敷く雪に跡もなし智恵子
風花にしばし華やぐ老いの庭菜々
重かる石八十路乙女も宮四温はく子
初雪の下より覗く万両の実あさこ
松原を烟らす浜のどんど焼きさつき
太陽光パネルへと変貌大枯れ田明日香
おみくじを結ぶ愁いや水仙花ぽんこ
なすが儘家訓などなし松の内宏虎
子を入試に車で送る雪の道治男
混沌の俗世となるや風花す三刀
ベランダの手摺に雪のうっすらとこすもす
混沌の俗世となるや風花す三刀
雪蛍どこからどこへ行くのやら智恵子
海光のまぶしき部屋に初句会有香
浜風の雪に混じりしどんどかなさつき
風花の比叡を越えて舞ひ来たるせいじ
縫初めや枕カバーを新しくよし女
受験子に容赦なく来る寒波かな満天
寒風の一歩へ深く帽子かぶり満天
番鳥翔ちてまた来る実南天 やよい
里山を越えて粉雪ひとしきり菜々
2017年01月13日
鴨川を福笹肩に渡りけりなつき
枯れ田へと電柱のかげくつきりと明日香
出初め式放水先に機影ありたか子
柏手の音の谺す淑気かなまゆ
日溜りの冬タンポポを見逃さずよう子
冬夕焼けに向かい走る子輝けり治男
宮四温重かる石はすべらかに菜々
寒風や水仕の指の痛きほどよし女
ま青なる空へ天守や枯れ木立明日香
寒風に吊り目いよいよきつね絵馬菜々
出汁匂ふ蕎麦屋の屋根の寒すずめなつき
本気だし孫に負けたる歌留多かな豆狸
石一つ置くだけの墓黄水仙 やよい
初電話判りますかと旧き友たか子
紅梅花校庭香る新学期智恵子
枯れ桜枝の先まで伸ばしおり治男
鈍色の北の空とて寒晴れに満天
ご朱印を開く神庭蠟梅香ぽんこ
寒声や詩吟稽古の浜辺よりよし女
水涸れて裏見の滝とはならざりしやよい
楽しげに群れて弾むや寒雀満天
囀の杜をなだれに芭蕉句碑ぽんこ
神馬社に供ふ人参寒うららはく子
漫談に大笑いの帰路寒の月こすもす
雪積もるのっぺらぼうの野の仏宏虎
麦踏みの変はりローラー押す農夫三刀
成人となりたる吾子と初詣まゆ
新しき木の香の絵馬や初詣さつき
神楽舞扇広袖ひるがへしはく子
吉野杉の箸置く店や春隣こすもす
寒の庭優しき説明修道女宏虎
蓑笠や雪掻きたえぬ屋根の上智恵子
禊とぞ寒満月に佇みぬうつぎ
売れ筋の七草パック家苞にさつき
2017年01月12日
探梅や急くこともなく野に歩く智恵子
成人祭異国育ちの娘の晴着よし女
異国人目当ての店多々初稲荷はく子
福寿草苔と見映えの化粧砂宏虎
子等去りてほつとす吾の女正月ぽんこ
混じり合ふ露店の匂ひ残り福なつき
大会に向け特訓やいろはカルタこすもす
畑冴へて採る菜へ風の奔りけりよし女
二日はやあっけら閑の茶の間かな豆狸
外に出れば吾を叱咤する寒満月明日香
ふるさとの山に帯なす霧寒しせいじ
寒に入り灯台を噛む波怒涛宏虎
女正月おせちの話それぞれに満天
福寿草ひだまり彩す古刹かな智恵子
なかなかに正月調度片付かず明日香
初日出て湖に光路の走りけり隆松
雲払ひ煌々たりし寒満月三刀
デッキより見るふるさとの初山河せいじ
日溜りの上枝の光冬桜ひかり
寒晴や千本鳥居渋滞すはく子
振り出しに戻れば半泣き絵双六こすもす
青竹の柄杓の手水寒の水満天
生き生きと余生送らむ寒卵 やよい
ぼろ市や熊の剥製だれが買ふさつき
小豆粥人も獣も福分けてよう子
十日戎混むが苦手と省きけりたか子
俳句不振達磨を買いし初戎治男
福笹を持たぬ引け目に飴買へりなつき
臘梅の樹樹のまにまにアベックの影治男
早梅の紅白そっと触れもしてひかり
新しき酒処の名は六花 ともえ
冬芽立つ枝にあまたの神籤かな やよい
山の田に仄と潮の香寒天干すうつぎ
福だるま両の目入りやわきかなたか子
2017年01月11日
みはるかす大和三山淑気満つ明日香
寒天干す峡田は光弾き合ひうつぎ
旅心疼くJTBの初暦こすもす
御守りの種類の多さ初詣明日香
顔役のずらり取り巻くどんどかな宏虎
吟行や靴に懐炉を忍ばせて やよい
山眠る冬には冬の衣着てともえ
えくぼある舞妓より受く残り福なつき
今年こそ進取の気性内に秘め宏虎
改札ですれ違いなる御慶かなぽんこ
大前に大福笹の天神さんはく子
ベビーカー押して並びぬ残り福さつき
福笹のたわむほど選る縁起物なつき
街灯の如くっきりと寒の月こすもす
講演で百歳体操する正月治男
閑けさや寒天田統ぶ野良時計よう子
目覚めても床抜け出せぬ寒の内ひかり
何もかもお見通しなる寒の月たか子
初暦次々文字の埋まりけり満天
風花は澄みたる空の天使かな智恵子
白菜や厨にでんとすわりをり有香
目出度さの色のけばさや恵比寿笹たか子
寒晴の声の響くや学び舎に満天
大阪締めに巫女の笑顔の初えびすはく子
隠沼や枯蘆そよぐ音ばかり やよい
暮れ初みしひんがしの空寒月光せいじ
葬送の車遠のく北風の中三刀
寒風が煽り動かす大漁旗よし女
寒しぐれ止みて瞬く星ひとつ智恵子
早々と句会を記す初暦ひかり
風の子となれず着膨る休明けまゆ
葬儀より戻り大根煮てをりぬよし女
新年会市長の老へ思う話治男
里にゐてこの寒月を妻も見んせいじ
2017年01月10日
福笹を子に持たせ行く人出なか治男
山茶花のこぼるる夕べ夕日濃し有香
雲はらひ鏡のような寒の月菜々
久々の制服姿三学期こすもす
鏡割り四苦八苦なす汁粉食む智恵子
義士の墓手向けの花に時雨けりぽんこ
家族より少し早起き初鏡よし女
球児らの円陣組んで初みくじなつき
二腑の無き夫冬帝がこたえしとたか子
早ばやと冬物セールに人の山はく子
竜の玉参道の端縁取りて明日香
還暦と七十路八十路初句会宏虎
庭の木々そよりともせず寒の月菜々
冬晴れやふと思ひ立ち傘を干すせいじ
山風に寒天乾く音奏づよう子
玄関の一隅白き破魔矢置く満天
初詣県外ナンバー続々と明日香
松明けの風の音聞く夕べかな三刀
見上ぐればみな我に向く臘梅花せいじ
初糶の海老跳ね回る流し元よし女
寒晴れや健診終えて回り道満天
消防車と警官もいる十日戎治男
ビル風に揉まれ抗う冬の鳥たか子
センター試験近づく日々や冬芽立つ やよい
寒鴉ねぐらへ急ぐ仲間増えともえ
宮の庭首でリズムの寒雀宏虎
キッチンに彩りほしくてシクラメンはく子
賑わひの退きて四日の社かなまゆ
白波の浦に群舞や冬の鳶 やよい
武者隠す小部屋の闇の隙間風なつき
初売や紫紺の暖簾掛く菓子舗まゆ
張り切って着替える朝や三学期こすもす
コーヒーの香り際立つ寒い朝智恵子
2017年01月09日
墓地上の山の並木や虎落笛治男
身の程に叶う小振りの松飾りたか子
恙無く家族の揃ふ雑煮かなひかり
音たてて通り過ぎたる寒の雨三刀
雨に実の洗はれ金柑いよよ金はく子
大ホール指揮棒光り淑気満つたか子
妹に旅の行程初便り やよい
成人式うち股楚々とお振袖智恵子
もう十日正月気分抜けきらず明日香
寒中や三度の禊に声失せる智恵子
茶会へと夫の送迎寒の雨なつき
金閣寺池に二羽のみ浮き寝鳥ともえ
香煙を夫と掛け合ふ初薬師よし女
十一羽姿勢正して鴨泳ぐ治男
母の忌と結婚記念日松の内こすもす
リメイクを考えてゐる節料理よし女
早寝する家族明日より三学期こすもす
喜寿過ぎていよいよ母似初鏡菜々
七日粥早出の子にと4時起きすひかり
ぜんざいの餅は不揃ひ鏡割りはく子
初鏡うしろ姿もそと写し菜々
雨晴れて冬田に雀引きも切らずせいじ
初晴れや瑞雲かかげ紀州富士 やよい
十日戎百人百様生きる道宏虎
リハビリの右手紅引く初鏡なつき
初電話日記替りに句を紡ぐ宏虎
片肌を脱ぎて寒風お弓式満天
こんなにも疲れていたの寝正月明日香
塵出しを見て見ぬ振りす寒鴉かなうつぎ
雨晴れて首をもたげし水仙花せいじ
三度目の的当てどよめく弓始満天
2017年01月08日
鳩の声くぐもる楠や冬の雨菜々
四十通の賀状の返事やっと出来治男
お弓神事待つへ甘酒寒の宮はく子
悴む手雨が洗いし車拭く智恵子
歌留多とり詠みての妣の懐かしく宏虎
眼裏に光集まりひなたぼっこ有香
長寿なるちょろぎの紅し祝膳 やよい
贔屓力士のスタートは白正月場所こすもす
スーパーの七草なれど野の香りさつき
相撲甚句聞こえる路地や初時雨こすもす
初富士やさえぎるものの無き裾野たか子
黒髪の付け毛ゆたかに年の髪なつき
還暦の初髪赤き髪飾りなつき
子ら送り寒暮の空港より戻るよし女
丁寧に墨すりあげて初稽古 やよい
福笹の客は饒舌福娘宏虎
冬木の芽久しき雨に漱ぐせいじ
ひそやかに水子地蔵へ冬の雨菜々
な憾みそ冬芽育む雨なればせいじ
老いたりと師の年賀状薄き文字たか子
穏やかと思ふまに過ぎ三が日ひかり
福寿草香る寄せ植え福開く智恵子
サーカスのテント立ちたる竜の玉よし女
寒の雨川面変わらず澪数多明日香
御降りの雲の切れ間に日の光ひかり
寒の雨近くの温泉行くことに明日香
神前に花嫁衣装初詣治男
初売りに日本語話せぬ迷子かな豆狸
寒の雨山を恋ふやに三狐神うつぎ
お弓神事雨中粛々寒の宮はく子
十二の矢に今年の運勢弓始満天
火に託す思ひそれぞれどんどかな三刀
的中に雨の飛び散る弓始満天
2017年01月07日
茜空背に影絵めく枯木立泰山
寒鯉の動きスローも髭威張る宏虎
神酒交し一本締めで糶初むよし女
鏡割り老いて早目になりにけり明日香
東京の風持ち来たる年賀客治男
七草粥はこべらだけは庭のものうつぎ
痛む喉するりと通る七種粥満天
札所への路地に機音冬ぬくしなつき
漣に幕引く如く鴨の水尾泰山
摩天楼より夜景も入れて初写真 やよい
四十年ぶり友より電話冬ぬくし菜々
葉を落とし蝋梅蕾ほつほつと満天
前撮りの写真届くや成人式こすもす
冬ぬくし散歩がてらにポストまで菜々
山道の空き缶に入るるみかん代豆狸
水仙の綴る坂道海はるか やよい
翔ぶだけの熱ためてをり冬の蝶たか子
着膨れて百度参りの無言なるなつき
蒼天や逆さ富士にも白き雪治男
霜の朝葉脈はつきり見えてをり明日香
朴落ち葉その大きさを拾いけりたか子
師の朱墨入りて諾ふ筆始せいじ
磯薫る掘っ建て小屋に牡蠣の山智恵子
値引率叫ぶ店員初セールこすもす
七草や親子並びて畦に摘む智恵子
接待は七草粥の札所かなさつき
トロ箱の魚跳ね上がる御慶かなよし女
トランプも歌留多も忘れ昭和ゆく宏虎
子ら帰り戻る静けさ七日粥三刀
真青なる空をバックに臘梅花せいじ
2017年01月06日
成人式児を二人つれ出席す治男
山茶花や笑窪の赤子声上げて有香
元気との返事に安堵や寒見舞こすもす
初糶や糶台の魚跳ね回る三刀
水仙の綴る坂道海遥か やよい
経誦すや霜焼け痒き足の裏豆狸
あらためて便り見直す六日かな満天
あらたまの冬草青し狭庭かな明日香
潮の香と怒涛を聞きて野水仙宏虎
体操に午後は歌へと六日かな満天
鉢底の金魚を覗く寒の入うつぎ
冬芽かと見しは葉つぱに咲く小花せいじ
ひんがしの空まで染めて寒夕焼はく子
昼空に薄雲のごと冬の月明日香
屋台の香浴ぶも目出度し初詣菜々
お年玉渡され訝る幼かなこすもす
葉を落とす木々を鎧と眠る山ひかり
お振袖たすき姿や初仕事智恵子
初メール富士真姿の画像添え菜々
山茶花に引っ掛けてある落し物たか子
出初式蒼天目指す梯子かな智恵子
ゴミ当番初めて交わす御慶かな宏虎
七十で恋する女将年賀状治男
初詣夫と柏手そろひ打つなつき
玉の緒の命いとしみ寒あやめよし女
たおやかや如庵の松のこも巻きてなつき
新玉の年の始めの福寿草よし女
冴え冴えと月中天に暮初むるはく子
新玉の年順番を待つも好しせいじ
摩天楼より夜景も入れて初写真 やよい
印組みし如来のみ手の冬の塵たか子
2017年01月05日
初句会机上の花の香のあふれ菜々
七草のさみどりの粥舌火傷宏虎
茜さす万葉の浦初旭 やよい
空っぽの循環バスや寒の入り やよい
雪女涙ぐみたり闇の夜宏虎
玄関の賑賑しくや寒雀満天
潮風にたくましく揺る寒椿智恵子
朗々と心経流る初御空豆狸
床飾り賑やかに活け淑気満つあさこ
初茜羽ばたきそうな風見鶏智恵子
外ッ国の人で埋もれし京の冬ともえ
竹林の光こぼるる初茶会なつき
もの真似のカラス似てゐて初笑なおこ
参拝を終えし参道初景色たか子
天を突く竹の切り口大門松菜々
参拝者手かざす境内の焚き火かなこすもす
玉砂利に木の実の混じる初詣こすもす
また一人来る子のありて寒の入りよし女
ビル風のいよいよつのり寒の入りはく子
酉年の運は底とや初暦三刀
足早の靴音高き五日かな満天
前掛けでひびの手包む立ち話なつき
初旅の土産選びもまた楽しひかり
初句会九十六歳矍鑠とはく子
凧揚がる谷戸の青空分かち合ひうつぎ
生駒嶺の稜線光り初景色たか子
新春や英語しゃべりし学生時治男
白雲を被り里山日向ぼこまゆ
三日はや部屋一杯に笛を吹く治男
なかなかに常に戻れぬ五日かなよし女
2017年01月04日
早朝の力士湯気立つ寒稽古宏虎
午後の陽に紫唇震はす寒菖蒲三刀
宙を見る地蔵の紫煙淑気満つぽんこ
初詣まなこ閉じれば猫も閉ず治男
造替てふ大吟醸の屠蘇がはりたか子
少年の眼となり翁凧揚ぐるうつぎ
四日はや神の池へと網持つ子なつき
おみくじはパステルカラーや初詣こすもす
孫たちのエネルギーもらふ三が日はく子
お年玉少年倶楽部買いし頃治男
自由とは束縛の無き寒雀宏虎
おせち料理やクックパッドも参考にこすもす
白雲の登り竜めく四日かなよし女
お年玉そぉっと母のエプロンへ智恵子
あれこれと装い迷ひて初詣豆狸
初日の出雲銀色に輝かせはく子
重詰の変はらぬ味を半世紀満天
沢庵と茶漬けの旨し三日かなうつぎ
煮返しの煮しめの匂ふ三日かな満天
お正月気分なくなる四日かな明日香
大晴の四日や白菜漬けんとすよし女
アクセルとブレーキ注意初仕事明日香
喰積の二品ほどは夫の作たか子
縁戚の集ふホテルや屠蘇を酌む やよい
煌めける鳥や三日の空真青なつき
つかの間の親孝行のお正月智恵子
初茜万葉の浦真っ平 やよい
2017年01月03日
投稿の拙文を書く三日かな三刀
初詣見かけなくなり和服人満天
初御空鳥語あまたに神の杜 やよい
猫狙う山茶花にいる鳴く小鳥治男
むらさきに烟る生駒嶺初景色菜々
酉年や鶏の一声年明くる宏虎
飛機に乗ると空港よりの初電話よし女
産土の石段狭し初詣有香
松の内混む参道の皆穏やか満天
遊覧舟鷗の群れの追いかける治男
初詣フードに重きおさい銭智恵子
天守閣へ急く人あまた初曙 やよい
節料理どうにか様になりにけり明日香
丸頭五つ子のごと福寿草宏虎
人垣を泳ぐごと分け破魔矢買ふ智恵子
大吉に小躍りしたる春着の子なつき
長生きを告げたる父の初みくじなつき
チョコフレークつぶすごとくに木の実踏む豆狸
堂内に法鼓轟くしゅしょう会はく子
破魔矢受くちりりと鈴の音と供にたか子
山伏のほら貝先導修正会はく子
穏やかな三が日はや過ぎにけり明日香
造替を終えし朱の宮初詣たか子
産土の千木へほのぼの初明り菜々
保育所の金塀に一羽初雀こすもす
笹子鳴く三日の青き空の下よし女
せがまれて読み初めとなる人魚姫こすもす
2017年01月02日
素晴らしき初夢念じ床入りぬ宏虎
崩おれるゴールの走者初美空たか子
学童ら古老にならひ松かざる豆狸
家族みな次々変はり初電話うつぎ
初参り力石にも手を合はす有香
初茜門灯消えし又ひとつ智恵子
ポストまで行きて時雨に合ふ二日よし女
再会を今年こそはと賀状来る満天
四阿で囲碁する人や二日はや治男
注連飾りバギー着きて上機嫌智恵子
説教のユーモアたっぷり初笑ひ満天
一年の灰汁を抜きたる初湯かな宏虎
初参り知恵の牛像睨みおり治男
境内に響く拍手山眠る有香
雑煮餅きな粉も添へて祝ひけりこすもす
こだわりを捨てると決めて去年今年たか子
初日記愚痴は書かぬと決めにけり やよい
新春の日の出まばゆき三輪の山明日香
初電車まぎれ込みたる鳥の羽根なつき
棒鱈と黒豆好評祝膳明日香
町内の人声物音なき二日よし女
二日はや水滴抱くまゆみの実三刀
メタセコイア光背と透き初明りうつぎ
買初へ子は目覚ましをかけて起きなつき
五十音表なぞり幼と書き始めこすもす
思はざる喜寿言祝がる新年会 やよい
2017年01月01日
年賀状なくて寂しき喪中かなやよい
凪わたる浦へ初日の欠片落つやよい
燦然と気高く聳ゆ雪の富士宏虎
穏けしや2,017初日の出智恵子
あと幾度この穏やかなお正月明日香
元旦の空きのグランド犬走る治男
指先を滑るが吉か初みくじなつき
除夜の鐘オリオン星座かがやくへはく子
お年玉もらい上手の一人っ子たか子
瀬戸凪のもや立ち上る淑気かなよし女
終わりなき主婦の仕事や去年今年ぽんこ
橋を抜け帯雲を抜け初日の出治男
国宝の軒反り本堂淑気満つこすもす
初日の出煌めき拝む夫婦岩宏虎
笑ひじわ伸ばしてみたり去年今年なつき
親しさの集う夜景に淑気ありたか子
初風呂や柚子たっぷりと入れもしてよし女
寺門の巨大門松天を突く満天
心込め冥土へ届けん除夜の鐘はく子
晴天に長蛇の列の初詣満天
あるがまま夫婦二人のお正月明日香
初日の出富士にダイヤの煌めきて智恵子
氏子衆よりお神酒いただく初詣こすもす
あれやこれ笑顔で話す帰省の子三刀
2016年12月31日
出船はや冬凪ぐ沖に消えにけりまゆ
お汁まで飲んでどや顔三十日蕎麦こすもす
体重の増減無かり去年今年三刀
乾杯の音頭いくたび大晦日智恵子
年越しや友の手打の二八蕎麦 やよい
若冲の鶏の羽搏き淑気満つ宏虎
不揃ひの取り皿並ぶ大晦日せいじ
ふるさとの年越しそばで紅白を満天
蟹四杯揃つて届く大晦日せいじ
遠来の子等にふかふか干し布団 やよい
校門に一抱へある松飾まゆ
時雨るるや松の根方に鬼瓦ぽんこ
大晦日ほろ酔いなりて至福なり智恵子
三更を除夜会詣での菩提寺へはく子
投句して一年無事に年暮るる満天
肩車するすす掃きもお手伝いこすもす
年移る闇に生駒嶺黒々とたか子
去年今年遺影とともに過ぎし日々はく子
恙なく好きなこと出来去年今年宏虎
久々の孫の成長晦日そばよし女
電車見る幼とつなぐ冷たき手なつき
ほろ酔いに訃報の入る大晦日よし女
覚え書きチェックし終わり大晦日たか子
数へ日や子に頼みし白髪染めなつき
2016年12月30日
日記買うあと一年は大丈夫明日香
一年の汚れ身に負う煤の風呂治男
北国ナンバーのトラツク屋根に雪隆松
庭ならす父の大根の太短かなつき
ふぞろひに廻る風車や丘小春まゆ
清流へ迫り出す大樹冬芽たつ やよい
買ひ忘れ行きて無駄買ひ年の暮満天
地蔵尊の毛糸の帽子笑み浮かべ満天
番鳰潜るも浮くも息の合ひさつき
去年今年ふる里山河まなうらに菜々
色づきて少し膨れし冬木の目宏虎
冬枯れの匂ふ大地や畦さんぽ智恵子
ぶつかり合ふカートカートや年の市うつぎ
真っ白なエプロン新調年迎ふ菜々
清められ広き教室冬休みまゆ
風力計超高速や冬田中こすもす
禅寺の人気なきさま枯木立あさこ
河豚刺しに高級感の絵皿かな宏虎
海老のひげ微かに動き年の市よし女
冬服や何時の千円ポケットに やよい
母校越しに冬夕焼けや心燃ゆ治男
いりあいの金柑熟す寺の鐘ぽんこ
年逝くや夫と訪ねし山や街はく子
煤掃きの最後は小さき父の部屋なつき
子に分けてやる畑の幸洗いけりよし女
まんぶくの外に腰掛け日向ぼこあさこ
子らが来て炬燵の中の脚何本たか子
コーラスの楽屋に暗き冬灯有香
農業用水路に白菜洗ふ人こすもす
ゆく年は句仲間を得し年でありたか子
ひと枝の千両活ける年の暮明日香
小晦日我が家のニュース箇条書き三刀
しまなみや夕凪赤き師走かな智恵子
2016年12月29日
歳末の野菜高値や主婦のわざ明日香
庭先に地蔵ある家冬の水治男
黒山の人朝市に年の暮 やよい
早朝の塾に駆け込む冬休みぽんこ
人思い心を想い賀状出すたか子
蓮根の掘りたて届く年の暮れ満天
寒風に声よき僧の水供養なつき
恙なく感謝の一年大晦日宏虎
日の出待つ空の荘厳小晦日はく子
遠くより若夫婦来て年送るたか子
鎌倉の師走駆けゆく人力車智恵子
夜回りの拍子木揃ひ声揃ふ満天
冬ざれや又消ゆ昭和キネマ館 やよい
忘年会歌えば踊る女いて治男
初雪や伊吹嶺雲を抜きん出て隆松
どのレジも長蛇のカート年用意まゆ
女らに煤逃げしばしのティータイムはく子
数え日や道路はみ出す見切り品宏虎
賀状書くパソコンだけど賀状書く明日香
門松の揃いて並ぶ古書の街智恵子
群鳩の旋回重ね枯木立有香
スーパーをはしごし揃ふ年用意こすもす
年用意雨の止まざる日なりけりよし女
落ち葉踏む音を踏みつつ雑木山三刀
数え日や手持ちの球根植え終えりこすもす
数へ日の子に焼くおやつパン強しなつき
誰彼のメモを片手の年の市よし女
間延びせしメロディー時計年の暮うつぎ
人込みを縫ひて家路や街師走さつき
秋よりの余白あまたに日記果つまゆ
2016年12月28日
年用意干支の色紙も入れ替へて やよい
果て弘法身重の香具師の腹さすりなつき
初詣誘う幟参道にこすもす
大北風やロシア民謡連れて来る宏虎
窓際に上機嫌なる室の花智恵子
雲一つ無き歳晩の朝かな三刀
九十の姉の風邪声電話よりはく子
極月の甕に焼酎熟成中なつき
古希記念女子会と言ふ忘年会こすもす
県外車眼につき想う年の暮治男
押せば灯の点るチャイムや日短うつぎ
走り根の落ち葉褥に野良二匹ぽんこ
見送りて生かされてをり年の逝くはく子
冬夕焼けカレ−の匂う病院横治男
年用意メモ握りしめカート押す明日香
蝋梅や小枝いっぱい香りたつ智恵子
新暦鶴の万羽が描かれをりよし女
床の間の軸と干支替ゆ年の暮宏虎
煤払老いて愈々整理下手うつぎ
年用意に今夜の夕餉手抜きなり満天
裸木の雲の流れに急かさるる満天
自転車に空き缶山と冬帽子 やよい
年の市松竹梅の仏花かな明日香
一文字の水平線に年惜しむよし女
2016年12月27日
奥座敷ざぶとんの背に冬陽入る智恵子
5歳児に冬至南瓜手に余る有香
育ちたる異国を旅し年もゆくよし女
介護士の車で送る師走道治男
煤払いあれもこれもと気だけ急く明日香
陋屋ひと日雨に洗はれ年迎ふ菜々
潮の香に鳶輪をえがく年の市なつき
医通ひのしるしの多し古暦満天
過去の事よく話す妻実万両治男
買ひ足して大籤引かむ年の市うつぎ
神庭に玉砂利あらた年用意ぽんこ
牡蠣船やネオンの映るさざ波に宏虎
満席の新幹線や冬の汗智恵子
欠伸して伸びして猫や年の暮はく子
クレーンで窓ガラスふく年の暮れこすもす
おでん屋の席譲り合ふ飲み仲間宏虎
不機嫌なパソコンいよよ年詰まる三刀
蜜柑積むトラック忙し選果場 やよい
食い違ふ夫との会話年用意明日香
ゲートゴルフ谺を返す大嚏 やよい
防波堤近し小潮の浮寝鴨なつき
煤払ひひと日の雨にティータイム満天
極月の空き家に庭師ゐたりけりよし女
2016年12月26日
教会の押縁天井さえざえと明日香
目貼りなす翁の目元たまに笑む智恵子
煤逃げの夫は何処へ鉄砲玉 やよい
タイヤ換へワイパー替へて冬支度こすもす
喪にありて年の市にはかかはらずはく子
神庭の樹木の陰に柿三つぽんこ
群れ千鳥日当たる渚動かざる三刀
歳の市パンかじりつつ異国人 やよい
煤払ひのつけ今日にきてリハビリへ満天
チキンなど並べ夫婦のクリスマスたか子
山茱萸の木の実残るへ花芽早やはく子
年老いた宮司の健は落葉掃きぽんこ
山茶花や通院すでに二十年たか子
数え日や吾も街騒の中にあり三刀
霜白し走り根抱く巨石かな宏虎
路地裏や並ぶ障子の通せんぼ智恵子
ヘルパ−の作りし料理小春日和治男
手押し井戸いまも現役注連飾るよし女
鉛色の川が曲がれり眠る山なつき
大型店出入口毎松飾りこすもす
数へ日のひと日を父母の墓掃除へ菜々
シクラメン天女の爪のごと蕾む菜々
葱刻む妻の手練のリズムかな宏虎
冬日燦平和の泉いつまでも明日香
手渡しにたれ垂るだんご年の市なつき
極月や土曜とて医院混雑すよし女
帰り花痴呆防止に花札す治男
手びねりの三方どっかと鏡餅満天
2016年12月25日
でこぼこの影従えて枯野道豆狸
数え日や捨てる決断難しき治男
パソコンと向かふ終日煤籠ぽんこ
かいつぶり此の世彼の世の浮き沈み宏虎
鐘楼にしやちほこ光る冬の晴なつき
オルガンも燭火が頼りクリスマスせいじ
早々にツリー片付け年用意こすもす
街騒を後にわれらはイブの浜よし女
丸ポスト里の入り口冬日和たか子
燭火もて聖書を読みしクリスマスせいじ
山茶花の径に並ぶ夫婦句碑三刀
短冊色紙も変へて年用意満天
冬木立異国語の絵馬増え揺るる宏虎
日の射して次から次と煤払満天
サンタ帽犬にも被せ散歩せりこすもす
冬うらら動く歩道のグラバー邸明日香
産土の山すそ千鳥並び立つよし女
星群やオリオン明かり現れにけり智恵子
ヴイ−ナス像寒の稲荷に供えあり治男
景気よく焼栗の爆づ年の市なつき
高値らし数の子売り場に人寄らず菜々
交番の電線を占め鳩凍てる有香
捨つるもの数多を悔ひる年用意 やよい
大浦のとがり天井冬チャーチ明日香
サンタクロースの衣つけゐる野の地蔵 やよい
二の腕に先ず忍び寄る湯ざめかなたか子
まんまるの宿り木あらわ枯木立智恵子
2016年12月24日
ビル街の中の静寂冬の池こすもす
ジグソーのピース一つに着ぶくれてたか子
枯れ尽くす淀の葦原黙つづく明日香
船上にシャンパン響きクリスマス智恵子
手びねりのクリスマスツリー灯をともす満天
電飾に浅き眠りの冬木かなたか子
堰音のリズム変わらず十二月治男
震禍なる崖に真っ赤な烏瓜 やよい
宿六の又も一服煤払ひ菜々
渡されしカイロの温み朝補習まゆ
種貰ふ今年一番大かぼちゃなつき
新藁の縄弛みなき夫婦岩せいじ
教会に並びて子等の手に聖菓智恵子
常緑樹の多き庭園実南天こすもす
北風や頭で分ける縄のれん宏虎
大浦の御手のふつくら冬ぬくし明日香
水門に潮の満ちくる浮寝鴨なつき
山寺へ水仙百花咲ける道はく子
降誕の馬小屋飾る私立校せいじ
大枯野一日二本の路線バス豆狸
ひしめきて千体地蔵身にぞ入むぽんこ
浜千鳥夕日に胸毛光らせてよし女
煤払ひ長押の遺影もねんごろに菜々
冬の空尖る星あり風もまた宏虎
クリスマスショートケーキをデザートに満天
一枚となりて重ねる新暦 やよい
潮先に巻かれては消ゆ冬干潟三刀
九州の嶺々はっきりとクリスマスよし女
袴はきブ−ツ姿やクリスマス治男
2016年12月23日
公園のトイレ中へ落葉多多治男
クリスマス光にたかる人の波宏虎
情熱のまさにダンサーシクラメン菜々
七面鳥は鶏に変身マーケットよし女
句仲間と背を並べて日向ぼこまゆ
リゾツトと言う名の雑炊カレー味こすもす
枯れ尾花風に抗い自己主張三刀
猫舌の身重の子食ぶ冬至粥なつき
年送る転法輪を回しもしせいじ
銀杏城てふ肥後の古城や初時雨豆狸
冬鷺も覗いているよ眼鏡橋明日香
凍雲や遠嶺はかたち失へりよし女
メモ片手右往左往の年の暮満天
老いの部屋明るうしたるシクラメン菜々
年の市今年も並ぶ顔なじみはく子
煤逃げの容疑のありしゴルフかなたか子
外来の百合根はでかし年の市せいじ
散り敷きて紅葉明かりの夕河原はく子
慶沢園かがむ四五人松飾る やよい
冬青空リレ−で競うバトン重し治男
暗雲を蹴散らし冬の大夕焼智恵子
雨過ぎて親子の見あぐ冬の虹ひかり
重き腰上げては遅々と年用意 やよい
クリスマス宅急便にてドライリース満天
冬ざるる川面に映る眼鏡橋明日香
参道抜け手作り市へ落葉踏むなつき
ゴスペルの歌声洩るるクリスマス宏虎
縮れたる襞の深さの冬菜かなたか子
喧騒の通りにひそと帰り花有香
裸木や電飾まとふ並木道智恵子
鐘響く寺苑の吟行冬日和こすもす
2016年12月22日
年の暮れ長蛇の列のATM満天
冬の川風の形の見えにけり治男
散り敷くも残るももみぢ宇治そぞろはく子
年暮るるうだつの上がる老舗店ぽんこ
霜柱掘っては駆ける犬の妙智恵子
甦る同窓会や年惜しむこすもす
紙漉きや有名人の写真多々宏虎
寄り道を悔いし疲れよ暮早したか子
水鳥の飛沫をちこち昼の湖まゆ
小春日や恥部さらけ出す母の猿治男
裸木の秀枝に絡む水かげろふせいじ
餅つきのビラにスーパー人の山智恵子
粕汁を好みし下戸の夫なりしはく子
果弘法ながき蝋涙こそげ取りなつき
庭園の四阿あたりそぞろ寒たか子
雨空に池塘明るき草黄葉ひかり
枯蓮を越えて大鷺着水すせいじ
フォグランプの車行き交う冬の朝こすもす
一茶忌や新聞連載待つ夕べよし女
宇治川の流れ滔滔年惜しむ満天
世話役の気配りうれし年忘れひかり
小春寺反りし大屋根鳩万羽 やよい
宇治十帖の三つをめぐり日の短菜々
頂きし柚子湯に浸かり南無阿弥陀宏虎
極月やページをめくる料理本よし女
裸木を翔ちては戻る鳥の翳三刀
枯蟷螂君も湯治か露天の湯 やよい
寒靄にかすむ大和やラビリンス明日香
落葉積む手水鉢へと筧水明日香
2016年12月21日
あした逢ふ苞にせむとて毛糸編む やよい
通行止め多き震禍や冬の雨 やよい
ゆく秋や銀杏並木の昏れなんとまゆ
枯木立透く鈍色の空重しひかり
冬服は天気予報とにらめつこ明日香
冬至粥啜りて夫の機嫌かなよし女
雲龍の飛ぶ絵巻あり冬の寺治男
t克子
小春日や寺町まこと坂多しひかり
小春日の宇治十帖を吟行す満天
俄雨来るぞと鵙の声たかし克子
着ぶくれて廻すに重き転法輪菜々
白布ごと包む賽銭果弘法なつき
冬日向風来ぬ庇猫の基地宏虎
冬ざるる水のとろりと亀の池菜々
冬ざるる山懐の寺の庭はく子
大岩の上ちよこなんと落椿せいじ
寺門へ千両万両の坂道を満天
村芝居旨い子役に銭とばす治男
年の瀬や暖簾褪せたる饅頭屋たか子
電飾をうっとり眺め星冴ゆる宏虎
冬空や杉の秀枝に鷺一羽豆狸
数え日や今日も帰宅の千鳥足智恵子
茶どころの茶そばに小昼冬ぬくしはく子
墓あまた寺苑に冬の鵙猛るたか子
冬霧の濃さに運転案じけりこすもす
師走野は濃霧や街灯滲み立つよし女
山茶花のツリーの型に刈り込まれ明日香
柚子浮かべ独り足湯に温まりぬ智恵子
どっしりと座する亀石池小春ぽんこ
命綱して鳶総出年用意せいじ
息災に両の手合はせ冬至粥三刀
天辺の鳥の名はなに大枯木こすもす
年の市葱いっぱいのうどん食ぶなつき
2016年12月20日
剥落の芭蕉の墓や冬ざるる やよい
寄せ墓へ翳す大樹の冬木の芽満天
いまだ朱にほむらの満天星躑躅でありぬはく子
寺庭統ぶ八重の真紅の冬椿はく子
日本一長き駅の名小春旅 やよい
冬晴の観音像の微笑みを満天
風邪の子のやはらかき髪頬ずりすなつき
おでん酒友みな上戸声高し宏虎
雨に耐え寒風にたゆ風見鶏宏虎
寄鍋や夫の好みを入れ足してよし女
裸木をぬって燦燦いろは坂智恵子
碧空や素麺を干す老夫婦治男
朝まだき東は淡き冬茜明日香
年忘れ句会の後の舌鼓たか子
首を振る重機のライト池普請ひかり
袖垣を曲がりてもなほ山茶花や智恵子
冬風や輪ゴムで放つ夢ひとつ豆狸
回遊の庭少し寂び師走なるたか子
淀に沿ふ家並を染めて冬夕焼菜々
酢茎漬来る真結びの小風呂敷よし女
半分は落葉の埋む手水鉢明日香
千体の仏の足下冬灯ひかり
老ひ母の杖ともなりて紅葉狩まゆ
何もかも知らぬ顔して山眠る三刀
寒風へ地蔵は厚き苔衣菜々
寒海苔を採る高校の実習生治男
招き猫左右手をふる年の市なつき
2016年12月19日
記念館蔵書数多や寒椿たか子
窓叩き虎落笛鳴る山の宿宏虎
自撮り棒目立つ師走の大阪城こすもす
何事や鳴きつ渦巻く冬鴉よし女
思いつくままに取り組む年用意三刀
落ち葉積む磴幾曲り高千穂峡 やよい
長谷寺の燈籠暗し寒牡丹治男
ひとり守る煙出しある冬館明日香
高額の品々並ぶ年の市満天
青空や趣味の一つの布団干す やよい
水仙花見ごろなりと島便り智恵子
まほろばや冬田の真中走りをり明日香
黒雲を突き抜け紅蓮の冬夕日はく子
筆塚に束ねし小筆冬さくらなつき
年の市木片刻む刃物売りなつき
浮寝鳥散らし漕ぎ出す小舟かなさつき
一年を思ひ出しつつ古暦満天
すす掃きや先ずキッチンのシェードより菜々
星一つ植木に添えて聖樹としたか子
年用意父の遺愛の軸も掛け菜々
番鳩小春の園に羽根伸ばしよし女
枯木立加齢便利な医者言葉宏虎
新妻の脚立危きすす払ひ智恵子
冬戯れの公園巡るロードトレインこすもす
厚着して大病院の迷路行く治男
2016年12月18日
電柱の天睥睨す冬の百舌鳥三刀
主見上ぐ犬の目やさし小春かな豆狸
州の千鳥もも色雲へ向き並びよし女
責落のとどまりがたし無住寺克子
剪定鋏の音も忙しや12月菜々
食べつくす庭の大根葉っぱまで やよい
あすなろの菜箸くばる年の市なつき
無彩色の石垣に残る冬紅葉こすもす
妹の墓へ行く兄水仙花治男
冬の霧天岩戸の洞閉ざす やよい
年用意買い物リストにぽちぶくろ菜々
寿がれ柔和な一ト日木の葉髪たか子
うそ寒し忘れ物やら探し物たか子
焼藷を無造作包む新聞紙宏虎
息白く知恵の輪潜りぼけ封じひかり
遅れじとねぐらへ急ぐ寒鴉ともえ
朝刊の折り込み多し十二月満天
相撲甚句ながれる店内忘年会こすもす
池鏡忍びのごとく鳰潜る泰山
おかめ塚の前でいただく大根焚なつき
もみの木や夜空を占める聖樹かな智恵子
十二月生まれにスーパー花束を満天
フレームや彩とりどりの花いきれひかり
冬怒涛剣客決闘語る島よし女
枯蟷螂野武士の偉容持ちにけり宏虎
冬夕焼霊峰富士の影法師智恵子
立ち枯れの木々直立す霧の湖さつき
霜柱畦に立つ農長長と治男
2016年12月17日
曲がり癖つきし煤竹もち替へてなつき
飛び石をまたぎて冬の遊歩道智恵子
胸元のゆずと遊べり終い風呂よし女
ブルーシートの地震の集落冬深し やよい
厨事手早くしたき湯豆腐に満天
初雪や僅かに残る門扉の上明日香
露天寝湯大パノラマの冬銀河 やよい
暖かし来客多き一と日なりよし女
煤ごもり孫に教わるゲームの日智恵子
風邪引きの幼とひらがな練習すこすもす
ハローキティ少し褪せたる布団干す菜々
布団干す孫の背丈を思ひつつ菜々
九十五の誕生祝う冬茜治男
石落としの窓へ煤竹伸ばしけりなつき
外出はおでんいっぱい炊いてからこすもす
ゆく雲も一期一会や懐手三刀
家を出る解放感や忘年会明日香
河豚雑炊何より好物幸を噛む宏虎
日向ぼこ忘れることも処世術宏虎
枯れ芙蓉雨戸を閉めて一日終わる治男
それぞれにワイン持ち寄り忘年会満天
木の葉髪半額という美術館豆狸
震禍なほ残りし湖に鴨来るさつき
報恩講椅子にひざ掛け添へられてはく子
2016年12月16日
師走空国旗と社旗の揺れ続き治男
冬野菜の水のグラスに根の芽吹くはく子
冬の蠅共に上りぬエレベーター宏虎
虎落笛神の怒りか地の吠えか宏虎
冬枯れの牧に親子の馬三頭豆狸
手書きして健のみ祈る賀状書く満天
くるくると蝶舞ふごとく枯葉揺る明日香
煤竹の散る葉をくぐる城の門なつき
山茶花の真白散り敷くそのままに満天
木枯しやジャングルジムを迷走すたか子
おてんばめく大根向き向き肩出して菜々
湯のけむる鄙びし宿や冬の星智恵子
肩竦め始発の駅や冬の星 やよい
初雪と共に富山の薬売りよし女
天守よりビル街のぞむ冬の晴なつき
忘年会飲み放題の本音かなたか子
初雪を連れてプーチン長門市来三刀
窓外は木枯しひゅうと日差し燦明日香
降る落葉ウッドデッキに落ち着きぬ智恵子
一と竿の隙間だらけや掛大根よし女
庭に得て大根おろしを朝なさな菜々
小春空受験勉強励む子よ治男
ガレージのもう乾いてる掛大根こすもす
遠山の天辺薄く雪積もるこすもす
誰かしらマスクに会釈返しつつ やよい
2016年12月15日
潮騒とオリオン近し磯の宿たか子
瓶の菊水足しをれば匂ひけりよし女
狙ひつけ畦に伏す猫冬うらら智恵子
幽玄や神話の里を冬の靄 やよい
登校の少年急ぐ霜の朝三刀
ポンポン揺るママとおそろひ冬帽子菜々
商店街リホーム急ぐや十二月満天
散り頻る橋の畔の大銀杏はく子
延延と続く越後路親鸞忌菜々
凩に相うちあえる祈願絵馬豆狸
白壁に横すじ残る煤払なつき
山茶花やくじらの過去帳持つ一寺よし女
小坊主や爪先立ちて煤煤払ひ智恵子
うそ寒しうつ向きし人皆メールたか子
嘴太の鴉目ざとし実南天まゆ
窓開けて一枚脱ぎし蟹雑炊宏虎
門くぐる客に手を止め煤払なつき
エレベーター待つ間学童息白しこすもす
京旅の千枚漬けを手土産に満天
新しき友はハンターぼたん鍋こすもす
瑠璃の水湛へ高千穂冬紅葉 やよい
鯛の膳眼と口に凍み食すすむ治男
冬銀河宇宙の謎は無限大宏虎
サークルのみんなでカラオケ年惜しむはく子
遊園地の遊具取り替え師走空治男
奥の院へと百磴の落ち葉踏むぽんこ
2016年12月14日
船波に波乗りよろしく百合かもめはく子
懐手将棋長考似合ひけり宏虎
経本に母の筆跡報恩講こすもす
堰落つる水のきらめき冬紅葉ひかり
帰宅路の熟柿皮となりて揺る智恵子
四方葺き語る媼や冬温し明日香
念仏に始まる説法報恩講はく子
手袋を互いに脱いで握手かなたか子
時雨止み音の高鳴る明日香川明日香
言うまいぞ病の話年忘れ治男
天守より光の粒や浮寝鳥なつき
着膨れのウインドウに我胸を張る満天
煤竹の先三本を束ねたりなつき
うす雲の冬満月を疾くよぎるせいじ
霜柱そっと倒して音愛でる智恵子
抱き起こすモコモコパジヤマ冬の朝こすもす
紙漉きに情熱捧げ村を出ず宏虎
茜さす夕日をまとひ冬木立まゆ
ぼろ市やふいに鳴り出す鳩時計豆狸
ケアハウス窓にきらめく聖樹かなぽんこ
窓越しの阿蘇の涅槃の山眠るやよい
極月や受診患者の皆無口三刀
朝まだき山湖に霧の浮き立ちぬさつき
道へだて挨拶交はす冬帽子満天
冬うららゆるく撓んで舫い綱たか子
猫の尾の動画のごとし白障子治男
冬夕陽黒雲白雲かき分けてよし女
木の実降る川に架かりし橋の上よし女
冬天へ創始二千年の宮菜々
遣り水を錦に染めて散紅葉菜々
雲切れて冬満月の玲瓏とせいじ
冬の日をあはあは返す石庭かなひかり
地震の爪痕残るホテルや冬の星やよい
2016年12月13日
潮待ちの港に小春欲しいままたか子
雨もよし今日そのときと賀状書くせいじ
極月の空に二本の飛行雲こすもす
霧雨や車道に滲むネオン花智恵子
障子明りに不動はまなこらんらんと菜々
背びれ見せ鯉の回遊池小春ひかり
水際の日矢の揉む波群るる鴨豆狸
時雨るるや神杉の守る村社明日香
一と所光彩放つは実南天よし女
親鸞忌僧ら声明朗々とはく子
塚なせる無縁仏に冬日燦さつき
冬灯ルーペ離せぬ漢字かな宏虎
納豆の糸切る箸の魔法めく三刀
手を振りて傘寿の潜る冬の海人智恵子
障子はる開山堂の二階窓なつき
冬木立抽んで宝珠は金色に菜々
歌唄い運動なせる老や小春治男
銀白に波うつ風の芒原克子
散りしきる皇帝ダリア冬ざるる満天
過去の事よく話す妻実万両治男
竹林の冬日は翳り易きかなまゆ
どんぐりの森今まさに黄落期よし女
書きやすき同じ絵柄の日記買ふ満天
負けるなと雪吊りしたる小松かなともえ
土間の上の嫁入り駕籠や実万両明日香
賀状書くインクジェットは上機嫌せいじ
築山に終演の彩冬紅葉ひかり
短日の回転寿司店客疎らこすもす
マスクする歯医者の素顔未だ知らず宏虎
天井の仏絵の青さ堂冷ゆるなつき
ゆるゆると肩を落として冬落暉たか子
2016年12月12日
小春日や舞妓のうなじ初々し菜々
冬あたたか風に舞ひては恋の絵馬菜々
菩提寺の雅楽に始まる報恩講はく子
千両の実にカバーする狭庭かな明日香
初霜やバギーに乗りて犬散歩智恵子
三石の池に侍るごと鴨の群ひかり
冬最中素足で行く児母の声治男
フリーマーケット銀杏の黄葉は未だ残りこすもす
易そうで難し秘術紙を漉く宏虎
落ち葉焚きの匂ひ纏ひて昼餉かな三刀
木枯らしに翻弄されし風見鶏智恵子
野に川に玉の日遊ぶ小春かなまゆ
無人屋を去れば付き来る草ぢらによし女
小春日や今日開院で多き患者治男
唱和して吾も善女や報恩講はく子
小春日や空へ轟くチェンソーよし女
冬紅葉みどりを残す勅使門なつき
墓どころ明るくしたる紅葉影さつき
雑踏の中に師走の焦りありたか子
夕雀一樹に集まり御宿とも有香
踊りあり歌三昧の忘年会満天
紙漉きや無駄なく全身使ひけり宏虎
手をひろぐ影が大の字散紅葉なつき
霜踏みしより透きとおる音となるたか子
鶺鴒の尾をふり猫を惑はしけり満天
畝の上にずらりと泥つき赤蕪こすもす
先ず熱燗民生委員役終えて明日香
2016年12月11日
かさこそと落葉をほじる猫やんちやせいじ
蕎麦湯呑み夕陽の山を後にする智恵子
願掛けの縁切り石や冬の宮はく子
   有香
煤掃きの勢ひづきて捨ててをりなつき
白壁に影のおどりて銀杏散るさつき
祇園なる宮に櫛塚冬椿はく子
練り水を愛撫するごと紙を漉く宏虎
鴨の群川面に映る小屋へ過ぐ明日香
紙漉きや虫食い染みの無き名塩宏虎
火加減のし易き位置の鍋奉行たか子
髪を切り首筋襲ふ隙間風智恵子
黒潮の風と太陽みかん熟るやよい
荒縄を潜り一輪返り花こすもす
鏡なる海面を照らす冬の月三刀
小春日のスマホに夢中鴨川べり満天
バス着いて蜜柑売り切れ無人店やよい
マリア仰ぐ陶の羊や園小春菜々
南座のまねき見上げる小春日に満天
北風や猛けて追い風向かい風たか子
お茶うけは湿気たせんべい師走なるなつき
夕時雨傘買ふ買はぬ目的地有香
荒縄で縛り防御の雪囲ひこすもす
年の暮反省兼ねて会食す治男
突つかれて木もりはまるでアンパンマンせいじ
歳末のバザ−賑あう被災地へ治男
眠り初む五山を寺苑の眺望に菜々
2016年12月10日
出走馬毛並み艶々息白し宏虎
お茶飲みの連れなく冬日独りごつまゆ
麦は芽に風の子となる下校の子三刀
店頭の正月用品横目にし満天
大根焚夫の夕餉に持ち帰るなつき
スイーツに列なす若きら冬うららはく子
電飾の増へて眩しき十二月満天
山頂や豚汁旨し山凍ててやよい
舞台造りの殿にみやこの年惜しむ菜々
寒禽や納骨の経粛粛とこすもす
師走妻一日を京へ逃避行菜々
冬戯れも何のそのとて杖の人こすもす
冬グランド体操激し女性の香治男
にごり湯に浸かり一望もみじ山智恵子
墓地横に冬苺いで亡き子想う治男
山茶花の向う陰より子らの声よし女
秋うらら遊覧船を追う鴎克子
一葉忌舞妓必須の英語塾宏虎
名湯の湯の花の香の温ぬくし智恵子
日昇れば姦し鵯の梢蹴るまゆ
まねき上げ賑はふ京の十二月はく子
少し葉の残るのも良き裸木かな明日香
聖護院大根に梵字墨書きすなつき
暖かき友の句評に諾へりせいじ
パンジーを植えれば冬の雲笑顔よし女
隣国の弾劾はげし月冴ゆるせいじ
遠山の緑紅深し冬日燦明日香
サクサクとアイゼン登る霧氷かなやよい
2016年12月09日
と言う間の叔父の忌明けや師走来るこすもす
風の神絞り出したる虎落笛たか子
神宝の勾玉拝し年惜しむ菜々
見せしめのやうに鮟鱇吊られけりたか子
百段の冬寺の磴配達人治男
白壁の屋敷を染める冬夕焼け三刀
カジノとは眠れぬ山や十二月明日香
あれやこれみな過去形の師走かなこすもす
日短し職員室の窓灯るせいじ
怠け癖つきし吾に喝冬の雷やよい
ぬかるみに油断なして敷き落葉智恵子
大銀杏いま錦秋の道しるべ智恵子
リュック背負ふ肩よりきたる寒さかななつき
百年過ぎアンドロイドや漱石忌満天
白菜洗ふ湯上りのごと輝けりよし女
雨上がり地上照らすや冬の月満天
極月や日暮れを急ぐ救急車三刀
点々と蜜柑の光る山路かな明日香
山門の紅葉層なし散つており治男
短日や転んで払ふ膝小僧よし女
菜畑の一畝葉牡丹渦かさねはく子
短日や赤提灯のはやばやとせいじ
剥落の五百羅漢や底冷ゆるなつき
厨ごと夫にまかせて風邪に臥すやよい
秀頼公ゆかりの宮居銀杏散る菜々
寒禽の家路をせかす日暮かなひかり
2016年12月08日
下校児の足取り軽し十二月治男
着水に光を放つ都鳥満天
悴みてあかざの杖触る芭蕉の間なつき
うら枯れの休み田猫の遊園地三刀
無信心の玄関飾るクリスマス やよい
隣合ひ電飾競ふクリスマス やよい
顔見世のまねきに町は和みけり満天
宿り木や夕日の影引く冬木立有香
ルミナリエ蠢く街や山眠る宏虎
寒禽や気持ち新たに合掌すひかり
葦隠れ出で入りするは鴨の尻まゆ
木枯しを来てイエズスの磔像に菜々
冬の川大風船の百個浮く治男
冬怒涛いまも継がるる鯨歌よし女
右近の足跡本に辿りて身にぞ入む菜々
亡き猫の名を呟やきぬ漱石忌たか子
聖堂に馬小屋しつらへ十二月はく子
ひむがしの空オリオンの横たはりせいじ
ベトナムの研修生と賀状書くせいじ
もやい舟ふな底を埋む落葉かな智恵子
熱燗を旨しと思うカウンターこすもす
黄落を塚のごと積む大銀杏なおこ
天を突く裸木となる大銀杏ひかり
聖堂のステンドグラスへ冬日燦はく子
山眠る光あやなすルミナリエ宏虎
愛でる人無くて孤高の冬の薔薇たか子
冬草と言へど機械の音を立てよし女
婆一人泥のつくまま大根掛けなつき
名ばかりの吟行に踏む敷き松葉こすもす
トンネルを抜け海上や冬ぬくし智恵子
2016年12月07日
音立てて枯葉と遊ぶ鳩の群れ満天
湯たんぽのお湯出す音の行進曲治男
絡む枝すきて日のふや冬木立有香
熟柿を啄ばむ声の幾多かな智恵子
園児等のミニマラソンや冬麗こすもす
大老の濠ゆうゆうと鴨過る菜々
山山の古都奈良囲みて眠りをりこすもす
錦秋の里に谺す夕の鐘克子
寒禽の鋭声かしまし朝の杜ひかり
黄落の尽きて明るき雑木山まゆ
電飾の広場の真上月冴ゆるたか子
水天にもみぢの全きを映しけりはく子
ママチャリのペダルも軽し土手小春せいじ
広げのす油揚げ甘し大根焚なつき
用水路朝日に眩し銀杏落葉満天
土手高し五体すべてに冬日浴ぶせいじ
見上げつつ揺れるつり橋紅葉狩りともえ
白菜に塩振り子らの帰省待つよし女
水路閣弧の造形美冬ざるるたか子
走り根の梵字めきたる散紅葉なつき
大根の青首ぐんと伸ばしけりはく子
山茶花に足を止めたる郵便夫三刀
裏見の滝涸れて祠のほの暗し やよい
冬晴れの薦掛けに見ゆ日本海智恵子
眠れない山をますます冬夕焼明日香
花魁の足首白き京の冬治男
空広げ日差隈なく枯木立ひかり
幾何模様に水尾引き広げ鴨の陣菜々
眠る山猪のぬた場を打ち拡げよし女
大小の陶狸きょとん実千両宏虎
掛け軸の虎眼らんらん冬座敷宏虎
短日や川面彩る街明り やよい
2016年12月06日
小春日やいつもの路地の猫かまふたか子
冬ぬくし庭に植え足す竜の髯三刀
青空に綿雲浮かべ十二月よし女
とりあへず絵筆遊ばせ賀状描く満天
秋澄むやカツつとゴルフショットの音せいじ
野を統べる陵はいま紅葉山せいじ
蕪シチューことこと煮上げ夫を待つ菜々
冬紅葉茶屋の撤去に風唸るなつき
一人にはもったいないほどの冬日はく子
落ち葉道二人で疾走飛ぶ如し治男
この寒さ平年並みと言われてもひかり
国道のガードレールに掛け大根 やよい
海底を出で小春日和や海ほたる智恵子
紅葉の残る木一本色渋き ともえ
湯豆腐や夫婦に嘘の無き暮らし宏虎
鴨の陣城石垣の裾の辺にはく子
縮み込む尾頭不明海鼠かな宏虎
句碑泰然落葉しぐれの只中に菜々
冬雲の南へ飛べり子は走る治男
冬晴れや飛火野にホルン鳴り渡りこすもす
裏山をわがもの顔の鵯猛るまゆ
裸木となりて学び舎子等の声満天
昔ほど急く気にならぬ十二月明日香
植木屋の赤き実に来る小鳥かなよし女
昼の月風鐸高く揺るる堂なつき
朧月の黒に染まりし暦かな智恵子
指先の律儀な荒れや十二月たか子
背を丸め釣り具の手入れ冬ぬくし やよい
錦繍の山山古都を囲みけりこすもす
冬鳥のゆつくり泳ぐ日和かな明日香
2016年12月05日
土塀越し花柊の匂ひけりさつき
夜神楽の白装束の禰宜一人なつき
行き交ふはおみなばかりや紅葉寺ひかり
心字池錦絵のごと降る紅葉智恵子
校庭に帰宅のチャイム冬陽落つ智恵子
鹿寄せのホルンの音色冬の奈良こすもす
寺屋根の職人の声師走かな治男
譲り合うバスの車中や冬うららこすもす
対話するごと向き合ひし案山子かな泰山
掃き寄せる背なにしきりの散紅葉満天
布団分け枕横取り猫いびき宏虎
十二月まだ目の入らぬ大達磨治男
御三家の城の公園熊眠る やよい
生牡蠣をすする角度の喉ぼとけたか子
小春日や予定倒れに終わりけり明日香
冬ぬくし術後検診無事通過はく子
予防注射済ませて何故か風気味にひかり
裸木の水玉光る朝かな三刀
牡蠣割り女世間話の片手間にたか子
拭き出せば窓の多さよ日の短かよし女
咲き初むる山茶花白し札所道菜々
花野背に日なたに並ぶ地蔵尊なつき
冬灯しパソコンに眼が痺れけりよし女
名の残る江口の渡し鴨の群宏虎
近江路や湖に大小鴨の陣 やよい
閉館のスーパー埋めるや散紅葉満天
蹴散らして紅葉の嵩の下校道有香
頂きて採りたて抜きたて冬野菜はく子
小春日や少し開けある花頭窓菜々
2016年12月04日
日向ぼこどんなもんだと王手飛車宏虎
冬灯に部活の子等は体育館満天
日矢射して山門もみぢの只中にひかり
遥拝所の四隅冬芽の出揃へりなつき
柚子風呂や今日一日を振り返る三刀
落葉蹴ちらしてボールを追ふ小犬さつき
町師走高層ビルの窓拭きすなつき
誰かしら娘の墓に冬の菊治男
蓮枯るる池面に余白生まれけりひかり
子の便りしばらく途切れ小夜時雨よし女
照山の向かうに眠る山ありて明日香
冬凪へ注ぐ天使の梯子かな やよい
さかさ弁天池面のもみじを光背に菜々
写されて残る紅葉の一段とはく子
折り紙でクリスマスツリー作りけりこすもす
どの顔も一癖持ちぬ日向ぼこ宏虎
牡蠣届く覚悟の軍手はめにけりたか子
冬の浦凧さながらに蛸干されたか子
枯芒それぞれ文字を書いてをり明日香
久しぶり孫子と揃ひおでん鍋はく子
持ちくれしぽってり甘き吊るし柿満天
お大師さんへ山茶花白き磴のぼる菜々
大寺の銀杏落葉や磴埋めよし女
鳶の輪のいつしか点となる小春 やよい
歳末のジヤンボ籤買い鴉鳴く治男
2016年12月03日
川筋の穂芒長けて日に柔しひかり
引き込まるプロの話芸や冬ぬくしはく子
枯萩の刈らずじまいや叢をなす宏虎
冬日差す穏やかな日の始まれり明日香
枯蓮に鎮魂の風通ひけりさつき
極月や落語に笑ひのひとときをはく子
日溜りの墓碑を離れず冬の蝶菜々
抑え気味の嚔聞こえる車中かなこすもす
宝前に山茶花白を極めをりひかり
返り花嘉永の釘の飾られて治男
大根の浅漬け口に良きリズム三刀
朝の日に爪先立つや布団干すよし女
軽やかに枯葉踏みつつ寺庭を満天
冬の朝湯気立ちのぼる千枚田なつき
眠る山ともに眠れる千枚田なつき
うず高くキャベツを添えて牡蠣フライたか子
紅葉の庭一望の四阿に満天
印組みし如来の御手や冬深したか子
大笑いしてるかに熟る石榴かなこすもす
1末社修理中なり神の留守有香
漫画には言葉は不要冬の雷治男
冬の海沖のタンカー動かざる やよい
着膨れて見栄も恥をも捨てにけり宏虎
アートをなせる蔦紅葉白壁にぽんこ
弁天へ小さき反り橋小春風菜々
下駄揃へある宿坊の裏玄関よし女
細々と絹糸のごと宵の月智恵子
手を繋ぐママと手袋色違い智恵子
宮跡の兵と見紛ふ枯芒明日香
一斉に海むく万羽冬鷗 やよい
2016年12月02日
杖借りて登る札所の落葉道 やよい
小春日に四簷のびらか大山門菜々
歳時記に薄き母の名返り花たか子
寒風の掃き清めたる今朝の空ひかり
爪先を踏んばる仁王の冬ざるる 明日香
大根焚の一椀供ふ抱き地蔵なつき
枝先に残る紅葉や今日も見しともえ
鼻風邪やテイツシユ早早空つぽにこすもす
紅葉浮く閼伽井は今も水湛え明日香
亀姫の墓へ咲き継ぐ石蕗の花なつき
夕風に浦の穂芒揺れ止まず有香
冬空に皇帝ダリア高々と満天
熱燗や二本の指でつぎにけりたか子
天辺の明るくなりし枯木立ぽんこ
飛行雲崩れて冬の渚めくよし女
冬青空はりんと乾く白シーツよし女
冬雲のレンガ煙突切つており治男
記念動画や干し柿作り初体験こすもす
暮れなずむ冬三日月に星ひとつ満天
おこのみ焼葱山盛りの得意味宏虎
五十年をこの地に住みて竹の春有香
境内の葉隠れの紅青木の実ひかり
早暁の山微動だに十二月三刀
日向ぼこ同じ自慢に席離る宏虎
唐松や黄葉布団に上機嫌智恵子
冬深し結界しかと薬医門菜々
白樺の林に入りて黄葉浴智恵子
救急車隣家にとまる冬の月 やよい
枯尾花夕日に銀色もらひけりはく子
紅白の山茶花咲けり像挟み治男
2016年12月01日
山門に匂つてきたり大根焚なつき
虚無僧の尺八侘びし紅葉寺 やよい
愛犬は自慢の息子冬温しひかり
車中へと目潰しのごと冬夕焼明日香
冬銀河平家末裔義理堅し宏虎
冬ぬくし昔語りの庫裏白寿なつき
児童画展あかあおき色冬温したか子
整へし炬燵にまづは座椅子入れよし女
落ち葉踏む笑い声かも泣き声かも治男
歩道橋スロープ凍りて遠回り智恵子
隠沼のしじまに木の実しきりなる^有香
スマホ増え日本語錆びる冬の月宏虎
錦繍や修復終へし磨崖仏 やよい
切干のかくも見事に干からびてはく子
庭の実の色深めゆく十二月菜々
花卉園に赤色あふれ十二月菜々
冬晴れや隣の奥さんお洒落してこすもす
十二月一人の身にも落ち着かずはく子
宵闇を切裂き過ぎるもがり笛三刀
冬の薔薇風に揺られて又垂直治男
山内のどの径とるも散紅葉ひかり
冬曙空に友禅流すごとよし女
給食の汁粉の話しにつきぬ子や智恵子
冬紅葉映す水面に浮舞台満天
切り株の年輪は密エノキたつ豆狸
綾取りや糸の縺れがけりつけるこすもす
藁塚の絵になるやうに点在す明日香
枯はちす戦ひ終えし兵士のごと満天
風に佇ち木の葉しぐれを存分にたか子
2016年11月30日
綿虫や風のまにまに漂へり宏虎
落葉掃く静寂のリズム修行僧宏虎
喧騒の門に一歩の紅葉寺満天
花の寺今を紅葉の嬌艶に菜々
寒風裡墓所の宿り木青々となつき
落水の雫に艶めき降る紅葉智恵子
顔見世や勘亭流の文字くねるたか子
銀杏散り並木はすべて裸ん坊こすもす
うとうとと老婆店番冬うらら やよい
神の留守どこかで電話鳴ってをりよし女
冬天へ楼門しかと六百年はく子
山紅葉堰の水煙立ちのぼるなつき
冬天へ寺統ぶ榧の四百齢はく子
鬼の子の出来損ないの一張羅豆狸
青空や客用布団干しもしてこすもす
風に痩せ日に色深め吊るし柿 やよい
冬怒濤一直線に走る子よ治男
石垣の苔を彩る散り紅葉明日香
火のごとく修道院のもみぢ燃ゆなおこ
くれないに染めて観音の山眠る菜々
錦繍の四囲の山々空狭し明日香
本坊の日の射す庭隅石蕗の花満天
朝空を五彩に染めて神還るよし女
神迎産土の松しずもりて三刀
吐く息の白くはならぬ寒さかなたか子
子を待つや高架線行く汽笛冴ゆ治男
満天星の真っ赤に燃ゆる紅葉かな智恵子
2016年11月29日
さざんかや猫つ毛の嬰の指しやぶりなつき
茅葺きの家は落葉の屋根重ねせいじ
炬燵出しぐらつく脚を直しけり智恵子
柿を捥ぐ竿するすると手さばきに菜々
落武者の里とや散居冬の黙たか子
冬の雲山の稜線鮮やかや治男
引売りの土付けしまま小蕪買ふ満天
孫からの電話にほっこり冬の夜こすもす
堂々と大根太る草の中よし女
日没へ変はりゆく空秋惜しむ有香
天守閣大河へ釣瓶落としかな やよい
単線の通過待ちなる駅小春たか子
自転車を押して駅より銀杏道有香
冬うらら羽紋見えゐて鳶の笛 やよい
店頭の赤並びたるポインセチア満天
猪狩りの犬引き連れて山に消ゆ三刀
柿を捥ぎ尽くして空のがらんどう菜々
ジョグの道枯葉は踏みしだかれをりせいじ
小魚の飛び跳ねてゐる川小春まゆ
朝採れの露にまみれし野菜買ふさつき
白壁の蔵に影して冬木立治男
障子開け鹿威しの鳴くを待つ智恵子
山の寺井桁に大根干されをりこすもす
裏門へ列の伸びたる大根焚なつき
柿落葉一枚毎の貌と色宏虎
流し目の出会いがしらの雪女宏虎
飛行船冬の夜空をゆるゆるとよし女
2016年11月28日
境内のベンチに夫と見る紅葉ひかり
舞ひ上がる枯葉ちゃっかりベランダに智恵子
まなかひに海坂展け松手入れさつき
靴沈む如く幾重も敷紅葉こすもす
タイミング計り外出時雨模様こすもす
七人の敵無く夫の日向ぼこたか子
伐採の切り口濡れて冬に入るよし女
遠山へ斑に冬日当たりけり明日香
曙杉淡き照葉の遊歩道ひかり
どんぐりの頭に降りきたる城の坂 やよい
分けるほどの遺産とてなき秋の行くはく子
高尾山いまは紅葉の山となり智恵子
時雨中極秘の方と急ぎ会ふ宏虎
園丁に花の名問ひし小春かなたか子
朝一錠くすり勤労感謝の日なつき
腹を打ち狸は踊るカレンダー三刀
色葉坂のぼれば眼下松島湾せいじ
再会を約して秋の夕焼かなせいじ
夕暮れの陽に光りたる山紅葉治男
鴨の陣吾を気づいてか音もなく明日香
健診の混む待合ひや日の短満天
名水で更にうましや今年米よし女
鴨の声上へ流るる潮入川治男
銀杏散り尽くして峡の夕べ急菜々
長きマフラーお洒落に巻きてゆったりと満天
湯豆腐や一期一会の異人客宏虎
城の坂どんぐり拾ひつつ登る やよい
九十の翁も上る紅葉坂なつき
2016年11月27日
城の坂どんぐり拾ひつつ登る やよい
庭に得てはやばや今宵は柚子風呂に菜々
身に沁むや震禍を語るバスガイドせいじ
新幹線紅葉の寺門額縁によし女
どんぐりの頭に降りきたる城の坂 やよい
会ひたしと会えば詮無し日向ぼこ宏虎
矢刀の折れるごとくに蓮枯るるぽんこ
冬の雨籠りて珈琲お代はりを満天
コンビニのおでん八時の待ち合わせまゆ
夢中なるフィギュアスケートのエキシビション満天
作業疲れ癒す早風呂ゆず浮きてよし女
氷上を結弦華麗に縦横にはく子
降りしきる落ち葉褥に地蔵尊有香
淡き香や池畔の風の冬薔薇ひかり
吊るし柿軒下離れ化粧箱智恵子
冬耕の土より出でしエロ雑誌治男
控えめに散って地に咲くお茶の花三刀
白菜の小鍋立てする差し向かいこすもす
ベランダに夕日ながなが吊るし柿豆狸
早口のガイドに疲れ紅葉狩なつき
枝先に残る紅葉や今日も見しともえ
山襞に雲を残してしぐれ去るはく子
初雪や山腹に家あらわるる治男
降りしきる紅葉に小さき去来墓菜々
カラオケに行きそびれけり冬の蜂こすもす
城小春ズンダシェイクを食べもしてせいじ
五輪塔のごと山茶花の剪定すなつき
茶の花や村大半の姓同じ宏虎
松笠や生まれ変わりて炭の花智恵子
冬うらら血圧計が記念品明日香
外は時雨少し温めの仕舞風呂ひかり
2016年11月26日
妻がいて流しに鰤の頭あり治男
寒葵葉に覗き見る紫紺花智恵子
丁寧に城の忍者の落葉掃く やよい
足早にマラソン人を抜く枯葉智恵子
青野菜畝にひれ伏す霜の朝宏虎
森深し紅葉且つ散る青葉城せいじ
ヘリにあらず飛行船行く小春かなよし女
冬の河大歩危峡を裂き流るたか子
おんぶの子電車飽きずにみる小春なつき
手を上げて散り紅葉追ふ女の子あさこ
いてふもみぢ歩道に黄金まき散らすはく子
夕時雨京も果てなる墓どころ菜々
仏壇へ賞状広ぐ勤労節明日香
みちのくの湯宿に秋を惜しみけりせいじ
余白なき暦になるや十二月満天
落葉積む刻印浅き残念石ぽんこ
二ケ月の豚の赤らみ冬の水治男
小春日のベンチに上着忘れ物満天
散り紅葉掃き清められ禅の寺あさこ
降らづみの空にまぎれてゆきばんば菜々
鳩翔ちて残るもみぢ葉散らしけりはく子
庭仕事一区切りつきおでん煮るよし女
小競り合い水尾の乱れし冬の鳥こすもす
最後てふ免許更新父小春なつき
旧友と問わず語りに冬うららたか子
石畳五彩の落葉敷きつめてぽんこ
渡月橋借景として紅葉燃ゆ宏虎
ミズドリの横一列の助走かなこすもす
潮先の干潟に集ふ百合鴎三刀
ボランティアの忍者もてなす城小春 やよい
小春日やびんづる様のぴかぴかと明日香
2016年11月25日
お茶室へ弾みごころに石畳菜々
時雨るるや城を根城に野良の猫 やよい
紅葉と相和す丹塗り多宝塔ひかり
夕紅葉城にチャイムのてんてまり やよい
大鍋に二日分にとおでん煮る満天
朝日射す墓地の一隅返り花まゆ
裸木にひと葉残して光る屋根智恵子
大綿のつひと老の手かはしけりはく子
公園のフエンスの下の冬スミレこすもす
有り余る蕾つけたる姫椿治男
笹鳴きや会釈交はして草分ける宏虎
道標に古き郡の名時雨降る宏虎
磊磊の堰に糸引く冬の川ひかり
背高の皇帝ダリア冬うららこすもす
滝壺へ気合いもろとも冬神輿治男
晩翠の碑に口遊む城小春せいじ
街まぶし朝日をはじく銀杏黄葉せいじ
石仏の苔たすき掛け落葉道なつき
金色の銀杏の統べる雑木山明日香
カールしてますますかろき散紅葉明日香
朝寒や両手の拳無意識に三刀
峡深し頭上はるかに冬の空たか子
けあらしの川面を走る寒い朝智恵子
枯れてなほ垣根にひしとさねかづら菜々
マスクして市民課の人多弁なるたか子
秋の蝶在問のごとバギーカー豆狸
それぞれの好みの具材おでん鍋満天
鎮魂の老女の白きカーディガンなつき
海の紺心遊べば千鳥翔つよし女
2016年11月24日
丹の橋の急流かかる冬紅葉宏虎
川涸れて太きかずらの橋渡るたか子
城跡のゆかりの森や櫨紅葉宏虎
初雪や予報当たりて白き朝智恵子
ででむしの眠りを覚ます落葉掃きこすもす
仕舞屋に椎茸つみて峡の里 やよい
旅宿の茶請けの柚餅子家苞にせいじ
舟下り小さき渦生れ冬の水たか子
庭手入れ夫と励みて冬温しよし女
茶の花や箒目の立つ地の匂ひよし女
かなづかひつとに難かし一葉忌はく子
五重の塔見ゆるもみぢの葉隠れになおこ
マスクして目元美し医学生治男
毎日に歓び探す新日記治男
縁日の地蔵詣でや冬ざるる三刀
田の畦にとられぬままに柿たわわひかり
友垣と憩ふ露天湯夕紅葉せいじ
鈴なりの今も生家に柿太るはく子
年木積む庭に割木を散らかして やよい
初雪に明かりさしたる雑木山智恵子
四階へ銀杏黄葉窓隠す満天
掃寄せる落葉にででむし眠りをりこすもす
黄落や暗き本堂出でし目にひかり
猫好きに寄りくる猫や紅葉寺なつき
紅葉散る森の館へコンサート満天
戌の日の若きカップル花八つ手なつき
2016年11月23日
枯れ芒綿菓子のごと膨らみて明日香
泥つきの大根提げる漢の手三刀
高架沿いペダルの軽し北風音治男
綿虫やかすかに青きひかり持ち明日香
葉の無くも走り根厳と枯木立宏虎
溜め池に釣り糸勤労感謝の日なつき
二人居のたつき密かに花八つ手よし女
り敷いてなぞえをうずnm散り敷いてなぞえをうずむ柿落ち葉有香
散り敷いてなぞえを埋む柿落ち葉有香
かしこまり鳥居に辞儀す七五三なつき
だみ声と手締め轟く酉の市智恵子
冬うらら当たりくじ引き宴果つるはく子
みちのくの山粧ひて吾を迎ふせいじ
飛行雲茜に染めて秋日落つ豆狸
十一頭の牛に見られて懐手治男
蓋取れば盛り上がりたるおでん種たか子
小春日や植物園へ人の列満天
東上の道冠雪の富士仰ぐせいじ
小春日や寺の大屋根のびらかに菜々
カラオケ大会勤労感謝の日はく子
おでん酒阪神フアンめぐり会ふ宏虎
錦秋の寺に狩野絵絢爛と菜々
堤防にペダルも軽く冬うらら智恵子
隣家の干し柿程よき飴色にこすもす
天辺に苔をいただく露灯籠ぽんこ
冬の蝶廃鉱跡の登り窯たか子
猪肉のうどん自慢や峠茶屋 やよい
食べ頃はそろそろ軒の吊し柿こすもす
山茶花の白に囲まれ其中庵よし女
小守柿「六時の鐘」のまだ鳴らず やよい
雲切れてシャワーのごとく冬陽さす泰山
2016年11月22日
キラキラと鉄路に真白朝の霜智恵子
点点と置きしごとくに浮寝鳥こすもす
新酒売る境内清酒発祥の碑ひかり
突堤に犬五匹立つ鴨の陣治男
波しぶき浴びもし巡る湾小春せいじ
送金を機械に入れる木の葉髪治男
紅葉坂息あがりつつ愛でにけりひかり
いささかの渋み残れる吊し柿よし女
列島を揺さぶる地震や冬の朝満天
遠山の紅葉引き寄す望遠鏡 やよい
冬ざるる日ロ会談妥協せず宏虎
一渓のなぞへを埋む朴落葉さつき
ひよどりの鋭き声つづく紅葉谷三刀
布にして纏うてみたき照紅葉よし女
川縁に羽根を休める冬の鳥こすもす
顔見世に初恋の人出会ひけり宏虎
谷深し底の底まで紅葉晴やよい
群島を統べるは色を変へぬ松せいじ
冬ぬくし関節みんなゆるくなり明日香
五十円のみくじ吉なり寺小春はく子
紅葉散る洗濯物にくっつきし明日香
朝日受け水面彩る散紅葉満天
霊場の築地塀より木守柿なつき
風落葉吾を追ひこす切通し泰山
唐辛子吊られ売られし道の駅智恵子
秋惜しむうだつの町をたもとほり菜々
冴ゆる顔胸の子もみる地獄絵図なつき
川風に鴨の引く水尾乱れけり豆狸
2016年11月21日
オープンカー数多小春のドライブウェイ やよい
しぐるるや山に囲まれ陶の里菜々
冬ざれや海王丸は整備中たか子
日当たらぬ古き社の露の磴ぽんこ
粧へる山を背にして黄落すぽんこ
走り根を優しく包む落ち葉道智恵子
スカイラインカーブミラーに紅葉照る やよい
蒲の穂の岩場に枯れし相討ち地なつき
日の当たる硝子戸動かぬ冬の蜂よし女
仏のごと黄金散り敷く大銀杏ひかり
瀬の音に覗く奈落へ散紅葉ひかり
藁庇すだれのごとく柿吊るす泰山
魚屋に観音像や冬岬治男
蜘蛛の囲の虜となりし紅葉あり豆狸
片しぐれ寝姿山に生絹掛け菜々
黄落の池塘に鎮もる修道院有香
どの寺も色を尽くしてもみぢ照るはく子
昆虫のたまり場のごと花八手せいじ
銀杏散る中にしばらく佇みて満天
行くほどに色重ねゆく紅葉谷さつき
名刹に日向ぼこりの贅しばしはく子
時雨去り山肌つつむ日差しかな隆松
銀杏落葉ちょっと蹴散らしてもみたし満天
紅葉山朝日に燃ゆる千枚田なつき
日溜まりに婆語り継ぐ木守柿智恵子
玄関に石蕗活ける妻驚く治男
新走り夫は試飲に余念なくたか子
走り根を隠すばかりに落葉積むせいじ
吾影に水脈遠ざかる櫨紅葉三刀
神様を賛美するごと小鳥来るなおこ
義仲寺に枯淡の墓や芭蕉の忌宏虎
錦繍や地下足袋揃ふ庭師どちよし女
山茶花や昔流行りし宿の唄宏虎
2016年11月20日
掃き清め里人の守る神の留守ひかり
隠沼の木陰にあまた浮寝鳥せいじ
旅先の市場に逃げて初時雨たか子
藩主の家宝めぐり余して日の短菜々
橋渡る右も左も敗れ蓮三刀
四阿の屋根に嵩なす落葉かなこすもす
錦繍や鏡なしたる心字池 やよい
冬もやの農小屋閉ぢる千枚田なつき
バス一台やっとの山道紅葉寺ひかり
野良猫の吾に媚び鳴く枯田道豆狸
短日や警備の服の灯が点る満天
赤や黄の紅葉の絨毯そつと踏みともえ
曇天の庭明るくす冬の菊満天
紅葉に色様様や風の吹く治男
身に入むや城門柱に手斧あと菜々
菊日和三々五々と文化祭よし女
用水池空と冬芽を映しけりこすもす
気を入れて句帳を兼ねた日記買ふ明日香
山茶花のほろり窓打つ同窓会宏虎
木洩れ日の森は鎮まり冬に入るまゆ
残り蚊に攻められてゐる藪の中よし女
散紅葉日当たりながら錦なす やよい
山の日に光りて飛べり冬いなごなつき
笑みし母循環バスの紅葉狩り智恵子
破れ蓮や風を突いたりいなしたりたか子
打ち揃ひ太り肉なる浮寝鳥せいじ
手を繋ぎグランド廻る冴える老治男
侘助や絹ずれのする躙り口宏虎
くぐり路いろは紅葉の石畳智恵子
2016年11月19日
冬雲を透かし太陽月のごと明日香
昨夜雨にいよよ哀れや破れ芭蕉よし女
パセリレタス庭に育ちて冬ぬくし菜々
長き夜や地球の裏よりエアメール菜々
色変へぬ磯馴の松や古戦場さつき
昨夜の雨冬霧となり山揺らす明日香
梢洩る日に映ゆ峡の散紅葉さつき
体験用ほら貝吹きもし秋惜しむはく子
ひとつだけ芝のなぞえの割れ石榴こすもす
短パンでグランド走る冬の雲治男
冬うらら長き行列朱衣の僧 やよい
狛犬の阿形の口に落ち葉ありたか子
吐く息の白きに気づく星明かり智恵子
冬のP戸島一杯に松の青治男
寺神社三つ四つめぐり京小春はく子
テレビ置く台拭きあぐる小六月なつき
はじめてのスマホ睨みて夫夜長なつき
夜見れば宇宙の隅に冬銀河宏虎
娘と交はす甘口の酒冬ぬくしせいじ
芝庭に手裏剣のごと散紅葉よし女
山茶花の昨夜雨に散り咲つづく満天
翻るとき白銀となる千鳥三刀
枯木立千の手拡げ月掴む宏虎
伏目なるマリアの像や黄落すたか子
錦秋の小高き杜の古墳かなこすもす
ぶどう蔓アーチに絡む黄葉かな智恵子
夕時雨LEDのライト多し満天
霊山に僧の下駄音小春かなやよい
黄落の表参道たもとほりせいじ
槌の音に混じる木の香や秋惜しむまゆ
2016年11月18日
碧眼の拾ひて翳す散紅葉やよい
幼稚園は風邪で閉鎖や子と留守番こすもす
鏡なる池に影置く夕紅葉三刀
日の差してもみぢは息を吹きかへすはく子
日溜まりにそべる老ひ猫冬隣まゆ
ねずみ黐祈りの森に実を縷縷と菜々
お下がりのスーツ大きな七五三なつき
再会を約せし友や河豚料理宏虎
遊歩道銀杏黄葉に日の射して満天
錦繍の奈良絵葉書を超えてをり明日香
山麓の紅葉場すでに山頂へ智恵子
威風堂々皇帝ダリア園を統ぶ有香
潮入川魚光りいて冬の波治男
山茶花やまさかあの人訃の葉書宏虎
雁の棹つぎつぎ過ぎる佳き日和ひかり
朝5時の月中天にかがやけり明日香
黄落に足を取られし雨後の坂智恵子
七五三の人波が避く婚の列なつき
園内に入るや否やに菊薫るせいじ
構内の百葉箱や散紅葉こすもす
どこまでも紅葉の錦高野山やよい
早落ちし桜紅葉の後わずかともえ
まどろみし老犬の背に紅葉散るせいじ
涸れ池を囲む鉄線鵙の贄豆狸
池小春メタボの鯉のゆるり来る満天
真つ直ぐな冬の鉄路や赤ランプ治男
もみづれる一樹寺苑を覆ひけりはく子
2016年11月17日
大半は失せ物探し冬一日明日香
明けの空月煌々と神の留守満天
持ち呉るるお菜一品あたたかしはく子
信号の点滅はやし冬の暮れ有香
きらきらと水面に日差し山眠る満天
雨音にあらず木の実の降りし音こすもす
神無月永久の合掌マリア像宏虎
宝塔の杜より出でし冬の月なつき
街路樹の根方あかあか鶏頭花豆狸
穭田に影を落として大鳥居 やよい
トランペット聞こゆ寺苑や照紅葉 やよい
冬支度了へて安堵のティータイムまゆ
二人いて思い別べつ水仙花治男
冬うらら笑みのこぼれる夫の留守明日香
粕汁にほんのり頬染む子供達智恵子
小春日の琵琶湖を眼下天守閣菜々
なだらかな遠嶺を見つつ冬耕す三刀
錦繍の山に抱かる修道院はく子
藩邸の堀を悠々黒白鳥菜々
鉄棒の順待つ列や園小春こすもす
墓地の上山高高と冬紅葉治男
ポインセチア一期一会のコンサート宏虎
金色の鯉の跳ねたり神の留守なつき
濡れ落ち葉避けるごと行く盲導犬智恵子
2016年11月16日
小春日の宮の歴史を延々と満天
本殿へ一直線や散紅葉満天
朝一番スイッチオンはストーブや明日香
柘榴割れそこら火花を散らすごとよし女
狛犬や小さき祠に散り紅葉たか子
冬の雲スーパームーンを隠し得ず菜々
僧院も神社も訪ふて紅葉狩りたか子
修道院庭を縁取り石蕗の花こすもす
鳰の出る場所の予想や牛の声治男
とりどりの帽子の児らや冬日燦こすもす
通ひ路の寺の紅葉を打ち仰ぎよし女
冬桜白砂に詠む詩仙堂智恵子
健康器具置かれ小春の遊歩道やよい
おしやべりは日向へ移りみかん狩りまゆ
冬空へ女子ただ一人槍を投げ治男
朝霧の解けて牧場の牛そこに智恵子
朝寒やスーパームーン西の空三刀
産土へ磴は胸突き落葉降る菜々
氏神社古色にもみぢ炎ともはく子
小夜時雨寛ぐ外湯傘と下駄宏虎
楼門に嘴を研ぎたる冬鴉なつき
鵙の晴信長塀を婚の列なつき
夫夜ごと庭の冬菜の虫退治やよい
不穏なりきょうちくとうの帰り花明日香
産土の日々の奉仕の落ち葉掃くはく子
シスターの微笑む会釈冬薔薇宏虎
2016年11月15日
神迎へ近し氏子ら斎庭掃く菜々
紅葉の透けて青空尚青しこすもす
七五三七三分けの父子かななつき
冴えわたる空へスーパームーン煌々と満天
マリア像映る池面や紅葉又こすもす
トタン屋根叩く雨音冬めけりよし女
舫ひ舟竿さす先の枯れ芒智恵子
休耕田をとこが一人ふところ手たか子
積み重ね足裏にやさし松枯葉はく子
華やかにディオールてふ名冬薔薇たか子
鉄筋の寺院賑わう冬の光治男
教会へ来て見て欲しいこの錦繍明日香
景変えし中洲に集う浮寝鳥治男
玄関を埋めし大輪菊の鉢さつき
切りもなき落葉掃く僧名所寺 やよい
おめでとうに親の笑顔や七五三よし女
山茶花や咲くも散るにも唖然とす宏虎
鳥避けのCD下がる照紅葉明日香
かんざしの鈴ここち好き七五三智恵子
落葉掃く観光客の途切れては やよい
農園主くるる熟柿にかぶりつくなつき
神迎へ近しひさかき艶々と菜々
カリヨンの音に舞ふごと散紅葉満天
深秋の里にをちこち畠煙まゆ
店先の袴姿や七五三三刀
泣き笑ひ百面相の七五三宏虎
2016年11月14日
腕組んで佇む翁冬菜畑こすもす
冬菊のほそきひとえだ鶴首に満天
谷底の日当たるところ冬耕すさつき
ステ−ジより知人見つけし冬に合唱治男
坂登る常に眉間に冬日射しよし女
おでん鍋まずは大根こんにゃくとはく子
錦秋の半島猫の形してこすもす
半纏に下駄を鳴らして温泉街智恵子
風呂吹や昭和一桁肩並べ三刀
籠ること日ごとに増えし冬の雨明日香
カメラに背向けて恥じらふ七五三なつき
威風堂々皇帝ダリア園を統ぶ有香
一両車触れんばかりに柿たわわさつき
早々と手先荒れるや冬に入る満天
七五三兄より妹こざかしい宏虎
蔦もみじ大岩石を羽交い絞めよし女
園丁の落葉の嵩の疲れかなたか子
満月や寄り添う猫の影ひとつ智恵子
咲き初めし椿へ開けて玉座の間菜々
山頭火句碑の姿の時雨行くともえ
露天湯や錦織りなす渓紅葉 やよい
千歳飴振る子に鯉の集まれりなつき
庭に得て大根おろしを朝なさな菜々
散もみぢ揺らして鯉の向き変ふるはく子
七五三裳裾はだけて走りくる やよい
潮の引き岬のけむる冬の雨三刀
七五三衣装にかける見栄っぱり宏虎
湯豆腐の日高昆布の反り返るたか子
医療室に人形踊る冬温し治男
2016年11月13日
歯科医院の跡地に赤赤七かまどこすもす
参道に嵩なすいてふ落葉かな隆松
降りしきる桜落葉に兵の墓菜々
冬の夜や年賀欠礼したたむるはく子
夫と剥くこと恒例に吊るし柿 やよい
時雨どき何度も開く傘の中ともえ
門前に懸崖菊や老舗宿たか子
秋の雲渚に寄する波のごとよし女
小春日のセコイア樹相おだやかに菜々
手編みらしきマフラーの子や停留所こすもす
一塵の風止むを待つ落ち葉掻たか子
段上で合唱に参加冬灯治男
小春日や母笑まふごと三回忌ひかり
実南天造り酒屋の庭園にさつき
玉砂利に足を取られる千歳飴明日香
七五三親も雅楽に緊張す宏虎
冬うらら我が町ええとこ写真展満天
菊日和シャッターを押すボランティアなつき
神椎の太き根にふれ冬ぬくしなつき
冬渚水に影置き鷺不動よし女
湖に不動となりて枯れ木立つ智恵子
なだらかに里へとつなぎ紅葉道有香
街道を草鞋で歩む秋日和さつき
岬鼻のお旅所囲み野菊咲く三刀
冬日射し墓碑銘読めし知人あり治男
田仕舞の煙の先に一両車有香
速足やスーパームーンはや真上明日香
小春日の手作り展の賑はへり満天
日溜まりにふくら雀の砂遊び智恵子
公園のイルミネーション芝枯るるあさこ
七五三親子正装みそっ歯見せ宏虎
舞ひ落ちる紅葉葉肩に当たりけりあさこ
小春日や長寿体操体験す やよい
2016年11月12日
たたづめばせせらぎの音紅葉谿あさこ
実南天朝日をはじき真っ赤なり隆松
一樹にしてグラデーションの紅葉かななおこ
小春日やさ庭の掃除はかどりぬ三刀
冬ぬくし震災あとのアーケードなつき
猪よけの電柵囲ふ神の御田 やよい
伸びのびと納屋を覆ひてへちま垂る智恵子
枯紅葉彩の濃淡神の杜宏虎
冬うららコンサートつき書道展こすもす
禅寺のライトアッブや照紅葉あさこ
トランプの良さが見え来る冬の霧宏虎
暮れなづむ空に薄っすら冬の月満天
熱燗や幼馴染みの額に傷治男
腰かける石温かき小春かな豆狸
三人の兄に囲まる七五三なつき
ブータン産てふ松茸のかほり良きはく子
冬うらら3B体操若返る満天
吊るし柿直哉旧居の書斎窓 やよい
地に近く波状飛びして石叩きよし女
剪定の枝葉の始末北風の中三刀
水面を駆くるごとくに鴨翔ちぬさつき
御造替終え万灯籠冬の暮明日香
校庭を駆けっこする落ち葉たち智恵子
干拓地今は大根青々とよし女
赤青黄蒼天に映ゆ冬紅葉明日香
泣くほどに赤子の匂う小六月治男
誕生日松茸料理に祝がれけりはく子
河川敷銀色に波打つススキこすもす
2016年11月11日
身にぞ入む年賀欠礼はがき早やはく子
冬の瀬に歌碑解説の声響く明日香
短日や呼ぶまでもなく猫帰る有香
遷宮を果たしゆるりと神の旅たか子
露地小春飛び石るるとお茶室へ菜々
すめらぎの意見決まらず冬の霧宏虎
朝時雨去りて深みを増せる空ひかり
庭隅に石蕗の黄の光りをり有香
紅葉の虜となりて濡れ縁にひかり
秋旅のテレビに写るわが姿よし女
紙鉄砲爺も夢中の夜長かな智恵子
神灯の淡きに映ゆる冬桜智恵子
文化祭への写真を選ぶ暮早し治男
城跡のライトアップや冬紅葉こすもす
仏塔に散りやまざりし紅葉かな隆松
七五三首にかけたる金メダルなつき
カルストの見わたす限り芒原さつき
ジャム用とゆずの山盛り無人駅明日香
ひよどりの鋭き声や風の中三刀
月欠けて神の旅路も寒かろうよし女
襟たつる木枯し返すビル風に やよい
一末社要の松の色変へず豆狸
山頂の城址は影絵冬銀河こすもす
リハビリは男が多し暖房室治男
水鏡彩鮮やかに冬紅葉宏虎
垣這うて冬も青々さねかづら菜々
続続と喪中葉書や神の留守 やよい
白鳥を見し事も旅楽しゅうすたか子
園児らの小さき熊手落葉掃きなつき
人住まぬ家守るごと石蕗の花満天
時雨どき天気予報をたよるべしともえ
冬菊と野菜を沢に育てけり満天
身に入むや供花おく横断歩道かなぽんこ
2016年11月10日
底抜けの蒼天に垂る小守柿 やよい
枯葉踏む音柔らかや歌碑巡り明日香
木枯らしの過ぎて山肌夕明り智恵子
川音を貫く鵙の高音かな明日香
木枯らしや軽トラの中で団子焼くなつき
装いの山と並走山陰線こすもす
草庵を翳すもみじの濃く薄くはく子
冬ざるる淀屋名残りの手水鉢菜々
箒と箕落葉集めるブロアー音宏虎
大岩を袈裟懸けに蔦紅葉燃ゆさつき
用水路赤く染めるや冬紅葉満天
美男葛垣根にすがり枯れつくす菜々
冬紅葉夕日を受けて燃ゆるごと満天
冴ゆる夜の歌鳴り出しぬ鞄より治男
西空に夕日差ある片時雨ひかり
七五三袖ふり回す歳太鼓なつき
花柊香の美しき小宇宙ひかり
水入らず祝杯あぐる菊日和宏虎
もみじ散る茶室へ飛石丸四角はく子
落ち葉道自ずと人を思わするたか子
寺の鐘聞きつ夕餉の葱を引く三刀
つくばいに薄衣なす初氷智恵子
刃物振り冬菜の整理大女治男
移住して今は主役や豊の秋 やよい
筋トレの講習会や冬浅しこすもす
2016年11月09日
パン焼き器今年も出番冬の朝こすもす
早早に冬将軍の予報かなこすもす
鰯雲貫いてゆく飛行雲隆松
義太夫の背ナ曲げ噎ぶ木の葉髪宏虎
ひたき来る握手をしたきほど近くよし女
小夜時雨窓打つ音に目覚めけりひかり
木枯しや白波の立つ瀬戸の海三刀
風邪声のその気にさせる刃物売り治男
初しぐれ大川端をもとほればはく子
冬に入る挨拶交はし小走りに満天
夕明り明日供える野菊摘む豆狸
みかん風呂美肌と聞きてつい長湯智恵子
風邪の子とトランプ遊び負けもして有香
足湯する平和な姿神無月宏虎
風の神絞り出したる虎落笛たか子
玉の日のお宮参りや神の留守はく子
質問の多き児といる小六月たか子
木守柿心もとなく風に揺れなおこ
だぼ鯊の大口料る朝市女なつき
奥宮へ坂はゆるやか石蕗は黄に奥宮へ磴はゆるやか石蕗は黄に菜々
軽のバン流し豆腐屋時雨寒ひかり
風邪の子とトランプ遊び負けもしてして有香
冷やかや階段広き旅籠あと やよい
茅葺きの屋根に寄り添ひ柿たわわ智恵子
神無月潮入川には潮満ち来菜々
冬めきて両手に包むコーヒーカップ満天
冬波を蹴立てて帰船湾に入るよし女
今朝の冬顎にマスクの朝市女なつき
豊年の村によろずの店ひとつ やよい
水鳥の声の響けり二日酔治男
2016年11月08日
軒先の朝の香りや花ひいらぎひかり
冬うらら19歳のビーグル犬明日香
暮早し湿りの残る洗濯物明日香
時雨来て献立決まる夕餉かな満天
登山道姿見えねど鹿の声智恵子
山の茸水浴びし如露に濡れともえ
磊磊の白きしぶきや石たたきぽんこ
冬の川魚は留まり缶流る治男
旅のホテル玄関に貼る「熊注意」 やよい
秋手入れ年輪に樹液滲みけりよし女
舞殿に木の葉舞い込む留守の宮はく子
八宮のふたつ巡りて冬に入るなつき
九十九折のアップダウンや紅葉山こすもす
人訪わぬ弁慶の墓冬近したか子
木枯らしや太陽を描く園児の絵なつき
鴨の来て賑はい戻る池の面三刀
山茶花や浄土に遊ぶ友の数宏虎
初時雨町一面を灰いろにはく子
縁結び日本一宮神の留守 やよい
夕刊や日向ぼこめく庭椅子によし女
冬の霧やり方数多俳句会宏虎
冬雨に遊具は孤立子等の声治男
膝掛けの婆に寄り添ふ猫至福智恵子
目玉焼き色の朝日や冬はじめこすもす
みちのくの散居の里や山眠るたか子
時雨るるや園の野菜の生きいきと満天
知恵の輪のねじれほどけぬ愁思かな豆狸
2016年11月07日
塩田へ波の花飛ぶ冬の能登 やよい
時雨忌に雨にも遭わずひかり堂たか子
山影となりし温泉の町紅葉冷えなつき
紅葉川ねねの微笑む橋たもとなつき
立冬の空へ高層ビル数多満天
散り初めて辺りあかるき槻紅葉菜々
老の家庭一面に冬青草治男
豊作に犬も輪のなか村祭り智恵子
晴天に干し場を埋みて冬支度智恵子
秋手入れ良き日続きてはかどれりよし女
穏やかな立冬の朝健診終え満天
冬温し近松展示日本髪宏虎
一灯に寄せ鍋囲む夜の影宏虎
バーベキューの煙と匂い冬隣こすもす
蟷螂の卵集める楽しみに明日香
美容液肌に染み入る今朝の冬有香
秋手入れ大木五本倒したりよし女
冬近しかすかに木の葉燃す匂ひ豆狸
海坂へ一本道や秋澄めるなおこ
屋根つきのバーベキュー場紅葉山こすもす
干し野菜軽く乾きて冬に入るはく子
女の神へ紅葉且つ散る小さき門菜々
菜園の寒菊やつと花ざかり明日香
鳥居たつ入り江や冬の濤高し やよい
冬来たる鯛焼き求め学生達治男
コスモス園囲いの綱に忘れ傘ぽんこ
ヘリの音どこからするや天高し隆松
七五三写真モデルに飽きて子ははく子
芭蕉忌や句碑めぐる旅冬はじめたか子
剪定を終へて広々冬に入る三刀
2016年11月06日
笛太鼓里に轟く秋祭 やよい
ゆく秋や動かぬものに羅漢像よし女
底冷えを津軽三味線吹っ飛ばす満天
切り通し壁明かりなす草紅葉智恵子
目標は寿命百歳今朝の冬宏虎
瀬流れに触れんばかりの秋桜よし女
古民家の小春の縁に古ミシン やよい
花ひいらぎ句に関わりし十余年ひかり
やわらかな日射しに青々冬菜畑菜々
大道芸の笑いと拍手に秋惜しむこすもす
枝先を揺らし飛び交う冬の鳥ともえ
ギター膝に懐かしの歌秋惜しむ満天
子を背負い回廊磨く一茶の忌治男
木曽川越え長良川越え暮れ早し治男
段葛さくら紅葉のくぐり道智恵子
白湯飲んで早寝早起き一茶の忌なつき
ふる里の味噌こそよけれ蕪汁菜々
一茶忌の旅荷三つに振り分くるなつき
青々と畝盛り上がる冬菜畑はく子
首筋を過る風あり冬の音明日香
蓮枯れて下根の太る泥の中宏虎
夕時雨ふと妣のこと過ぎりけりひかり
陽のあたる壁産卵のいぼむしり三刀
秋空や宙返り飛行の跡五つこすもす
2016年11月05日
管楽器で童謡奏し生徒の秋治男
獅子舞の赤き胴体秋日濃しやよい
正倉院展大行列の秋晴るるこすもす
燦々と居間にさしこむ小春の陽はく子
刈田増ゆ何やらわびし田んぼ道明日香
薙刀舞ふ女装の男の子里祭やよい
遡上なす母川に鮭の波しぶき智恵子
秋の風直哉の旧居の隅隅にこすもす
潺潺の賀茂の流れに秋惜しむ菜々
川鵜いま5段跳びして翔ちゆけりよし女
旅立ちの相談会や身にぞしむ満天
打ち返すボールの音や暮れ早し三刀
ガス灯のともる小樽や秋惜しむ宏虎
小春日や溜まつた家事をひとつずつ明日香
妻有りて仮の世謳歌暮れの秋宏虎
冬近し螺鈿細工の金色堂たか子
日溜まりに気温上がれど風寒し智恵子
次々に訃報入るやそぞろ寒満天
解体の始まる校舎黄落す豆狸
後ろよりそっと覗けど鴨翔てりよし女
降りしきるいろは紅葉やひかり堂たか子
故人より受け継ぎ咲かす大菊花治男
惜秋の糺の森へ鳶の笛菜々
2016年11月04日
講演終へ水面に夕日秋惜しむ満天
秋手入れ庭木の丈を低く伐るよし女
大川の流れゆるやか秋惜しむ満天
秋の風自転車こぎてビル通り治男
橋半ば染むる芒に時の鐘智恵子
一旦停止右窓に銀杏並木かなこすもす
紫峡句碑巡り寺苑の秋の声有香
団栗を拾ひては馳せ母の元やよい
小鳥来る老二人住む陋屋によし女
山肌をセメンで覆い紅葉山治男
新藁を選り分け捩じり草履編む宏虎
ぬくぬくの焼き栗句座にくばらるるはく子
充実の趣味三昧や秋高し宏虎
菜園の出来の良いのはさつまいも明日香
不知火や水平線の其処にあり智恵子
草刈りの漢の後を石叩三刀
冬ぬくしほら前向きにポジティブにはく子
鮭番屋トラックはぬる泥飛べりなつき
縁側に爪を切りをり小六月やよい
皮むけし尾で水打てり鼻曲りなつき
穭田のはや本葉めく田圃かな明日香
秋うららパックリ干しの旅かばんたか子
夕風に穂芒止めどなく揺るる。有香
色変へぬ松隆隆と豪商邸菜々
2016年11月03日
時空超え正倉院展奈良の秋はく子
秋夕焼久々会いし孫とハグこすもす
髪飾りの手作り講座文化の日こすもす
大蛇の首刎ねて了へたる里神楽よし女
小六月母の遣せしくじら尺宏虎
友求め秋の白蝶白壁に治男
受話器越し労わられたる風邪心地やよい
赤々と燃えし熱しか冬夕やけともえ
渡り蝶待てず枯れたる藤袴よし女
ひつじ田へ波打つごとく群れ雀明日香
秋草の色あるものを供花とせりなつき
頑なに本音洩らさぬ木の葉髪宏虎
山の端に冬めく色の雲浮かぶ明日香
峠越え野菊の路となりにけり智恵子
文化の日力作揃ふ俳画展やよい
お湯湧いてやかん笛吹く文化の日菜々
御手洗に山からの水秋の音治男
町会の防災訓練文化の日満天
錦秋や朝日に燃ゆる信濃富士なつき
朝刊にチラシどっさり文化の日三刀
道くさを孫と楽しむ秋うらら智恵子
税大生の清掃奉仕も文化の日菜々
童謡の灯油売りくる冬隣満天
2016年11月02日
山栗や一茶の里の犬の墓なつき
母夜学友とゲ−ムの子の夜長治男
秋寂ぶや飛鳥に謎の石多し宏虎
曲がるつど紅葉黄葉や九十九折たか子
鬼瓦に家紋の燦と天高し菜々
朱の鳥居スケッチする人秋の杜こすもす
島影の端にヨットや秋の海よし女
島翳の澄み紺深き秋の海三刀
玉依姫祀るみやしろ紅葉濃し菜々
斧入らぬ原生林の秋の声やよい
千枚の苅田の裾や日本海やよい
峰々にとうこうみして燃ゆ紅葉智恵子
黒姫山の紅葉見渡す一茶像なつき
公園の人影まばら冬近し満天
陽の射しているかの如き照紅葉明日香
公園のベンチに木の実並べあり満天
風落ちて落葉降り積む義士の墓ぽんこ
群れすずめ今日は来ぬのか刈田跡智恵子
廃線のトンネル出れば照紅葉宏虎
犬散歩の老婆早足秋の暮治男
風邪とトランプ遊び負けもして有香
奥入瀬は木漏れ日薄く紅葉中たか子
2016年11月01日
もみづりて千筋の金糸やなぎ垂る菜々
そぞろ寒みちのくの旅なゐ想ふたか子
翼下いまパズルのやふな刈田かななおこ
雨上がり夕陽にキラリ花すすき智恵子
銀翼の遠心力や冬日燦たか子
雨上がり光る石蕗の葉黄を灯す智恵子
ドーナツを買うて葉月の白砂往くよし女
石室の明王の灯の露寒しなつき
鉛色の雲の流れや冬近し満天
秋の暮れ正倉院展途切れなく明日香
訃報爛吾より若し秋闌ける宏虎
火山灰てふ黒土の大根もらふこすもす
白猫へ黒猫寄りき長き夜治男
青鷺の不動の構へ秋の川三刀
此処だけの話にならず柘榴爆ぜ宏虎
先輩の病身ながら秋太り治男
秋遍路緋衣の阿弥陀に経納むなつき
人の名をふと秋天に忘れけりよし女
石蕗の庭隅ひそと灯をともす満天
のど飴を舐めてウオーク夕紅葉こすもす
2016年10月31日
すなどるも浮き寝も中に鴨群るる菜々
石畳の隙間をうめる木の実かな満天
かがまり聴く水琴窟に木の実落つ満天
林道にからみて灯る実竜胆智恵子
新豆腐床下ごうごう水流れよし女
ミカン狩り香り身に着け持ち帰りともえ
山の径奥に拡がる紅葉狩宏虎
番犬吠ゆ熟柿に来る群すずめなつき
里山の裾野を染める泡立ち草三刀
造成地へ泡立草の背比べ有香
十郎兵衛の処刑の松や稲光治男
ハロウィンや老舗和菓子の練りカボチャ智恵子
社家戸毎見越しの松の色変へず菜々
カーテンを繰れば柿の葉散りにけりこすもす
昼鵙や長説法に膝くずすなつき
秋一日三つの医院で診察受け治男
山低き島は一面青蜜柑宏虎
そびえ立つ宮の神杉秋高しさつき
開け放つ裏戸飛び込む秋の蠅よし女
2016年10月30日
道の駅闊歩のハロウイン衣装かなこすもす
桶ひとつ持ちて渡り湯もみじ宿智恵子
島バスに併走のごと赤とんぼなおこ
コスモスの空へふはりとハングライダー菜々
母前でポ−ズ取る児や秋祭治男
秋深し心耳に聞こゆ青葉笛宏虎
山の茸水浴びし如露に濡れともえ
張り替へし障子の茶室木々の中満天
紅葉燃ゆ守り継がれし武家屋敷やよい
明日香
褒められてゐるひまわりの笑顔かなよし女
夕陽に染まり煌めく鰯雲三刀
銀杏散る場所と形や幼児の手治男
花すすきはらりと挿して父母の墓よし女
秋雲に見え隠れして飛機のゆくなおこ
隠居所のくつ脱ぎ石に秋日濃し菜々
休火山の火口を囲む薄紅葉こすもす
石蕗の黄や水琴窟の音澄みてやよい
秋灯下ルーペで見たる体内仏なつき
秋日燦鰹木きらり弾きけり明日香
玉砂利を撫でる箒や楠落葉明日香
工場の庭の一隅秋桜さつき
松手入世界遺産の寺庭に満天
コスモスやごろりと揺らす力石なつき
紅葉場を降るケーブル露天風呂智恵子
忍ぶ恋木の実色付き落ちにけり宏虎
2016年10月29日
爽涼やからんと滑る浴室戸よし女
つい足で踏んで確かめみなし栗ともえ
校庭に大鍋鎮座芋煮会智恵子
出雲へと分かれ別れに神の旅宏虎
束の間の虜となりて秋落暉満天
月の出を待ちつつ歩く川堤まゆ
控えめに庭の片隅杜鵑草三刀
車椅子桜紅葉のトンネル来やよい
堂縁に天狗の手形もみじ燃ゆやよい
烏瓜の大家の垣根連なりぬ治男
文化の日クイズ答えて飴一つなつき
大河より氏神様へ秋の虹治男
小春日を列島分かつ裏日本宏虎
雲ひとすじふたすじ残し秋落暉満天
指笛を鳴らしえいさあ文化祭なつき
大花野ガードレールのなき原野智恵子
赤い羽根募金済ませてお茶席へこすもす
ハロウイン菓子屋の猫も魔女となり隆松
往く雲を眺めてをれば小鳥来るよし女
秋惜しむ蕉風発祥の碑なぞり明日香
朝まだき神杉霧に抽ん出しさつき
2016年10月28日
百選の棚田を抱き山粧ふぽんこ
秋雨や俄か庭師の休息日三刀
今年酒長寿祝い後写真撮る治男
揺るるのが好きと風呼ぶコスモスかなひかり
秋しぐれ庭の芝生へ音もなく菜々
深秋や百年を継ぐ武徳殿やよい
獣害のトマト添え木にうなだれて有香
長き夜宿題さされ吾にもミス治男
急行バス停まらずはしる刈田道なつき
天と地と水の芸術今年米よし女
里山の景に水車も菊花展はく子
はららごのいくらに変わり勧む酒ともえ
愛犬と駆ける砂浜鷹高し智恵子
野辺送り初物美濃柿傍らにこすもす
天高し書院の庭より五重塔満天
秋しぐれ球根植ゑし土濡らし菜々
秘仏見に婆秋冷の杖ついてなつき
秋しぐれ還骨法要皆寡黙こすもす
外に出れば幽かな音色鉦叩明日香
黄落のしるき山路を歩きけりまゆ
コンビニも分業多しおでん売る宏虎
富士の山三分割に装おえる宏虎
湖岸道楓紅葉の並木なす隆松
走り根の絡む城塁蔦紅葉やよい
秋晴やうぐひす張りの音高し満天
錯覚か 小さき黄蝶のふつと消ゆ明日香
外輪山富士を囲みて薄紅葉智恵子
今年米積んで村人神輿舁くよし女
2016年10月27日
秋晴に水輪のおはじき山の池菜々
庭手入れ柿を口にし小休止三刀
騎乗なる幸村凛々し菊人形はく子
役員の交代時期や秋深し明日香
小春日や僻地の暮らし鍵要らぬ宏虎
秋晴や白壁つづく城下町菜々
根ぶか汁味噌は娘の手づくりにはく子
秋晴や蔀戸全開御室御所満天
コスモス畑ロープで囲ふ河川敷ひかり
赤い屋根日向ぼこなすカフェテラス智恵子
ななかまどラウンジに照るゴルフ場智恵子
木の葉髪賞罰も無く身分なし宏虎
紅葉狩り一夜の冷えを待つばかりともえ
秋澄むや川面に鷺の白き影ひかり
鈴生りの柿採られずや児は菓子を治男
月出でていよよ高鳴る瀬音かなまゆ
瀬流れを覗き込みをり秋桜よし女
伎芸天同じしぐさで愁思またなつき
この辺り隆起億年赤のままよし女
繕われ今日は案山子のコンテスト豆狸
畑終いこれが最後とプチトマト明日香
白壁の史跡ビル間に秋日濃しやよい
紅葉宿茶がゆと固きドイツパンなつき
枝豆や酒のつまみに格上がりともえ
秋の園ばらに頬寄す車椅子やよい
松手入終へ衝立の離宮の庭満天
鉄骨を高所で合わす天高し治男
2016年10月26日
六甲の嶺々目交ひに大花野ひかり
大腹の蟷螂急雨を避けられずよし女
あぜ道の主役となりしあかのまま三刀
真弓の実いじくりながら立ち話たか子
しまなみを隠し飛び交ふ霧笛かな智恵子
この道はどこに続くか道をしへ有香
通夜帰り掠れ声なり残る虫こすもす
秋の暮灯の煌煌と全校舎治男
石蕗の黄や前掛け朱色六地蔵宏虎
秋神輿のギヤル大声で雨の中治男
秋深し落書の残る男部屋やよい
二十年振りの菩提寺秋思かなこすもす
秋来たる後期高齢保険証はく子
大振りのざくろ真赤に夕焼くるはく子
秋うらら疎水遊泳河鵜ゆく満天
秋暑し音立て粗ごみ収集車菜々
仏花にと両手に余るホトトギス明日香
壁紙の明治の新聞秋闌るやよい
小流れの三羽の鴨に佇めりひかり
朴落葉浄瑠璃寺を向きて落つなつき
ダリア園笑顔の先の笑顔かな智恵子
竹林の奥に庵す秋灯まゆ
緋袴の巫女かしこまる七五三宏虎
新米の門扉に掛けておかれをり明日香
昨夜雨の地に木犀の星座かなよし女
木犀の散り敷く庭のそのままに満天
菩菩提子の2転3転石庭へ有香
朱唇仏ほほふつくらと実万両なつき
池の面に流る雲影秋深し菜々
牛若は小振りに飾り菊人形たか子
2016年10月25日
塀の上あたり睥睨いぼむしり三刀
寺の池逆さ紅葉の一面にともえ
菊の花五十年目の友の顔治男
柿捥ぎて鴉静かになりにけりよし女
石蕗明かり子授けの絵馬重なりぬ宏虎
子と夫の眠れる墓へ秋しぐれはく子
古町へ茅渟の海風柿熟るる菜々
四囲の山八合目まで霧立ちぬ明日香
屋根よりも高きを伐りて秋澄めりよし女
幾たびも針孔さぐる夜長かなやよい
蜘蛛の囲の星座のごとく虫かかり明日香
ベランダに向いも裏も吊るし柿満天
山の池もみぢの錦縁取りに菜々
白菜の六分の一売れ筋に満天
バリトンの声さわやかや百四歳やよい
鴫休むテトラポットに波の音智恵子
チェンソーの音を間遠に石蕗の花 三刀
道をしへ広き神社を飛び跳い有香
身に入むや旬と枯れあり人生観宏虎
特訓のクラリネットや鵙日和たか子
こすもすの間に間に人の気配ありたか子
吾れ治男母の名夏子秋の顔治男
初瀬川銀の水輪の片時雨なつき
枯葦の音なく昏れし初瀬川なつき
籾殻の煙る間に間に登校児智恵子
2016年10月24日
適塾の縁に座しゐて秋の風やよい
女郎蜘蛛かかる獲物に目もくれずせいじ
五十年菊師の口の一文字たか子
赤かぼちゃ目鼻作られ飾らるるたか子
秋天や香煙の濃き地蔵堂よし女
花盗人なりしコスモス迷路かななつき
秋深し諭吉の遺墨細やかにやよい
座し居れば膝より冷気しのびくるはく子
秋灯し遺品の整理遅々としてはく子
秋晴や空中庭園混み合へる満天
山の池もみぢの木木を縁取りに菜々
小春日の汀捕食の鷺行き来ひかり
生け花の流派一同秋の展満天
縁日の地蔵詣でや朝寒し三刀
秋嶺に色鮮やかな鏡池宏虎
まほろばの刈田美し棚田道明日香
秋深し父と対なす詰め将棋智恵子
分度器に青春戻せ神の留守宏虎
蜘蛛の囲の一尋風にあらがひぬせいじ
一面の刈田に白き煙り這ふ明日香
休日の庁舎の窓灯秋深しひかり
天高し黄昏時の色惜しむ智恵子
山池の波はちりめん水の秋菜々
身に入むや友は病と向き合へりなつき
茶花展籠の秋草お出迎えよし女
手をかざし母の指さす竹の春なおこ
2016年10月23日
芒の穂の稔つてきたり子は読書治男
女王てふ気品の白や秋の薔薇ひかり
子等健に集い父母の忌菊日和はく子
村バスの停まる山門四季桜なつき
今落ちし毬栗にある緑色たか子
ブランコの変わる景色や秋の風智恵子
箒目の庭にひとひら薄紅葉満天
山荘の門前石蕗の花掲ぐせいじ
不動堂供物りんごのいきいきとよし女
禅堂は直と閉ざされ秋深む菜々
スーパーにかぼちゃの重さ当てクイズこすもす
水上バス客の手を振る秋うららやよい
茶の花を目安に始む庭手入れ三刀
ミゾソバや田の一角を占めをりぬこすもす
野趣あふるわっぱの中のむかご飯智恵子
葉先より色付き初めし紅葉かなともえ
花八つ手島の分校外厠宏虎
秋なれや彩り豊に京料理はく子
構われて鎌振り上ぐるいぼむしりたか子
チャイナ語の飛び交ふ参道秋暑し満天
身に入むや城主供養の鳥居朽つなつき
峡薄暮一叢目立つ芒かな宏虎
呆け防止の妻と花札長き夜治男
木犀の垣根金箔撒きしごとせいじ
秋暑し道尋ねれば異国人やよい
霧雨に蜘蛛の囲珠をちりばめし克子
紫蘇の実の香りを漬ける味噌の中よし女
風さやか川辺賑わふオープンカフェひかり
2016年10月22日
笑顔わく集合写真富有柿治男
下生えを彩る花弁秋のばらやよい
秋深し偉大さ肝に兵馬俑宏虎
瀞の面に尾を打ちつけて赤蜻蛉まゆ
薄紅葉路夕陽の山下る智恵子
はんなりと云ふ京都弁菊日和宏虎
草じらみ付くを厭わず分け入りしたか子
悪童が神官となる木守柿治男
霧の晴れ寝象の如き山生るる三刀
棚田米塩むすびなす今朝の秋智恵子
投票箱溢れんばかり菊花展こすもす
半月の山の端離れ揺るるかな明日香
まほろばの刈田の続く棚田かな明日香
元伊勢の茶房に一人おでん食ぶなつき
小鳥来るビル屋上の庭園にさつき
駅弁に初物嬉し栗ごはんたか子
美容室のドア開くたび木犀の香満天
我が町をやっと木犀香を包む満天
手折り来て子安地蔵へ野萱草菜々
みかん狩り肩に袋をたすき掛けなつき
池澄める小さき魚に見詰められせいじ
茶の花や岬の先まで潮引けりよし女
秋空へ宝塔九輪高々とはく子
大好きな女優の名もて秋の薔薇やよい
夕空にまぎれて紫苑高高と菜々
大岩を洗ふさざ波秋の声せいじ
腰痛封じの石に掛けもし秋の寺はく子
柿一葉くるくる回す蜘蛛の糸よし女
句談義やベンチに友と秋惜しむこすもす
2016年10月21日
地野菜のうんちく付きの秋の膳たか子
秋の日に輝く湖水アン想ふせいじ
宇治川の白鷺一羽秋惜しむ満天
百年のステンドグラス秋日燦やよい
青々と生ひて続くやひつじ草 ともえ
芽を出しし畑の野菜に天高し菜々
郵便夫木犀の香に単車止めよし女
秋うらら魚籃観音遊び足菜々
朴の葉を宙吊りにして蜘蛛の糸よし女
大菊の見事な花弁神の技宏虎
よちよちと握る一葉の薄紅葉智恵子
稲を刈る少し離れて二の鳥居三刀
街中の銀杏並木の薄もみぢはく子
山門の臥竜の松の色変へずぽんこ
道しるべコスモス辿る美術館智恵子
街中に里山菜畑実り田もはく子
前の客首振りて観る村芝居なつき
家壊し跡の狭さよ秋の風治男
黄昏や黄金見紛ふ芒原宏虎
秋高しブラスバンドの楽ひびくさつき
蒼天へ秋の蜘蛛の囲重なれり明日香
防火ホ−ス橋より垂れし秋旱治男
筋書きの知りて野次飛ぶ村芝居なつき
蘭亭の池の水際の薄紅葉たか子
朝霧の中に木を伐る音間遠まゆ
日の斑舞ふ桜紅葉の翳す径せいじ
暮の秋神話壁画の公会堂やよい
秋暑し茶団子手にし参道ゆく満天
意を決し高騰のキャベツ買いにけりこすもす
2016年10月20日
閉め忘れ注意の猪垣風開く有香
秋日和お礼絵馬掛く文珠院なつき
き塀つづく寺町秋深し菜々
身に入むやテトラポットに供華と墓碑 やよい
ついて来る猫の背なにも草虱まゆ
高飛びのポ−ルに光る秋西日治男
唐辛子砕きて辛き指の先よし女
木犀の香につつまれて義士の墓菜々
薬草園棘に注意と露の径たか子
土間抜ける風に佇む柿紅葉智恵子
石叩きモールス信号送りけり宏虎
持久走脚長き子や秋うららこすもす
秋の女(ひと)下駄に作務衣の一人旅やよい
水引草句読点めく紅の美したか子
口縄坂するり抜け行く秋の風はく子
急かさるる思い雨毎秋深む三刀
太き幹鎧ふごとくに蔦捩るぽんこ
あまどころ黒き実まさに耳飾り明日香
墳丘に立てば香し刈田風なつき
新米や上手なおこげの炊飯器ひかり
潮入りの流れにのって浮寝鳥さつき
椋鳥の湧き来て駅舎糞の雨智恵子
ビル街に彩づく桜紅葉かなぽんこ
天高し坂の真上に甲山せいじ
鯉奏づ池のさざなみ秋惜しむ明日香
筆塚に添ふ萩の花揺れやまず満天
納骨の日の空深く法師蝉治男
秋の日に肉球見せる老いの猫宏虎
走る子に送る声援秋暑しこすもす
猪荒らす世界遺産の裏山をよし女
木犀の香に四十七士の白き像満天
禅寺に木犀の垣めぐらせてはく子
幽けくもなほ隠沼に残る虫せいじ
2016年10月19日
くちなは坂へうごめく洩れ日秋暑し菜々
猪の朝掘りの痕保安林せいじ
ま青なる空より降り来木犀の香ひかり
木犀の日々に膨らむその香りよし女
行く秋や浪速七坂たもとほるはく子
亡父想う天に咲きたる曼珠沙華治男
無縁墓に秋日射しおり吸収す治男
田の神の石屋根秋の蜂群るるなつき
猪垣の案外低き造りかなたか子
急がざる葉書を出しに月の夜たか子
たれもいぬはずの公園名残萩有香
コンサートの駐車場に残る虫こすもす
秋惜しむ織田作通ひし蛇坂にはく子
綺麗ねと言へば斑猫飛び来るせいじ
故郷の山河を染める泡立ち草三刀
身に入むや残る天井血のしぶき宏虎
芙蓉は実に訪ふ人まれの織田作碑菜々
秋晴や威風堂々の多宝塔満天
顔ほどのしなりてたわわ柚の里智恵子
ポストまで野菊のつづる小径かなまゆ
御堂筋いちよう落ち葉の吹き溜まりともえ
天覧の見晴台や霧とざすやよい
極早生の小粒みかんや無人店なつき
車椅子のソプラノ歌手に秋惜しむこすもす
到来の新米まづは茶粥かなやよい
残る虫途切れ途切れの山路かなひかり
長屋門奥に拡がる紅葉狩宏虎
喧騒の七坂一歩に秋の風満天
斑を濃くし野路に誘ふ杜鵑草よし女
櫟の実染まる葉にのせ拾ふ女子智恵子
2016年10月18日
一陣の風吹きし時葛の花克子
戸を繰れば鼻腔くすぐる金木犀せいじ
手作りの猫のブローチ野路の秋有香
豊の秋古墳あちこち古都は奈良宏虎
泡立草咲き誇りては頭を垂れ治男
縁起物並べる露店秋の風なつき
朝寒の骨董市に目利き寄すなつき
真白なる天使の像や秋の澄む満天
苑奥処み山りんどうひっそりとはく子
秋うらら水輪の真中に亀の首菜々
茜空鉋状なして雁渡る智恵子
木犀や互いに安否長寿眉三刀
薄紅葉水面に触れんばかり揺れ満天
山の路ぶら下がりをるアケビかなこすもす
遣り水 の底に転がる檪の実明日香
行く秋を御山の池に惜しみけりはく子
野良猫の群れ駆けまはる枯野かなやよい
敗蓮の栄華の果てて無惨なり宏虎
釣り人の浜にヒットす秋の鯖智恵子
鴨の引く水脈につきゆく錦鯉やよい
この道も木犀の香の漂へりせいじ
激つ瀬のしぶきに耐ふる蜘蛛の糸さつき
一条の朝日照らすや芋の露明日香
お地蔵のりんご真っ赤や椅子置かれよし女
秋の水天使のかかぐ盤あふれ菜々
灯火親しメガネで読書四歳児治男
山裾を行けばアケビの弾けをりこすもす
旅あとの診察良好いわし雲よし女
2016年10月17日
蒲の絮いま飛び出さん風を待つはく子
平伏す車窓の尾花高速路豆狸
行く秋や基本健診受けてみる明日香
草の花知らぬ名あまた野辺をゆくまゆ
歌舞伎座の前掃く男秋深む治男
不思議なこといっぱいありて鰯雲はく子
登高やけむり真直ぐに溶鉱炉やよい
とりかぶと紫紺艶めくけもの道智恵子
幕間に山の風入る村芝居なつき
酒蔵の白き小窓や小鳥来る宏虎
夜の長し推理小説読破せり宏虎
手びねりの講釈つづく秋の夜満天
新米を頂き夕餉の支度かなひかり
葡萄園最後の甘きを買ひにけりよし女
夕日落つ波止のベンチに秋の人さつき
草花に凭れては飛ぶ秋の蝶三刀
秋風に槻の枝先揺れやまずこすもす
昨夜雨を留め光るや実南天満天
五人男四人は女の子村歌舞伎なつき
神水の澄む堰音や鱒育つよし女
山葡萄翡翠の珠を鈴なりになおこ
秋さぶるゑみしの墓は石のみに菜々
朝上がり秋蒔きビオラ芽の出でて明日香
拡げたる菊の孔雀の羽かおるやよい
木洩れ陽に登る足元木の実爆ぜ智恵子
秋遍路のまなざし澄むや雨上がり治男
秋晴れやトンビやっぱり輪を描きこすもす
2016年10月16日
猫散歩孫引き綱と芒持ち有香
秋の空余分のものを振り払う治男
落ち栗を拾い一礼下山なす智恵子
五平餅屋てふ掛け声村歌舞伎なつき
ふと視線感じる先に案山子かなたか子
鵙たける今日の一日始まれり明日香
秋苗の風にあおられ寄る辺なき明日香
河内野の風に名残の思ひ草菜々
辿り行く古墳彩る草紅葉こすもす
京料理紅葉一葉のアクセント宏虎
阿蘇の牛朝霧晴れし丘に座しともえ
無人駅出でて一面秋桜やよい
妻郁子郁子の実を見て初めて知る治男
時鳥草もっとも供華に相応しくc有香
多々有りし我が青春も良夜かな宏虎
虫の音も止みて草叢いと寂し智恵子
秋晴の大き音すや鯉跳ねる満天
出欠を決めかねている夜長かなたか子
地歌舞伎を演じて古希の祝ひせりなつき
百選の棚田見下ろす山椒の実やよい
茉莉花の匂ひ懐かし異国路地よし女
演習林に育ちしうこん花真白菜々
秋霖や少し早めの夕仕度三刀
こうのとり遊ぶ畦道秋桜こすもす
秋の夜のゆったり流るるピアノ音に満天
2016年10月15日
葉月われ第二の故郷台湾へよし女
泥つきのまま友の手にサツマイモこすもす
朝散歩淀の川風さはやかに菜々
無言劇終へたる後の望の月はく子
秋空へこどもみこしの声弾け菜々
赤灯す左見右見して茨の実智恵子
ただ今は新蕎麦のみと言ふ老舗たか子
秋光のすずの兵隊蚤の市なつき
今日の月思はずカメラ取りに行き明日香
脳外科の看板高く十三夜治男
長き夜の歌のレッスンパソコンに満天
胎内くぐり抜け石山の白き風やよい
秋晴れへ大川豊に潮満つるはく子
真澄なる空爽やかや自転車こぐひかり
木の葉髪ふさふさなせばノーベル賞宏虎
旅立ちの朝煌めく鰯雲三刀
秋澄むやテニスラリーのはずむ音ぽんこ
もぎたての柿を頬張る里の子ら智恵子
雨降りて秋のスイッチやっと入る豆狸
教会のバザーの案内小鳥来る満天
磨崖碑を覆ひつくして蔦紅葉やよい
紅葉燃ゆ展望優る渡月橋宏虎
空港にインタビュー受く秋の旅よし女
そぞろ寒もう一枚と羽織をりひかり
稲架襖まだ充分に青き葉もたか子
涙目で見たかのごとき滲む月明日香
投げ銭にピエロウインク秋の晴なつき
鮭巻きし北海道の新聞紙治男
大通りの交通規制や秋祭こすもす
2016年10月14日
秋晴や赤ぐみの勝つドッジボールやよい
この地球(ほし)は仮の住まいや後の月たか子
爽やかやあさきゆめみし理髪椅子宏虎
へなへなと尾花が笑ふ高速路豆狸
校舎より輪唱の声秋澄めりやよい
戦国の武士の分厚き菊人形宏虎
古民家の上がり框に柿の山智恵子
駅よりの坂道遠し虫の原有香
椎の実よひょんの笛よと植物園はく子
ちちろ鳴く辻にポン菓子散らばれりなつき
落とし穴かとまごふ稲臥してをり明日香
薄雲の薄暮の空や後の月ひかり
おほかたは鳴らずじまいにひょんの笛菜々
切り株は茸に占領されてをりはく子
車道走る空人力車秋暑しこすもす
火鉢売るもみ上げ太き骨董屋なつき
空港のデッキ手を振る遠足子よし女
猫の声に聞き耳たてりそぞろ寒有香
台風の余波に遅れし国際線よし女
穭田に鷺の降り立つ朝まだきぽんこ
江戸っ子のやうにすすれぬ走り蕎麦たか子
人力車に和装の二人古都の秋こすもす
野仏へ肩幅ほどの千草道菜々
学び舎のあちこち灯る秋の夜満天
見慣れたる稜線定か鵙日和三刀
秋の夜のマンションの窓さまざまに満天
曇天に鵙の一声空を切る智恵子
信号待ちふと見あぐれば十三夜ひかり
2016年10月13日
鴨池はさざ波ばかり鴨の居ずやよい
栗名月丹波まほらま母の国菜々
今日も又一人の夜や十三夜はく子
蒲の絮ふはふは綿あめもふはふははく子
疎に咲いてゐても健気や秋薔薇なおこ
境内に続く寺苑や草紅葉宏虎
大雪山へ続いていたる大花野治男
落とし水本流となり逆巻きて明日香
ビニールマルチ剥がし始まる甘藷掘りこすもす
公園のアーチとなりて蔦紅葉満天
旅はいましまなみ海道夫の秋菜々
色多彩年季の滲む菊花展宏虎
この街に未だ馴染めず十三夜たか子
花芯まで日ざしに浸る秋薔薇なつき
ブロック塀に水掛けており秋の風治男
里野辺を歩きて柿のおすそ分け智恵子
昨日より程よき大きさ十三夜有香
遠望のアベノハルカス大花野こすもす
さやけしや小さき額にお聖水なつき
公園のベンチにひそむ秋の声満天
トロ箱を伏せて魚河岸秋の暮れたか子
夜の更けて見えっ隠れつ後の月三刀
秋蝶のぶつかりあっては離れけり有香
おばんざい広げし河原や水の秋智恵子
色なき風わたるや池に錦鯉やよい
身にしむや夜更けに閉めるシャッター音ひかり
案山子だといふより人形明日香路明日香
2016年10月12日
天高し梢に澄みし鳥の声ひかり
石垣の流麗いよよ秋晴れへはく子
低き嶺嶺重ねて丹波豊の秋菜々
慈愛とは美しき言の葉菊日和宏虎
秋燕口をとがらせ稚児泣けりなつき
郁子一つ活けてゆかしき奈良の茶屋ひかり
夕冷えの部活の子等に叱咤飛ぶやよい
通る度手招くすすき多くなりともえ
うそ寒に首にタオルの厨事満天
釣瓶落ししばしは雲の色とどむはく子
秋長くる大川青き水湛え菜々
境内に人影動く秋灯治男
地蔵尊の百日草供華に立ち話満天
小夜嵐銀杏落とす風の音豆狸
啄みし鳥争へる熟柿かなやよい
啄木鳥の快音森にこだまする智恵子
色形数えきれない大花野こすもす
婆ずっと稚児抱きあるく秋日中なつき
もくもくと縁に婆編む吊るし柿智恵子
身に沁むや春琴抄の碑の哀したか子
秋日射す大きな尻の象の皺宏虎
秋うらら薬神祀る小さき宮たか子
雲輝き宵の月出で待ち合わせ治男
2016年10月11日
紅葉鯛白磁の皿の余白かなたか子
山峡の家の庭先柿もみぢひかり
人住まぬ庭に鶏頭伸びのびと満天
ローカルの電車止まれば秋桜豆狸
横断歩道上手く横切る鹿のいてこすもす
親仕事運動会の代休日治男
松虫と覚ゆる声や淀川原はく子
金貸して利息に葡萄姉笑顔治男
天高し竹のやぐらに獅子舞へりやよい
花の球根植えて庭園秋深む菜々
ダリヤ園それぞれ名札つけられてあさこ
棉吹くや洗いざらしの布巾干すたか子
乳母車に子犬を乗せてダリヤ園あさこ
手のひらに確かむ重さ稲穂かなはく子
豊の秋村一面の黄金波菜々
濃淡の黄のコスモスや雲なびく有香
コスモスのコースター映ゆ披露宴智恵子
生きざまをさらけ出したり十三夜宏虎
飛行機雲直線長き秋の空満天
秋風の空へ描くは羊雲明日香
獅子舞デビューの孫に涙や秋祭りやよい
杉木立囲ふ御陵へ鳥渡るなつき
角切の合図の太鼓秋暑しこすもす
島の宿魚拓自慢の十三夜宏虎
花嫁のブーケトス舞ふ天高し智恵子
滾つ川白き水音秋惜しむ明日香
町中の御苑に旅の秋惜しむなおこ
2016年10月10日
公園の遊具カラフル小鳥くるやよい
稜線の松の本数空澄みて明日香
秋の蝶風にふはりと来ては消ゆ満天
竹林に竹のあんどん虫すだくはく子
運動会児らのゴールは親の元智恵子
校庭を借りては地域運動会満天
秋澄むやふるさと山河目交ひに菜々
結婚の門出の会や鷹渡る治男
小峠を越えてふるさと鵙日和菜々
子等達で動物踊り松茸飯治男
秋の日の法螺鳴る門を稚児の列なつき
秋日ざし稚児の化粧の子を負ぶうなつき
通る度薄の手招き多くなりともえ
プチナイフ駆使し散らかし栗を剥くたか子
運動会パンに飛びつくパパ可笑し智恵子
霧流る稜線隠れまた現るる明日香
真剣勝負角切り行事の勢子と鹿こすもす
彼方向きこっち向きして秋桜あさこ
泥塗りは香水がわりや雄の鹿こすもす
展望台見下ろす広きダリア園あさこ
紅葉鯛白磁の皿の余白かなたか子
青空の奥の奥まで秋の空はく子
参道の両側続く薄紅葉宏虎
秋日温し石のベンチに空仰ぐやよい
白萩の風に散り敷く苔の庭豆狸
峡薄暮一叢目立つ蘆の花宏虎
2016年10月09日
老犬や揺るコスモスのもとに座す智恵子
天空の花野に雲の一つなき智恵子
竹明かり夜道ほんのり虫すだくはく子
さわさわとコスモス畑に風あそぶ豆狸
鳥渡る悲史数多なる伊丹郷宏虎
運動会に遅れ走る子大声援治男
まほろばや晴れ間縫いつつ稲刈りす明日香
てるてる坊主の効果てきめん運動会こすもす
午後3時点茶に栗の渋皮煮満天
ポキポキと聴診器出来曼珠沙華こすもす
秋祭鎮守の森より笛太鼓菜々
鵙日和ガイド饒舌もず古墳たか子
雨上がり一枚羽織る秋の風満天
落葉踏みゆく青石の石畳やよい
四年生の琉球踊り運動会治男
勾玉の出でし古墳址大花野やよい
三番叟いま宝前に村の秋祭り菜々
酒抱いて木にもたれ寝る祭衆なつき
こすもすも頷いている法話かなたか子
石畳踏みて音なし濡落葉宏虎
はざ襖続く棚田や明日香路明日香
行厨や四囲の花野を籬としぽんこ
泣く吾子に黄蝶残らず高見へと有香
園丁のタオル紅葉の枝にかけなつき
秋の夜のオカリナ野外演奏会はく子
2016年10月08日
雨予報何処吹く風や運動会こすもす
灯下親し母の手紙を読みかへす菜々
風吹けば月見て踊る影法師智恵子
カネタタキ声変わり聞く庭隅に智恵子
長者道てふ参道や秋日和たか子
竹ろうそく千を灯して爽やかにはく子
ハートフル席に運動会を満喫すこすもす
円墳に茸の傘の半開きやよい
蓮の実のほっこり甘く栗のごと満天
秋日落つ大仏殿の鴟尾燦と明日香
木の実落つ三度巡りの石積めりなつき
赤とんぼ芝生広しとホバリングなおこ
ダリア園パンパグラスの風を呼ぶ有香
フェリー待つ桟橋の先ぼら跳ねる宏虎
灯される竹のろうそく竹林にはく子
幼少時腹を満たせし富有柿治男
花野なか彫刻展やそれぞれ撮る治男
説法に笑い大盛り秋の寺たか子
懇ろに時間長者の菊手入れ宏虎
澄む水にたたずむ鷺の像のごと満天
ばった跳ぶ四葉のクローバみつけたりやよい
泉水にたつ回廊に秋を聴くぽんこ
秋霖の垣根に並ぶ小人たちなつき
蜘蛛の囲のアーチのごとく秋深む明日香
2016年10月07日
東大寺にテノ−ル響き鹿の群治男
嵐去り季節はずれの秋猛暑智恵子
幼稚園の送迎バスや小鳥来るこすもす
メダリスト銀座パレード祝ふ秋智恵子
秋の夜の明るき雲の一筆を満天
村芝居吉良の仁吉の三下り半治男
暮れなずむ空にまぎるる花紫苑菜々
陸橋に続く桜の薄紅葉こすもす
登校子朝の挨拶爽やかに満天
おかわりに顔のほころぶ栗ご飯ひかり
 秋うららラジオ聞きつつ太公望やよい
ほつほつと白砂に萩こぼれをり菜々
農道の左右露草るり零すひかり
新松子百万石を見下ろせり宏虎
身に入むや開運暦の値下げらるなつき
松の芯大手門へと続く道はく子
ヒーローのお面落ちたり秋の風なつき
レースカーテンを貫く秋日かななおこ
縮緬の波に動かぬ鴫一羽たか子
霧の帯纏ふ山々揺らぎをり明日香
庭石の丸み冷やか庵の黙たか子
親猫の必死子を呼ぶ秋の声宏虎
太公望潮の滴る鰯呉るやよい
稲すずめ扇を開くごと飛びて明日香
2016年10月06日
色変へぬ松整然と仁徳陵たか子
老人の像の如くに秋の川辺治男
修験者の錫杖ひびく秋の音宏虎
颱風後グランド一杯水光る治男
秋色の洋服選び登園すこすもす
昨夜の雨受けて色増す式部の実満天
強風にコスモス帰りは向き変わりともえ
逆光のすずめ蜂の巣大きかりなつき
大梯子下りて向き変ふ松手入なつき
風神の大暴れなす秋嵐智恵子
秋霖や磨崖仏着る苔衣宏虎
製鉄の街を麓に山粧ふ菜々
竹の春風が風呼び空を掃くたか子
単線に添ひては離れ秋の川菜々
潮の色纏ひてきらり鰯釣るやよい
舫ひ船舷たたく秋の潮やよい
鶏頭かk2k鶏頭花庭中央に一人ばえ有香
受付より迷路スタートコスモス寺こすもす
自転車の輪に持ち帰る草紅葉智恵子
あかあかと西方浄土へ今し月はく子
穂芒の揺れて事無く一日終ふ三刀
巫女どちや袋に詰める千歳飴よし女
三日月の乙夜の空に高々とはく子
食用の地味な顔して毒キノコひかり
晴天や鵯の渡りも早朝によし女
雨去りてすらりと伸びる紫苑かな満天
蜻蛉の翔ちては戻る潦ひかり
2016年10月05日
終日を台風進路と過ごしけり有香
草紅葉中行く白き遊歩道明日香
稲雀リーダーのいるごと着地して満天
日暮れゆく下校の畦の野菊かな智恵子
ほろほろとダム湖にこぼす萩の屑まゆ
敬老日貸切バスの声高しまゆ
ボ−ル探す校庭横のひつじ田に治男
秋霖の杜の走り根苔衣ひかり
行き違ふ人と笑顔でダリヤ園ぽんこ
暮れの秋サックス復ふ淀川原はく子
台風裡客四五人や映画館やよい
秋晴やポートタワーの果てまでも満天
長雨に穂のもたれ合ふ稲田かなひかり
大秋晴れ富士の真姿五湖よりぞはく子
爽やかや手話の互いの笑み愛し宏虎
角隠し渡る廊下に香る菊智恵子
冷まじや原爆の絵に色のなくなつき
コスモスの風先人の句碑幾つこすもす
稲雀無人駅舎が逃げどころ菜々
秋晴の湾へ向きたる正宗像菜々
手こずるや散歩帰りの草虱こすもす
台風裡白波砕く岩岬三刀
肝心の話に止まる秋扇宏虎
颱風それ碧空いでし子等の声治男
柿熟れて落ちては赤く地を染むるよし女
旅支度確かめをれば小鳥来るよし女
景色より足元注意山紅葉明日香
台風逸れ日当たりながら雨の降るやよい
萩揺るる弁財天の絵馬の下なつき
崩れ簗雨風まかせ朽ち果てぬともえ
2016年10月04日
咲き揃ひ渡りの蝶待つふじばかまよし女
ゆくりなく出会ひし鴫に時忘るさつき
力石の数増えし寺秋桜こすもす
台風や庭の机を木に縛る三刀
身に沁むや百歳越えし書家の線たか子
里山に飛び火のごとく櫨紅葉まゆ
廃園を待つなほざりの秋の草たか子
肩にふれポロリこぼれし椿の実智恵子
団栗の袋ぶら下げ子等の列さつき
是非も無きまったけ三昧夢幻宏虎
栗十つぶ添えて新米届きけり菜々
鳴き交わす鹿の声真似子供らはひかり
磯鴫の浅瀬群れなす旅途中智恵子
秋晴のひと日医通ひ済ましけり満天
古ぼけて飾る夜店の大当たりなつき
屋根の反り楼門遺構や天高しこすもす
天高し白き石筋カールへと明日香
台風に聴き耳立てて旅支度よし女
町中の一隅明るし稔りの田満天
秋晴れに法堂扉開け放ちはく子
工事入る厨片づけ秋暑し明日香
一人見るクイズ番組秋の夜はく子
縮緬の波やダム湖に秋深しまゆ
六地蔵の背に曼珠沙華曼珠沙華やよい
石仏へ刃向かう構えいぼむしり治男
パジャマ着て一人爪切る夜長かな克子
稲光りクラ−ク像の指の先治男
落花生ゆがき程よき塩加減やよい
落馬して祭衣のひざ抜くるなつき
吟行の家苞に買ふ能勢の栗ひかり
石たたき宇治の早瀬を掠めては菜々
家路いま右手に左手に稲架襖隆松
杉玉や新走りあり筆太に宏虎
2016年10月03日
山門に傘をたためる萩の雨なつき
ひとところダム湖に燃ゆる櫨紅葉まゆ
優勝に跳ねる歓声文化祭はく子
庭草の伸び放題や鵙猛るよし女
逆光の赤レンガの門秋惜しむこすもす
秋出水夢に出てきし元会社宏虎
文化祭青春の熱気ほとばしるはく子
霧走るハイマツ覆ふ山肌を明日香
二千畳の礼拝堂や声冴ゆる治男
秋雨に泥運びだす寺普請なつき
鵯渡る雲厚き日は低くゆくよし女
秋高し忍者と登城車椅子やよい
四方山の話の尽きず敬老会まゆ
なびくてふ生き方強し芒原たか子
木漏れ日の青空の間に鳥渡る智恵子
一枚ははや稲架かけて千枚田やよい
野地蔵へ大き天蓋柿たわわ菜々
ノーベル賞受賞でわく秋の夜満天
赤とんぼ七十にして五十肩治男
獏悪夢食ひやれやれの落し水宏虎
きゅんと鳴き煎餅せかす神の鹿ひかり
友情の像へ鳩寄り秋うらら満天
廃線や自然のみ込む大花野智恵子
石仏を撫でて願掛け秋桜こすもす
池澄みて沈みし石は花こうがん明日香
曇天を明るうしたりそばの花隆松
鳴き交はし我が家の真上鵯渡る三刀
踏むまいと爪先立って銀杏の実たか子
トンネルを出る度尖るもみぢ山菜々
2016年10月02日
分け入りて三つほどみつけ花茗荷よし女
コスモスや少女で逝きし友の笑み豆狸
秋渇き部活に励む中学生有香
稲掛けの手早き人の声太したか子
穂薄で窓拭きながら列車行くともえ
里まつり議員の妻の犬連れてなつき
空重し気分も重き秋の雨宏虎
窓開ける高原バスへ秋の風明日香
秋惜しむライトアップの石庭にさつき
秋暁に支離滅裂の夢をみし宏虎
重畳の山に囲まれ稲稔る菜々
電柱に鳶ピー匕ヨロ秋気澄むこすもす
秋暑し木蔭分け合ふ人と鹿ひかり
木から木へリス忙しき森の秋智恵子
語りそうな娘に墓参子等元気治男
園出口見送るごとし稲雀満天
ラッシュ時の駅に転ぶや秋暑しやよい
草むらより湧くごと飛ぶや稲雀満天
打ち寄せて紅白の萩石畳有香
壁のぼる蟷螂太き腹を曳き三刀
もっこりとポッケ膨らむ木の実たち智恵子
病院の早き夕食夜の長しはく子
円陣を解くや秋空指さしてなつき
落ち着かぬ我が目の行方秋ともしはく子
山風に飛び立つ如く蝉の殻よし女
吾亦紅挿せば山野辺偲ばるるまゆ
高階のテラスや月を独りじめたか子
堤防の除草し残す曼珠沙華治男
這松に点々と赤ななかまど明日香
棚田ごとに一尋ほどの稲架並ぶ菜々
二重三重に社取り巻く彼岸花こすもす
藷掘るや子等の喚声ブイサインやよい
2016年10月01日
パーゴラに薔薇の実の赤お洒落なるたか子
秋風に濃くなる色と消ゆる色たか子
だぶだぶの祭法被や小若衆なつき
白頭巾の地蔵三体秋日影こすもす
自販機に募金する世や赤い羽根やよい
竹林はさながら虫の音楽堂せいじ
秋霖や予定の狂ふ農作業三刀
くろがねの廃線隠す草紅葉智恵子
長雨にコスモスさみし色あせり智恵子
値上がりし秋刀魚にちらり素通りす満天
オリンピック目指すてふ宣誓うんどう会なつき
秋晴れに外輪船は悠々と菜々
堰の下お気に入りらし水馬さつき
千灯明火の落ちつかず風は秋さつき
秋出水泥に伏したる稲田かなまゆ
秋の夢マリー訪ねし五番街宏虎
落人の越えしこの淵秋深む治男
手術する妻強気なり秋暑し治男
転作田てふ田に一面蕎麦の花こすもす
雨雫こぼれて萩の花はじくせいじ
咲き切って白粉花の夕べかな有香
大き栗ほどよき甘さ渋皮煮満天
湯剥きして光る無花果うすみどりやよい
かぶと島よろひ島よと湾小春菜々
行く先に浄土夢見る渡り鳥宏虎
2016年09月30日
四つ目垣修理の隣家キンモクセイこすもす
霧はれて彼方に青き近江富士菜々
しじみ蝶風に乗りしか消えにけり有香
供花の如墓地の隣地に咲くダリアこすもす
木も草も雨にしっとり宮の秋宏虎
けもの道塞ぎて繁る山あざみ智恵子
窓放ち木犀の香に酔ひし今智恵子
岬鼻は竹の春なり犬走るよし女
石地蔵麦藁帽を被りけりさつき
甘辛の試飲つぎつぎ今年酒満天
雲脱いでより真澄なる月涼しなおこ
乱れ萩海一望の高台にぽんこ
動かざる古き時計や秋思濃しうつぎ
道祖神囲みて畦の曼珠沙華克子
古稀の子を諭す母あり栗をむく豆狸
園うららサプライズてふ薔薇咲いて明日香
双眼鏡微塵の鷹をとらえけりさつき
秋旅のちくわ作りの体験を満天
獅子舞を犬の見ている秋祭治男
狼藉めける杉林野分去るまゆ
蘆原の傾れに遊ぶ群雀やよい
ふじばかま静かに渡りの蝶を待つたか子
秋出水干潟の海へなだれ込む三刀
秋雨やブラスバンドの弾む音明日香
皮剥かず種も無しとの葡萄できともえ
ローカル線稲田の中の急停車なつき
不揃ひの雨粒宿す彼岸花よし女
秋の潮洗ふがごとく夫婦岩宏虎
枯れ葦の根元ひときわすざく虫たか子
長老がポスターはがす祭宿なつき
マネキンの案山子となりし山懐治男
秋天へ足ぶらぶらとリフトかなやよい
2016年09月29日
窓越しのミノムシ木の葉かと思ふこすもす
大神の大般若経紙魚なけれ「なつき
万灯を揺らし菊の香夕の風智恵子
白露もともに活けたる花一輪やよい
木犀香夜の散歩の話し声有香
我が帽子かまきり乗りてツーショットぽんこ
秋の館クジラの骨の白きこと明日香
湯けむりも混じり山宿霧込めに菜々
金木犀ひと日で満開色も香もともえ
遺言を書かせる講座秋深し治男
木の実拾ふ時間長者の子供達宏虎
団栗の四つ寄り添ふ葉陰かな明日香
ハーブ園のガゼボに句帳秋の風満天
ワイパーに滲むネオンや秋時雨智恵子
大道芸ぽかんと見る兒秋の雲たか子
最古てふ学問の宮秋澄めりなつき
草の葉に塗料こぼれし秋祭治男
一人酌み一人の茶漬け秋の夜うつぎ
停止する踏切の脇彼岸花こすもす
雅なる匂い誘う金木犀三刀
枝先は指で摘まんで松手入れたか子
ローカル線今日は混雑秋桜豆狸
秋霖もまた良き日和吟行子やよい
伊良湖岬よぎりて高く鳥渡る宏虎
掻き出だす泥また泥や秋出水まゆ
しじみちょう鰐口離れず萩を守る有香
秋霖が都会の森を潤せりせいじ
園うらら乙女の像へ鳩遊ぶ満天
朝霧に目覚めは遅し山の宿菜々
小鳥来る骨の巨鯨と遊ばんとせいじ
2016年09月28日
舞ふ幣の蝶を呼びたる放生会うつぎ
秋暑し赤信号の長きこと満天
果樹園にもっとも赤き烏瓜なつき
孔雀ごと扇にやうに式部の実明日香
鵯翔ちて五葉の松は葉を散らすよし女
お行儀の少し悪くてみむらさき明日香
海と空蒼き岬や鷹わたるやよい
濡れつくす庭にひと筋秋日差すなつき
長き夜の幼馴染と昔話満天
覆面と帽子女の松手入れやよい
コトコトと水車小屋にも豊の秋智恵子
コスモス揺れ車廃止し自転車で治男
秋朝日洗濯物の雫光る治男
kimidori有香
秋の空宇宙旅行は夢の夢宏虎
ふかし藷軍靴の響き甦る三刀
黄緑の帯なす稲田峡の里有香
烏瓜遊ぶ里の子興味なし智恵子
秋霖や朝刊読むに昼灯しよし女
鰯雲憂いのひとつ決着すたか子
疎に密に休耕田の秋桜こすもす
嫋嫋にぽつぽつと落つ木の実かな宏虎
内海や波の子もなき秋の晴ぽんこ
窓少し開け虫の音と寝る事にたか子
2016年09月27日
朝霧の晴れて旅路にのる気球やよい
朝顔の鉢より猫の尾が出でりなつき
秋雨や銅鑼の響きに別れあり宏虎
草踏めば思わぬ処バッタ跳ぶたか子
散歩コース道にはみ出し柘榴熟るこすもす
畑に在り咲くを愛でるや彼岸花ともえ
嫋嫋と連理の句碑へ秋時雨菜々
秋西日輝くビルに鳥向かう治男
丸太小屋囲みて絵のごと草紅葉智恵子
秋天へぐんと近付く熱気球やよい
白は右赤左側萩零る有香
藷を掘る背に山鳩の鳴き交はす三刀
コンクリの裂け目を伝ふ蟻の道さつき
下り坂木犀の香の風の中智恵子
青い空白い雲田は黄金の穂明日香
朽ち果てし石仏添ひて式部の実さつき
明日雨と一気に家事増え秋暑し満天
車窓より広告の文字はつきりと秋明日香
畑に在り咲くを愛でるや彼岸花ともえ
ノンアルで乾杯す古稀秋うららこすもす
本性や即かず離れず鳥渡る宏虎
木の実落つそぞろ歩きをひるませてたか子
子連れ行く鳥の形の秋の雲治男
石畳すなずりの萩両袖に菜々
大男つの字に眠る秋うららなつき
秋暑しさっと入らぬ掃除機コード満天
郁子垂るる植木処の案内板うつぎ
2016年09月26日
打ち上げの頬の熱きに秋の風満天
山姥や明けて顔出す霧襖宏虎
小鳥来る乾いた西の風連れて三刀
蟷螂の鎌下げ苔に踏ん張れりなつき
校庭隅灯りを灯す彼岸花満天
賑やかし鳴く虫籠や道の駅智恵子
庭石に秋蝶の影ぶつかれりなつき
カーテンを揺らしうれしや秋の風ともえ
売り切れの無人野菜や野路の秋やよい
萩の道行きかふ人のみな会釈菜々
触れまじと思ひつ触るる萩小径うつぎ
夕陽に一筋キラリ蜘蛛の糸よし女
青北へ眼はつしと大権現菜々
駅前のオータムフェスタにぎやかにはく子
吾勝手気儘な暮らし昼の蟲宏虎
観葉の鉢にたっぷり秋の水よし女
天高し城址の闇に長宗我部治男
桐の実の割れて普請の槌の音やよい
夕方より雨の予報や鰯雲こすもす
予演会まるで本番秋日和こすもす
緋のカンナ猛犬のいる寡婦の家治男
雨後の地に凛と艶やか彼岸花ひかり
燃え上がるなぞへ色染め彼岸花ぽんこ
落ち葉して甘き香りの桂かなさつき
結局は捨てる木の実をポケットにたか子
なりひそめ鈴虫何処へ雨意の夜たか子
石人に梢を洩るる秋日影豆狸
銀杏を大盤振舞大いてふはく子
生け花の主材となりし枯蓮さつき
葉の色もあをから黄へと稲田かな明日香
秋霖や青空恋し日の恋しひかり
新米の炊けし香に待つ至福時智恵子
2016年09月25日
秋暑し選句迷ひし名句あり満天
月見より戻り我が家の上に月治男
沈黙や母と句籠り秋時雨智恵子
とび職のニッカポッカや天高したか子
スケッチを覗きて去りぬ秋の蝶たか子
雲の影くつきり映す秋の山明日香
大将は毛利のかぶと運動会なつき
穭田へ落ちるが如く群れ雀治男
里山に稲の黄続く夫婦旅ひかり
秋淋し筑前琵琶の音色にもさつき
秋澄むやカリヨンの音に陸橋を満天
秋風にいよいよ白し渡来仏菜々
白萩の無垢の光を放ちけりひかり
花びらも蕊もくれなひまんじゅしゃげはく子
爽やかや卓球の縁海を越ゆ宏虎
愁思あり発掘されし石人に豆狸
秋高し郷土力士の初優勝はく子
スーパーのピラミッド積み秋の茄子こすもす
暮れなずむ社を包む虫の声さつき
蔓ひけば空の動くや葛の花やよい
秋耕の畑に仕掛ける土竜罠三刀
子を送り空港出れば秋の雨よし女
音魂の身に沁み入るや虫の声智恵子
萩日和句碑の妹背は何語る菜々
彼岸花畑に在りて愛でる花ともえ
農道の真中を突と曼珠沙華うつぎ
稔り田の波模様ごともこもこと明日香
転寝のあさきゆめみし秋寂びぬ宏虎
祭あと口開けて干す獅子頭なつき
裸婦像の豊胸反らす天高しやよい
2016年09月24日
昨夜の雨含みふくるる萩の道はく子
捨て鉢に一本の花曼珠沙華明日香
萩の雨連理の句碑をすすぎては菜々
秋愁ひ閉じて噛んでと歯医者さん明日香
こぼる時ほのと紅さす萩の露菜々
雨止んで露草のつゆ輝けりよし女
陰祭る妣へ好物柿ひとつ やよい
大護摩の煙に追われ黒揚羽ひかり
萩の寺お百度石も埋れたるたか子
おにやんま追いかける子と逃げる子と智恵子
秋場所の地元力士に拍手喝采満天
秋暑し薬カタカナすぐ忘れ満天
公園の砂場の隅の零れ萩こすもす
白萩の風に散り敷きなほ白し豆狸
滑り台の脇にこんもり萩万朶こすもす
秋祭三輪の升酒ふるまはるなつき
沸かし足すポットの番茶秋彼岸なつき
蟲時雨いつしか眠り夢の中宏虎
鷹の舞ひ雲を貫き旋回すさつき
句碑は皆緩やかな文字萩の寺たか子
書道展の文字読みかねし澄める秋治男
吾亦紅尾根を曲がれば燃えるごと智恵子
kudaともえ
わっと来てどっと飛び去る稲雀やよい
遠来のホワイト仏へ萩盛るはく子
天高く地蔵縁日賑えりよし女
鳥渡る山湖に影を走らせてさつき
露草の小道伝ひに地蔵尊三刀
鳥語降る高原の朝うす紅葉ひかり
鱗雲黄金色して夕茜隆松
草の花高き夢など欲もなし宏虎
果物に無き色のなし秋の色ともえ
確かなる老婆の軍歌秋祭り治男
こぼれ種飛びて川辺に秋桜まゆ
堂々の寿碑色変へぬ松の辺にうつぎ
2016年09月23日
谷あひの穂芒分けて風走る隆松
秋の蚊を払ひはらひて行厨を満天
門前に鎌首もたぐ月下美人なつき
雨あがりやっとの日射し爽やかに満天
霧雨に列なし進む秋遍路さつき
朝まだき厨に生れし紋黄蝶有香
薬医門潜り万朶の萩の径ひかり
廃屋の庭に花野の生れにけり豆狸
萩の句碑連理の大楠その下にはく子
爽やかや通学の児ら整然とこすもす
黄泉発てば「佳き方だった」蟲の声宏虎
台湾行きカメラを選ぶ娘の秋治男
火と燃ゆる枝も葉も無き彼岸花ともえ
新涼や絵画めきたる鏡池 やよい
霧深し峡の一村無音界菜々
百万本別世界なす秋の薔薇智恵子
太刀魚やはみ出しておりトロの箱宏虎
はらはらと散るを見たくて萩に触れたか子
七色の錠剤を飲む生身魂三刀
長雨に身も細りたる芒かな智恵子
老い猫の横たはる木戸秋日影まゆ
石捨て場がんじからめに烏瓜なつき
山霧の流れて現るる窟ぼとけ菜々
豊の秋故郷へ続く送電線治男
立礼に頂きて菓子「おとしぶみ」はく子
境内を知り尽くしたる道をしへうつぎ
推敲の四阿に音なき萩の風ひかり
本堂を守るかに長けて萩の叢たか子
ゆっくりと巡る境内萩の風こすもす
タグボート秋夕焼けを引いて来しやよい
そびえ立つ三鈷の松の色変えぬさつき
高速のなぞえ滝めく萩の花よし女
2016年09月22日
橋の名は由来のありぬ水の秋宏虎
曼珠沙華道行き照らす極楽寺智恵子
美術展出でて台風余波の風やよい
千年を守りし寺の萩万朶たか子
幼馴染の声掛けくるる墓参かなよし女
稲架掛くる息のぴたりと嫁姑うつぎ
病室は鍵なくて良し夜長妻治男
果てしなき高原の闇虫の声ひかり
水亭の臥竜の松の色変へずぽんこ
人生や流れ流され蓮の露宏虎
秋祭り子らに草鞋を履かせをりさつき
秋思ふと亡父似もあり兵馬俑やよい
どんぐりの坂登り切り父母の墓三刀
格子戸の日の丸掲げ秋分の日満天
大護摩へ瑞の桧葉さは秋彼岸はく子
若きらのダンス大会爽やかにはく子
稔り田の上を白鷺の乱舞かなよし女
夫婦して九月生まれや誕生会治男
夜の長し窓打つ雨の音恐れ菜々
たばこ屋の日除け破れて廃業すなつき
カ−テンをゆらし嬉や秋の風ともえ
流れ星叶ふ気がする願ひ事豆狸
穴開きて尚ときめくや柿落ち葉智恵子
推敲の腕に秋の蚊とまりけりこすもす
鉄杖の音響かせて秋祭りさつき
秋出水夫は田んぼへ走り出で明日香
白波と海風に聞く秋の声こすもす
稲穂揺る住宅街の一区画明日香
野辺の茶屋卓に一茎吾亦紅まゆ
しじみちょう羽ヒラヒラと見え隠れ有香
青竹の蓋弘法の池澄めりなつき
ほっこりと電子レンジに蒸かし藷満天
母在さばこの萩叢を如何に詠むたか子
鐘楼を囲み咲き初む秋桜ひかり
2016年09月21日
月光を独り占めなす風見鶏智恵子
潮入の池をめぐるや秋の声やよい
延命橋渡りて入るや萩の寺満天
禅苑のいづくに立つも萩の風菜々
祖母浮かぶ一瞬名月雲間より治男
辛口の法話に緊張秋思かなこすもす
手際よく稲架に掛けるや嫗二人よう子
桐は実に三角屋根の幼稚園よし女
秋天へ屋根の鯱尾を跳ねて菜々
初体験大海渡り帰燕する宏虎
鳥渡る国境いなき空渡るたか子
気配りの蚊取香絶やさぬ萩の寺はく子
台風に選挙カーの騒然と有香
障子閉づ法話室より笑ひ声なつき
秋空やその日その日の高さありたか子
里は今畦といふ畦曼珠沙華まゆ
秋あかね結界のなか縦横になつき
カンタンの編み戸に止まり楚々と鳴くあさこ
月日まで約束のごと彼岸花三刀
門入りて直ぐの投句箱萩の寺満天
桔梗咲く折り目正しきヅカ生徒宏虎
枯蟷螂もごもごとして飛び立てりよし女
踏み切りに並びて待つは曼珠沙華智恵子
手厳しき法話和ます蘭の花こすもす
並木通り桜紅葉に小糠雨ぽんこ
古寺のはぎ詠む句碑へ萩万朶はく子
四十九日前に渡れよ天の川治男
溝蕎麦の古り石橋埋めけり豆狸
竹篭に千草馬籠のそば処やよい
2016年09月20日
台風に向かひて列車帰郷の途智恵子
又ひとつ訃報の届く秋の宵はく子
秋風に緑の木々の黄色増しともえ
タンカーの白き船体秋かすみなつき
さみどりの風となり切り竹の春たか子
里山路かすみのごとき蕎麦の花ひかり
植木鉢根っこは地中台風来明日香
台風に気になる水路ひもすがら満天
爽やかや港の見えるレストラン菜々
テロップ音に台風の向き気にかかる満天
雲迅く台風一過夕日出る宏虎
ハイヒールのかかとの穴や秋の浜なつき
秋夕焼け中に三つ四つ黄金雲三刀
今まさに台風最中読書かなやよい
熟れ時を今か今かとラ・フランスさつき
雨強く魔力のありて秋出水宏虎
ポストまでちちろ虫鳴く道に沿うたか子
昔ばなし訥々と水夫秋夕べ菜々
エアメール異国の秋の夜景かなよし女
天高く紙飛行機の白ひとつ智恵子
葉裏見せ木々の靡くや野分中こすもす
屏風岩すそ削るかの秋出水ひかり
縦笛の間遠に聞こえ秋澄めるさつき
テレビ漬けコース気になる台風にこすもす
鐘楼へ庫裏へと誘ひ道をしへうつぎ
台風の余波に届きしエアメールよし女
玄関に後五センチや秋出水治男
秋深し遺影に語ること増ゆるはく子
露草や砂場に残る山と川有香
台風に崩れし予定ままならずうつぎ
亀の甲磨く女や天高し治男
台風来夫いそいそと点検に明日香
秋風に背ナを押されて吟行すなおこ
那智黒の小路に仰ぐ初紅葉ぽんこ
風一陣蒲の穂絮の今に飛ぶやよい
2016年09月19日
秋愉しトンボのメガネの大合唱こすもす
墓に来て何を語らん秋の蝶はく子
敬老日子の合唱聴く老人達治男
ネット句会に門葉親し獺祭忌菜々
爽やかや神鈴金粉散らすごとうつぎ
バケツ持ち道譲り合う彼岸寺宏虎
夕霧に木犀の香の初便り智恵子
茅葺の土間の高窓うす紅葉ひかり
秋高し新調の靴心地よしやよい
アラビア語の挨拶覚ゆ夫夜長なつき
長き夜や四五日まとめ家計簿へよし女
頭に受くる神鈴の音爽やかにうつぎ
降りぐせの空に期待の無き良夜たか子
祝はれて自覚なき夫敬老日なつき
小鳥来る育苗中のハーブ園やよい
新涼や新聞取りに一階へこすもす
蓮の実を飛ばしうつ伏せ水漬きぬさつき
切株の出水に浸かる刈田かな三刀
霧雨の舗道にひと葉色付きて智恵子
通夜帰り回り道して虫時雨満天
白色の曼珠沙華さく子等の声治男
初鴨や池の景とし整ひぬたか子
袖合す嶺々に朝霧たなびけりひかり
悲話遺言知覧の展示身に入みぬ宏虎
夜もすがら心鎮める虫の声明日香
蓮池のそちこち聞こゆ虫の声さつき
敬老日見守り隊へ礼状を満天
自分より夫の健康愁思かな明日香
敬老日思いがけなき電話かなよし女
墓の供花に彩りそふる秋の蝶はく子
枝折戸へ押し寄せてくる虫の闇菜々
2016年09月18日
一枚の葉になり濡るる秋の蝶明日香
咲き続くお白い花の夕べかな有香
黐は実に橿原神宮とこしなへ菜々
初物のパープルスイートてふ甘藷はく子
野づかさに謎の大岩昼の虫菜々
蛇行する大河の秋を聞きにけりやよい
鳥蛙祝詞を囃す放生会うつぎ
愛らしき絵手紙貰ふ敬老日三刀
庭園の打ち水されし石畳さつき
本降りに円陣を組む祭衆なつき
ゴマサバを釣りて小躍り揺れる船智恵子
森細る鹿の親子と出会ひたりよう子
整理され花野のうわべ裏手入れ  宏虎
秋灯下夫婦別室好き勝手宏虎
秋暑し挨拶するも名を忘れ満天
時折の風鈴の音や心地よし満天
プラチナの光を放つ夕芒なおこ
投げ上げるバトントワラー秋高しさつき
敬老日子に誘われて日帰り湯ともえ
海の月旅のあの人見ているか治男
白壁の塀よりのぞく柿たわわこすもす
畦道や千草の中の赤のままこすもす
倒産の更地を占拠ねこじゃらしやよい
号砲の雨中にひびく秋祭なつき
落水や黄葉打ちて風さやか智恵子
遠雷や夫は机に深眠り有香
行場への鎖ながなが照紅葉治男
2016年09月17日
父母の墓さくらもみぢを天蓋に菜々
無縁墓へも一本の菊供ふ菜々
桔梗のむらさき一輪供花の中はく子
夜干しするひと時照らす満月を満天
滑走路の傍は瀬戸海花カンナよし女
一斉に和する寺苑の法師蝉やよい
鉦叩リズム正しく闇浄土宏虎
狭庭にも可憐に咲きし秋の草宏虎
鍬の手を休め眼をやる帰燕空三刀
高階へ尋ねるごとし秋の蝶満天
道をしえ園の順路を引き返すさつき
秋あかね風を掴みて浮遊なす智恵子
風酔ひのコスモスを抱く海辺かなよし女
青栗やもと藍商の舟着場治男
叢雲を出で吾をさらす月今宵やよい
色付きて汀を覗くななかまど智恵子
塀に打ちし釘の頭や秋の光治男
タイミング良くベランダに望の月こすもす
月待ちてベランダに椅子並べけりこすもす
立待月の在り処か雲のほの白きはく子
玄孫等のはしゃいで拝む墓参りぽんこ
仏間開けはなつ一人の月今宵なつき
畦道へ触るるばかりの稲穂かな明日香
地を這ひて枝の先まで萩盛りさつき
薄雲をまとひ生成りの今日の月なつき
2016年09月16日
小康を得し兄見舞ひ十六夜にはく子
秋の夜は世間静まりもの寂し宏虎
山寺の念仏のごとつくつくしなつき
秋落葉色それぞれや性格も治男
雲間より一瞬出でし名月よ治男
飛機の灯のまたたく空の無月かなさつき
洗われし空にそそたる雨後の月たか子
風が葉を持ちあげしとき葛の花泰山
鏡池影を散らして群とんぼやよい
立ち枯れにニョキニョキ生まる茸かな智恵子
旅の計あれこれ秋の長き夜に菜々
幾たびか外に出で悔し無月かなよし女
小鳥くる南大門の大屋根に明日香
特等席猫にとられし端店かな克子
子供らに飴玉配る村祭りさつき
雨上がり露草の色冴えにけり満天
菩提樹の病葉に風比叡よりなつき
ザリガニも待つ園敬老参観日こすもす
参観日園庭に咲く秋桜こすもす
真っ黒な雲より透ける今日の月明日香
秋夜長古き写真のきりもなく宏虎
天守閣小さき武者窓秋の風たか子
薄ぎぬをまとひ十六夜山離るはく子
子に文など書かん無月の十六夜に菜々
新涼や翼下に富士のくっきりとやよい
地上の灯集めて勝るけふの月ぽんこ
店頭の盛られる一番津軽林檎満天
碧く青く海に映りて天高し智恵子
人逝くや白萩しきりに花こぼすよし女
カーテンの揺れて秋日の波模様三刀
2016年09月15日
まほろばに色づきはじむ稲穂かな明日香
邪魔をする雲に溜め息今日の月こすもす
晩節に晩学をせり夜の長し宏虎
ヴェランダより猫と眺める月今宵有香
村豊か稲穂は黄金の波となり菜々
一村の眠りに落ちた蕎麦の花宏虎
人手ばかり釣れて手ぶらで帰りたるなつき
雨激し真っ直ぐに立つ猫じゃらし治男
待つ月に雲ゆっくりと流れけり満天
穂芒の金色一際風の中有香
ベンチには砂とどんぐり夢のあと智恵子
彼岸花むれ咲くほどに寂寥感明日香
ひつじ田の稲穂ふくらみそよぐ風治男
村一番の美人かかしは菅笠に菜々
満月や雲の海間におぼろなる智恵子
秋祭り公民館の寄付の札たか子
秋祭り本番近し遠太鼓たか子
いのこずち碧の句碑への通せんぼなつき
如何にせん馬鈴薯種の高騰す よし女
品薄の白菜苗は穴だらけよし女
てんぷらの音の弾けて無月なり三刀
満月や老舗の和菓子苞にして満天
ぴったりの皿を選びて焼く秋刀魚こすもす
工場場の重機の下に昼の虫さつき
つらなりて千灯明の無月かなさつき
2016年09月14日
ゆるやかな桧皮の曲がり秋の宮たか子
秋の日の包む商家の光る屋根智恵子
神苑の鹿の目濡れて遠まなこたか子
小雨なか尾花に沿いて堤防行く治男
凛として秋明菊の行儀よく智恵子
口にする種無し葡萄皮ごとにあさこ
秋の雷キトラの四神目覚めさせ明日香
露の世のみな本物と骨董屋なつき
休耕田稲によく似た草一面明日香
秋雨に楢枯れ無惨里の山有香
雨上がり蟲時雨聞く闇浄土宏虎
山向こうより聞こえ来る添水かなこすもす
秋蝶の群れて川辺の昏れなんと豆狸
秋茄子を拭いて並べり朝市女なつき
屋上のメンテナンスや鰯雲こすもす
ふる里言葉車中に聞こえ旅涼し菜々
萩の絵の一筆箋に流るる文字満天
ひつじ田に鴉騒ぐや子猫鳴く 治男
新涼の風に乗り来るサキソフォン菜々
蟷螂の未だ枯れやらず姿消えともえ
一品は自家菜園の貝割菜三刀
寝そびれて一時激し虫時雨よう子
たをたをと信号無視す秋の蝶宏虎
いちじくを捥ぎて畑鍬一服すよし女
高潮の迫り入り江へ急ぐ船まゆ
笑顔描く冬瓜レジの傍によし女
アルプスの主峰の現るや霧晴れてはく子
新涼や朝の点眼すっきりと満天
2016年09月13日
父の忌に訪ふ畦道の曼珠沙華まゆ
無住寺に拾ふ銀杏の小粒なりなつき
神宮の森は豊かに小鳥来る菜々
内覧の四神の館秋湿り明日香
そぼ濡れてキトラ古墳の秋寂びぬ明日香
帰燕する「帰って来いよ」声ならず宏虎
コスモスや赤白帽子の鬼ごっこ満天
泣きたまえ笑いたまえと秋の風治男
桑の実を葉にくるみ来てティータイム智恵子
双塔址稲の香りの只中にはく子
出揃ひし菜を間引く背に朝の風よし女
開け放つ牛舎を抜ける鬼やんまさつき
秋場所の地元力士へ手に力満天
庭下駄の揃ふ出口や今日の月宏虎
秋澄みて大蛇のごとき飛行雲三刀
つなぐ手に団栗握る幼かなさつき
菊月や大社造替粛々とたか子
運動会なかなか起きぬ大達磨治男
外つ国の人にも鹿の愛想なるたか子
照りつけるベンチに渡る風は秋智恵子
いち早く斎庭の桜もみづれり菜々
秋耕のいまたけなわや機械音よし女
礎石あまた残る古寺址昼の虫はく子
名を知りてことさら目につく秋海棠こすもす
くぬぎの実を子ら来て拾ふ姫の墓なつき
後ろ向きにもう一輪や牽牛花こすもす
2016年09月12日
秋晴れに古色いよいよ大鳥居菜々
朝顔の色とりどりを小屋根まで満天
蓑虫やこの世の汚れ知らぬ侭宏虎
まんじゅしゃげ供花に風化の寄せ地蔵はく子
起しやる庭の草々野分あとまゆ
秋の蚊に刺され星空観察会さつき
山林の奥に気をひく烏瓜智恵子
露の世の南無と書かれし木の化石なつき
祖父の家壊す見積もり秋の光治男
スリッパをベッドの傍に震災忌よし女
野面積み石の間に間に草の花たか子
高枝に傘のかかりて台風過さつき
コウノトリ空に悠々稲の秋こすもす
子の時に住みし古家や秋たんぽぽ治男
ががんぼのスローモーション日の斑らなつき
盆栽の日に日に紅す姫りんご智恵子
野づかさに謎の大岩虫すだく菜々
お守りの赤唐辛子吊るす軒なおこ
台風の予報見事に肩すかし有香
秋の翳嵯峨野の暮れの竹の径宏虎
供花のごと陸墓にそよぐ百日草ぽんこ
色鳥や尾羽根に空の色隠したか子
泉湧く水陽炎の揺れやまずなおこ
生れて消ゆ水輪の命秋の雨三刀
庭の色一雨ごとに秋めきて明日香
鸛羽休めをり苅田晴れこすもす
稔り田や法人化なる休耕田明日香
豊の秋ハウスにいちご苗育つはく子
御陵は前方後円秋高しよう子
カケスなく山に水源涵養林豆狸
朝顔の紺に寄せられ立ち話満天
雷や吾が誕生日思ひ出すよし女
2016年09月11日
栗の毬掃き寄せられし里の道さつき
リコーダーの指の動きや爽やかに満天
かなかなやマッサージ器をオンにするよし女
深帽子覗き見もする案山子かなうつぎ
秋天や機影は早も音ばかりまゆ
粒ごとに光違えて葡萄かなたか子
足跡の三倍となり秋の田中治男
目標は三桁なりと生身魂よし女
星月夜十二星座の紙芝居さつき
秋日射し走る注意の師の大声治男
松手入れ広げる大名庭園図ともえ
金亀虫上座の間へと迷ひ込みなつき
試したる石の水切り秋の川こすもす
太陽の傾く窓辺秋暑しぽんこ
鋸の刃のごとき岩山天高し三刀
ベランダに真似れば答ゆ虫の声智恵子
波際を夕陽と歩く大夕焼智恵子
美容室の秋雨予報に今日混みて満天
便箋に余白の多し秋の蝉豆狸
秋天を切り分けてゆく飛行雲たか子
蜻蛉打つ池面に比叡映りたるなつき
黄昏て芒は銀をなびかせり宏虎
稲香る奈良みち畝傍をまなかひにはく子
賑わいの失せし浜辺や秋の海宏虎
草紅葉石の水切り二度三度こすもす
2016年09月10日
山襖くっきり見ゆる月今宵宏虎
時刻む菊の香のせて花時計智恵子
峡の空狭しと過る鬼やんまうつぎ
テーブルに句友持参の萩の花こすもす
秋の小川群れなす魚の激動す治男
先生の机の前の零れ萩こすもす
名園やこぼるる萩をそのままにたか子
廃品の回収終り昼の虫三刀
秋川の空と木立を映す面まゆ
古民家を被ふがごとく萩盛りさつき
三十度きれば涼しと思ふなりひかり
色変へぬ松要とす大手門ぽんこ
街路樹の銀杏落ちて石畳よし女
綺麗ねと幼指さす式部の実ひかり
明智が妻の墓ゆく秋の千切れ雲なつき
河川敷どこまで行けど虫の声さつき
天高しバトンタツチの練習す治男
腹話術に笑ひの絶へぬ敬老会満天
白しろと雲間ただよふ十日月はく子
草丈の高き低きも露結ぶよし女
観覧車映して涼しにはたづみ菜々
ひぐらしの落ちてなほ鳴く未練かな豆狸
園児らはお昼寝タイム小鳥くるたか子
秋晴れに白波立てて遊覧船菜々
秋の旅車窓に探す富士の山明日香
鶏頭や久しく聞かぬコケコッコ―宏虎
秋晴の館全開に和太鼓を満天
僧坊の唸るモーター竹を伐るなつき
棚田分けパズルのごとし秋の色智恵子
2016年09月09日
秋麗の六甲山見下ろし観覧車はく子
一斗缶吊るし峡田の鳥脅うつぎ
新調の秋のスカーフ巻き鏡よし女
天仰ぐブロンズ像に秋高しさつき
赤とんぼ信号待ちの交差点三刀
山影を映す池面や赤とんぼ宏虎
菊の日やつつがなきこと謝し過ごすたか子
冷蔵庫をきっぱり掃除光る林檎治男
登高や二府一県を俯瞰してうつぎ
蜩に急ぐ夕飯準備かなこすもす
山の端に湧き出す雲や秋あかね有香
補聴器のピイピイとなく秋風裡豆狸
秋天へ花壇の鐘の響きけりひかり
本尊の頬やはらかに萩あかりたか子
穂薄の列車の窓を拭きながらともえ
大橋を眼下に燕一家去る宏虎
大噴水涼しミストの風となりひかり
新任のヘルパ−笑顔紅芙蓉治男
無花果の豊作なりてジャム作り智恵子
今年米車検予約のサービスによし女
秋雨のしたたり落ちる鎖樋さつき
悪茄子の赤き実を壺に無造作に満天
一世紀墓の風化や色なき風ぽんこ
秋の蚊や野辺にひそみし吸血鬼智恵子
病院の受付ロボット秋麗満天
比叡背に寄り合ふ地蔵蓼の花なつき
締切まであともう少しちちろ鳴くこすもす
捏ね鉢に大津絵描かる走り蕎麦なつき
2016年09月08日
虫の音を聞き分けながら茶をすするまゆ
黒葡萄白磁の皿に盛られけり宏虎
日暮れまで運動会の稽古音三刀
登高す四メートルの天保山はく子
秋高し昇りきったる観覧車はく子
台風来籠りて歩数五百なり明日香
葛散るや御廟へつづく築地塀なつき
検査終へ夏物バーゲン引き込まれ満天
園秋暑ミストの風のゲートかな ひかり
御手洗の雫の音や秋澄みぬぽんこ
竹藪の葉擦れの楽や昼の虫ひかり
秋灯や日記代わりに投句する明日香
稲光寝室の窓襲ひけりこすもす
烏帽子岩人影まばら浜涼し智恵子
養生に欠かさぬ林檎朝の音たか子
加齢とは未知を楽しむ秋うらら治男
追伸をさらに書き足す秋灯下たか子
雲を掃く風や帰燕の空となるよし女
悪茄子の名とは別なる赤き実に満天
無縁墓の一等兵や菊かおる治男
一服の爺婆隠し稲架襖うつぎ
秋うらら山とは思えぬ天保山菜々
腰垣の上に手繰りて捥ぐ柘榴智恵子
湖近く揺るる稲田の日の匂ひなつき
少将の百夜通ひし露の袖宏虎
秋の風入れて久々針仕事こすもす
小鳥来る日中友好のいしぶみに菜々
運動会の稽古たけなわ笛太鼓よし女
2016年09月07日
色花の中にすっくとシオン立つ満天
カーテンを揺する風とてけふ白露満天
ガーデンの風の香さやかローズマリーひかり
どの草も朝露光る休耕田明日香
路地の風追うて追われて秋の蝶たか子
旅の宿庭下駄露を置きにけり宏虎
楢枯れの山を紅葉と思いゐしたか子
あぜ豆の今花盛り散歩道はく子
水切や川原一面草紅葉こすもす
坊守の靴べらで打つ秋の蝿なつき
白露けふ生駒山巓きはやかに菜々
突堤へ赤子連れ行く秋落暉治男
翠らんの白き帯なる霧たちて明日香
野湧き去る野分け野分過ぐ大騒ぎして枝一つまゆ
尻尾振る朝の挨拶いわし雲ぽんこ
歯を抜きし痕の広さよ秋の風治男
秋高し堤に沿ふて虫籠窓菜々
働けばすぐに疲れて日日草よし女
雷雨去り中天に生る二日月はく子
秋干潟長き己の影法師三刀
果物の籠に鎮座レモンの黄智恵子
川風や土俵の跡地の草紅葉こすもす
松手入れ若き庭師のしゃぼんの香なつき
西鶴忌恋を知る猫知らぬ猫宏虎
黄明りの女郎花分け苑こみちひかり
海遠くカンナの燃ゆる干拓地よし女
近寄れば大女なる案山子かなうつぎ
野葡萄の色どり楽し水彩画智恵子
2016年09月06日
風の道一筋増やし野分去るたか子
懐に子抱く観音秋灯しなつき
子安観音供は人形とゴマ麦茶よし女
川風や腰をおろせば草紅葉こすもす
秋の雲一筆書のごとかすれ隆松
残る蚊に眉間くはるる太子堂なつき
指先をしとどに濡らし梨を剥くたか子
水切を試す川原の赤のままこすもす
つんつんと芒の若き穂なりけりひかり
野分来るはや売り切れの直販店さつき
朱の鳥居潜りしっとり宮の秋宏虎
桃色に空き地を染めてツルボ咲く智恵子
声の飛ぶ割引セール秋暑し三刀
切支丹燈籠に触れ萩揺れる治男
選挙カーを見送ってゐる案山子かなうつぎ
秋蝶の舞上がれずや豪雨あと明日香
夕芒部活帰りの声土手にひかり
松茸の幟にちょいとUターン智恵子
秋の虹夕日沈めば消えゆけりさつき
雷雨去り生まれたてなる月上ぐるはく子
秋茄子のレシピ数多に迷ひけり満天
音かすかゆつくり開く遠花火ともえ
料亭の池のさざなみ夜夜の月宏虎
酔芙蓉出窓開けば婉然と菜々
かまきりの図鑑の楽し灯の親しはく子
三輪山へ秋虹かけて雨終わる明日香
新涼や樹下の真白きテーブルセット満天
崩れたる石灯籠や秋の風ぽんこ
芋嵐フオ−クダンスの冷たき手治男
たもとほる千仏寺苑風の秋よし女
くさぐさの庭花を統べ紅芙蓉菜々
2016年09月05日
遠景の琵琶湖大橋館涼しこすもす
子ら去りて泥をすくひし捕虫網なつき
豊秋のカラフルテープをどりけりよし女
江ノ電の行き交ふを見る砂涼し智恵子
秋暑し訓練三度のエリアメール満天
白桃を食べるに惜しき色かたち宏虎
紅芙蓉の今日も一輪老の日日治男
一杓の名水に聞く秋の声よし女
手づかみの赤子の手掴み秋暑し有香
チョウザメの食事タイムや館涼しこすもす
秋日影濃ゆき白亜の人魚像なおこ
新涼や初の茶碗に茶を点てる満天
高梯子クレーンも駆使松手入れひかり
地響きに空焦がしけり花火果つ宏虎
洗いあげしカーテンゆらす風爽涼はく子
走り蕎麦新装開店古のれん智恵子
松手入れ頭上に声の飛び交ひてひかり
コスモスの向き様々に日ごと変えともえ
身にしむや運転免許いつ返す明日香
役場跡の碑囲むねこじゃらし三刀
心字池端にかきつの返り花なつき
生首のマネキン案山子夕暮れて治男
句作りは多作多捨とや西鶴忌たか子
2016年09月04日
水掛不動の長き真言小鳥来るよし女
宮の杜ぬけて稔田揺らす風はく子
水連の黄に下りたちぬ白き鷺ひかり
離陸する機影のくぐる虹の橋さつき
突然に闇を騒がせ虫時雨有香
新涼や箒手に手に立ち話さつき
蓑虫の聖人のごと日を送る宏虎
彩雲の湖畔静かや夕涼し智恵子
台風の逸れてざりがに釣りの子らなつき
桃かぶり味と芳香至福せり宏虎
目の高さたわわに熟れる棗かなこすもす
夕散歩あぜ道そこは虫浄土はく子
藤の実のはぜて何処までいったやらこすもす
季節ごと見飽きぬ棚田稲穂揺る明日香
新涼や童のすがる観世音三刀
誕生日に西瓜くれるや母に供う治男
台風の又ものろのろ雨連れて満天
隠沼の木賊の緑涼しかりひかり
酔芙蓉油の匂う提灯屋治男
大寺の栗重そうに揺れてをりよし女
貸農園へ二百十日の雲走る菜々
灯下親しお守り袋など縫はん菜々
ウオーキングペアの挨拶爽やかに満天
草ぐさの葉裏にとどく月明かりともえ
高速の壁にちらほら蔦紅葉智恵子
デザートはスワンケーキや卓涼しなおこ
穂の垂れて踊る田んぼとなりにけり明日香
借景の台風一過空ま青なつき
澄む水に鯉翻る心字池泰山
2016年09月03日
筆立ては箱根の寄せ木灯の親し菜々
取れ過ぎた野菜の工夫夜なべかな明日香
芋の葉を乱れ打ちせる通り雨まゆ
身にしむや言った言わない友とでも明日香
白萩の揺れて誘ひし古刹かな智恵子
発電のプロペラ涼し前は湖こすもす
三つ四つ選び秋蒔き種袋三刀
誠実に恙なく生き鉦叩き宏虎
otoともえ
萩の風追ひ越してゆく脚美人宏虎
戴きし酢橘ふんだんするしぼるたか子
小鳥来る鎖からまる子犬かななつき
朝顔の種干ししまうマツチ箱ともえ
不老水めざし人来る小鳥来るよし女
パプリカの赤が効いてる夏料理こすもす
キッチンの片づけ終へて虫の声満天
ひとひらの煌めきに映ゆ柿紅葉智恵子
秋暑し鼻の剥げたる撫で仏なつき
体操の立ち位置いつも草の花たか子
さわやかやパッションフルーツ初体験はく子
吊時計おもしのごとくゴーヤ成るさつき
新涼や医師の助言の健診に満天
案山子翁しっかり結ぶヘルメットよし女
吟行に行ける幸せいわし雲はく子
灯下親し声出して詠む一茶の句菜々
2016年09月02日
入院の荷に水加へ防災日なつき
軒先きに雨をしのぎて菊香る智恵子
秋灯下ひとりの卓もひと月にはく子
吾が庭に尾花揺れたり子猫の目治男
新涼や同窓会の案内来る満天
涼新た手の平にとる化粧水菜々
空を描くてふ講演や秋の午後こすもす
浅漬の茄子が好物朝の膳宏虎
礎石のみ残る寺跡昼の虫ひかり
日の丸振る青ネクタイの案山子かなよし女
秋の蝶つがいふた組もつれ飛ぶ 明日香
錦蔦イタリア料理の店繁盛よし女
たっぷりと尾にも塩して初秋刀魚たか子
秋澄むや揺れ止まらざるかずら橋宏虎
新涼の樹下整然と石仏ひかり
延着の特急電車秋暑しこすもす
睡蓮の池そこ此処に亀の首三刀
一人の食昨夜も同じ茄子カレーはく子
秋夕焼球技する子の影長し治男
売れ筋は長きパックの焼秋刀魚満天
新涼やみちのくの旅誘はるる菜々
真葛原かき分け下りる河原かなまゆ
部屋の隅埃のつもる震災忌なつき
肩ぐるま葡萄ふた粒幼の手智恵子
荒れたるも厄日過ぎたる安堵かなたか子
2016年09月01日
灯の親し三坪ばかりの珈琲店菜々
秋天の照りて陰りて雲疾しさつき
秋の声古墳の謎の解けぬ侭宏虎
地蔵尊の紅き前垂れ秋日さす満天
吾竿に届かざる柿狙い打ちよし女
誉めてやる二百十日の子のピアノなつき
ガード下潜り下町秋暑し菜々
注文はホツトコーヒー夜の秋ともえ
蓮池の葉裏を揺らす音涼し三刀
炎天へ飛行機雲の解けゆくまゆ
非常袋点検するのみ今日厄日満天
月明りそばえる猫の影絵かな智恵子
新聞紙丸め支へる大南瓜さつき
テレビ番組好みそれぞれ秋灯下よし女
朝戸開け吹き込んで来る風は秋あさこ
桃をむくネイルアートの惜しげなく宏虎
彼方此方の被害い大きな防災日あさこ
背景はお城や和菓子店涼しこすもす
洗われて光る白雲野分あと明日香
風の盆決めの見事や男舞たか子
放課後の孫より電話遠き雷有香
路地照らす雪洞いくつ風の盆たか子
手術前の夫の絶食震災忌なつき
石庭にどこから来たか秋の声智恵子
小魚の涼しく泳ぐ港かななおこ
2016年08月31日
一日の疲れを放ちて夕涼み智恵子
捥ぎくれし無花果甘し田舎道ひかり
台風の爪痕深し八月尽三刀
干し物をくるくる回す秋疾風明日香
オルゴール流るる無人駅涼しさつき
雨降って秋耕の鍬機嫌よしよし女
海暮れていよよ水神祭舟よし女
塾生の背ナにエールや秋灯たか子
閉店の軒に風鈴なりにけりさつき
秋声は蕪村山水襖絵にはく子
山陰路うねる黄金の稲穂かなこすもす
二百十日家中風の駆け回るなつき
澄む水へ触れんばかりの木々枝垂れ満天
湧泉の空を映せる明るさよひかり
茄子トマトきゅりも加えカレー煮る菜々
菩提子の風に飛ばさんくるくるとはく子
黄昏の土手に群れなす赤とんぼ智恵子
花びらの散りて蓮の実一人立ちともえ
秋日濃し背中にささる日射しかな明日香
セメントの塗り立てに乗る秋の猫治男
直線の光の刃流れ星宏虎
和太鼓の打ち揃ひたる二学期に満天
二百十日親知らず抜く頬腫れてなつき
虫時雨劇を習いし夜の母校治男
バーゲンの衝動買ひする八月尽よう子
朝顔の折り目正しく清々し宏虎
ガラス張り茶室の涼し和菓子店こすもす
朝涼や距離を伸ばしてウォーキング菜々
幼き日熱ある口にすり林檎たか子
2016年08月30日
秋色の濃き青空や雲疾しひかり
一両車影濃く過ぎる稲田かなさつき
高潮の一気に吞み込む防波堤智恵子
満員のアーケード街夕立かなこすもす
クリオネや袖翻し涼やかに有香
秋の雲流るる中の甲山満天
稲刈りし跡ひろびろと少年期治男
扇の的射る体験や夏惜しむこすもす
生駒嶺の上空はるか鰯雲せいじ
ホークスのユニフォーム着て案山子立つさつき
雨台風過ぎて六甲あをあをと菜々
夙川の風につややか新松子菜々
紅芙蓉ひと日の美なり亡母想う治男
通知には慶弔ありし秋の雷宏虎
屋上に秋色紫陽花誇る庭明日香
鐘の音を合図に水の噴き上がりせいじ
秋暑し藤棚よりのミストかな明日香
木のデッキ足音軽き秋日和ひかり
駅前は市民の広場小鳥来るたか子
虹ふたつスカイツリーの横に立つ智恵子
蒲の池鯉カラフルに色そふるはく子
群れなすをとんと見かけぬ赤トンボともえ
八月尽親子のシーソー滑り台はく子
久々の雨に澄みたる虫の声よし女
雨乞へ休耕田の風吹けりなつき
狛犬の強き日当たる雨乞祭なつき
四阿に句帳広げし秋の風満天
掛け替へしタピストリーに秋の風よし女
神の池パワースポットこぼれ萩よう子
通人は最近皆無秋扇宏虎
湯につかり足腰を揉む八月尽三刀
足音にひと時途切れちちろ虫たか子
2016年08月29日
店先の講釈つけて新豆腐満天
室外機向き合ふ庭や枝払ふなつき
天の底破れたるかに雨台風たか子
秋出水川へ行くなとメール来る明日香
踏み後をたどり開ける大花野さつき
秋暑しポケモンGOの謎めひてはく子
露の世や意志の通じし猫悼む宏虎
史跡への畦道楽し昼の虫ひかり
打ち水に盛り塩添えし老舗かな智恵子
通帳の利息がっかり蚯蚓鳴く宏虎
きらきらと光を纏ふ秋の海なおこ
雨台風庭生き生きと甦り明日香
音立てて玻璃戸を洗ふ雨台風菜々
台風の備えに食材買い置きすたか子
爽やかな風吹き抜ける身のほとり三刀
ひこにゃんの可愛い仕草夏惜しむこすもす
秋雨の久方ぶりの庭木々へ満天
車内涼し窓に夏蝶翅休めひかり
香り立つ旅鞄の底青蜜柑ともえ
つくばいに浮かぶや秋の蚊の骸豆狸
芝居小屋案内孃の襟涼しよう子
つくばいに細波立てて萩揺るる智恵子
八月尽英語宿題さされおり治男
琵琶湖にも台風余波の波高しこすもす
土ぼこり吸ひて雨乞踊り見しなつき
夕焼に頬を染めたる柘榴の実菜々
迷走の台風列島翻弄すはく子
車窓より花野の尽きぬ大草原さつき
颱風や荒波に浮く紳士帽治男
2016年08月28日
足弱となりしちちはは墓参道豆狸
八月尽待ちくたびれし雨が来るよし女
地下出でて総身に受く秋の風満天
うち仰ぐ神の大樹に秋を聞くぽんこ
シロップの帯より崩るかき氷なつき
一面のホテイアオイの薄むらさきひかり
喜雨の中窓辺を過ぎる黒揚羽よし女
鬼灯や鉛の空に笑み灯す智恵子
霧晴れて松虫草の点々とさつき
風向きか今日はよく見え遠花火はく子
渓谷の大文字草際立ちぬ智恵子
台風来異常気象の進路かな明日香
急階段のぼれば天守閣涼しこすもす
ほほづきの果物籠に紛れをりせいじ
灯下親し奥の細道地図に旅菜々
カーテンの夜風に揺れて虫の声せいじ
谷あいの湿原わたる風は秋さつき
リーゼントきめて浅黒車夫の汗よう子
通過するのぞみの圧や秋の翳宏虎
姿勢よく穂の出だしたる稲田道明日香
ケーブルカーに小さきトンネル秋うらら菜々
澄む水の流れ来る音札所寺治男
手水舎の影に雨乞踊り見しなつき
気をもます台風十号動き出す満天
その辺り黄色い風や女郎花たか子
虫の音の突然に沸く雨止みて有香
待望の雨脚踊る晩夏かな三刀
登高へいざなう如く鳶の笛治男
はたた神はた太鼓とも遠花火はく子
糠雨の幽けき音の蓮広葉ひかり
解体の跡に増えたる秋の空たか子
かりがねの通る山脈決まりをり宏虎
2016年08月27日
夜半の月れんが煙突そそり立つ治男
向日葵園ヤギも来ている着物着てあさこ
秋澄むや大淀潮目きはやかに菜々
山国の奈落の村の豊の秋ぽんこ
真いわしの背ナの青さや海の色たか子
ほい躱しするりと金魚悠然とはく子
台風にダム湖通水初めけり宏虎
芒の穂ほどけきらめく雨雫さつき
舫い舟桟橋こすり秋の声たか子
万緑をニタ分けにして滝落っる克子
鸚鵡貝泳ぐ水槽館涼しこすもす
庭手入れ久しぶりなる重労働明日香
天高し蜂須賀墓所の登山口治男
思い出のメロディー口ずさむ秋の夜満天
筵敷きうすき座布団地蔵盆なつき
婿の来て庭木さくさく刈られをり明日香
子のやうに市長呼びたる生身魂なつき
秋蝶の見事に生まる羽広げあさこ
枝垂萩通路を覆ひ花零す宏虎
昼下がりはやほろ酔ひの酔芙蓉三刀
海風に百万本のゆり匂ふはく子
薄もみぢ森繁旧居はひっそりと菜々
香り立つ造り酒屋の土間涼し智恵子
木下闇糺の森の霊気かなよう子
どや顔の猫のびのびと屋根涼し智恵子
秋の夜の懐かしの歌次々と満天
2016年08月26日
活断層通るを知らずきりぎりす宏虎
通学路憤怒の彩の鶏頭花宏虎
炎暑来てひと時ミストに包まれるはく子
東雲の薄紫や風涼し智恵子
上げ潮に名残りを惜しむ流灯会さつき
クリオネの羽せわしくも涼やかにたか子
天高く綿菓子のごと茜雲智恵子
雨乞いや体捩りて法螺吹けりなつき
ドライブの窓に伴走秋の雲ぽんこ
ティケットの座席ここよと帯涼しよう子
日盛りに揚羽入りたる深庇有香
地下出ずや熱烈歓迎蝉しぐれはく子
人住まぬ庭に数多の花木槿満天
流灯やネオンの映る町川にさつき
賑わいの昼食タイム秋メニューこすもす
気を付けて水やりしても枯れる庭明日香
虫の声気球のごとく浮く朝日治男
食べさせたき嫁は遠しよ秋なすび菜々
酸欠の金魚の如く息を吐くよし女
粋芙蓉あしたの白く開きけりあさこ
びつしりと押しだされぬ様付く葡萄ともえ
浅漬けによき大きさの秋茄子菜々
秋の蚊を打ちて手の平針尽きぬあさこ
クレーンの腕の林立いわし雲たか子
妻の抱く笊に無花果五つ六つ三刀
秋暑し無言となりて体操す満天
秋蒔きの準備進まぬ晴れ続きよし女
峠路の空気の動き萩にみて治男
葭簀より犬飛び出せる給水所なつき
エクセルが少しわかって夏終わる明日香
隣より鼻歌聞こゆ秋涼し豆狸
2016年08月25日
暮れなずむ夕日に唱歌赤とんぼ明日香
秋季展へ丹後の仏も都入り菜々
精通の俳諧一途子規忌かな宏虎
豪華船めくビルの骨組み天高しこすもす
醉芙蓉油の匂う提灯屋治男
渓流の岩にしがみて草紅葉智恵子
参磴の傾りの竹林爽やかにはく子
波止めにカモメ点々秋暑しこすもす
新涼の風の吹きぬくケーブルカーはく子
耳すまし初鳴く虫に刻あずけ智恵子
水の秋通る券要るかずら橋宏虎
花道の六方涼し幕に消ゆよう子
高層のマンションの灯や夜の秋満天
長老に頭撫でらる地蔵盆なつき
生誕三百年の蕪村書画展新涼に菜々
新藁や手に憶えいる草履編み治男
ぎいぎいと親知らず抜く夏の果なつき
京の雨五山送り火ひた隠すたか子
純白の巻き貝の闇秋凉したか子
咲き初めし晩菊供花にと分かちけり ともえ
庭木刈る背への日差しなお強し明日香
湯上りの風吹き抜ける法師蝉三刀
閉店に感謝のことば館涼し満天
貰はれて厨に鎮座大南瓜泰山
着るあてのなき江戸褄を虫払豆狸
2016年08月24日
爽やかや賀茂の流れの潺潺と菜々
地蔵盆羽広ぐごと白き雲なつき
台風の通路ジグザグ固唾飲む宏虎
手術する妻強気なり秋暑し治男
掲示板照らすがごとくカンナ燃ゆ智恵子
緋のカンナ猛犬のいる寡婦の家治男
目を瞑る処暑のからすや浜の松よう子
露天の湯かなかな聞きつ足伸ばす隆松
友人の通院日課草の花宏虎
蒼天の雲井遥かに帰燕かな明日香
何時か見しまた此処にもや蕎麦畑ともえ
豪雨中心眼で見る大文字明日香
移りゆく季節の締めのスイカ割り智恵子
世話役の櫓組みあぐ地蔵盆三刀
尼僧の背大きく丸き地蔵盆なつき
行きずりの問はず語りや地蔵盆さつき
連れ立ちて初秋の京に蕪村展菜々
水槽の砂に伏す亀処暑かな豆狸
秋旱ロダンの像の背なを焼くはく子
大玻璃に秋の雲ゆくレストラン満天
走り根を避けて吟行夏木陰こすもす
貝殻の壁掛け涼し貝類館満天
セブ島の海の思ひ出貝涼し有香
赤とんぼ窓に群舞のレストランはく子
2016年08月23日
杓の水地蔵に綺羅の日の盛りひかり
金メダル噛みて選手の顔さやかたか子
大阪の真夏日記録更新すはく子
のびのびと揺るるコスモス旧街道智恵子
のぞき見る袋に紫宝ぶどう狩り智恵子
秋高し父いる墓地の光おり治男
裏木戸に少し風あり凌霄花まゆ
造替の春日大社や天高し明日香
爽やかや九十翁の朝散歩よし女
新涼や足どり軽く老夫婦さつき
大通り信号守る奈良の鹿明日香
露地減りてビルの谷間や地蔵盆宏虎
青空の半月涼し処暑の朝三刀
前頁なし 次頁なし
- 1LINE BBS CGI-LAND - Modified by Minoru Yamada.