毎日句会投句控


2018年06月22日
黒南風に免許返納未練あり宏虎
ジャムを煮る匂ひ包まれ梅雨籠さつき
偕老のメット姿も緑陰にせいじ
湧水の砂の踊りて夏めけり宏虎
掬われし金魚持つ子や背ナに眠る智恵子
先達の白頭かすめ夏燕なつき
銀の糸追へば蛞蝓雨上がり智恵子
産直の会話途切れしさくらんぼ満天
牛乳飲む臨月の姪昼寝起きこすもす
夏至の日や午後八時まだ畑仕事明日香
鳶魚閣の茅葺に揺る青楓やよい
もじずりの咲きて空き地のわだち跡たか子
夏至の夜メールの写真印刷す三刀
紫陽花の咲きつぐ宮に力石はく子
ビル街の更地に揺らぐ猫じゃらしぽんこ
音たてて苔食む鯉の暑さかなぽんこ
音もなく糸の如くや梅雨じめりともえ
百舟余それぞれに見え梅雨港治男
端居してここしばらくの事思い馳すたか子
大粒を白磁の鉢にさくらんぼ満天
泥水が足跡かくす植田かなせいじ
白南風や制服カラリと乾きけりこすもす
豆腐屋の喇叭の威勢梅雨晴るるうつぎ
梅雨最中樋門のガラス夕映えぬ治男
夕映えを愛でつ仰げば夏の月明日香
跨ぎ行く妻の踵や昼寝人たかを
花菖蒲くまなく磨く茶屋の窓さつき
梅雨空や塔屋の脇の室外機たかを
城塁より落ちては縺れ揚羽蝶やよい
結願のバスに寝息や梅雨寒しなつき
2018年06月21日
紫陽花に埋もれシャッター若夫婦やよい
今日は夏至お泊まり保育の説明会こすもす
ブロック塀大中小の蝸牛明日香
遠青嶺奥の山ほど淡くなり明日香
色に惚れ一枝を乞う挿芽かなぽんこ
梅雨川や寸時戸惑う波頭たかを
夏至と言う曖昧な日を家居してたか子
本降りの雨に手入れの菖蒲池さつき
白南風や上手く畳めたレインコートこすもす
墓石は西向き多し梅雨晴れ間治男
梅雨晴や歩道の花愛で吟行す満天
夏至晴れて筋肉痛の足さするなつき
緑陰に人生談義老ふたりやよい
夏至の夜記念のワイン飲み干せりなつき
かしましき団体去りて堂涼しさつき
実梅落つ手に取ればまた芳しきせいじ
異国にて時を忘れる白夜かな宏虎
あめんぼう風に逆らい突き進むぽんこ
塀の穴に紫陽花見ゆる赤子の声治男
梅雨晴れ間庭草引かな傘干さな菜々
陽の庭に雀は遊ぶ手毬花三刀
鷺一羽植田の隅に見張るごと満天
団地には目標となる濃紫陽花智恵子
わらべ地蔵寝転び苔の花に笑む智恵子
明易し剥がれるように痛み消えもとこ
林間に実梅を拾ひゆく老爺せいじ
茗荷の子和風サラダの決め手なるたか子
紫陽花に色一つ足し蝶止まるうつぎ
くれなゐに滲む棚雲梅雨夕焼菜々
隣人の杖付く姿梅雨晴間たかを
断崖は命を呑みし沖縄忌宏虎
2018年06月20日
地震後に追いうちかける梅雨出水はく子
梅雨長しお稽古ごとを又休むやよい
日の高く何か出来さう夏至夕べ宏虎
雨上がりさきがけ開く沙羅の花三刀
水匂ひ蛍点滅草に消ゆ宏虎
雨ひと日梅味噌つくる梅漬くるやよい
大南風サムライブルー溢れけりもとこ
石段をはみ出すごとく四葩咲く更紗
我似かな娘の足や夏の部屋たかを
梅雨籠余震忘るるサッカー勝利満天
滔滔の水路四通に植田澄む菜々
明王の半身苔生ふ五月闇なつき
紫陽花に覆ふ往来外厠ぽんこ
夏つばめ堤の起伏すれすれに菜々
なゐ明けの薔薇園に人つゆも見ずせいじ
三犬に引かれる女梅雨最中治男
雑草の中花菖蒲二三本せいじ
紫陽花の大輪支へる艶の葉に満天
カッパ着て車椅子押す菖蒲園さつき
ミリでなくセンチ単位で草茂る明日香
あじさいの通過電車に雫浴び智恵子
石像の諸手広げし梅雨激し治男
麦藁帽破れしままの庭師かなさつき
蟻地獄ついつい覗く縁の下智恵子
星もなく暗き夜空に只三日月ともえ
降りぐせの空のしかかり五月雨たか子
録画せしクイズ番組梅雨ひと日こすもす
仔犬等と遊びし頃の木陰かなたかを
下闇に消ゆ寺猫の白き影なつき
安らげる主治医の言葉そとは喜雨たか子
期限切れの納豆見つかる冷蔵庫こすもす
荒梅雨や鳩は一列電線にぽんこ
2018年06月19日
梔子の香る門前立ち話三刀
梔子に顔よせる子や香の良しとこすもす
退院し我が厨房に胡瓜揉むたか子
梅雨晴間なゐに負けじと吟行すせいじ
愛犬と休む夏草土手薫る智恵子
梅雨空に見へ隠れするヘリと飛機満天
夕焼くる雲海を機上旅終るはく子
紫陽花の人混み友見失ふぽんこ
尼寺の撫で撫で地蔵梅雨の蝶なつき
テーブルの下より出ぬ子梅雨寒しこすもす
軒下に姉さん被り梅を漬くさつき
肉じゃがに新じゃが使ひさつぱりと明日香
野仏のほとりを照らす蛍かな愛正
子の部活に水筒届け母の汗治男
散り敷きてなほ色褪せぬ海紅豆たか子
紫陽花や墓苑の柵にどこまでもたかを
梅雨晴れ間グランド一杯子等運動治男
伸び過ぎてフェンスを隠す姫女苑うつぎ
梅雨晴れや安否尋ねるひととなりもとこ
さざ波の回折しをる植田かなせいじ
月見草岩石灯す富士裾野智恵子
カタカナの名をつけられて白菖蒲さつき
なかんづく天を覆うは楠青葉菜々
裏山に鳴きつる主はホトトギス小袖
黒南風やみな鼻欠けし九品仏なつき
天守仰ぎては推敲の樹下涼しやよい
緑陰にラジオ聞きつつ将棋かなやよい
石灯の陰より覗く額の花ぽんこ
梅料理番組を見てひと日終え明日香
何処までも堤明るし姫女苑満天
児と戯れるモンペの老女植田畦たかを
菖蒲田の歩板をしづと徒鴉うつぎ
2018年06月18日
梅雨寒し地震に倒され石燈籠菜々
万緑や鞠はずむごと駆ける吾子もとこ
下闇の木柵伝ひの願ひ道なつき
梅雨一ト日余震に備へ暮らしけりたか子
安否確認安堵す梅雨の大地震やよい
天辺に狂い咲きたる紫木蓮三刀
一瞬の地震に黒南風ひるむかに菜々
週明けの出鼻を挫く梅雨の地震こすもす
投げ苗の泥をかぶりてお田植祭さつき
長老の声のびやかに田植え歌さつき
押し合ひて一羽のり出す燕の子なつき
父の日や宅配便のチヤイム鳴るたかを
磴下るとき梔子の花匂ふせいじ
夏の蝶地震(ない)知らぬ気に緩やかにたか子
山襞に雪渓のごと靄残る明日香
干し竿の雫に写る百合の花治男
梅雨湿り日毎に変る山の彩宏虎
梅雨寒や関西揺する大地震満天
展望すビル群梅雨の晴れ間より更紗
活断層蠢き出したか梅雨寒しはく子
なゐ突如素足の指へ茶碗落つせいじ
花蜜柑気取りおごりの無き暮らし宏虎
行儀よく並ぶ早苗のほほえまし明日香
苔茂るオゾン溢れる登山道智恵子
衝突す二言三言蟻示談たかを
餌を運ぶ燕電柱碍子へとやよい
老鶯や梵鐘響く三重の塔ぽんこ
梅雨寒やヘッドライトに光る道智恵子
梅雨寒や高階に出会ふ大地震はく子
蓮の葉に宝石ふたつ雨雫ぽんこ
黒南風や追い打ちかける朝の地震こすもす
梅雨空を掻き回すごとヘリコプター満天
植田路に水溢れおり下校児等治男
2018年06月17日
青芝を蹴ってサッカー猛ダッシュ智恵子
炎天下お辞儀をしたる警備員さつき
帰路に着く高速バスや月涼し更紗
勝ち棋士緩みし顔や扇閉づよう子
万緑を抜きん出るビル川沿ひに満天
薄暑光仕掛け鳥いで大時計小袖
恙なく昭和一桁羽抜鶏宏虎
万緑や高き峡谷かずら橋宏虎
畦隅に早苗の束の置かれをり明日香
潮引きて川底に見ゆ白き靴治男
稲の苗数本づつの頼りなさたかを
朝経のさ中に近し時鳥智恵子
科学館隈無く遊び梅雨ひと日こすもす
五月雨に緑青いよよ神馬像菜々
金星と接近の美し夏の月たか子
父の日や似た人見かけまた想ふもとこ
薗薄暑戦で残る松に傷なつき
いつの間にズボンの裾の草虱こすもす
堂涼し由緒刻みし大梵鐘せいじ
体験の手裏剣打ちや城青葉やよい
一山を領して涼し神呪寺せいじ
霊沢の岩場水浸む雪の下なつき
石の上死んだ振りする金亀虫ぽんこ
三代の夫婦の写真父の日に三刀
大川の梅雨晴映し雲流れ満天
歩み出す落ちし毛虫や根方へとたかを
御田植祭サリーの親子加はりてさつき
アカシヤを左右に陸奥峠越えはく子
公園の青芝でいて親を呼ぶ治男
大楠の青葉にうづもる社殿かなはく子
殿様うどん食ぶ天守茶屋梅雨暑しやよい
石橋のたもとの流れ燕子花ぽんこ
白き十字何を祈るや山法師たか子
白南風や今にも駆けん神馬像菜々
低空を鳴き叫ぶ鳧巣は見えず明日香
2018年06月16日
梅雨の夜の袖通すもの柔らかき更紗
犬眠る木陰の器水満ちてたかを
上着手にサラリーマンの首の汗智恵子
茱萸の実の頭に落ち来る女坂やよい
万緑の谷間を渡る黒揚羽三刀
夫茹でるパスタの向こふ梅雨夕焼もとこ
石磴の両袖彩どる燕子花ぽんこ
蜥蜴這ふ路面は夜半の雨残し更紗
蒸し暑しリハビリしつつ太宰読む治男
灯台に添いて浜木綿皎となす智恵子
野面積みどかと根を張る枇杷たわわやよい
反り橋を渡り更なる濃紫陽花菜々
梅雨晴れ間子等を引き連れ里帰りたかを
児童らの心ひとつに田植え舞さつき
父の日や何も要らぬと言ひながら宏虎
釣人の帰り支度や河骨閉づなつき
偕老の手を繋ぎあふ四葩かなぽんこ
無縁墓へ供えてありし白牡丹治男
乾杯のビールの後の尽きぬ話満天
楊梅や鳥より先に枝たぐるなつき
余り苗片手に持ちて田の中へ明日香
父の日や父となりたる子と酌す宏虎
黒南風へひたと閉ざして長屋門菜々
山登る震禍復せし渓伝ひせいじ
早苗田に小島のごとく家のあり明日香
夏祭りよちよちの児も豆絞りたか子
大の字に野良着干したる梅雨晴れ間さつき
梅雨晴や旧姓飛び交ふ同窓会満天
父の日の手紙パパのみ片仮名でこすもす
山登る道なき道も潜り抜けせいじ
パソコンの目尻に揺るる手鞠花よう子
生駒嶺の山裾に住み明け易したか子
2018年06月15日
ペディキュアはコバルトブルー梅雨曇りもとこ
山頂にふはりとかかる夏の霧明日香
枇杷甘し子に種入れる頬ぶくろなつき
街中の代田一枚暮れ残るはく子
雨粒が跳ねて四葩の毬弾む智恵子
女坂ようこそお出で萩の花ぽんこ
燻し瓦の家並みの隙間百日紅こすもす
青鷺の水路滑走まつしぐら満天
下山して振り向き仰ぐ青嶺かなせいじ
濡れそぼつ俳人塚や梅雨深しせいじ
小流れにさざ波の立つ目高かな宏虎
来ぬ電車ホームに座る遠足児明日香
病棟の深夜の呻き梅雨最中かかし
子燕の巣に寄りあいて親を待つともえ
月曜の傘は重しとさみだるる更紗
板塀に続く社家町緑立つ菜々
青嵐ゃ甕の水飲む番い鳩三刀
降り止んで又唐突に男梅雨たか子
日本一低い山にて山開き治男
長谷観音目指す石段アヤメ池智恵子
ハエ取り蜘蛛同じ隅っこ今年またたか子
大樹より落ちし毛虫の帰路険したかを
青紫蘇のレシピとりどりトッピング満天
黒南風へひたと閉ざして社家の門菜々
アカシアを左右にみちのく峠越へはく子
枇杷の種目をくりくりと吐き出せりなつき
水琴窟リズムに聞こゆサングラス宏虎
巣へ急ぐ白き腹見せ親燕ともえ
子雀のしきりに羽を振つて飛ぶ治男
梅雨の朝三三五五と傘の傘の子等こすもす
くちなはの眼や松之廊下跡更紗
病棟のナースの笑みや濃紫陽花かかし
枯山水松を要に山法師ぽんこ
2018年06月14日
ウオークのゴールで食べるソフトかなこすもす
池埋む睡蓮の花みな真白せいじ
帰宅後のドーナッツ作り夏の午後こすもす
自転車で車椅子追い夏の暮治男
緑陰にウオーキングペア給水す満天
人形を人と見紛う夏山路治男
最果ての灯台白く梅雨空へはく子
あじさい寺老若男女人の波ぽんこ
梅雨晴れや帰りたくない子供どちもとこ
きっかけは紫陽花の色長話よう子
蜘蛛の囲のひかる雫のはじけては更紗
町溽暑ビルの狭間に寺の門菜々
衣更へて身辺整理始めをりかかし
杜涼し不二の神水ふふみてははく子
凌霄花や上へ上へと歩道橋智恵子
いつの間に架かりてゐたる蜘蛛の糸更紗
蝸牛この世の機微に触れぬまま宏虎
世の中は裏表あリ半夏生宏虎
夕暮れの微熱の喉や氷菓舐むたか子
歌碑見えぬ路傍の草の茂りかな明日香
玉葱を軒に吊るして大構え菜々
肩掛けを母にはおらす薪能なつき
つんつんと天心射すや今年竹やよい
宝くじ当たる夢見や床の汗智恵子
残雪のヘアピンカーブ雲上へなつき
梅雨晴へ車吐き出す連絡船やよい
梅雨晴やフル回転の洗濯機かかし
不順なる気候に扇子忍ばせるたか子
梅雨途切れ蒼の深さや白き雲たかを
梅雨晴や懐かしき歌学び舎より満天
朝刊を手に水玉の七変化三刀
鐘の音の突如響ける青葉山せいじ
岩壁を覆い隠せる蔦青葉ぽんこ
2018年06月13日
日干しなす海鵜に膨らむ烏帽子岩智恵子
夏灯し津軽三味線生演奏はく子
短夜や島に煌く街明りやよい
子燕の翔ける山頂空展けせいじ
黒南風や歴史の謎の古墳群かかし
尼寺の苔みずみずし御母堂所小袖
立佞武多(ねぶた)灯り圧巻夏めけるはく子
捕虫網振り回す子や蝉の声治男
行行子声の響きて姿見ず宏虎
機嫌良く老鶯の声繰り返す三刀
掲示板へ額縁のごと凌霄花満天
楠茂る大川端へ影広げ菜々
夏草の一期一会の線路沿いぽんこ
薄日差し山緑から黄緑へ明日香
梅雨晴れ間ラリーの音の軽やかに菜々
濁り池菖蒲ですよと和尚さんよう子
マンションの八階の風梅雨晴れ間こすもす
畑継いだ友が西瓜を抱へ来しなつき
川音の悔し高鳴る桜桃忌宏虎
梅雨晴れや家族みんなのシーツ干し更紗
山襞の陰を濃くせり大夕焼明日香
鳥の影ふいと横切る梅雨晴間小袖
山頂のケルンに刻む願ひ事せいじ
病室に明け易残し退出すたか子
万緑の中に遊具の赤黄色満天
お昼寝の爺に猫添ひ踏み踏みす智恵子
叔父のいる忠魂碑訪う楠青葉治男
お百度の周辺の黙梅雨曇かかし
船窓より仰ぐ大橋さみだるるやよい
外人に席譲られる冷房車こすもす
日の当たり半分青き四葩かな更紗
仏壇にともしび色の枇杷一つなつき
めつぶしの西日を受けて信号待ちぽんこ
三時でもランチ満席梅雨晴れ間たかを
2018年06月12日
梅雨の鬱吹き飛ばさんと髪染めに菜々
漁船の灯あまた海峡明易しやよい
祭笛閉ざす庫裏より酢の香かななつき
青楓樹下は子どもの秘密基地なおこ
老鶯や連山活気取り戻す宏虎
紫陽花の曼陀羅めきし寺に入るよう子
梅雨ひと日歳事記横に雨音聴く智恵子
紫蘇揉みの香に良いねと床の母智恵子
食い終えて破顔一笑男梅雨たかを
枇杷の実の一果残さぬ群れ鴉三刀
伏せた猫その長きこと梅雨畳たかを
我が町の歴史探訪梅雨晴れに菜々
山頂を縦横無尽燕の子せいじ
なだらかな青き稜線梅雨晴れ間三刀
井筒ごと色を違へて花菖蒲さつき
口笛に夏鶯の呼応せりせいじ
梅雨空の空港立ちて秘境旅はく子
梅雨寒や雑草絡みし鎖すスーパー満天
梅雨空を解体クレーンかき回す満天
耿耿と臨界工場大南風やよい
雨上がり前の連山新樹燃ゆ治男
時の日の運針の目の弛みなく更紗
草刈女右へ左へ身を伸ばしなつき
故郷より流れ来たりし夏出水治男
木下闇佇む歌碑の文字柔し明日香
残雪の津軽富士いま真姿にはく子
これよりは立入禁止蛇苺更紗
青梅の熟すくを待てる笊の中ぽんこ
夏落葉踏みつつ探す隠れ歌碑明日香
紫陽花の若返りけり雨を抱く宏虎
2018年06月11日
雨上がりゆつくり舞ふや梅雨の蝶満天
古宮の奥へ誘ふ樹下涼しさつき
苔茂る隧道清か天城越へ智恵子
上半分梅雨雲覆ひ黙す山明日香
犬病んで涙止まらず梅雨最中たかを
梅雨深し向う三軒ひっそりと菜々
機械でも足止めて見る田植かな明日香
風青く植田の鷺の屯してぽんこ
若き棋士昇段祝ひ風薫る宏虎
万緑や津軽なまりのバスガイドはく子
若葉風緑の海のループ橋智恵子
芝涼し古都の楽市食べ歩きよう子
伸びる度竹皮脱ぎて散らしけり満天
梅雨深し水の溜まりし畑の溝三刀
陸奥の早苗田どこまでも続くはく子
亡き父に手向けし庭の薔薇一輪更紗
夕涼の点る大橋潜りけりやよい
目薬のあっかんべーやゆやけ差すたか子
甲冑のからから鳴れり祭衆なつき
従兄弟よりもらふ赤本蔦若葉更紗
先代の遺愛の蔵書黴匂ふ菜々
この角の紫陽花が好き粗野なればせいじ
碧き空雨後の紫陽花華やげり治男
昼暗き長きトンネル夏遍路治男
奉納の小舟が巡る菖蒲池さつき
驟雨去る雀のはしやぐ声残しせいじ
梅雨深しいよいよ薄く義姉の嵩やよい
淡い色濃ゆい色あり菖蒲園あさこ
取り敢えず成り行き次第髪洗うたか子
田植え終え水の匂ひし夕の風宏虎
青時雨鎌倉道の切通し愛正
休み田にすっかり肥えた鳥の夏たかを
緑さす坂に利家公の列なつき
2018年06月10日
朱の楼門大万緑を抽んでて菜々
日の方へ方へアガパンサス傾ぐせいじ
前栽を一新したり梅雨晴間せいじ
取れとれを抱へて皆に夏野菜満天
炎の天街路樹わずか戦ぐかなたかを
サービスエリアトイレに置かる団扇かなやよい
花時計バラの洋館石造り智恵子
まほろばの水田柔し薄みどり明日香
万緑理グランドゴルフを三ゲームこすもす
暮れなずむ白夜の空やバルト海宏虎
時の日や作業を区切る腹時計三刀
菖蒲池芥掬ひて神事待つさつき
夏落葉網代模様に掃かれをりなつき
笑点の積んではとらる夏座布団宏虎
蟻運ぶ天道虫を裏返したかを
車座の昼食タイム若葉風こすもす
短夜や本読みふけてあわて寝るもとこ
夜の雨のしづく残せし花あやめ更紗
地蔵尊の前掛け白き樹下涼し満天
目のくらむ飛び石で渡る蓮池なつき
木戸固く閉ざす屋敷や花菖蒲更紗
夏空に両手拡げし連理杉ぽんこ
さなぶりのお礼のお酒貰ひけり明日香
潮干狩岸に熊手の置き去りにさつき
初なりのトマト仏と分かち合ひ菜々
すべり台へボ−ル蹴り上げ白靴の児治男
ダム放流警報の村栗の咲くよう子
南風吹く露台に無残鳥の羽根たか子
黒南風や詰所皓々昼灯したか子
一望の植田おちこち鷺群るるやよい
遊歩道あじさい咲う狭きかな智恵子
おやつ時や分け方工夫初西瓜治男
2018年06月09日
神輿屋の槌音ひびく夏暁治男
大人猫でも鬼ごっこ梅雨の家たかを
田植機の付け睫毛の子運転す宏虎
雨晴れて門前掃けば蚊の寄り来せいじ
広い窓何処覗きても青葉山こすもす
ベランダは満艦飾や梅雨晴間満天
部屋中に風通しをり梅雨晴れ間三刀
沖合に点景となる潮干狩さつき
掘りたての馬鈴薯並び空青しこすもす
梅雨晴れや歓声響くよーいどんもとこ
青葉山吊り橋揺れる子の叫び治男
月下香月出ず庭に大花なす智恵子
山肌をなほ濃くしたる緑雨かな更紗
庭の木々つややか梅雨は中休み菜々
梅雨晴間廻り道して菜園へ満天
蜘蛛の巣の幾何学模様神の技宏虎
砂の道夏草抜けて海真青智恵子
畑仕事いそしむ夫や梅雨晴間菜々
南西風や並ぶヨットのマスト鳴るなつき
明日行くよ萎える心に虹かかるたか子
茶工場の曇りガラスに昼灯すなつき
田んぼの真中に咲ける栗の花ぽんこ
夕暮れて紫濃ゆき花菖蒲さつき
梅雨晴れ間雲間の太陽誇らしげ明日香
晩学や新本届く梅雨の空あさこ
天がける鳥の音しるき梅雨晴間せいじ
梅雨空へ愛犬ひとり駆け抜けるたかを
雑草に背伸びするごと薊かなぽんこ
湧き出づる清水や銀の色なして更紗
溜め池の満々として田植えかな明日香
喉ごしの旨し見舞いの初西瓜たか子
2018年06月08日
紫陽花のブルーが目立つ雨の中満天
夫留守の梅雨のひと日の長きこと菜々
交代で親の介護や梅雨曇りぽんこ
海眺め駄菓子屋で飲むラムネかな智恵子
時の日やリズム正しき砂時計宏虎
梅雨空や長靴買うて貰いし頃治男
梅雨の傘色とりどりの出会ひ橋なつき
あちこちの痛み出だすや梅雨最中満天
万緑や日本真中の円空仏なつき
宇宙船めきしドームへ驟雨かなたか子
八十路過ぎ活け花習う夏座布団治男
古代米のおにぎり添へる夏料理こすもす
義姉見舞ふ夜の航路や梅雨しとどやよい
犬埋める家族集まる梅雨の庭たかを
甲板の露天湯に聞く梅雨の雷やよい
薔薇アーチ父と手を組み通りぬけなおこ
無人駅旅人多し七変化智恵子
朱の点の増し加はりし実梅かなせいじ
急の雨庭の草取り中断すあさこ
初ものの茄子と胡瓜で杯をあぐ三刀
梅雨の宵大きく叫び犬逝きぬたかを
山開き名山三百制覇とやたか子
夏雲に触れるごと鯱尾を上げて明日香
十薬の生命力やギブアップ宏虎
うつ伏して愚痴ばかりかな梅雨に入るもとこ
梅雨晴や検診結果封を切るよう子
自転車で走る農道夕映えてこすもす
キッチンにバットの実梅匂ひけりせいじ
梅漬ける無病息災願いつつ菜々
2018年06月07日
接骨院帰りをともに梅雨晴間たかを
あをぞらを遊べや遊べ揚雲雀敬和
どこも同じニュース報道梅雨籠りやよい
悠久の時を楽しむかたつぶり宏虎
炎天に濡れる瞼や照る舗装たかを
ラベンダー北の大地の丘続く宏虎
父の日や父の車を磨きし子治男
早苗田に映す電車はトーマス号満天
夏服のナースの腕の若さかなたか子
外房のそこここ撓わ枇杷の道智恵子
無事巣立ち静寂の朝空の青智恵子
梅雨めきて暈のかかりし日が昇るせいじ
主婦忙し庭草引かな梅捥がな菜々
雨粒のぽつぽつはねる若葉かな敬和
梅雨めくや淀の水嵩いや増しぬせいじ
翠巒の比叡比良指呼に船遊びはく子
万緑の中へ飛び込む鳥の影三刀
どくだみの香を運びくる雨後の風菜々
盆栽の実梅ひとつぶ葉隠れにやよい
灯籠に宿す灯赤し夏の夜なつき
カート引きスーパー特売梅雨晴間満天
短夜や尽きぬ電話の旧き友もとこ
保育所の遊具揺れおり夏の暮治男
道に座し金箔かかる氷菓食ぶなつき
2018年06月06日
蒸気掛け床はツルツル梅雨の入りたかを
橋殿の鳳凰かざり風涼しなつき
曇天へ千の灯の如枇杷熟るる菜々
調理人の二十四才夏料理こすもす
私事に紛れいつのまにやら梅雨に入るたか子
葉裏には雨が苦手かカタツムリこすもす
梅雨晴れ間眼の手術後は明るい世治男
クリスタルグラスに一茎額の花はく子
曲線を描く植田に山写るなおこ
屋形船竿さす先の花菖蒲智恵子
葉柳の触るる水面の光かななつき
代田かき村の老農顔和む宏虎
紫陽花に埋もるる庭のあやなしてやよい
オカリナを義姉に会わせる夏の歌治男
花首の見えぬほど虫群がりて明日香
梅雨に入る形見の傘の出番かなたか子
旧姓を告げる老女や青林檎たかを
夏めくやサラダたつぷりガラス鉢満天
ついに屋根越えて隣の枇杷熟るる菜々
梅の日と言ふらしけふの梅雨入りかなやよい
芒種寒夕餉は熱き献立に満天
青梅や父亡き庭にポツリ落つもとこ
うぐひすの庭に遊ぶや正調ならずともえ
どくだみの溜り場めきし外厠せいじ
小流れの音に華やぐ著莪の花宏虎
夫作る玉ねぎレタスお土産に明日香
梅雨入りや街の本屋で珈琲を小袖
奔流に溝のどくだみ抗ひぬせいじ
高架駅貫き青葉の楠大樹はく子
麦刈りて祠に参る老夫婦智恵子
梅雨寒や焼骨拾ふ竹の箸三刀
道をゆく沢蟹川へ返しけりなおこ
小雨降る夏草の道友見舞ふぽんこ
2018年06月05日
大南風やふいに遊ばれ風見鶏智恵子
本殿へ磴また磴や蟻のぼる菜々
六月や時の祖神へ詣でけりはく子
紫陽花の主役となりし狭庭かな三刀
田植えするおのが姿を映しつつ明日香
万緑へ開けて丹の門燦燦と菜々
威勢よく道にはみだす金糸梅せいじ
緑蔭にアベツク二組雨模様治男
キッチンはらつきよの匂ひひもすがら満天
手を伸ばしむずかる吾子や黒揚羽智恵子
噴水数多たてよこななめ向き向きにはく子
夫婦とは出合いの動機茄子の花宏虎
箒目は網代模様に菖蒲園なつき
花みかん畑の真中に大鳥居やよい
涙目に土付きらつきよ漬け終はる満天
黄金の麦田控える社かなたかを
喫茶店甕いつぱいに綿の花こすもす
青ブドウたわわや店は定休日こすもす
梔子の花白は一瞬褪せしままぽんこ
梅雨湿り猛獣猫か動物園宏虎
葉がくれの実梅を笊に雨を呼ぶぽんこ
原色の観光客や菖蒲園なつき
曇天や何処かきらきら水中花治男
どくだみや古家つつみて白き闇もとこ
嘴のごとアガパンサスのふふみそむせいじ
持ち呉るる園児育てしじゃがいもとやよい
ひとしきり何処で鳴くや四十雀よう子
生ぬるいサウナのような梅雨の入りたかを
2018年06月04日
園児等の大きな荷物プール開きこすもす
風薫る滋賀の都を行く限り菜々
あのビルの角からいつもゆやけかなたか子
今年早や居間に座りし扇風機三刀
白靴が柵に干されて紐長くたか子
遊船に白波蹴立て大びわ湖菜々
今いづこ狭庭生まれの子かまきり明日香
街薄暑着物に靴の異邦人満天
青葉漏る一条の日矢眩けり隆松
夏空や麒麟覗きて何を問ふもとこ
園内へ誘ふ菖蒲のミニ展示せいじ
大鳥居の駅前混みて街薄暑満天
国道に散らばる実梅落し物やよい
世を捨てしびくと動かぬ山椒魚宏虎
外輪船のパドルに跳ぬる水涼しはく子
電池切れるまで銃撃つ祭の子なつき
北鮮の動静微妙六月入る宏虎
立ち上がり顔の涼しや杖の人たかを
V型の蒼天眺む青葉谷隆松
加賀鳶の金のまとひや緑さすなつき
風涼しみずうみ見ゆるカフェテラスはく子
三隻のボ−ト競争波高し治男
歓喜あげ幼の手には青蛙ぽんこ
満ち潮に海月ふわふわ橋くぐる智恵子
予防注射のあとくつきりや更衣こすもす
書斎はや団扇の出番ともなりぬせいじ
喘ぎゆくロードバイクや額の花よう子
掃除するは夫の役目やらつきよ漬くやよい
木下闇猫の目光る石ベンチぽんこ
追い風にヨット快走空真さ青智恵子
街中の新樹すがしや氏神様治男
水満ちて夕日に染まる棚田かな愛正
2018年06月03日
老いて尚百姓女性花菖蒲治男
万緑の朱の仁王門のいと鮮やか満天
五月晴れ植え替えを待つ鉢幾つ明日香
犀川の水面掠めり夏つばめなつき
純白のおくるみの嬰青葉影なつき
軒下に新玉ねぎを吊るしけり三刀
万緑の息吹に大地臭ひ立つ智恵子
板塀に沿ひて真っ赤な立葵智恵子
沿線の四葩軌道を狭めたりやよい
天皇の活動一年七変化宏虎
水神さん暑き所に安置され治男
あじさゐやあちらこちらに野の仏やよい
夜の厨青梅の香のむせるほどさつき
ともがらに曾まご誕生聖五月はく子
矢の如く飛んで黄蝶の立ち止りたかを
せせらぎのほのかな灯り半夏生ぽんこ
今もある水当番や夫起こす明日香
立ち尽くす燃えんばかりの夕焼けに菜々
銀輪や麦田に続く風涼したかを
夏草や陸墓の一基崩れけりぽんこ
狙ふのはチヌとや無口な親子連れこすもす
高僧とおぼしき人の軽羅かなせいじ
青空や糸短めに凧揚げすこすもす
夏帽子並ぶ子見つめゴリラの子もとこ
梅雨晴間友に誘はれ山歩きせいじ
万緑の中まつしぐらに磴登る満天
キッチンの窓に夕焼一人占め菜々
背景で保護色となる雨蛙宏虎
鉄なすや糠床の茄子濃紫よう子
2018年06月02日
帰る途なし猫の背に赤き蟻たかを
六月の運動会の招待状満天
鈍色に灼けしドームや街の綺羅たか子
蜘蛛の子散るまさか全てが屋敷内うつぎ
家近く夾竹桃の燃ゆるごと治男
海風の涼しヒトデは乾涸びてこすもす
三輪山の背ナより湧くや雲の峰明日香
会ひに行く度に大きく子鴨かなやよい
夏の朝ナース飛び出す廊下かなたか子
あざやかな傘買ひにけり6月来もとこ
枇杷もらふ小粒で甘露なる枇杷をせいじ
水墨画さながら竹林五月雨るるよう子
江ノ電や雨後の紫陽花雫跳ね智恵子
先ず仏へ庭の初なり茄子きゅうり菜々
万緑や駆けるカラスに追うスズメたかを
蛞蝓に殻があったらいいのにな明日香
眼下には海月ユラユラ昼の海こすもす
くし型のパック詰めされ並ぶメロン満天
噴水のしぶきに踊る犬と子と智恵子
一番星百万石の城夕焼けなつき
紫陽花や動詞減らせと指導受く宏虎
教え子の贈呈の百合医院開き治男
花樗亀の甲羅に降り注ぐぽんこ
梅雨夕焼摂の稜線滲ませて菜々
夏落葉の影の揺れゐる方生池なつき
電線に巣立ちの鴉親を待つ三刀
親の留守丸く寄り添ふ子鴨かなやよい
シーツ干す梅雨入り前の晴れの日にせいじ
薔薇大輪太き支柱に凭れをりさつき
又逃がす動作機敏の油虫宏虎
囲碁試合初人に負け汗流るあさこ
2018年06月01日
夏野菜配る夫の脚軽し明日香
色具合見極め枝の枇杷を捥ぐ三刀
藁葺屋ひさし不揃い走り梅雨よう子
花弁の黄の目が印花菖蒲せいじ
驚きは色の濃きこと梅雨の月こすもす
ふるさとは盆地の真中麦の秋菜々
甘き香の籠る伊豆山花蜜柑智恵子
かき氷をんな集いて山崩すもとこ
予報士の助言を聞いて更衣明日香
走り梅雨還暦祝ふ姉妹旅なつき
あじさいや変体仮名の道標やよい
街薄暑餃子の店に列をなす満天
敷物も洗濯終えて梅雨支度智恵子
眼をぎょろり咽喉震はせる雨蛙宏虎
栗の花花火の如く垂れをりぬこすもす
足元に蜥蜴の屍梅雨晴間たかを
真夜中に目覚めて仰ぐ梅雨の月せいじ
親燕出入りす軒に雨宿りなつき
こと切れる如中断す梅雨の雨たかを
テニス終え早く帰れと夕立雲ぽんこ
一川に沿ふて父祖の地麦の秋菜々
ブロックの隙間に見ゆる立葵ぽんこ
立ち止まれば鳩寄り来たり杜の夏治男
ランドセルの重さに慣れて六月来満天
旬の枇杷大きな種が邪魔をする宏虎
紫陽花のトンネルぬけて寺めぐるやよい
大犬に小犬吠えおり町暑し治男
紫を門まで伸ばし濃紫陽花あさこ
不意の事駆けずり廻る街暑したか子
2018年05月31日
黒光りの茶釜どっかり茶屋涼しこすもす
雲切れて梅雨満月の煌々とせいじ
茶屋の窓すべて開きて菖蒲園さつき
客三人の乗り合いバスや麦の秋こすもす
雨風に真っすぐ伸びる立葵満天
紫陽花の毬いちどきに路地埋むせいじ
ぴかぴかにキッチン磨き梅雨に処す菜々
新社員スーツの肩に雨の粒なつき
鈍色の空を広げて梅雨に入る菜々
腰まげて狭庭草引き根勝負宏虎
大墓地や揚羽蝶ゆく新の墓治男
万緑裡雨に万緑裡雨に鎮もる合掌家なつき
雨を待つ路肩の草と蝸牛智恵子
青鷺や流れに佇ちて凝視すもとこ
賑やかし巣立の近し雛の声智恵子
紫陽花や引導の鐘鳴りやまずぽんこ
齢経て好かれて困る雌蚊かな宏虎
結界の竹は古色に梅雨湿りよう子
竹の秋五本は有りぬ廃屋にたかを
入れ替わり骸担いで蟻戻るたかを
青紅葉添えて八寸赤絵皿たか子
鉄橋を一輌電車夏の川たか子
公園や空腹なりし新樹の香治男
紫陽花の色を極めて雨あがる満天
紫陽花の毬の小さき煉瓦塀ぽんこ
膝痛め歩行難渋五月尽三刀
2018年05月30日
消ゆるまで後おひ吹くやしやぼん玉ともえ
背の高き築地仰げば花楝せいじ
曇天や間遠に聞こゆホトトギスこすもす
若人の泥んこ美容七変化治男
雨だれや亡父と聞いた梅雨の部屋たかを
古き家の穴から番い梅雨空へたかを
雨粒をのせて反りゆく花菖蒲さつき
万緑や太鼓の応援力あり満天
腹くちて箸を句帳に避暑散歩よう子
玉砂利の参道包む青葉かなはく子
黒猫の何処へ行くやら走り梅雨たか子
蕗煮るや聴くばかりかなその電話もとこ
青蜥蜴動悸のはやき風呂の窓宏虎
リサイクルの柿渋染めや衣更やよい
卯の花腐し体調の崩れゆくたか子
青鷺の一声零し飛翔せり宏虎
火を熾すにも蘊蓄やバーベキューうつぎ
野菜カレーことこと煮上げ梅雨に処す菜々
園児らが実梅拾ひの戦力にさつき
竹林のさわさわとして園涼しせいじ
音もなく梅雨の走りか雨ひと日菜々
入梅や先師の句碑の文字流麗治男
梅雨夕焼け塒へ急ぐ群れ鴉三刀
奔放に咲きをる柏葉紫陽花こすもす
防波堤サンダル持ちて少女行く智恵子
ケーブルカー俯瞰の森に夏来たるぽんこ
スカートをつまみて素足波を蹴る智恵子
走梅雨お稽古ごとのさぼり癖やよい
ビアサーバー後に据へてバーベキューうつぎ
転法輪自然に回る青嵐ぽんこ
マンションの裾に華やぐ未央柳満天
2018年05月29日
曇天や紅うつぎの香こもる渓よう子
薫風も仲間に入れて弾む会たか子
高速路風の生まれる夾竹桃ぽんこ
発掘調査のブルーシートや青田風こすもす
青葉山ベ−トウベンの像に礼治男
冷水器旨し水かなもう一杯たかを
防風林越えて飛砂散る大南風智恵子
緑陰に石斛の花しろしろと菜々
下闇の己の靴音響くのみぽんこ
フォーティーエイト少女らいよよ夏めきぬはく子
真実は闇の中なり梅雨に入る三刀
真っ直ぐに伸びゆく威勢今年竹宏虎
夏めくや胸元光るネックレスはく子
昼顔やフェンスに絡みて上機嫌智恵子
風うけて塀よりのぞく花南天満天
茄子の花濃きむらさきを葉の陰に満天
愛猫の日本語解せり風薫る宏虎
鐘楼に座して行厨風薫るせいじ
梅雨の雲なだれ落ちるや大赤城山たかを
銭洗ひの笊を濯げる青葉闇なつき
薫風や茅葺き四阿に一休みこすもす
十重二十重若楓なす影柔し明日香
藤の房に顎置くモデル撮影会治男
艶やかに南蛮屏風金魚をりもとこ
堂涼し大仏殿の鴟尾眼下せいじ
三歳を祝ふや吾子と袋掛なつき
大蟻に思はず弁当持ち上げて明日香
2018年05月28日
ひそやかに鳥語聞こえて夏の暁もとこ
曇天に客を引き寄すアマリリス満天
蹴られるよ言われても撮る母子鹿明日香
蟇鳴くや修忌の経を唱ふれば菜々
ハックションと一つ聞こえる更衣こすもす
枇杷熟るるぐんと疎水に迫り出してやよい
ラディッシュのサラダ赤丸夏めいてはく子
行き過ぎて卯の花の香に戻さるるたか子
山門の一歩に見張る若楓ぽんこ
昼寝覚め上目遣いで見る駅名明日香
草野球茂る夏草球隠す智恵子
左見右見古刹を包む若楓ぽんこ
春昼の扉を閉ざす参籠所せいじ
子の墓地や青葉繁りし天空へ治男
若枝を血色に染めて青楓せいじ
燕の子鳴きたる後の疲れようたか子
中空に泰山木の花薫る宏虎
獲物得て崖駆け登る小さき蟻たかを
夏痩せの未亡人又句ともがらはく子
改札越し語るカップル駅薄暑なつき
青葉風友の溺れし川の青治男
歩を運ぶたび風薫る石畳愛正
列島に早くも告げし梅雨入りを満天
梅雨空も大好きですと鳥弾むたかを
鳥語聴く産土神の緑陰にやよい
鎌を手にたかんな探す朝一番三刀
薔薇園のスケッチ赤の溢れけりそうけい
蜘蛛の囲や行くを憚る獣道智恵子
小流れに沿うて大寺風薫る菜々
巾広き飛行機雲や夏の空こすもす
公園の芍薬蕾雨たたく宏虎
2018年05月27日
万緑に汽笛一声高架橋智恵子
歌いつつ起こしに来る子夏の朝こすもす
子沢山の鴨奔放に親囲みやよい
六甲の紫散らす菖蒲かなぽんこ
信号の変はりてよりを片陰に満天
観覧席直すグランド夏の光治男
巣燕や水子地蔵の軒を借りなつき
衣掛けの松は切られて蝶舞へりなつき
バラ園の真中のテーブル混みあへる満天
万緑の葉先煌めく鳩の声三刀
お茶室の杉戸を繰れば苔青しせいじ
あづまやに一望みどりの春日山菜々
竜舌蘭夕の江ノ島燃えるごと智恵子
白煉瓦覆ふ青蔦異国めく明日香
女坂二月堂へと薄暑行くたか子
庭涼し樹下のベンチに緋毛氈菜々
夏霞薄日射したる眉の山治男
木陰にて歌碑解説にかはづ鳴く明日香
千年杉走り根浮きぬ苔の花宏虎
みずみずし何のしんじゅかにおい立つともえ
薫風や旅路に食ぶるダムカレーやよい
スタミナ欲しあの身の何処に水馬宏虎
薄暑かな電車乗る子等あかき頬もとこ
耕され後は水張待つばかりはく子
水際の歩板にかわす九輪草ぽんこ
辻芸を励ます拍手駅涼したかを
東雲の空を切り裂くきぎすかなよう子
食卓に点る三色の釣鐘草せいじ
年取りて更衣にも遅れけりあさこ
一斉に市民の広場夏の花たか子
2018年05月26日
シロップかジャムか実梅に思案中たか子
鹿好きの店主水分準備してこすもす
米寿経て派手を好みし更衣宏虎
古書街の茶房の暗し走り梅雨なつき
青鷺の凝視の姿カメラ向けぽんこ
万緑のゴルフ賑はふシルバー達満天
入れくれし新茶のぬるし甘かりしはく子
開かずの門寄ればかたばみ種弾けなつき
麦刈りや軽トラ追うて群すずめたかを
駅前の巨大ビル建つ街薄暑満天
六甲の稜線崩す夏霞宏虎
庭の池天蓋なして若楓こすもす
新樹光六十五歳以上フリー明日香
麦酒飲む今が一番美味いときもとこ
露地涼し関守石の対なしてせいじ
はぐれし子声高く呼ぶ鴨の親やよい
花さぼてん道しるべなす浜の宿智恵子
人力車古刹へ抜ける四葩かな智恵子
三笠山稜線丸く雲の峰たか子
ラグビ−のゴ−ルに這入る夏夕陽治男
棒高跳び一瞬かすめる夏燕治男
井戸の縁何やら蟻の内緒ごとせいじ
舟繋ぐ河口へ走る青葉潮三刀
役目終え工場閉鎖風涼したかを
杣道を老鶯の音に励まされぽんこ
宙返りまた宙返りつばめショーやよい
2018年05月25日
松手入れ終えて透けるや青い空こすもす
雑草も共に茂るやモスガーデンせいじ
早乙女の昭和は遠くなりにけり三刀
古町に緑まぶしき知事公舎せいじ
老鶯の声はこだまに返しつつぽんこ
薫風や一筋奥に築地塀明日香
裏木戸の屋根に夏草芽吹かせてたか子
喜寿米寿祝う大会雲の峰治男
ゆるい靴裸足のような心地するたかを
お隣に赤子も生まれ芝青む菜々
万緑や千古の杜に鳥語降るはく子
柿若葉返す朝日のきらきらと満天
故郷の新茶が目当て道の駅菜々
虎ファン世界一なり初鰹宏虎
走る子の背に夢の文字夏日射治男
ヤドカリや鳥の羽音に石と化す智恵子
吟行子迷いに迷いちらし寿司明日香
二月堂より遠望の古都万緑裡こすもす
学童の後ろを突きたる鹿の子かなぽんこ
鹿の角ドントタッチと注意書きたか子
茶摘女の籠振り分けにして担ぐなつき
茶畑を見下ろす小さき稲荷かななつき
皇居より漏れし老鶯谷渡り智恵子
高梯子まだその上の松手入れはく子
鉄線花紫秘めし蕾かな宏虎
異常気象に心惑はす更衣満天
夏のれんかけて一度に涼しげにともえ
打水のバケツに非ず鹿の水うつぎ
2018年05月24日
風かおるバス待つよりも歩けとは明日香
夏めくや飛行機雲の駆ける青もとこ
庭万緑明治の玻璃戸に揺らぎては菜々
吟行の歩や新緑のむんむんと宏虎
新緑の若草山を指呼の間にせいじ
片影に張りつくやうに女どちなつき
卯の花の匂ふ小径や三笠山たか子
鹿の子に生え初む小指ほどの角はく子
ベリーダンスの美女境内に聖五月やよい
三社祭言霊超えし浅草寺智恵子
売店の主の愛す奈良の鹿こすもす
若楓茅葺き屋根を明るうすたか子
千枚の代田に写る谷戸の空隆松
剪定の松葉に透けて命綱せいじ
明治維新前の茶釜や茶屋薄暑こすもす
入道雲カバン投げだし公園へ智恵子
緑陰に鎮もる煉瓦の公会堂満天
生前に葬儀費払う夕焼け雲治男
新緑の山に起重機天を突く治男
子に宛ててグリーンピースの宅急便三刀
東大寺鴟尾の光に夏来たるぽんこ
縁側の歪む玻璃戸に躑躅映すぽんこ
雨滴つけて重たげ小判草うつぎ
夏空へ錐をきりりと良弁杉菜々
寝てる猫跨ぎ切れずや梅雨の老たかを
街を出て愈々広し初夏の空たかを
建売りが片側ならぶ遍路道なつき
神苑へ一歩汗ひくウォーキングやよい
水満々とばらぞのばしに薔薇めぐり満天
バラアーチ完成までにあと三分明日香
麦の秋明日香の梵鐘遠く聞く宏虎
2018年05月23日
久方の雨に顔出す蝸牛智恵子
童謡と同じ垣根や花うつぎ明日香
飛魚の跳ぶ波吠えり雲流る宏虎
粽解く時が楽しと老い二人うつぎ
出格子のならまち行けば雲の峰たか子
潔し刈入れを待つ麦茎穂たかを
キャンバスは公会堂と薔薇アーチ満天
薪能翁面取る若きシテ宏虎
やはらかき雨に包まれ若葉濃くもとこ
小流れのなぞえに空木枝垂れけりこすもす
剪定のリズミカルなる鋏の音せいじ
生垣の要に箱根空木の花三刀
雑草中子の退ける夏薊治男
餌を狙ふその白鷺をカメラマンせいじ
段畑の畝行儀良く緑立つ智恵子
紙袋の音に馳せ来る親子鹿明日香
五月晴川沿ひの新美術館満天
縁側に柏餅待つ子らのゐてよう子
柏餅一男一女育てあげ小袖
夏草やかくも古びし冠木門たか子
万緑や六トン仁王の度迫力はく子
葉桜の影に引つ込みバス待てりなつき
羊草小さき木の橋ゆらぎては菜々
鹿の絵のワンディチケットに初夏の旅菜々
歩はゆるむ木陰の続く河畔かなたかを
誤作動の火災報知器薄暑なりやよい
暑き日の先達くばる塩の飴なつき
ガードレールの支柱の陰の蛇苺こすもす
つぶらなる鹿の瞳に一目ぼれはく子
耳当てて千年楠の五月聴くやよい
神社横新築並ぶ松の芯治男
2018年05月22日
夏小虫納豆掻くや馳せ参ずたかを
満開の杜鵑花に映ゆるわが社かなせいじ
麦の秋遠ちに青々生駒山菜々
遍路衆去りて甘茶の空やかんなつき
糞よけの傘吊り太る燕の子よし女
朝の日にこぼれ翔ちたる雀の子よし女
墓石に花南天の日除けなす治男
つくばいを狭しと鳥ら行水す智恵子
綿すげの池塘彩る尾瀬ヶ原愛正
すれ違ふ汗の匂いや部活生智恵子
卯浪立つ沖を行き交ふ貨物船三刀
雨上り露落ちかかる蜘蛛の糸そうけい
リズム良き祭太鼓や茶碗酒宏虎
緑陰に静かに絵筆写生子等満天
左折せば杜鵑花こぼるる道現れしせいじ
能管の闇をつんざく薪能うつぎ
風涼し鳩近寄りて足の先たかを
奈良の鹿はや夏負けの体をして明日香
五月晴れ鹿と外人遠足子はく子
引き寄せし卯の花こぼる水の面よう子
蔵構えつづく大和路麦の秋菜々
古き墓や新しき墓夏の寺治男
喧騒に凛と開きて紅き薔薇満天
児らと鹿若草山の夏めきて明日香
空豆や性格違ふ兄妹やよい
麦の秋老い二人して皺深し宏虎
揺れどうし眼鏡の前のまくなぎはぽんこ
吟行の一万五千の歩の薄暑たか子
合掌す拝殿抜くる風涼しやよい
耳遠き婆ら甘茶を継ぎ合へりなつき
2018年05月21日
四阿に日差し凌ぎて菖蒲園智恵子
けふ一日一人の気楽新茶汲む菜々
新茶淹れ味の判るる歳となり宏虎
心地よき緑陰過ぎる風の音三刀
保育所の遊具淋しや夏の暮治男
額に汗ランドセルの子走り去るよし女
畑の物すくすく育ち今日小満菜々
紫陽花のそれぞれの色雨を待つ満天
対岸の青鷺じつと洗堰ぽんこ
薪能夜風に扇たえてをりよう子
山頂の鉄塔光る大夕焼治男
千枚田等間隔の早苗かなぽんこ
落ち花を池に見立てて雀の子もとこ
遊園地の一角占めて薔薇満開こすもす
ウォーキング梅酒試飲すスタンプ所やよい
万緑や千年楠の風騒ぐやよい
手刀で蜘蛛の囲をまづ払いつつ明日香
夏ツバメ指差す園児らの散歩こすもす
風薫る緑の底のベンチかななつき
五月雲切れて広ごる青き空せいじ
寝たきりの犬よく眠る薄暑かなたかを
紫陽花の好みの色を玄関に満天
避難橋スカイツリーの遠霞なつき
雨上がり煌めく雫夏薫る智恵子
空翻りひるがへり夏燕はく子
谷戸の池鯉の群がる水五月宏虎
新緑を二倍にしたるショーウィンドーせいじ
城櫓仄と朱を帯び薪能うつぎ
踏み入れば濃く匂ひけり花蜜柑よし女
2018年05月20日
高くとも万年筆だ柿若葉治男
句会出て刺激受けるも夏痩せす明日香
トンネルに展けし眩ゆヨットの帆智恵子
カーナビのごと前を往く夏燕せいじ
古書街のはしごにカレー匂ひくるなつき
父祖の地に黄金の波や麦の秋菜々
豆飯の炊き上がる香の二階へと満天
ハイテンションでおかわりする子豆ご飯こすもす
ソーダ水沖のタンカー透かし見ゆ智恵子
城跡に亡霊の舞ふ薪能うつぎ
軽暖やくはへ煙草のトラクターさつき
万緑の園にホルンの音響くぽんこ
からと乾く魚の干物五月空よし女
城山の木々さんざめく薪能うつぎ
麦の穂の怒れる顔や蝶の恋たかを
夏木立湖にはみ出す朱の社よし女
軽トラのボディー掠めて夏燕せいじ
黒猫に真っ白仔猫風薫る宏虎
豆飯は皆が好物三度目に満天
万緑の森を逍遥目の薬ぽんこ
夜風きて空席目立つ薪能よう子
一面のしろつめくさの香に噎せるやよい
白髪染めやめて銀髪青葉風たかを
娘の墓慈愛と名付け若葉風治男
青あらし友の病ひを受けとめるもとこ
蜘蛛の囲のつなぐ羅漢の肩寄せりなつき
日付入れひまわりの種蒔きにけりこすもす
麦の秋屋根だけ見えて札所寺菜々
初鰹元気な漢鉢巻す宏虎
ほととぎすの声しきりなる雑木山やよい
三門を額縁にして若楓明日香
縄文の遺跡に香る花楝三刀
2018年05月19日
兄弟の如く豌豆並びけりぽんこ
強風や地上惨憺夏の空たかを
うなだれて咲き尽くしをり赤薔薇やもとこ
風呂上がりチョコのアイスの美味さかなあさこ
一郷を明るくしたる麦の秋三刀
金雀枝の黄色ふさふさ自己主張宏虎
薔薇なぶるヒマラヤ杉を揺らす風なつき
緑陰に車座となる吟行子せいじ
俯瞰する植田の列の消失点たか子
親子連れバラ真っ盛りの観覧車こすもす
夏の風草花ゆれる揺れぬものと治男
柿の葉寿司セットのおうどん薄味に満天
今年又ようこそ此処へ燕の巣たか子
青嵐木に引っ掛かる帽子かなぽんこ
若楓透かして三門聳えけり明日香
譲り合ふ同じ薔薇好きらしき人なつき
曇天を磨きゐるごとブラシの木やよい
子ら描く画用紙薔薇の十色かな智恵子
夏立つや木洩れ日水路音立てて菜々
なんじゃもんじゃ池塘ひときわ明るうすやよい
満員の白ブラウスの車内かな明日香
栴檀の花を降らすは虻ならむせいじ
京古刹木魚の洩るる新樹かな宏虎
モダンジャズ洩れし古書街夏帽子智恵子
湧き水の山葵田浸す水清しあさこ
新茶淹れ地元力士の応援を満天
豌豆のさやを飛び出す勢いかなよし女
鉄工所の家を取り巻く蔦若葉治男
貸店舗軒にいくつも燕の巣さつき
ハンバーガー食べる木陰のベンチかなこすもす
サラダにはオニオンスライスたっぷりと菜々
芍薬の壺よりあふれ美容院よし女
2018年05月18日
快晴や波唄ふごと皐浪立つ智恵子
吟行子大緑陰に屯してせいじ
雨模様燕は低く草を飛ぶ三刀
汗涼し古書の頁をそっと繰るなつき
片影の古書店街の特価棚なつき
若葉風二拍子が好き葉と遊ぶたか子
参道の脇に青梅二つ三つこすもす
黙々と一人で豌豆剥く子かなこすもす
クレオパトラツタンカーメンてふ豆を食ぶ明日香
蕗剥くや宿はその香に満たされてよし女
害虫を平常心で殺せない明日香
山寺へ高き石段風薫る菜々
寺ヨガに回る天井扇風機はく子
青き空雲游子なす夏木立智恵子
蓼の葉を皿に敷きあり祝膳よし女
桐の花深山一本聳えけり宏虎
水脈ひきて蛇泳ぎ行く速さかなやよい
手弁当空豆煮つけ旬を食む宏虎
道細る古墳のなぞへ韮の花菜々
池底に姿映してメダカ行く治男
泳ぎつつ蛇石垣の穴さぐるやよい
鳥騒ぐ低く垂れ来る梅雨の空たかを
参道に堂々横たふ孕鹿満天
蔦若葉古墳くるみて森となるもとこ
青葉蔭オカリナを吹く子連れ人治男
白服の参道うめる修学旅行満天
まづ薔薇のアーチをくぐる園児どちせいじ
接骨師施術の指に若葉風たかを
昼休み蟻の巣覗く老大工たか子
2018年05月17日
リフトにて空中散歩若葉風宏虎
万緑の句点読点山法師三刀
宿場町よもぎ餅つく蔵のカフェ智恵子
初恋は大輪の薔薇ほの紅しなつき
体揺らし初夏の畑行くカラスかなたかを
もふもふの産毛チラホラ燕の巣智恵子
無縁墓にドラマに出る名夏日燦治男
聞きにけりトッキョキョカキョクちっちっちたかを
グランドをトラックの行く夏に工事治男
足首へ通ひ来る風若葉冷えよし女
原付の免許とりたて青田風こすもす
新玉ねぎレンジでチンで透き通るはく子
退院を告げらる夕べ虹立てりやよい
薔薇の香を確かめたくて風下へたか子
薔薇園のベンチに座せば目の高させいじ
ラッシュアワーの人かき分けて駅薄暑菜々
卯波立つ海道長し砂嵐やよい
朗々と歌詠む講師夏スーツよう子
鉄柵の風に頷く赤き薔薇ぽんこ
向き向きに跳ぬる薔薇の名乾杯となつき
眠り落つ伊根の舟屋の卯波かな宏虎
水涸れて尖りし一葉(ひとは)も無き菖蒲たか子
金宝樹てふ和名似合わぬ真っ赤な花明日香
蜂も来て薔薇の蕾に接吻すせいじ
胃カメラに緊張極め汗ばむ手ぽんこ
薔薇香る苑に木の椅子石の椅子菜々
鳥語洩るビール片手の読書かなこすもす
目纏ひを払ひはらひて参道を満天
灯籠の間より子鹿の大き瞳満天
透き通る新玉ねぎの甘さかなはく子
山路いま一樹すきなく桐の花よし女
2018年05月16日
太き胴ねじり枝張る花楝よう子
薔薇の階レディーはスカーフなびかせて菜々
近傍を飛び交う燕巣立ちけりたかを
手相見の暇生む一灯柿若葉宏虎
吉野杉緑したたり素直になる治男
色抜けし麦わら帽や納屋の隅智恵子
白壁の蔵町通り燕来る愛正
木の名札答は裏面バラ公園こすもす
青空に吸ひ込まれそう花あふち満天
道の駅日に日にレタス大玉に明日香
夏に入る花梨は青き実を揺らし菜々
値札の零数ふる古書や薄暑なるなつき
蔦若葉古墳すっぽり包みけり満天
亀鳴くや四天王寺の池埋めてもとこ
白日傘見目の良きひと花の園たか子
雀の子ひとつ啄ばみ喉伸ばすたかを
風擦りて紫蘇匂い立つ大原路智恵子
ばら笑顔さんぽの子らも保育士もはく子
散策す雷鳥ゐたといふ処やよい
青葉寺いろはにほへとの下足札なつき
木々縫って鴉の雛の声漏れ来三刀
吟行子も園児も満喫バラ公園こすもす
薔薇アーチ何度もくぐりはしゃぐ児らたか子
緑陰に雀らも来て水浴びすせいじ
青空に吸ひ込まれそう花あふち満天
春愁や女奥の手空涙宏虎
送電の鉄塔抜くる植田風やよい
森林浴匂い確かむ犬と居て治男
ばら満開笑顔まんかい車いすはく子
白薔薇の香り際立つ鉄の柵ぽんこ
どの株も今が盛りや薔薇の園せいじ
2018年05月15日
風に揺れ峰下がりゆく峪若葉宏虎
香を放ち炎と燃ゆる赤き薔薇宏虎
夏霧を抱きし山の駅に立つやよい
手鏡に前髪なほす薔薇の園なつき
下山せし街は思はぬ若葉寒やよい
本当の色はと外すサングラスたか子
写真撮るために脱ぎ置く夏帽子よし女
行厨のベンチへ存門黒揚羽菜々
歯の痛み忘れてをりぬ薔薇の園せいじ
薔薇の苑風雨の傷み見えもして明日香
グランドのラインの光り汗ばむ子等治男
朝の日になぞえ一面きんぽうげよし女
秘境駅かほる若葉と湯のけむり智恵子
尾が知らす猫の居場所や夏布団たかを
黄菖蒲の水涸れに咲く力かなたか子
青嵐鴉止まるや舞う木の葉たかを
緑陰のベンチに読書する翁こすもす
謎めきし古墳の円み蔦若葉こすもす
園児らのおさんぽコースばら満開はく子
新樹光小高き古墳風渡るぽんこ
行厨の明かし天蓋新樹光ぽんこ
犬の散歩呼気激しくて日焼け人治男
日盛りの風干草の香を乗せて三刀
ばら五彩うす紫はさみしかりはく子
さみだれて水が水のむ疎水かなせいじ
老鶯の声澄み渡る団地の間智恵子
緑蔭のベンチで一句賜りし明日香
龍神を裾辺に古墳万緑裡菜々
地図回し来た道もどる街薄暑なつき
聖五月ゆりのきの花勾欄より満天
裸子や手力強きピアス取れもとこ
薔薇大輪添え木数多に支えられ満天
2018年05月14日
鳩と遊ぶ少女の像や風薫る菜々
水浸しなる軌道基地さみだるるせいじ
紫陽花の紫うっすら雨あがる満天
ヨーヨー釣り列なす地域の夏祭りはく子
停泊の豪華客船聖五月宏虎
傾きて支柱ほしがるトマト苗よし女
えごの花散って地上に星座描くよし女
旧友と話途切れず夏帽子たかを
夏霧を分けて下降すケーブルカーやよい
五月晴脱水時間短くす明日香
緑風に歩幅大きくウォーキング菜々
新玉葱ぽん酢とぴったり食すすむ満天
草引きて空耳ならむ母の声もとこ
イヤリング輝き増すや梅雨の空たかを
母の役こなして了る母の日よはるよ
びっこひきグランド廻る新樹光治男
満開の薔薇の真ん中アンネ佇つこすもす
花は実に猫の駅長大欠伸宏虎
大玻璃の外は鈍色さみだるるやよい
濁流の水門に蝶もつれ飛ぶなつき
穴子釣れ触れぬ吾の悲惨かな智恵子
グランドの見る席工事夏来る治男
好物の空豆を煮て母と食ぶせいじ
子ら去りて風と残りし花菖蒲なつき
目の癒えて鮮やかに夏始まりぬたか子
桟橋に競ひ賑はふ穴子釣り智恵子
リズム良き太鼓の音や五月照る三刀
土手を行く茅花流しを背に受けてたか子
2018年05月13日
鉄柵を越ゆ一輪の赤き薔薇せいじ
母の日や豆のスープのリクエストなつき
隣組初めて話す溝浚へ満天
別荘に来て鶯の声を聞くあさこ
十薬がコンクリートの溝埋むせいじ
梨の花見下ろす棚田水ひかる智恵子
一面の茅花流しの古墳かなさつき
見上げいる空に溶け込む花樗ぽんこ
緑陰の古きベンチに読書人ぽんこ
行く春を送るアルプス頂きにやよい
湧き水や崖に育む苔の花智恵子
変声期の子と声比べ夏の風邪治男
母の日や届かずじまいカーネーションたか子
母の日や戦中戦後後家通す宏虎
機嫌よしお着替え前の裸ん坊こすもす
さよならと会議を終えて夕涼したかを
九十九折れ山路遠くの海霞むあさこ
朴の花青空向きて咲きたがるよし女
あるなしの風にさゆるる虞美人草はく子
ガラス戸の先に進めず夏の虫たかを
おいでませ維新山口に待つ菖蒲よし女
母の日や子なき嫁よりプレゼント菜々
一笛に統率とれし神輿かな宏虎
母の日や子より手作り化粧水なつき
嫁してより届く駿河の新茶汲むよう子
梅雨の猫まるで鴉の濡れ羽色菜々
坂道をあえぎて登り滝光る治男
料亭の眼下卯浪の瀬戸の海三刀
五月雨の落ちるところへ並ぶ桶明日香
ゆくりなく大山れんげの純白にはく子
母の日や妣の介護を悔ひをりぬやよい
溝浚へ了へて雨音聞きつ茶を満天
園丁はイギリス仕込み薔薇の園さつき
犬走をゆっくりゆっくり蝸牛こすもす
母の日や年に一度の母なる日もとこ
2018年05月12日
ニイハオと声かけられる街薄暑よう子
母の日や流行り小物を子とのぞくなつき
薫風や安定飛行長き脚たかを
下町の駄菓子屋婆はひるね中智恵子
ひと粒の山桃添へる祝膳よし女
読書する乙女や園に夏来たるたか子
絶壁のセメン造りに青葉の木治男
揺れながら二両編成麦の秋たかを
牡丹園坂道巡り堪能せり宏虎
風に揺れ小さな草履小判草ぽんこ
夏めくやおやじバンドのライブかなもとこ
立礼の床の間すがし蛍袋満天
点ほどの人影降り来春スキーやよい
子や孫と米寿を祝う五月かな三刀
実桜やさながら鳥のレストランはく子
栗の花なぞ多きかなあの形智恵子
模擬店の顔見知りなる夏祭り満天
雨蛙だけは好きてふ媼かなこすもす
緑蔭で知らぬ選手等に挨拶され治男
行儀よき園児の列や風薫る菜々
鮮やかなシュプール光る春スキーやよい
追いかけて鳩を散らす児風薫るたか子
電柱の陰にどくだみ楚々と咲くせいじ
行厨は若葉の中の四阿にはく子
村のカフェお洒落媼のレース服こすもす
草隠れにルビーと紛ふ蛇いちご菜々
まちかどの花屋のびのびふじのぼりせいじ
母の日や子の食べつぷりみてをりぬなつき
限り無く花の点在うまごやしぽんこ
大輪の牡丹繚乱彩競ふ宏虎
三代夫婦の笑顔の写真風薫るよし女
2018年05月11日
母の日や便利な空輸生鮮品宏虎
街をゆく豆腐売の音夏めきぬせいじ
下闇を集団下校の黄の帽子せいじ
行厨は池辺の黄菖蒲愛でながら菜々
濃緑に浅黄色増ゆ四囲の山明日香
暮れてなお白極まるや山法師満天
風青しチンチン電車抜けてゆくもとこ
強風に隣家よりくる実梅さは満天
掃き了へし庭に来て跳ね雀の子よし女
課題曲窓より聞こゆ夏はじめはるよ
新緑の五彩ふちどる池の四囲そうけい
ねばならぬことは忘れて新茶汲むはるよ
虫たちのかくれんぼする提灯花ぽんこ
はためくはお田植えまつりてふ幟こすもす
五月空真二つに割る飛行雲三刀
邸宅は更地になりて夏の草ぽんこ
母の日や親孝行を今一度宏虎
若葉山樹樹盛り上がり絵画のごと治男
薔薇薫る人気なきかな大使館智恵子
つつじ了へ花殻掃けばうず高くよし女
草芳し木洩れ日小道行くかぎり菜々
温度差の激しき一日夏初めこすもす
娘の墓犬石像が守る暑さ治男
行厨や浜辺の松の樹下涼しなおこ
錆猫の傷口癒えて五月かなたかを
夏来る白髪なびかせペタルこぐたかを
墓参り青嶺あかりを越えし先たか子
新緑や樹林まぶしきケーブルカーやよい
金婚に雪の立山日本晴やよい
夕べ古茶朝は新茶老い二人うつぎ
遍路地図マーカー塗りし寺増えてなつき
和菓子煉リ仏間に母と新茶汲む智恵子
一ところ四方八方かかり藤たか子
老遍路足投げ出して経読めりなつき
相会釈してぶらんこの老夫婦愛正
2018年05月10日
ケーブルカーカップル席に風香るなおこ
青嵐ベートーベンのピアノ曲よう子
老鶯の声保育所の昼寝時こすもす
植田澄む伏流水の行き渡りうつぎ
雨上がりフワリフワリと燕の子たかを
トウバナてふ雑草ひとつなら可愛明日香
屋根越えて伸ぶる類ひの花卯木せいじ
白南風やカモメ休みし椰子木陰智恵子
持ちくれし丹精の薔薇ふくいくとたか子
若葉光五百羅漢の笑み多し満天
聖五月十字架ひかるネックレス宏虎
気温差に重ね着したる夏衣たか子
蔦若葉ひび割れし壁隠しけり満天
ご当地グルメ白えび尽くし初夏の旅やよい
白波と大砂嵐能登の春やよい
泣きやまぬ赤子をあやす青嵐智恵子
法螺の音に神鶏こたふ祭宮なつき
空広き水の都に夏来る菜々
塵埃をカラスに隠す山帽子せいじ
卯波立つ平家滅びし海の悲史宏虎
湖北里守りし仏踏む素足もとこ
威勢良き鳥居に近き鯉幟三刀
思春期の「うん」しか云はぬ若葉雨更紗
薫風や妹背句集を子に贈りよし女
夏の雲ヒマラヤスギは天を突くはく子
朝市のおまけ一枡白子干なつき
ネット柵よりはみ出し揺れる茅花の穂こすもす
卯の花を飾りコ−ラス練習会治男
森はいま鳥と緑のハーモニーよし女
遊船や通りし跡の河騒ぐ治男
昼寝猫寝たきり犬に身を寄せてたかを
葉桜やみどり深めて大川面菜々
2018年05月09日
尿の音猫の真顔や菜種梅雨たかを
海坂に船きらめくや初夏の室戸治男
業平像袖の汚れや五月雨るるなつき
青嵐散居に聳ゆ屋敷林やよい
葉桜の木もれ日燦々子守像はく子
堰落つる水のしろがね聖五月菜々
本殿へ新樹の磴を行列すこすもす
蜘蛛の囲にライト当たりて透ける闇もとこ
遠き日や姉と手拍子茶摘み唄たか子
笑顔にて幼女スキップ聖五月宏虎
道草のつましき花へ若葉風せいじ
三色に移ろふ箱根空木かなせいじ
艶やかに光と影の柿若葉宏虎
舟溜まり各舟名あり青葉風治男
願掛けて葉先を結ぶすすきなつき
薫風や羽ばたき真似て地を走る三刀
昨日京都けふはなにわの春惜しむ菜々
風薫る館外にての朗読会よし女
コート中砂にまみれしみみずの死ぽんこ
けぶる山晴れるごと増す緑かな明日香
廃線の錆びて卯の花腐しかなたか子
さんざめき絶へし紅白つつじ苑よし女
ひかる海夕の江ノ島風薫る智恵子
送電線しかと踏ん張る水田かなやよい
だるまさんが転んだする子かまきり明日香
老鶯の唐門くぐりてしきりなる満天
声走る躑躅の波間かくれんぼ智恵子
薫風や幹すべすべのご神木こすもす
若夫婦転入挨拶若葉風たかを
若冲の墓へ翳すや樟若葉満天
2018年05月08日
尺八の知人の披露夏座敷治男
紫を四方に散らす紫蘭かなぽんこ
山笑うかざらぬ妻の笑顔かなたかを
手尺当つ浦島草の糸の丈うつぎ
老人会の司会をするや夏背広治男
五月来て日本列島気候変はく子
薄暑はや日笠さしゆけりともえ
葱坊主風に頭をぶつけあひ敬和
目瞑りてめまとひの群れ突き抜けしたか子
卯の花腐し話題も尽きて老い二人菜々
雨しとど青嶺と雲と融和して明日香
剣の葉守りに付けて杜若たか子
礼状の水彩画手に春惜しむ満天
高速路の風たっぷりと鯉幟やよい
名入り夫婦箸娘より五月の句集祝ぎよし女
十薬の匂ひ消したる雨雫ぽんこ
自転車で走る畦道風薫る敬和
黄金週間クレーンの首伸ばし切りやよい
気まま旅蛙の声聞く無人駅智恵子
真珠抱く貝の匂いや夏兆すこすもす
参道の走り根に生う若葉かなこすもす
スティックのS字模様は蟻の列せいじ
夕霞近くて遠き里灯かり愛正
老鶯の声澄み渡る天城越へ智恵子
藤蔓の掴むもの無き五月空三刀
コピー機の紙捌きよし若葉雨せいじ
炭酸水ボトルあふるる立夏かななつき
音もなく庭木々包む若葉雨満天
白き胸上昇一瞬窓の燕たかを
麦秋の中を駆け抜くバイクかな宏虎
白藤の下にて老の宴かなよし女
卯の花腐し色失うて大川面菜々
母の胸へ歩き初む子や五月来るなつき
ゆるゆると夏霧のぼる四囲の山明日香
見晴らしの峠の茶屋の若葉風宏虎
2018年05月07日
人気なき墓にも藪蚊はや出でて明日香
連休あけ珈琲ゆっくり若葉雨満天
水底に塔のゆらぎて池温む菜々
ふるさとのそら真青なる立夏かな更紗
初夏の風九名のみの同窓会治男
十二年振りの御朱印夏来たるこすもす
筍の煮汁したたる朝餉かな更紗
新樹光小さき白亜のチャペルにもせいじ
春宵や微睡てもう夕餉支度もとこ
アカシアの樹上に香る大道りそうけい
新緑の借景庭に続く山三刀
花御堂子ら花摘みて登り来る智恵子
滴りや忍者衣装の子ら駆けるこすもす
千本の鳥居くぐれば夏怒涛よし女
人住まぬ塀よりのぞく柿若葉満天
尚奥へ新緑尽くや日本海よし女
闊歩するヒール三寸街薄暑はく子
検査終へほっと安堵の夏来るぽんこ
藍刈りて水底動くヤゴを見ゆ智恵子
潮入川海月の傘の群れ泳ぐ治男
渡月橋七彩に見る若緑宏虎
ちりめんへ試食の手伸ぶ弘法市なつき
銀色に山塗りつぶしさみだるる菜々
雨粒を受けて躑躅のジョウロ咲くたか子
ためらわず年齢記せし花は葉に宏虎
咲き初める都忘れの濃紫よう子
リハビリの杖に手のまめ夏来るなつき
静やかに連休明けの若葉雨せいじ
ワイパーの機嫌や緑雨払ひてはうつぎ
2018年05月06日
磯笛は呼吸音とや海女実演こすもす
幼女走り薔薇を背平にポーズ取るぽんこ
土佐水木龍馬腕組み海望む宏虎
夕暮れのしじまを破る時鳥三刀
そら豆のお多福顔の親しかりはく子
若葉風講演出て総身に満天
フォンデュ鍋囲み近江の春惜しむせいじ
ねんごろに僧の読経や夏ごろもたか子
人ごみを離れて高原若葉風智恵子
打つ雨に一日踊れる新樹かなよし女
葱坊主宇宙の始め尋ねたしよう子
作物を荒らすカラスや玉の汗明日香
漁火や烏賊釣舟の隠岐の島宏虎
大きなるゴーヤネットや小さき苗たかを
姫皮も添へて今宵の若布汁菜々
花朴を葉ごと切り来て卓狭しよし女
川端の柳そろつて揺れ動きともえ
思い出の恋の小説春夫の忌治男
青空へつばめの円舞あちこちに明日香
乱れ髪スカート巻きて初夏疾風智恵子
和音なる蛙の声や雨激し治男
花水木それには見えぬ若葉かなたかを
薔薇園の給水ホース見へ隠れぽんこ
黄金週間終へて公園鎮まれり満天
小宴に彩りの美し夏料理たか子
春深しリハビリに吹くハーモニカうつぎ
出し抜けの雨に駆け込む藤の棚せいじ
香煙で婆の背さする花まつりなつき
校門に日焼け止め塗る女学生なつき
緑陰の宝探しや忍者村こすもす
蟻穴を出でて思案の首傾ぐ菜々
そら豆を剥きたる後の莢の嵩はく子
2018年05月05日
街路樹の目に青々と夏来たる満天
子も一諸入れし菖蒲湯懐かしく宏虎
仏へも竹の子ごはん木の芽添え菜々
夏帽子被ったままの床屋さんたかを
納骨を終え翻る鯉幟三刀
大海を彷徨ふごとく夏の月はく子
降り出しの風生温し菖蒲園なつき
大浴場の半分占める菖蒲かなこすもす
置き去りの杖の不思議や木下闇たか子
石畳み釈迦堂みえし若葉風智恵子
祖供養は新茶と決めて心満つたか子
影法師で姿勢を直す立夏の朝治男
温暖化ですねと交わし茄子植ゑるよう子
断崖の見上げる空に藤の花ぽんこ
膨らんだビオラの種をひとつずつ明日香
スケッチの運ぶ筆先蟻走るさつき
遊覧船手を振り返す薔薇の土手ぽんこ
燕の巣間違わぬのかみな同じ智恵子
父と子の弾むキャッチボール子供の日満天
三代で菖蒲湯に入る旅の宿こすもす
九十歳の句集仕上がり夏きたる治男
歯科医にてクラシック聴くヒヤシンス宏虎
青信号つづく駅への陽炎へりなつき
出払ひて一息入るるこどもの日せいじ
市の客春雨に算を乱さざりせいじ
用水路滔々と流れ夏来るはく子
シャッターの音絶え間なき薔薇の園さつき
合掌し糸引いて生る子かまきり明日香
ひなげしや花失いてうな垂れるたかを
子は独り立ちして疎遠子供の日菜々
紙かぶと迷惑顔の赤子をるもとこ
2018年05月04日
青空や軽軽揺れる葱坊主治男
強風や自在に泳ぐ鯉幟治男
下草を刈られ深まる木下闇たか子
蓬餅撞く実演や海ホテルこすもす
目交ひに橋の下より朴の花よう子
五重塔映し猿沢の池ぬるむ菜々
母寄るとすぐに駆けだす子鶺鴒たかを
夏嵐マンション盾に吹きすさぶはく子
紋付のもみ上げ長き祭人なつき
ジャングルジム天辺若葉風の中なつき
あちこちに囀り拾う日の出かなたかを
薫風に紙飛行機の宙返り智恵子
五月来て街行く人のイヤリング満天
過疎の川友禅流しめく鯉のぼりよし女
翠黛の山迫りくる立夏かなぽんこ
飛ぶ鳥の進路を阻む青嵐三刀
四囲すべてみなぎる若葉陶器市せいじ
野辺にありて主張しているかに薊はく子
卯の花の客を迎へて匂ひ立つせいじ
過疎村の一山石楠花浄土かなよし女
春光に稚児の冠きらきらと菜々
黄金週間の人出や玉砂利見えぬほどこすもす
夏霞富士の麗姿を隠しけり宏虎
マネキンの白きブラウス街五月満天
春暁や目覚めてじっと老いをみるもとこ
五月来る病にならず呆けもせず宏虎
庭隅を掃きて見つけし茗荷の子智恵子
おくるみの嬰抱くごと筍ようつぎ
能勢街道代田に映る山の影ぽんこ
2018年05月03日
笑み浮かべ孫のお下がり夏帽子たかを
万緑を縫ってSL谷渡る智恵子
宮守る神馬躍動夏近しぽんこ
何処から匂ふジャスミン夏近し満天
童心に返りてボッチャ春たのしせいじ
憲法記念日溜まる新聞纏め読みうつぎ
渓渡る縺れほぐれつ鯉のぼり明日香
水色の五月の空へ観覧車菜々
川風に六等身の鯉のぼり宏虎
身に纏ふ痛み捨てたき更衣満天
昨夜の雨若葉の色を仕上げたるたか子
赤瓢箪の御練りつつまし里祭なつき
山車待つや東海道に椅子出してなつき
丘に佇ち俯瞰の限り麦の秋宏虎
街路樹の葉擦れ騒がし青嵐ぽんこ
沿線の植田の風や山陰路こすもす
犬のやうフェンスに覗く鉄線花せいじ
蝶食われ風に漂う白い羽たかを
墓石展子は買おうかと春の暮治男
薫風や南海碧く祝婚歌よし女
五月晴れ家事に優先順位ありたか子
青空や植田広ごる車窓かなこすもす
花びらを銜えて跳ねて雀の子よし女
動く雲見詰む憲法記念の日三刀
琴坂や青楓ぬけ座禅寺もとこ
五月晴太陽の塔胸ひらき菜々
麦秋や金波銀波と輝いて明日香
藤波の香に潜り佇つ風の音智恵子
友逝くや寺の裏より亀の鳴く治男
2018年05月02日
老いて尚食欲のあり穴子飯あさこ
燕の巣下に日参他家の猫たかを
数メーター前ジャスミンの匂ひ在りせいじ
御手洗に二尺の菖蒲浸しけりぽんこ
種蒔きの約束交わし見送れりこすもす
豆腐売りのラッパ間遠や春霞こすもす
杉鉾をからめ捕るごと懸藤三刀
川の瀬に揺らぐ新緑影法師智恵子
端午の日新聞で折る兜かな宏虎
通院の母エスコート薫風裡せいじ
街に出て久々に買ふ夏帽子あさこ
燕の子へ今日は開けあり長屋門菜々
剥ぐ程に筍の皮くると舞ふよう子
目高の眼翡翠を秘めて5月来るはく子
やり直し効かぬ人生武者人形宏虎
過疎村に景気づけとか鯉のぼり明日香
大輪の媼育てし鉄線花満天
春うらら襖絵にまろぶ子犬かなはく子
子育てし看護師となる豆の花治男
藤棚は今年の花をつけぬままたか子
春深し煎り立て珈琲味はひて満天
雨雲を映すまばらなかきつ池なつき
夏来る分岐路に立つ石標ぽんこ
薔薇園や子連れ犬連れじじばばももとこ
炎帝よ無人グランド寂しかろたかを
水音の高しまばらな杜若なつき
若葉雨上がり界隈青々とたか子
衣替え古着にフリル着けもして智恵子
中一の授業参観夏近し治男
京生まれなれど騒がし燕の子菜々
2018年05月01日
喫茶店薔薇とコーヒー誘われてぽんこ
体操をしながら歌う田植え歌治男
春の夢くの字になりて眠る吾子もとこ
筍の湯がきにあふる糠の跡ぽんこ
自販機の音頻繁や夏近し満天
空虚なる喚く憲法記念の日宏虎
山桜つなぎし手の輪一会なり智恵子
食卓の花瓶葉ごとの朴の花三刀
ちらほらとアンネの薔薇の咲初めりこすもす
落慶の五色綱張る清和かななつき
春満月の虜となりて濡縁にやよい
大会の余興尻目に山女焼くせいじ
連休や駅空港の夏帽子宏虎
短夜や残りし夜をまだ眠るたかを
薫風や紅茶に入るる薔薇のジャムやよい
里山に春雲流れ浜遊び治男
草刈りに追はれ追はれて憩ひけりさつき
下枝へと陰重なりて緑濃し明日香
目印に水車の回わり小藤咲くあさこ
おつかいのやうやう出来し子菜の花黄菜々
平成の春の僅かと惜しみけりこすもす
春風が吹き抜けて行く三間つづき菜々
山藤が渋滞の憂さ忘れさすせいじ
九十九折れ捨て犬多し藤の花あさこ
打ち返すテニスの音や五月来る三刀
膝折ればワイ字渓谷半ズボンたかを
自販機に礼を言われて薄暑かなよう子
花灯窓借景彩す山躑躅智恵子
春深し思ひ通らぬ糸と針はく子
裾引きて稚児行列や春暑しなつき
煮て焼いて筍づくしの夕餉かなうつぎ
不揃ひの甘きかほりの苺持参満天
眼科へと通院アイテムサングラスたか子
母の日や遺句集を詠む習いなるたか子
2018年04月30日
薄暑はや日陰嬉しく小休止ともえ
新緑のまぶしき木々の遊歩道満天
春霞ぼんやり浮かぶ重い月もとこ
金雀枝や賑やか過ぎた孫一家ぽんこ
大筍届きてはたと鍋さがすなつき
老いてなお消えぬ思いや朧月たかを
山積みの筍土間に分けあへりなつき
皮つきより味つき嬉しタケノコはこすもす
パッチワークめきてなぞえの芝桜こすもす
春の海夕日の描く金の橋明日香
木香薔薇風に散りては雪のごと菜々
炎天に雲のひとつの救いかなたかを
鰯焼くに囲む七輪道の駅よし女
潮風の心地良きかな初夏の夕智恵子
連休の車内賑やか夏近したか子
小刀で削る鉛筆昭和の日うつぎ
幾度も月に立ちては春惜しむ菜々
洋服の補正しあがる昭和の日よし女
山里の空き家の呑み込み若葉萌ゆ智恵子
孫娘嫁入り姿春惜しむ宏虎
姿見に斜め立ちして衣更たか子
リハビリの後期高齢暮の春満天
ゆっくりと向き変ふ鯉や水温む敬和
夏近しいちばんぼーしみ〜つけたはく子
土佐生まれ漢地酒や初鰹宏虎
新緑の峠越え越え日本海三刀
老鶯の声の向こうに松山城明日香
生駒嶺の春満月と対峙せりせいじ
石橋にしゃがむカメラの杜若よう子
裏路地は行き止まりなり垣通愛正
白なればつい振り返る紫蘭かなせいじ
2018年04月29日
藷蔓を挿して一息昭和の日三刀
幼女得意髪飾りするクローバーぽんこ
千羽鶴柩に納め春惜しむはるよ
炎帝の思いのままの廃墟かなたかを
春風に駆ける子泣く子稚児行列菜々
葎よりかたばみ数多花掲ぐせいじ
受付の農婦饒舌ぼたん園よう子
稚児化粧のこる兄妹水遊びなつき
刈り上げし細き項や夏兆すはるよ
波しぶき保津川下り春惜しむ宏虎
草原にてんでばらばら蕨摘むさつき
蝶の羽左右に震わす花の上ぽんこ
親とゐて仔猫眠たく大欠伸宏虎
松山の湯釜薬師へ春惜しむ明日香
目の癒えて抜けゆく空や五月晴たか子
葉隠のゆすら一粒盗みけりやよい
疎らなる新緑並木陽の斑ら智恵子
四十年ぶりの兜飾りや柏餅こすもす
黄金週間暦空白厨事満天
夏草に鎌打ちつける老女かなたかを
豆飯におかずひと品減らしけり満天
故郷の畔懐かしき蓬餅うつぎ
暮れ初めて白薔薇白くなほ白くせいじ
朴の花佛の如く仰ぎけり治男
春風に法会の読経歌ふごと菜々
隠沼のさざ波きらり夕蛙やよい
蝌蚪の群覗けば手も出足も出て智恵子
豆めしや湯気の香りの馥郁とたか子
蜜柑の花の歌教えし子は校長治男
黄の中の白のやまぶきふと淋しはく子
光風や冠揺るる稚児の列なつき
石材屋の立ち仁王像柿若葉こすもす
2018年04月28日
売れ筋はくまモンラベルの苺パック満天
奈良そぞろ搗き立て草餅食べもしてはく子
藤咲いて札所詣での列続く菜々
塔再建の覆ひを高く春空へ菜々
ハウスには馥郁たる香紅いちご智恵子
波に倒けずぶ濡れの子や磯遊びなつき
囀を浴びて一日の始まりぬ敬和
春の道頭出ている下水工治男
葱坊主競ひてみんな同い年うつぎ
朝に夕に筍届き大忙し満天
夫々に思い思いの春の夜たか子
初鰹鉢巻きりり一本釣宏虎
豪邸の躑躅の垣根五彩かな三刀
シャッターを閉めんと外へおぼろ月明日香
神庭の古き灯籠やま躑躅ぽんこ
夏草や天に尻向け天道虫たかを
石地蔵石のすき間に蛇いちごぽんこ
打ち明けし話聞きたる春愁ともえ
だぶだぶの学生服に山笑ふ敬和
段ボールで草滑りの子風薫るこすもす
いちご狩り彼のくちびる苺色智恵子
薫風やわが町向きて天守閣やよい
鯛焼きのしつぽは妹に昭和の日なつき
峠越へのヘアピンカーブ新樹光こすもす
惜春や捨てる決断難しき治男
団子虫大きく転び夏を呼ぶたかを
国宝の塔をまなかひ緑立つはく子
工事現場閉鎖のままに桐の花やよい
パンジーの香にむせ返る戸口かなせいじ
卯木咲く隣の庭へ張り出してせいじ
常緑と新緑の襞山楽し明日香
野路楽し蓬摘み摘みたもとほるよう子
雨降りて紫こぼす花菖蒲宏虎
校庭を斜め一閃燕来るたか子
2018年04月27日
青麦も加へ机上の花とせりこすもす
風薫る空気の存在忘れ勝ち宏虎
夏来る初老混乱庭の畑たかを
種採れる日を心待ち茎立ちてこすもす
鳩居たりこんなところに雛三羽たかを
濠めぐる新樹の城を仰ぎつつやよい
うつむきて揺れていとしや花片栗菜々
生い立ちと似たるドラマや春愁い治男
春灯に故郷しのぶ水彩画満天
草餅の香り豊かに口の中よう子
切り通し休む岩陰新樹光智恵子
春昼の車内ゆらゆらうたた寝す更紗
白昼の漁船静かな夏めく日ぽんこ
ガレージの巣燕見てと向ひより満天
街なかの運河へんぽん鯉のぼりたか子
むき出しの地層のずれや海つばめなつき
家覆う蔦の若葉や稚児の声治男
春寒し一灯もなく不動堂菜々
軽風の川面に触るる鯉のぼりぽんこ
空しさを知れば知るほど蝉丸忌宏虎
蛤の汁にかち合う音やわきたか子
淀川のどのワンドにも春の空せいじ
はんなりと鎌倉婦人春日傘智恵子
金堂に五色の幔幕奈良の春はく子
彩に佇ち姿に佇ちて牡丹園うつぎ
鯉のぼりポートタワーのてっぺんにはく子
若葉風絵馬からからと鳴り響くやよい
卒業子タイル絵貼りし防波堤なつき
葉桜となりし堤に風通ふせいじ
薫風裡庭に雀の来て遊ぶ三刀
2018年04月26日
おぼろ月鐘の音響く露天の湯智恵子
お身拭ひ新の手ぬぐひ水吸へりなつき
終点や軋むブレーキ落花舞ふたかを
薔薇香る英国風の庭園にさつき
飲む護符の白湯に浮かべて朧の夜なつき
植田水道に溢れし下校生治男
五月雨に打たれつ雛を守る鷺ぽんこ
たんぽぽや塀の下より顔出す子治男
植木鉢かえせば底に蟻出でて明日香
喫茶店薔薇のアーチに誘われこすもす
村の子は村の宝や鯉幟うつぎ
鯉幟横一文字に川跨ぐ満天
黄昏に低空一閃燕飛ぶ宏虎
百千鳥枝から枝へ影移す三刀
花屑の狭庭に描く島宇宙せいじ
山寺の鐘伸びやかに鯉のぼりよう子
畦を行く母子のハミング花菜風菜々
我が町も川風に舞ふ鯉幟満天
風化する慈悲塔なれど花は葉にぽんこ
ふるさとの香を乗せて花菜風菜々
剪定といふも鉢植ゑいと簡にはく子
濃やまぶき濁流の瀬を明るうすやよい
句会へと庭のこでまり手折りけりこすもす
閑散とせる長堤に残る花せいじ
ベランダにあべのハルカス遠霞はく子
老犬の寝顔うかがう春の猫たかを
空谷の跫音まさか燕の巣宏虎
豌豆の実だけカラスは食べにけり明日香
まなこ癒え若葉一入美し青したか子
つんつんと直立不動松の芯たか子
新樹風ベンチの中の花時計智恵子
高速路雨後の新緑映へわたるやよい
2018年04月25日
撥残し薺の花の骸かなたかを
故郷の滴りの山眺めけりこすもす
植田に家映り走れば影も走る治男
家揺るるビルの解体夏近しなつき
丹波への縦貫道路山笑ふせいじ
空海の掛け軸しかと牡丹風よう子
亡き友を偲ぶ池の辺花は葉にぽんこ
空耳や吾に返へりし薪能宏虎
薄暑はや日陰選びて日傘さしともえ
足掴む今の一刻春惜しむたかを
若葉風校歌練習繰り返す満天
真青なる空春郊の潦せいじ
枯山水借景淡き芽吹き風智恵子
小綬鶏に応へうぐいす空真青やよい
奈良のどか袴裾引く稚児行列菜々
川下り天蓋なせる藤の花こすもす
街おぼろ生駒金剛遠のきぬはく子
登校子挨拶できし花は葉に満天
星空を天蓋となし薔薇の闇宏虎
無残やな一夜の風に散る牡丹よし女
泡立ててビール注ぐや初鰹智恵子
解体の音やみ工夫らの午睡なつき
藤波をバツクにモデルポ−ズ取る治男
躑躅苗探して廻る植木市三刀
はんなりと春雨煙る四囲の山明日香
池の辺に風の生まれし花菖蒲ぽんこ
春夕焼群れより一羽はぐれけり更紗
大声の小綬鶏呼ぶや峠道やよい
しなやかな筆のはらいや雪柳更紗
襞ひだの薄れ生駒山笑ふ菜々
2018年04月24日
走り根に風が集めし花の蕊智恵子
新緑の狭庭彩る躑躅かな三刀
四阿にみはるかす海遠霞やよい
街囲む山々静かに笑い始むともえ
四阿へ木香薔薇のアーチ抜けやよい
藍染の夏のスカーフ満中陰よし女
雨うけて一際白き海芋かな満天
灯消すやサイレン響く春の宵たかを
チューリップカメラ放列はじらひてもとこ
しやぼん玉飛んで来たるや人見えず治男
枝くはふ鳶にのけぞる遍路道なつき
落花舞ひやまざる寺の能舞台愛正
とりどりの雨の躑躅の遊歩道満天
紋白蝶ベンチの吾を存問すさつき
八幡太郎ゆかりの宮や楠新樹菜々
どうだんの次は霧島庭満開明日香
墓地の上山藤垂れし匂い立つ治男
山笑ふなんじゃもんじゃの花咲かせはく子
竹やぶの裾野埋めるシャガの花こすもす
遊歩道瀬音安らぐ薄暑かな智恵子
良縁祈願の幟はピンク春うらら菜々
山麓にひと続きなる柿若葉せいじ
幹一本藤房百本垂らしけり宏虎
高速を飛ばせば青嶺迫り来るせいじ
眺望す近江平野の代田かなぽんこ
ゆらぎつつ真紅の牡丹照り翳り小袖
あら嬉し茹でたけのこのお裾分け明日香
ぎしぎしの赤錆てをり防波堤なつき
種蒔くや前後ときめきはやしたて宏虎
裾わけと隣りから来る春キャベツよし女
なんじゃもんじゃの花春光に輝けるはく子
たまさかの湖周めぐりや余花の雨ぽんこ
車窓今山藤纏う木々数多こすもす
猫二匹寝る前点呼夏来るたかを
湯煙の張りつくごとく春の山さつき
2018年04月23日
初なりの指先ほどの苺かな明日香
老鶯や水鏡なす山の池やよい
麦青む風と光を母としてたかを
ベランダにこもる蘭の香おぼろ月智恵子
五月闇石蓋厚く井戸を閉づなつき
外出の服迷ひてや春暑し満天
たんぽぽの絨毯広げて河川敷はく子
花の房長さまちまち藤の棚こすもす
柿の緑空突く如く美的なり治男
糶市の気合で勝負初鰹宏虎
野良や何処狭き水路に春の水たかを
桟橋や舫いに育つ若布干すなつき
綿雲やひばり野となる河川敷はく子
濃淡の山の膨らみ緑さす。ぽんこ
隠沼や静寂を破る牛蛙やよい
ルピナスのイギリス村てふ入口にせいじ
墓石の日焼けの匂い亡父想う治男
かたまりて萌黄の揺れの竹の秋ぽんこ
楠若葉鎮守の森に鳥語ふる智恵子
空豆の塩茹で美味し酒のあて宏虎
ベンガラの鉄橋を背に花菜揺るせいじ
白き肌葉よりのぞかせ柏餅満天
l両親の忌日近づく桐の花三刀
水琴窟流れる水が音になりもとこ
一枚のピザ夫と分け花の昼菜々
太鼓橋車椅子押す藤の園こすもす
夏来るなんじゃもんじゃの花真白菜々
2018年04月22日
仰ぎ見る上へ上へと登り藤ともえ
緑さす英国調の谷戸の店せいじ
春寒し弾圧の難この宮に菜々
遠足児仲裁の子とまた喧嘩なつき
石楠花や淀君ゆかりの寺ここに菜々
芝萌ゆる巧みさ見入るゴルフ場治男
羽音や山藤の房揺れ通しやよい
ベランダより見ゆるかぎりの春惜しむ満天
歯磨き中春入り陽見る明日に希望治男
九十九島眺む段畑新樹光智恵子
つぼみ数ふるたびに異なる朴の花よし女
麦の秋昼の月上げ空は青宏虎
対岸の山麓は今竹の秋せいじ
落ちてなほ牡丹は牡丹あかあかともとこ
静かなる公園ゆっくり春惜しむ満天
囀りや連理の枝の椋と樅なつき
背いくらべしつつ日暮れの葱坊主三刀
藤の花に群がるスマホのカメラマンこすもす
青麦の穂の出揃ひてさあ出陣明日香
霞立ち異国の旅路行くやうなよし女
丘陵埋むネモフィラの青空の碧智恵子
チラシ入る郵便ポストによなぼこりぽんこ
店内に燕まぎれて騒然とぽんこ
日を惜しみ働く如き蝶の舞たかを
目印は桐の花なり曲がり角やよい
悔い残る風樹の嘆や柳絮飛ぶ宏虎
戸が揺れて猫に起こさる朝寝かなたかを
豌豆の一本づつに副え木され明日香
2018年04月21日
街路樹の色鮮やかや花水木あさこ
花林檎老番犬の吠え立つるなつき
葉桜や防空頭巾想い出す宏虎
心地良きひと日に昏れる瀬戸の春智恵子
とんがり帽みたいな筍持ち帰るこすもす
青空に大きく三つ朴の花三刀
春風にゆるゆる渡る御幸橋菜々
街中は半袖眩し夏近し満天
忍ぶ如狭き水路に夫婦鴨たかを
花水木今や遅しと土手デビューせいじ
峰々の頂三つ遠霞たかを
天空に泰山木の花薫る宏虎
あたたかや跳んでは流れあめんぼう菜々
黄の花の統ぶる堤に蝶遊ぶせいじ
藤房の揺れて縺れぬ茶屋の窓さつき
笑ひゐるやうな神馬や青葉風やよい
裏山のしゃが襖なすなぞへかなはく子
円錐に新芽を出しぬ銀杏の木明日香
真っ白の天使の像に囀れるはく子
三川を展望塔より春惜しむ満天
鯉のぼり笑み手を伸ばす車椅子智恵子
鳥語絶へず青葉若葉の神の杜やよい
春夕陽サングラスで見浮き上がる治男
夏近し軽装の老園巡り治男
蕊降るや再会に肩抱き合ひてなつき
紫木蓮触るるにはらと落ちにけりさつき
背番号のシャツのウオーク長閑なりこすもす
2018年04月20日
翠黛の山湖に映る若楓ぽんこ
羽音して微動だにせぬ藤の房三刀
山近き茶畑抜くる村のバスなつき
ペン先に滲むインクや春愁ひ更紗
リビングの窓明るめて花ミヅキ菜々
欅並木に彩添えるハナミズキこすもす
信号待ちする園児らに新樹光こすもす
玩具取り合ふ藤棚下の砂場かなやよい
池の淵濁る波紋や蝌蚪の群智恵子
母猫に仔猫の毛並み瓜二つ宏虎
路地入れば百花彩放つ春の風智恵子
葉桜や日の斑の踊る石畳せいじ
初蝶来友の病気を聴きにけりもとこ
寂聴の碑をくぐり抜け山笑う治男
三川の河原彩る菜の花に満天
磊々の流れの早き春の川ぽんこ
鶯や垣根の低き保育園さつき
初蝶や雀の前後縫いて舞うたかを
屋根覆う旧家の誇り楠若葉たかを
嘶きに母馬舐める春の馬宏虎
みどり児の帽子をとばす花菜風せいじ
急磴を若葉の風に押されつつ満天
土手一面西洋からし菜席巻すはく子
主なき旧家前栽緑立つはく子
ミヅキ咲いて水仕はかどるきのふ今日菜々
思ひ出は俳句とともに新茶汲むなつき
診察され春風邪なりし先生も治男
前掛けの赤き地蔵や雀の子更紗
緑陰に色とりどりのヨガマットさつき
鯉のぼり児ら園庭を駆けまはるやよい
2018年04月19日
若草にはしゃぎし仔馬白き足智恵子
のどけしや長き裾野の雨上がりたかを
天下人の造営御殿風光るはく子
丘陵の小さなチャペル花かんば智恵子
巡礼のリュック筍詰め帰るなつき
曇天に飛簷を望む若楓ぽんこ
赤芽樫新芽出揃い墓囲む治男
花影や病床窓に光り射す治男
老鶯や杣道たどる山湖かなぽんこ
花嫁の髪に挿したき藤の花三刀
本堂の大鴟尾高く風光る宏虎
亀鳴くや方丈池のささ濁り菜々
ランドセル背負ふ半袖春暑しもとこ
薄味のお稲荷さんを緑陰にせいじ
お砂踏み靴にしみ入るしやがの雨なつき
一面の落花の小径掃かでおくさつき
春の雨じぃじの傘に寄るばぁばたかを
若葉山のぞけば不意に新幹線よし女
笠杖に遍路持ち物スマホ増ゆ宏虎
春風や社殿の案内若き禰宜満天
山寺の砂紋くっきり朴の花よし女
山吹の揺れに参道誘はれ満天
参道に春筍にょきにょき八幡宮はく子
石橋下太く細くと春の水明日香
春雨やお礼参りの絵馬疎らさつき
四阿の逆さに映る春の池こすもす
ビオラからペチュニアへ鉢入れ替えて明日香
昼時やウイッグの話題のどかなりこすもす
芽木を出て芽木に隠れてケーブルカー菜々
緑さす小部屋に聖書音読すせいじ
2018年04月18日
切り株に寝惚けの蜥蜴まぶし気にぽんこ
若葉風風化仏へと日をこぼすなつき
油絵めく水面の小波春の池こすもす
亀鳴くや方丈池のささにごり菜々
白き城支ふる如き新樹かなやよい
国宝の五彩の宮に風光る満天
薔薇の芽や空つかむ如背伸びしてもとこ
麦畑鴉の番い飛び出しぬたかを
奥山の池は春色グラデーションこすもす
どの顔も一緒に見ゆる都踊宏虎
ドクダミのお茶にできると大歓迎明日香
春寒やグランドゴルフ祈り声たかを
曲水に沿ひて牡丹の咲き初めしせいじ
アスパラのあがってるかないそいそと明日香
たんぽぽの風に列成し旅立てりよし女
砂浜に子と絵を描くや啄木忌治男
山新樹不動明王懐にはく子
都踊憂さも吹っ飛び熱中す宏虎
雨晴れて夕景の富士風ひかる智恵子
ケーブルカーの若葉の中へ吸い込まれ満天
行厨の足許に蟻うろうろとぽんこ
竹の皮脱ぐほど傾ぐ風化仏なつき
故郷の墓に供えししきみ咲く治男
黄砂ふるすっぽり山を包み込みやよい
山笑ふ国宝殿をいただきに菜々
国宝の内殿拝し春惜しむはく子
川縁に灯る屋台や春の宵せいじ
日向葉蔭朴の蕾の七つ八つ三刀
白魚の膳に泳ぎし旅の宿智恵子
花虻の中天交差の羽音かなよし女
2018年04月17日
名にし負ふ山荘訪へば余花に逢ふせいじ
大屋敷葉擦れ音聴くや竹の秋たかを
のどけしや鈍足揃ふ草野球宏虎
陽をはねて菜の花畑の広がりぬ敬和
藁葺きの家を彩る桃の花治男
雁行の木道歩む花菖蒲ぽんこ
雪壁を抜けて真っ赤な山躑躅智恵子
チューリップ天使の像へ開きけり満天
春耕の土黒々と盛り上がる敬和
奥池に鶯の声絶え間なしせいじ
春塵をはらひ仏足石に触るなつき
隠国の池に映るは若楓明日香
枝にもう小さく青き桜ん坊こすもす
余命より猫飼えまいと春愁ふ宏虎
若葉雨靴にしみ入るお砂踏みなつき
春灯に開く句集のときめきを満天
繚乱の花の中より蝶現るるはく子
日に一人五百の接ぎ木男の手治男
自句集に思い出たどる春の宵菜々
産ぶ声よ天に響けと花吹雪く智恵子
行厨のテーブル囲む落花畳ぽんこ
採れたての苺届けて長居かなたかを
読むほどにこころあたたか我が句集菜々
順番に水琴窟聴く春の庭こすもす
山の池色を深めて春の逝くはく子
磊磊にもみぢの小苗手をひろげ明日香
ゆの宿の川面にゆらぐ春灯愛正
麦は穂に家路を急ぐランドセル三刀
2018年04月16日
戸を繰ればジャスミンの香の何処よりやよい
病院の広場一面きんぽーげ三刀
参道の薄暗がりや花は葉にやよい
春寒し夜半の雨に目覚めては菜々
若葉風お礼参りの絵馬鳴らす智恵子
観音の安産絵馬や花は葉になつき
仏手石に合はす手小さき若葉寒なつき
春日燦水平線の碧と蒼宏虎
雨後の朝濡れて眩ゆき柿若葉智恵子
春嵐や鳥横飛びに枝掴むたかを
黄砂降る大和三山浮き上がり明日香
春嵐眉毛キリリと乱れ髪たかを
新らしく美しき家多々谷間の春治男
二時に目覚め春の吟行想いつのる治男
カラオケに五人で五時間春の昼こすもす
畦道のタンポポれんげ犬ふぐりはく子
石磴の天蓋となる大桜そうけい
通り抜け出でて川沿ひ躑躅燃ゆ満天
八重桜背にし賑はふ異邦人満天
一面の大海原や麦青む明日香
燦燦と木香薔薇の黄のアーチせいじ
松の花くぐり戸に訪ふ大構え菜々
茎立や犬走に影くっきりとこすもす
鶯の声に机上のペン止まる敬和
揚雲雀広きあをぞら独り占め敬和
淀川の落暉を覆ふ春霞せいじ
一つ得て一つ忘るる木瓜の花宏虎
犬ふぐり踏むまじ墓への詣で道はく子
見通しのわるき町角躑躅咲くぽんこ
2018年04月15日
草餅のえくぼに指の円みありたか子
メガホン置くヤッホーポイント緑さすやよい
畜魂碑なぜか寂しい花吹雪たかを
ヤッホーを綺麗に返す若葉山やよい
春コートのぞく胸元白きかな智恵子
投薬の袋の湿り春の雨たか子
潮風に落花はげしきバスを待つなつき
雨あとの一気に膨らむ芽吹かな満天
うららかや太陽の塔若作り宏虎
媼五人のカラオケ帰り山笑うこすもす
鉢植の香雨に拡散山椒の芽ぽんこ
若葉して大文字山どん突きにせいじ
啼き交はし枝から枝へ百千鳥三刀
蒲公英や轍残していちめんにたかを
春浅し堰落つ水のしろがねに菜々
子の去りし庭賑々す葱坊主よう子
雨晴れて春嶺色を重ねけりせいじ
愛犬にキスする少女山笑ふ敬和
春宵や座敷に充ちる篭の花よし女
一茎の水仙あらぬ方へ向く敬和
春寒や迷惑メール次々と満天
犇めきし人と屋台や春祭りこすもす
晴天の夕べ藤房揺らす風よし女
うららかやセーブルブルー王の磁器もとこ
谷川は放流中と春の雨治男
水溜まりに老人等見る翁草治男
朱に黄色に芽吹きを急ぐ嵐山菜々
入学児迎へる門のハイタッチ智恵子
電車待つ間のホーム落花舞うはく子
巡礼の午後は落花に満たされてなつき
遠足の園児膨るるパンダ館宏虎
2018年04月14日
花衣吊るすハンガー明日を待つ智恵子
吊橋渡れば石楠花の赤迎へ呉るやよい
婆焼きてふ奇祭の準備春の土手こすもす
学校の塀に沿い咲く樫の花治男
鶯を風雨の強き中に聴くよし女
雨上がり弾む長ぐつ遠足児智恵子
ヤマハの児教師目配り春の楽ぽんこ
花冷えや早昼にとる鰊蕎麦せいじ
うららかや足球を見せ猫眠る宏虎
春の日に庭のアスパラつんつんと菜々
春の雨とみに来し方忍ばるる菜々
エレクトーンリズムは足で春の楽ぽんこ
曇天に彩り添える花水木たかを
居眠りとスマホの車内春深したか子
猫柳雨のしずくに光けり満天
雪洞のつづく川沿ひ葉桜に満天
今日こそは春のショールの 出番なり明日香
用水の上に揺れたる藤の花治男
春雨をしたたらせ来る小包便よし女
のどけしや動物園の河馬の口宏虎
春野行く列車の台車露出してたかを
目抜通りの歩行者天国春祭りこすもす
家々を繋ぐ過疎地の芝桜三刀
竹林のざわめきやまぬ寒風裡敬和
リラの花指差す妻のうなじ越しせいじ
藤揺れて鳳凰いだく西方浄土もとこ
種袋つい買いすぎる日曜日明日香
崩れたる信長塀や花は葉にたか子
水仙花日の射す方へ顔向くる敬和
御神楽に揺れてやまぶき八重ひと重はく子
ロボットの吹くしゃぼん玉空へ空へはく子
湖に向く小さき龍神松の花なつき
尼寺の蝋涙長し花遍路なつき
低き木にも確と石楠花咲き満つるやよい
2018年04月13日
咲き満ちて散るを待ちをりチューリップこすもす
春空へ樽積み上げて酒の宮菜々
園の枝伐る長鋸と高梯子よし女
畦草を歩み出でけり春の蠅たかを
青麦の背筋すつくと吾も真似す明日香
車椅子図書館巡る日永かなたか子
声嬉々と枝を震はす百千鳥宏虎
地蔵堂を囲むあかりや山吹に満天
野も山も雀がくれとなりにけり三刀
れんげ畑草も共存子等中へ治男
いちめんに若木も混ざり梨の花たかを
宙乗りの役者の汗や三階席よう子
朝日うけ瑠璃まき散らす犬ふぐり満天
しっかりと進路決めたる松の芯ぽんこ
夕まぐれ白き十字や花水木たか子
踏青や松をくぐりて湖に出づ隆松
千年の宮に山吹咲きほこる菜々
花楓そよぐゴールの奥の院せいじ
花吹雪包まれ眠るベビーカー智恵子
掘りめぐり船頭歌ひ水緩むもとこ
ゆっくりと付かず離れぬ春の雲宏虎
利休忌や水琴窟に鼓動聞くなつき
山路より一望千里霞立つせいじ
国道の左右につつじ赤青黄治男
夫の吹く尺八の曲春の海よし女
留学生の狩し蕨を譲らるるやよい
ひとり漕ぐボート乗り込む花吹雪智恵子
繋いだ手ほどき走る子花は葉にこすもす
森のパン屋訪へど売切れ山桜やよい
落椿たどりて城の隠れ道なつき
ひとり静顔見せるのも恥づかし気明日香
花は葉に子守の像はとこしへにはく子
2018年04月12日
赤白の街路樹つづく花水木満天
渡月橋目路なる笑顔の嵐山はく子
初音きく親子で真似る朝の公園そうけい
小さき靴きちんと堂に遠足児やよい
路地裏のコーヒーの香や春深しよう子
警策や新中学生の座禅よし女
裏山に啼き声もらす鴉の子三刀
故郷へ来タンポポ笛を吹き鳴らす治男
プランターの個性あふるるチューリップ満天
糸柳肩へ触れ行く川下り宏虎
参道の地味なよろず屋藤の鉢ぽんこ
清明や声戻る朝通学路もとこ
春や初区長意気込む初仕事たかを
山若葉人力車夫の皆若きはく子
山吹に水面染め上げ禊ぎ川菜々
羽衣めきし遅桜満開によし女
鐘楼の多き寺内や鳥雲にたか子
たんぽぽの肩の寄せあふ走り根にぽんこ
山路来て聞く鶯の谷渡りせいじ
親の尾に飽かず戯る子猫かなやよい
散る花やドクターヘリの大爆音こすもす
茅葺の僻村似合ふ桃の花宏虎
空に浮く巨船いたずら蜃気楼智恵子
鶯や最後の難所てふ岩場せいじ
舌頭に残る甘茶のお接待たか子
稜線に芽吹きの帯の走りをり明日香
春風を総身にそぞろ渡月橋菜々
春日和耕耘機買い子の働き治男
つちふるや幼のおねしょ布団干すなつき
花水木はや満面の笑みとなり明日香
いちご狩り食べ尽す支柱二本分なつき
ため息の桃色に染む花筏智恵子
粘土細工の桜花触りて納得すこすもす
露天湯や無言のままに春の雲たかを
2018年04月11日
曇る空灯ともす如八重桜もとこ
春愁や千体地蔵祈る人ぽんこ
朝練や真白き靴の桜蕊よう子
浮見堂芽吹きの木々の間より満天
花十日雨待つ父の畑鋤けりなつき
子鶺鴒歩みて蚯蚓掘り当てぬたかを
手に受けていのちの重み牡丹桜菜々
街路樹や目覚めて薫る若葉風智恵子
熱いお茶持って繰り出す花見かなこすもす
水替えて仏花に庭のシャガの花こすもす
仏壇の明るくなりし春障子宏虎
野を焼きし匂ひおさまり初燕よし女
春愁や曇天に啼く鳩の声三刀
賑わいの寺に引かされ残る鴨ぽんこ
水脈に水脈重ね行き交ふ花見船菜々
新入生笑み母堅く登校す治男
短冊も花びらも舞ふ通り抜けはく子
巣燕の戸ごと鳴きたるアーケードなつき
喘ぎ座す花の陰なる三角点せいじ
学らんのニキビはにかむ蔦若葉智恵子
亡き人の植えし藤花咲き誇る治男
青空にきりっと映ゆる利休梅よし女
御衣黄てふ緑の花も通り抜けはく子
池めぐり白き斜張橋風光る満天
足元へ椿散らして多宝塔たか子
初蝶のぎこちなく飛び無音界宏虎
花御堂ねんごろに花飾られてたか子
頂を砦としたる山躑躅せいじ
春深む輝く毛並み迫る死期たかを
2018年04月10日
鶯の声に覚めたる朝寝かな愛正
校門の散る桜掃く学校長治男
ランドセル揺らし挨拶新入生満天
穏やかな日射し背中に草を摘む三刀
若葉映ゆ三角屋根の四阿にさつき
九十九折り先車頼りや朧月宏虎
春耕の畝ふっくらに朝日差す満天
赤白黄老人会のチューリップたかを
たんぽぽを振りて孔雀を振り向かすなつき
突き上げし釈迦の食指や花祭りたか子
写生子の帽子をすべる落花かななつき
空青し花くず踏みて花の山明日香
大池や樹々の芽吹きのいよよかなはく子
花祭り善男善女列なしてぽんこ
藁屋根は葺き替えられて濃山吹よし女
花に酔ひ言葉の少し増えてをりそうけい
大花火たじろぎ一瞬春の鳥たかを
川音に恐竜の里夕おぼろ菜々
乗り換えてここより単線麦青む菜々
咲き初むる数本残りし庭牡丹よし女
釈迦堂を包む比叡の山桜智恵子
菜の花畑急降下する鳥は何こすもす
春深し古き祠の中に供華明日香
杣道の里程標めく山躑躅せいじ
知らぬ者同志花の名探る春たか子
席譲る若人見れば春たのしせいじ
格好は一人前や蜆採り治男
蒲公英の花も葉っぱもぺったんここすもす
朱印帳添乗預く牡丹寺宏虎
筆塚に足を止めたる花ずおうぽんこ
ポンポン船揺れて遠浅潮干狩り智恵子
2018年04月09日
薄日さす街並の向こう霞む山こすもす
今日少し蕾がほぐれ庭牡丹よし女
長湯して初音聞き分く露天かなやよい
やどかりの岩と化したる潮溜り智恵子
残る鴨相寄る二羽に水広したか子
八階の窓を横切るつばくらめこすもす
半世紀ぶりに逢ふ友灯のおぼろ菜々
春風や見つけて四つ葉のクローバーはく子
子の家も入学記念の桜咲く治男
特急を見送る土手に芝桜せいじ
花蘇芳の紅に足止め触れもして満天
バラ園の余白たんぽぽ先がけてせいじ
桜散る浜辺も沖も乳色によし女
峰々や色彩々に春めきしたかを
仏足石夜来の雨に花の屑ぽんこ
花の寺祈る男の背の丸しなつき
リズム良き声と球音芽木の風三刀
芽木の山いくつ左右にふるさとへ菜々
成すをなし今が至福の花は葉に宏虎
仏誕会ゆったり泳ぐ池の亀ぽんこ
夫々の甘茶にかすか違いありたか子
春寒むや予報から眼の離せない明日香
飛花落花凄まじき様浄土かな宏虎
八つ橋の影につんつん菖蒲の芽満天
軒下の猫のお座部に花吹雪くたかを
そよ風にたんぽぽの絮旅立ちぬはく子
散る桜を凝視する顔手に句帳治男
清明や赤絵唐子に翡翠豆もとこ
散りてなほいよよ紅増す桜蕊よう子
抽んでて長き一本松の芯やよい
頂きに行厨広げ花の雲智恵子
老大樹枝の先まで花満ちて明日香
花の池底を筋つけ亀這へりなつき
2018年04月08日
風に乗り花屑池の辺を廻るたか子
夫サイクリング吾は同窓会へ花の昼菜々
弘法市抜くる入園式親子なつき
廃線路土筆のんびり呆けたりなつき
春菊を貰ひて鍋とせし今宵せいじ
孫娘の頬に映りぬ花万朶宏虎
命日のお供え酒と桜餅こすもす
八重桜見れば喰ひたし桜餅せいじ
家敷門くぐりて二羽の初つばめ智恵子
そぞろ行く春の草花愛でながらはく子
人生は百歳時代花は葉に三刀
宮参りし四つの狛犬花吹雪治男
黒雲や湧き立ちそよぐ綿毛かなたかを
流れつつ付きつ離れぬ花筏宏虎
風光るS字の道の芝桜満天
風騒ぎ雀かしまし花は葉にぽんこ
里深く一本浮かぶや山桜もとこ
苔むした五輪明るき花ずおうぽんこ
南瓜苗植う若夫婦息合せよし女
公園の空き地蒲公英日を返す満天
春愁や屋台の裏の卵割りよう子
苑広らたんぽぽ黄あかりそこここにはく子
雨風をものともせずに燕舞ふさつき
南瓜苗覆ふビニール揺れにゆれよし女
雨晴れてまばゆいばかり庭若葉菜々
花冷えやベンチのホット缶コーヒーこすもす
雑草のなかチユウリツプ出で入学式治男
花籠に摘て山菜風ひかる智恵子
いつの間に人無き家や紫木蓮たかを
灌仏会小さきお姿黒光りたか子
2018年04月07日
上履きの名前くっきり入学児智恵子
花満開刀自底抜け笑い声宏虎
虎杖に取り囲まれし兵の墓やよい
雨の坂路肩を走る花筏智恵子
葉桜となりゆく速さ今日の雨満天
初蝶来友の句集を綴じをればせいじ
子らの蹴るボール目で追う花疲れよし女
水流れ木道沿いに水芭蕉宏虎
山路来て軍人墓地に雉鳴けりやよい
新緑や扇の如く対岸にたかを
松の根に傾ぐ仏や春落葉なつき
鳩翔ちぬ散り敷く花を舞ひ上げて菜々
寒戻り今夜献立変更す満天
モネの絵の点描の如き山桜もとこ
双生児の野で飛び跳ねるぺんぺん草治男
散る花ももうわずかなる桜道たか子
花の山沖の航跡交差してよし女
風呂あがりの推敲タイム春の雷こすもす
突風に池の花くず旋回すぽんこ
葉桜やいつもの香具師の見当たらずなつき
寒戻り風が残花の枝叩く三刀
春疾風おち葉くるくる駆け回るはく子
花筏の速さに合わす吾が歩み治男
野良猫の気ままな行き来藤の棚ぽんこ
スマホ手に筍茹でし妻の留守せいじ
晴天や朝の一鳴き雨蛙たかを
就寝前の読書タイムや春の雷こすもす
囀りを聴く全身をオンにしてたか子
しっとりと地面を濡らす菜種梅雨明日香
聞こえ来るママさんコーラス花の昼菜々
2018年04月06日
若き母やや抱き下る花の阪よし女
小雨中茹で筍の届く朝明日香
岨道の予期せぬ出会い山躑躅ぽんこ
今朝の新聞広げ虎杖剥きにけりやよい
橋下の瀬音を越ゆる花筏三刀
ジャングルジムに仁王立ちの子花吹雪こすもす
ロゼワイン酌みてひとりの春の宵菜々
花散るや鎮もる公園人も見ず満天
散る花の避けて通れぬ遊歩道満天
うららかやすり寄る猫の眼の優し宏虎
水鏡くもりてやさし花筏智恵子
嫁が島哀しみたゆたう春夕焼もとこ
春の花あふれる今日の供花かな明日香
春の宵長押の遺影へ二三言菜々
音もなく花の舞ひ散る山の径宏虎
入学の門潜りゆく新天地智恵子
臙脂濃き虎杖群れて海碧しやよい
山笑ふ大見得を切る大道芸たか子
浄瑠璃寺邪鬼踏みつける像おぼろ治男
花楓経木を清む水場かななつき
野仏へ桜しべ降る鳥語降るはく子
大木に木の実成る如四十雀たかを
湖静か隠れ名所の花堤ぽんこ
砂浜の波の曲線春いぶき治男
ケーブルカー窓いつぱいに花の雲なおこ
城濠を埋めつくしたる花の屑さつき
茎立や三川出合う長き土手たか子
花遍路あん巻きの箱積み上ぐるなつき
研修を終へて車窓の花は葉にせいじ
若葉いま席捲の途次楠大樹せいじ
宙返り古墳の森に初燕たかを
セメントで栄えし町や花曇りよし女
ポニーテール揺らせふらここ漕ぐ子かなこすもす
2018年04月05日
大樟の葉擦れに負けず巣鳥鳴くなつき
入学す御下がりなれど凛としてせいじ
旅すがら会釈交わすや花吹雪もとこ
寺の鐘の響き何処まで春の山治男
時計台針を透かせて花吹雪さつき
本丸跡子らの基地なる樟若葉なつき
昼休みネクタイゆるめ花の時智恵子
初燕祝ふ米寿の誕生日三刀
逝き師と句会せし寺芝萌ゆる治男
紅白の幕が囲みし花筵さつき
ボート漕ぐ櫓に纏ひ付く花の屑智恵子
側溝のピンクによどむ花の屑こすもす
風の声水の声聞く柳かな宏虎
花衣柔らかき色ゆったりとたか子
春夕焼火の玉となり空焦がす明日香
春天を突き破るごと杉大木ぽんこ
春怒濤突き出る崖の鳥居かなぽんこ
腰下す芝生を蜘蛛はまっしぐらよし女
逆上がり繰り返す子や花吹雪こすもす
役目終え四月の畑のブロツコリたかを
花見へとコンビニ弁当よく売れて満天
川風を受けて早々飛花落花たか子
城垣の刻印あまた花の影よう子
ベランダに夢見る少女春の宵菜々
惜しげなく散りゆく桜花飽かず見るせいじ
木の芽和え米寿の夫の真顔かなよし女
菜の花や老女三人長き影たかを
母親のベストドレッサー入学式満天
若草やみちくさ覚えし一年生菜々
山に咲くどかと万朶の花浄土宏虎
四囲の山霞の中に浮く三山明日香
2018年04月04日
花の下羽音激しきもの来るよし女
古都の春嬉し恥ずかし人力車宏虎
夕暮れのひときは白き雪柳満天
どの木々もあれよあれよと芽吹きけり明日香
手作りの額にパンジーの押花こすもす
賑やかにふるさと訛り花筵こすもす
つちふるや黄みしるき月中天にせいじ
春怒濤見詰めていれば津波かと治男
大和路の石仏巡る花吹雪治男
花吹雪御廟の門の登り竜なつき
鰡跳ねて跳ねて大川風光るうつぎ
渦の巻く奈落を覗く大観潮宏虎
日光浴人の来ぬ間の蜥蜴かなたかを
潮風の土手に虎杖競ひ採るやよい
桜草さはに咲かせる老い夫婦満天
壺に活けて蕊豊かなる紅椿はく子
忘れらる帽子ベンチに夕桜やよい
深更の玻璃戸に透けて朧月せいじ
遠足やてるてる坊主リュック付けさつき
飛花落花水上バスの差し掛かるうつぎ
老いも若きもリュックを背なに花の山よし女
散る桜徳川廟の風やさしなつき
一日で満開になる桜かな明日香
菜花揺れ緑の茎のしなやかさたかを
ほろ酔いや犬の遠吠えおぼろ月智恵子
花筵笑ひが笑ひ誘ひをりさつき
観音の衣はなやぐ赤椿ぽんこ
花万朶疎水の両岸縁取りて菜々
インクライン今花のトンネル潜り入る菜々
花見ゆる窓際占めて図書を読むたか子
手術の日決まり見上げる空おぼろたか子
江ノ電や花のトンネル極楽寺智恵子
春落葉踏み分け辿る山湖かなぽんこ
春休みリュック並びて電車待つもとこ
白黒の人影遠き潮干かな三刀
2018年04月03日
千年の桜の洞に手を合わす明日香
母の声聞こえず蝶に夢中の児たか子
金の鯱鈍き光やおぼろ月智恵子
自転車を押して歩かん花堤さつき
白銀のドームの光り山笑う三刀
老木に佇みをれば初蛙よし女
花筵石にもたれてうとうとすよし女
花筏終の華やぎ極めんとはく子
谷戸の宮花に囲まれベンチ欲しあさこ
薄化粧にスーツ釦して新社員満天
風の道波立つごとく雪柳ぽんこ
稜線にどっかり座る花月夜智恵子
妻追うて走る自転車花吹雪たかを
白昼の花の下にて時止まる明日香
鯱に雀もつるる花の城やよい
老の部屋へチユウリツプの鉢置く女治男
菜の花や真中を割りて路線バス宏虎
倒木の苔むす森の四十雀なつき
葱坊主真っ白の猫すり抜ける宏虎
お墓より声聞こえそう竹の秋治男
松江城漆喰壁にさくら映ゆもとこ
石垣に揺れる枝垂れ桜の影さつき
大川の花屑の綺羅水の綺羅うつぎ
公園に花の絨毯風止みてたかを
京の川二分けにして花堤せいじ
薔薇芽ぐむ牙のようなる棘持ちてなつき
小さな手小さき篭につくし摘むたか子
嫗らの乾杯の声花筵こすもす
校庭の親たち集ふ春休満天
ローカル線リュック一つ春休みぽんこ
有料の塔とは知らず花の土手せいじ
緑花園帽子を攫ふ花の風やよい
手作りの弁当広げ花筵こすもす
花の下一つの屋台たこ焼き屋あさこ
白雲に消え入るごとく鳥帰る愛正
舟波に片寄せられて花筏はく子
2018年04月02日
花見船神宮橋に来て返す菜々
蕉門の二人碑に花降り頻けりせいじ
次々と会釈呉る列遠足児やよい
天蓋なす桜の道を速度下げこすもす
せせらぎに沿うて門前風光る菜々
天守より鳥急降下花散らすやよい
水平線何処にあるやら霞む海こすもす
鯉のぞく余白なき川花筏満天
糸桜きしむ水車の風に揺る智恵子
多様なる色を一つに谷桜よし女
花の土手千メートルをゆっくりとはく子
せせらぎの音微かなる花日和あさこ
輝ける墓石あまた竹の秋治男
ya柔らかき土に大事や菊根分けともえ
鉄板に落花貼りつく露店かななつき
石畳み踏まれぬように菫立つもとこ
廃線の列車見送る花の雨智恵子
花吹雪花ふぶく度シャッター音明日香
出くはせし花散る堤逍遥すせいじ
澄みきった嬰児の眼花の昼三刀
山肌に群がりて咲く桜かなあさこ
児童等は天真爛漫桃の花宏虎
貯水池の風に遊ばれ椿落つぽんこ
花曇真筆遺る虚子忌かな宏虎
どこのだれ迷惑電話四月ばかたか子
単線の車窓すれすれ花の枝明日香
走り根の破れ舗装に花の屑たかを
パラソルを畳む花びらごと畳むたか子
競ふごと散り様早し桜かな満天
彼の殿になりて見返る桜かな隆松
風孕み左右に振り子竹の秋ぽんこ
妻の手に数本ありぬ松葉独活たかを
公園は水遣りタイム朝桜よし女
花吹雪野球する子等受けており治男
七曜を日和つづきの桜かなはく子
2018年04月01日
満開の桜の下を潜りけりあさこ
フラフープ夢中で回す蝶の昼なつき
遠慮なく添え木にすがる若桜よし女
送信のエラーマーク二度や四月馬鹿満天
麦青む真白き猫の見え隠れたかを
花見弁当留守居にも買い花弁乗せ治男
霞晴れ遥かに見ゆる白き峰隆松
濃く淡くライトアップの花の道はく子
中腹に浮雲めきし山桜せいじ
笹子鳴く淀の波音遠ざけて菜々
すっぽりと桜の隠す宮処ぽんこ
四月来る菜の花色に月満ちて菜々
山笑ふ堂々巡り迷い路ぽんこ
大安に拘る癖や四月馬鹿宏虎
鷺一羽小石まさぐる春の川明日香
国会中継のかかる待合島遍路なつき
しゃぼん玉吹きだす装置花の下はく子
鳥帰り黙取り戻す池の面三刀
こめかみに偏頭痛あり花曇たか子
花人の絶へ間天守の床掃除やよい
おのが影連れてぞ流る花筏明日香
蝶三尾一尾離れて地上へとたかを
鄙び人畦に一服山桜智恵子
坂の木々仰ぎて城の初音かなやよい
春耕やゆっくり進む耕運機こすもす
人垣の見え隠れして花の雲せいじ
水車舞ふ蕎麦屋の庭に黄蝶来るあさこ
自販機の紙幣拒むや四月馬鹿満天
生涯の自慢の一句万愚節宏虎
解体の旧学び舎に花吹雪さつき
故郷のトンネル抜けば花吹雪治男
プランターのチューリップ咲く我が家かなこすもす
花筏風の吹くまま気長旅智恵子
其方此方で名刺交換花筵さつき
花筏川の淀みに囚われしたか子
たんぽぼの整列の中歩きけりよし女
2018年03月31日
咲くまでは待てるかいなと桜酒隆松
禅寺の伽藍を抱き花の雲うつぎ
春満月生えし歯みせて笑ふ子やなつき
自動車の行き交ひ激し宮桜あさこ
国会の答弁抗弁万愚節たか子
花万朶こぼれんばかりひしめきてせいじ
満開の花の中なる如来像三刀
花の風サリーの裾をなびかせて菜々
おみくじの低く結ばる花の枝あさこ
まなかひに生駒金剛花の雲はく子
花万朶四十万市民の浄水場菜々
マルーン色花トンネルを抜けて来る明日香
蒼天に真白きビルや花の上満天
桜の園結婚写真を撮る二組治男
町内のさくら存門小半時たか子
飛び石がカメラポイント花堤明日香
花注ぐ人と車と警備員たかを
花筏澱みに渦巻くなごりかな智恵子
さくら満ち月まで満ちて賑ふかなもとこ
波音と山の風にて初桜よし女
桜の下弁当食べる車椅子治男
風も無くいつのまにまに春落葉ぽんこ
雲ひとつなき中天の春満月こすもす
御手洗の水流れゆく著莪の花ぽんこ
夜桜の影くっきりと望の月智恵子
川の字に寝ころんでゐる花筵よし女
モノレール花の天守へ荷を上ぐるやよい
月のぼる半ば朧に山の上にせいじ
天守へと白き砂利道花万朶やよい
陽沈めば桜にかかる満ちた月たかを
四月馬鹿嘘云ふ嘘が浮かばざる宏虎
両替の一円軽し万愚節なつき
ギュウギュウ摘めのごみ袋二個散り木蓮こすもす
四月馬鹿正直モットー貫ぬかん宏虎
白鷺の水路まっしぐら風光る満天
2018年03月30日
お花見は今年もおあずけ写真のみこすもす
爪研いで真夜中暴る春疾風宏虎
花筵おしゃれ着の犬いたりけりよし女
花筵花びら浴ぶる上座かななつき
ネクタイを外さぬままに花筵さつき
潺潺の川を左右に花堤菜々
花莚敷くや花びら二三片三刀
桜さくら濃淡ありて青き空治男
紫木蓮の散りて花びら嵩たかき満天
シニア千人元気ウオーク花の昼やよい
鳴門の波に育ちし若芽届きけりはく子
筍の土つけしまま玄関に満天
草の芽や問わず語りの歩みかなたか子
グランドを桜花で囲み鴉一羽治男
上手い話真偽確かむ四月馬鹿宏虎
花吹雪はらり一片手の平にぽんこ
花人と声掛け合ふも見ず知らずせいじ
すれ違ふ人らに花の髪飾り智恵子
青麦のさざ波のごと光りけり明日香
ジョギングの磴駆けのぼる花の城やよい
庭掃けばやっと気付きし花貝母智恵子
春だけが俳句歳時記汚れてるたかを
桜色水染まるるや高瀬川もとこ
鉄塔の下に粋人花談義たかを
伏す友へ桜の写真つきメールこすもす
夜桜の街灯に照り照らされてせいじ
故障して春宵に鳴る鳩時計あさこ
花人をこれだけ待たせ散り急ぐたか子
花人の列は何かとたずねたしなつき
宴会の皿にシートに花の塵ぽんこ
花万朶沖のタンカー動かざるよし女
ゆくりなく夫と半日花行脚菜々
2018年03月29日
花屑の山となりたる路地の奥たか子
自転車を起点で降りて花堤たかを
老いてなお夢追う余生しゃぼん玉治男
ぼったりと落ちて羽二重白椿菜々
闇焦がす夜桜の幹黒く染め宏虎
朝桜場所取りシート点々とやよい
水面へと触れんばかりの花の枝満天
助手席にちゃっかり座る花の屑智恵子
堅物の父の機嫌や豆の飯うつぎ
春光を嬉嬉と散らして庭すずめ菜々
花の下一身しぼり鶏鳴けりよし女
真夜中に春眠破る救急車宏虎
小綬鶏の声せせらぎを超えきたりなつき
あの水脈は鯉の潜水園温しせいじ
庭一面斑模様や散り木蓮こすもす
算数のごとく黄蝶の増えて減りなつき
どの道をとりても花の満開に満天
咲き満ちて枝たわみけり花の雲たか子
散り木蓮門先白く染まりけりこすもす
五六分と告げて自宅へ花見人三刀
将棋盤持ちて陣取る花筵智恵子
屋根越しに大きな炎さくらかなたかを
スマホ抱き乙女近江の春惜むよう子
一番に咲く分校のさくらかなよし女
中腹に扇のごとく花の丘明日香
汝と我の隠れ家めきし花の庭せいじ
村貫く水路覆ひて花万朶はく子
陽のおぼろ霞の向こうに沈みけりはく子
陽と月の狭間にかすむ糸桜もとこ
満開の花がご馳走ティールーム明日香
飛行機雲春夕焼けを抜けて行く治男
花の雲露天ただいま準備中やよい
2018年03月28日
花を愛づデイサービスの窓越しにせいじ
花万朶背割堤を行く限り菜々
青空の彼方を目指し鳥帰る三刀
花万朶サッカー少年卒団すやよい
花筵小さく広ぐニューファミリーたか子
桜並樹新赴任時を回想す治男
満開の桜を透かす観音像ぽんこ
白きビルを花樫の垣縁取りむ治男
釣人の残さぬ弁当豆の飯よう子
満開の花に笑顔の留学生よし女
余生とは楽しみ探し春の月はく子
水草生ふ鯉悠然と隊を組む宏虎
おむすびを頬張る母子花堤智恵子
おしゃべりほど手足動かず山笑ふ満天
花の雲見ているだけで夢心地明日香
子らと撮る母の写メール春の宵うつぎ
一片もこぼさず今日を花満開菜々
家々のあわひに見ゆる桜花明日香
縁日や風船はしゃぐ父の腕ぽんこ
木蓮のぐうからぱあの日和かな隆松
挨拶のボーイソプラノ遠足子こすもす
大鳥居くぐり参道花花花やよい
宙に浮く管制塔や朧めくなつき
狂騒を尻目に土手の花開くせいじ
干潟いま子らの天国泥遊び智恵子
春の月世のくさぐさを見てござるはく子
春の駅旅立ちおくり佇む母もとこ
一国てふ目高の甕の賑はへりなつき
芽柳のかすかに揺れる川の岸ともえ
花に酔ひ酒に酔ひてや長寿会満天
食パンに春と書置き蜂の蜜たかを
ムコさんがなだめる喧嘩春の宵たかを
夜桜の裏に闇あり静寂あり宏虎
陽射す野に顔嬉しげに黃水仙よし女
水鳥の巣を浮かばせて池光るたか子
2018年03月27日
おすそわけのぼた餅届く彼岸過ぎこすもす
花々の借景となる竹の秋たか子
モナリザの笑顔の裏に春愁宏虎
鳴る靴の吾子は土足で花莚なつき
斎場は都会の真中花白しせいじ
校庭にボールぽつんと春休みもとこ
中天に弥生の月のほのぼのと菜々
ぼた餅のもぐもぐタイム彼岸過ぎこすもす
彼岸参り若き夫婦はスニーカーそうけい
夕闇に賑はい消ゆる花の園満天
持ち帰る葬花の百合の匂ふことよし女
多摩堤ご馳走並ぶ花筵智恵子
来し方のあれこれ思ひ青き踏む三刀
暫くは不動の姿勢初音聴くたか子
手をつなぐ彼と彼女我が世の春ぽんこ
黄水仙萩焼壺に挿しきれずよし女
比良八講少年湖へ石を投げよう子
黙黙と先行く夫や月おぼろ菜々
花人の撫でていきたる籠の犬なつき
青空に突き抜ける枝雪柳あさこ
磯遊び岩にチャプチャプ波唄ふ智恵子
青空を蝙蝠行くや春の朝たかを
たんぽぽや人目につかぬ磴の隅ぽんこ
春だ春本当の春だ老犬よたかを
センバツか国会中継春炬燵満天
梅園に客を委ねしバスガイドせいじ
生かされて好きに刻経し春の水宏虎
故郷の寺の桜や子と共に治男
マネキンの眼のうるみおり春ドレス治男
春光や足湯に並ぶ足の六つはく子
堤焼くこんな所に道祖神愛正
2018年03月26日
我がものに杭一つづ川鵜かなたか子
春光に火渡り式へ長蛇の列満天
辻売りの婆花の下陣取りてなつき
電線の工事のゴンドラ初つばめこすもす
花の陰テラスに憩ふティータイム智恵子
春彼岸ビルの底なる父母の墓はく子
落人の開拓の里初音聞くなつき
春帽子奏ず街頭コンサートよし女
囀りや洗濯物干し汗ぬぐふもとこ
夜桜に刻をあずけし歩道橋智恵子
艶めきし桜の幹や八分咲き治男
池の辺の丸味に沿うて桜咲くたか子
菜の花の彼方に碧き瀬戸の海三刀
銘菓店ほのかに匂う春苺治男
善哉を追加注文梅見茶屋せいじ
石垣に沿いて深紅のチュリップぽんこ
国会中継見つつ夢路へ春眠し菜々
入日いま濃し惜春の火葬場よし女
鉢花も机上に我家の春爛漫菜々
鵯や髪逆立てて実を砕くたかを
巣へ急ぐ枝をくはへし鴉二羽せいじ
猫の来て鳩の巣作りままならず明日香
ほんたふの井戸端会議里のどかさつき
枝先の一輪開く桜かなこすもす
石楠花や膨らむ赤の花楽しあさこ
馬鹿でかい眼をむく凧の武者絵かな宏虎
写経場前淡墨桜満開に満天
強東風に動きづめなり舫い舟宏虎
桜咲く四方の鳥の浮かれけりぽんこ
プランターパンジービオラ溢れ出で明日香
春埃満足そうに猫帰宅たかを
ぐい飲みの鼻で嗅ぎたる新酒かなさつき
2018年03月25日
夫作る茎立ち野菜ばかり食ぶ明日香
御手洗に一輪落花不動明ぽんこ
荷曳くごと地蜘蛛の歩み春の原たかを
春宵やオフレコ多し同窓会もとこ
春の風代打逆転真骨頂宏虎
雲映すダム湖の面に風光るみどり
花会式十種の造花堂に満つ満天
流木はどこから来たの春の凪智恵子
靖国の鳥居に集ふ卒業子なつき
咲くを待ち咲けば散るかと桜恋ふなつき
単線の離合のドアに囀れるさつき
朝東風に逆らひ渡る天満橋はく子
紅白の沈丁花咲き風起こす治男
弾みゐし手話ひらひらと花の城やよい
中天の片割れ月に春遅遅と菜々
マラソンの応援多種や春ごろも治男
回廊に桜愛でつつ抹茶受く満天
裏庭に花咲か爺さん来たみたい明日香
賑ひし団地の広場初さくら菜々
迫真の刹那競技の風光る宏虎
涅槃絵やたたみの縁をふみさうに更紗
踏青や戦士称える忠魂碑ぽんこ
花の下大き輪そろり太極拳やよい
望遠も接写も自在梅の丘せいじ
茎立ちのほうれん草に嘴の跡よう子
ひとすぢの煙たなびく涅槃かな更紗
太陽の今朝は真紅や鳥帰るよし女
屋形舟桜並木に見え隠れ智恵子
万国旗くくられてをる花の道さつき
白木蓮主のもとへ旅立ちぬ三刀
木蓮の雲の白さに溶け遣らずせいじ
春祭り控え掃除や氏子どちこすもす
春月や頬に含みし固き意志たかを
産土の宮の掃除や春暑しこすもす
2018年03月24日
つくしんぼ雑草に背を抜かれけり智恵子
パンジーや三様に生く三姉妹宏虎
彼岸過ぎ花種まかな草引かな菜々
水温む時折鯉の跳ねる音満天
走り根に桜一輪下見てと智恵子
運だめし御籤は吉と梅の寺はく子
夕桜時の鐘鳴る雨情の碑なつき
墓地の上に真つ赤な桃花心しむ治男
遅刻の子急き立て揺るる雪柳たか子
春場所の地元力士に声高し満天
遠山の中腹あたり桜色明日香
花の寺ガイドの旗の行き交へりなつき
春の海刻々と色変わりけりぽんこ
春愁や訃報重なる日暮れ時せいじ
百円ショップに長居してゐる遅日かなやよい
咲き初むるみどりの桜触れもしてやよい
古書店の植物図鑑春の塵たか子
満面笑みの優勝力士桜鯛宏虎
鳥帰る船のデッキに佇めばさつき
山裾の灯のほつほつと朧かなさつき
庭の梅今日好天や満開にともえ
耕しの進む畑や右ひだり明日香
水道局に桜咲き初む黒き猫治男
石磴の確かむ一歩彼岸参りぽんこ
控え目やほつほつ灯る藪椿よう子
春の陽に列の輝き畝を打つたかを
窓際のはくれん明り祝膳よし女
青空に鴉光るや春疾風たかを
はくれんや遊びて逝きしラブラドールよし女
梅林を裳裾に山の峰けぶるせいじ
雨一過ほつほつ届く花便り菜々
買ったもの忘れて帰る更紗木瓜三刀
2018年03月23日
靖国の桜にくくる献納札なつき
混み合へる入り船出船花の堀なつき
手の平に富士載せ写す春爛漫智恵子
蠟涙を掃除する人入り彼岸ぽんこ
花菖蒲小流れに早芽の出けりともえ
墨絵のごと六甲山並春霞満天
春光や世界旅行めく植物館よし女
三輪山の裾に広がる麦青む明日香
芽吹く山背に急峻の大伽藍せいじ
初花にやさしき夕べの風となるはく子
囀りや麦田は広し声ばかりたかを
花冷えや白眼のおおき閻魔様こすもす
陽射し差す車内の揺れの目借り時ぽんこ
胸元に赤のコサージュ卒業す更紗
ジョギングの挨拶清し木の芽晴やよい
提灯をつる川沿ひの花並木よし女
春暁や朝餉の湯気に影法師智恵子
山椿丈高くして墓を守(も)るたか子
対岸の高層ビルの朧かなさつき
再婚の母住みし街白き梅治男
春陽射し風呂敷包み持つ力士こすもす
吾とともに山門くぐる芽木の風せいじ
嵯峨野路やなぜか寂しき竹の秋宏虎
赤玉と鹿沼土買う春日かな明日香
起立礼背ナをぴんとし卒業子更紗
池の辺に丈を揃えて土筆伸ぶたか子
雨あがり並びてあそぶ子雀どちもとこ
島繋ぐ高圧線や鳥帰る宏虎
石像の胸彫られいる春日影治男
駄菓子屋のキャンディーの瓶春埃よう子
欧風めく岬の家並春日影やよい
国分かつ高嶺を過ぎり鳥帰る菜々
花の雲侍らして立つ時計台さつき
初花や朝の散歩にゆくりなくはく子
羽繕い逆毛立て立て鵯の春たかを
川沿ひを子等にぎやかや水温む満天
寺苑統ぶ臥竜の松へ春の雨菜々
穏やかな日射しの中の初音かな三刀
2018年03月22日
真相は闇の中なり蜃気楼宏虎
岸壁にふぐ放流の供養祭三刀
下萌えの参道禰宜と礼交すよし女
上人廟雲のごとくに樟若葉なつき
橋たもと風の生まれる柳の芽ぽんこ
くつくつと新玉ねぎを煮込む音みどり
山門に立てば強東風ま正面たか子
観音の空は真澄にお中日菜々
山茱萸の自己主張するや梅園に満天
鳴らさずに居れずついつい花馬酔木たか子
靴先につきしままなる春の泥こすもす
山並の上半分の春日差こすもす
山門の祈願のわらじ風光る満天
貝寄風や潮目を分かつ青と藍やよい
塔頭の居並ぶ寺園若緑ぽんこ
彼岸寒墓苑の角に猫座るなつき
菜種梅雨鵯の逆毛を直しけりたかを
事務所の春老人会の計画出す治男
凍返る空に相輪煌めけりせいじ
遠かすみサージタンクは見えているたかを
犬の背に連れて帰るや花の片智恵子
亀鳴くや浮世彼世の仮姿宏虎
藩侯の扁額堂に彼岸寺やよい
遍路バス温泉へ来るお接待治男
しくじりを笑える歳や山笑う明日香
植木鉢めがね掛ければほつほつ芽明日香
いかなごや値の高いこと喧々諤々もとこ
墓碑の上にカラス鳴きをり彼岸寒はく子
一分咲きなれど賑はふ花筵さつき
霙るるや花の蕾はまだ固く更紗
土佐水木俯きがちに地を照らすせいじ
曇天に煌めく雫菜種梅雨智恵子
袋振り買ふ春蒔きサラダ法蓮草よし女
彼岸寒一灯もなく羅漢堂菜々
玄海の潮目育ちの若布刈るさつき
換気窓大きく鳴らし春嵐はく子
2018年03月21日
雨しとど窓も曇りて凍返るせいじ
梅園を引き立て赤き小橋なるたか子
糠雨の衣拭ひつ彼岸僧うつぎ
料峭や男炊事の手の荒るる治男
旅立ちを見送るホーム春みぞれなつき
戸を繰れば弥生の庭に雪つもる智恵子
浮舟の古蹟のしるべ春の園ぽんこ
文学碑組む竹林の春時雨よし女
彼岸寒一日身の丈縮みけり三刀
再建の青き五重塔風光る満天
春霖にさらに艶増す紅き花たかを
東風いなす九輪の塔のあわいかなたか子
まんさくやぐち聞き地蔵首かしげなつき
梅の花縫いて下り来る傘のれつこすもす
丘の梅仰ぐ至福や雨あがるせいじ
鈍色の空割りひばり急降下宏虎
春嵐東西に雲捻れ行く明日香
遥かなる銀嶺日矢に煌めける隆松
春疾風木々の悲鳴の聞こえけり明日香
余念なき引出整理彼岸寒やよい
陽光にこぼるる丘のミモザかなみどり
ヘルメット並ぶ朝礼風光るさつき
真価見せ白蓮凛と咲きにけり宏虎
竹林の揺れどおしなり春嵐こすもす
再建の金の相輪風光るぽんこ
まだ咲かぬ桜の園をひとめぐりやよい
ハモニカを吹く子や浜の風眩し智恵子
花ミモザこぼれ混み合ふ歯科医院よし女
梅散って緑青深む観音像菜々
卒業式空から響くヘリコプタ−治男
お中日の雨に洗はれ父母の墓菜々
老幹に白瑞瑞し梅ひらく満天
赤イチゴ汝鎮めよ肌の荒れたかを
お彼岸や新たな縁の顔合わせもとこ
水きりの石の波紋や水温む更紗
雪解水引きおどり出すホースかなさつき
2018年03月20日
梅の丘見下ろす指呼に甲山たか子
沓脱の目先にほほくふきのたうなつき
鼻先をつけむばかりに梅を嗅ぐこすもす
手を繋ぐ卒園まじか母子どちもとこ
畑仕事終へて家路へ春の夕みどり
クローバ四つ葉探して目もくれず宏虎
初音聴くきれいに揃ふ目玉焼きよし女
梅の寺廂瓦に菊御紋はく子
理髪屋へ予約の電話春寒し三刀
草芳し芳浄句碑に佇めばうつぎ
八重椿園に斑らの花の道智恵子
閻王の罪状量り彼岸寒明日香
目覚ましをかけぬ安堵の朝寝かなさつき
曇天を皆で突つくつくしんぼ隆松
春光や毛筆で書く師の俳句治男
観音へ坂七曲り風光る菜々
水子地蔵へ先ず一杓の春の水菜々
麦青むムラサキ小花従えてたかを
ほたる烏賊波止場に青きネオンめく智恵子
一陣の風に踏ん張る玉椿ぽんこ
囀りや広場の芝生養生中こすもす
地図を見て重き空見て花遍路なつき
梅の寺廂瓦に菊御紋はく子
境内の風抜いており竹の秋治男
春光にチリ紙交換声通るたかを
掌を合はすごと膨らみし白木蓮せいじ
水子地蔵を囲むとりどり春の花満天
春愁や駅ナカにある白ポスト明日香
門入れば朱の欄干に土佐水木満天
花ミモザ地に触るるほど幹傾ぐさつき
桃色の鳩脚群るる彼岸寺宏虎
花四五輪標本木に先駆けてやよい
妹の桜を見ずに身まかりぬあさこ
前山の模糊より洩るる初音かなよし女
舞殿へ伸びたる一枝初桜やよい
梅の丘砲列なして何撮りしせいじ
根上がりの膨らむ蕾老桜ぽんこ
2018年03月19日
海女桶の乾きて残る貝の殻よし女
春雨や濡れた地面で気づくほど明日香
迷路めく路地になだるる花馬酔木せいじ
春愁ふ師弟関係和が一番明日香
初つばめ古巣繕ふ無人駅智恵子
カラフルな力士幟に春の風こすもす
糠雨に濡れて万朶の紅椿せいじ
雨に濡れ黒く変りし花の幹三刀
蛍烏賊波の間にまに灯しけり宏虎
夜半の春睡魔を待ちて肘枕たかを
赤い傘楽しげ春雨の小径よし女
さみどりの菜の花添えしディナーかなたか子
雨後の野や畦にタンポポ笑ふ径智恵子
九十五の姉の祝宴春の雷治男
雨風に花の逡巡三日ほどたか子
囀の虜となりていちょうの木はく子
妖艶の花弁の厚き落椿宏虎
春雨に洗われたるや無縁墓治男
空腹にお茶の接待遍路寺なつき
熱戦の続く館内春暑しこすもす
茎立ちの葉牡丹大小館前に満天
傘ささず歩く人多し春の雨もとこ
茎立ちの葉牡丹我も腰のばす満天
春北風帽子追ひかくバスガイドなつき
雨一日春愁の身をもてあます菜々
振り返る山は見えずや夕霞たかを
うららかや検診票の良多し愛正
春日燦砂紋に落ちる松の影ぽんこ
春時雨ふるさと山河けぶらする菜々
花菜畑ペアールックの老ふたりやよい
百磴に大息つけば山笑ふぽんこ
三色すみれ公園子等の声走るやよい
2018年03月18日
群れアトリ芽吹きの枝をわっと翔つ三刀
百千鳥産土の杜ふくらます菜々
ホスピスの前は桜の並木道よし女
ブランコをでんぐり返し風疾走智恵子
残る実を啄みつくし鳥帰るよし女
村の墓地次々増ゆる彼岸かなはく子
柔らかな風と日差しと浴びて春明日香
親子連ればかり公園のどけしややよい
本殿を拝む足許蜥蜴の子ぽんこ
庭の日に葉牡丹見る見る茎立ちぬ菜々
夕おぼろ電柱多き忍者みちなつき
兵たりし墓の並びて彼岸入りはく子
はらり散る梅一輪や風も無しやよい
春ストーブ火力最小寄る辺かなたかを
萌黄色鳥語飛び交ふ春の山宏虎
春寒の天守より見ゆ合戦地なつき
みな欠けて全きは無し桜貝たか子
無縁墓の上に恋猫鳴き叫ぶ治男
春落葉蹴つて転げて園児どちせいじ
犬連れの多き公園青き踏むこすもす
客寄せのアコーデイオンや春うららこすもす
建て替への白き洋館風光る満天
人より来蜂須賀桜満開なり治男
春の空引っ張って行く飛行雲たか子
蹲踞に五弁の椿おもてなしぽんこ
菜の花や湯気の向ふで躍る翠もとこ
回し読む直木賞の本春うらら満天
春めきてマネキンどきり胸あらわ宏虎
春愁や茶渋の残るティーポットせいじ
春楽し煮干し容器を守る猫たかを
ボール投げ離さぬ犬と野に遊ぶ智恵子
2018年03月17日
せせらぎに己を託す落椿ぽんこ
春の鳥ひとつ啄ばみ山仰ぐたかを
園のどか砂場に数多土だんごたか子
青空を支へる如き紫木蓮三刀
公園のフリーマーケットや風光るこすもす
生家売る話の進む地虫出る治男
列島にさくら開花のたより次ぐはく子
土手草に見え隠れして春の蝶菜々
すすり泣き大きくなりて卒業式宏虎
大鍋ふたつ夫の採りきし鹿尾菜煮るやよい
春の旅車窓眺めぬ子の増えて明日香
囀や真価を問はるドラフト生宏虎
懸崖に目を射る如く黄水仙せいじ
卒業式贈る言葉を論語より治男
抱き癖てふ疲れかみしむ入彼岸なつき
せせらぎの音にもふるへ梅寒し菜々
重たげに芽吹きの柳かむろ振る明日香
来る鶴のめっぽう減りて帰るなりよし女
梅園の借景として蒼きビルたか子
やわらかき白雲追ふや春の風たかを
梅枝に透かし見ゆる三重塔ぽんこ
艶やかな春のたけのこ貰ひけりやよい
尼寺の裏門点す竹の秋智恵子
川沿ひの弾む鶺鴒風光る満天
早咲きの桜の元のバーベキューこすもす
ジョギングのペアのジャケット風光る満天
防人の島に靄立つ夕椿よし女
春の風邪レシピ通りのタンシチューなつき
パンジーが庭の主役となりにけりせいじ
囀りの縁に微睡む婆至福智恵子
2018年03月16日
しとしとと芽吹き促す今朝の雨明日香
二の丸の桜開花と里便りよう子
湖に吃水深き蜆舟宏虎
春雨のやみ霊柩車なり響くあさこ
灯台に賑わひ帰るごめ渡る智恵子
春寒し買うて忘れし荷を取りによし女
藪椿落椿五百羅漢の膝の上はく子
塩わかめ三日三晩の手間をかけさつき
春灯下手まり閉じ込むびん細工なつき
山々の頂つなぐ霞かなたかを
十五六群れて首振る黄水仙三刀
春寒や信号青まで待てぬ人こすもす
豆腐屋の車荷にある餃子かなよし女
雨風のネコも消えるや春疾風もとこ
高速道路芽木の山山突き抜けて菜々
藪椿お宮の杜の奥深くはく子
城塁の刻印著し春の雨やよい
棄て榾の裏を返せば春子噴くうつぎ
菜の花の出荷の手伝い老の自負治男
芽起しの雨生駒嶺に降りしきるたか子
掘割に切りこむ光水草生ふなつき
こぬか雨蕾ふくらむぬくし朝智恵子
友逝くや寺の裏より亀の鳴く治男
梅古木いにしへしのぶ偕楽園ともえ
花待ちて高き蕾を仰ぎけりたかを
制服の窮屈そうな卒業生満天
手土産は昔話とさくら餅はるよ
落椿山路に添ひて七曲りさつき
いぬふぐり尿(いばり)する児の犬散歩宏虎
囀りとせせらぎに歩の弾みけりこすもす
盲導犬何食わぬ顔春の泥たか子
春雨もゆかし城下の武家屋敷やよい
城濠の広やかにして残る鴨せいじ
もっと食べて里腹三日よ花菜漬はるよ
敷石に白き花の斑昨夜の雨せいじ
卒業式へ離れて歩く母と子と満天
ふる里へ近づくほどに山笑ふ菜々
2018年03月15日
襞薄れ丹波まろやま芽吹きどき菜々
胴着脱ぐ大道芸を眺めつつせいじ
かはらけの白き塚へと春の蝶なつき
城日永大道芸の声野太せいじ
日ざし受け華やぐ玄関桜草満天
お水取り僧駆けぬくや暗闇にもとこ
家族揃い卒業祝い料理屋へ治男
雑踏に二人の力士春の大阪こすもす
芝青む丘の頂上平らなりたかを
真夜中に音する厨浅蜊貝治男
主なき医家に満開雪柳やよい
大鉢の土の入れ替え蓮根植うぽんこ
夫に付き花菜明りの午後の畑よし女
車椅子でポーズとる人土佐水木こすもす
毎年よベランダ統べる桜草はく子
朝日受け一気に開く花辛夷満天
啓蟄や何故思い出すこんな事たか子
大橋を渡ればミモザ銀座かなよし女
潮騒をBGMに初音聞くさつき
日差し浴び満を持してる桜かな明日香
知らぬ間に芽吹き初めたり庭の木々三刀
輪袈裟掛く女デッキに春寒しなつき
蛇穴を出でて浮世の風を知る宏虎
いくつもの車座波止に若布捌くさつき
むらさきの尾根を重ねて山笑ふ菜々
蒼穹へ競ひて登るしゃぼん玉智恵子
ボール投げ若き男女や芝青むたかを
コースはずれジョギングの人梅の下たか子
水の神祀る女淵や水温む明日香
石走る寺園の空に初音聴くぽんこ
からっぽの校庭広き春休み智恵子
春の山活断層を知らぬまま宏虎
春落葉拾ふ敷居や板戸閉めよう子
一人住み喜寿を迎えん桜草はく子
今も蔵に蔵人履きし藁の沓やよい
2018年03月14日
苑巡る小流れ光りつつ温むはく子
湧水の水面の眩し猫柳うつぎ
春夕焼シャッターチャンス逃しけり明日香
春禽の声の飛び交う枝の先三刀
木の芽晴予定スムーズに熟しけり満天
青空に満開の枝枝垂れ梅あさこ
枯山水要の松に風光るぽんこ
四方に聞く春潮の声展望台やよい
ぼけ封じ観音前に日向ぼこなつき
子雀と餌分かち合ふ庭の犬智恵子
うららかや本気の演技映画村明日香
鐘一打山のふところ花馬酔木ぽんこ
うららけし瓦光るや古き家たかを
すれ違いざま俳句ですかと梅の寺こすもす
春愁や覚悟は出来ていたけれどたか子
春光や園児等光る顔光るたかを
蹲踞にボール飛び込み水温む菜々
人しれず薄紅いろの四季桜たか子
点滴から流動食へ叔母の春治男
二階建てを平屋に直すペンペン草治男
大川端の草生しずみに初蝶来菜々
春灯す天井高き酒造蔵やよい
水に馴れ居心地よきに残る鴨宏虎
野の匂ひやさしく茹でる花菜の黃よし女
彩移り行く三月の野末かなよし女
さざ波に揺らぐ天守や水温むせいじ
森友の真相は闇かぎろへる宏虎
川テラス対岸彩す菜花畑智恵子
天守閣望む公園芽吹く木々せいじ
浜の家物干し竿の若布干すさつき
釣り宿の柄まちまちや布団干すさつき
朧夜のかほの煤けて二月堂もとこ
啓蟄や園児お散歩行儀よく満天
硯入るお稽古袋青き踏むよう子
かはらけの反れて春の湖光るなつき
遠足の坂道下り来る列長しこすもす
2018年03月13日
木の芽風清正公へ神馬跳ぬなつき
春の海巡る岬に鳶唄ふ智恵子
島外の吾子も加勢や若布漁さつき
囲われて幼帝の墓所椿燃ゆよし女
鯛泳ぐ水槽透けし雛の見ゆ治男
大屋根の甍きらきら春日差し明日香
よく揺るる鈍行列車春眠しみどり
目の前をヒラヒラ過り春落葉こすもす
せせらぎの音と唱和す初音かな明日香
蓬摘む冷たき指を緑染め宏虎
ママチャリを停めて車座春の昼こすもす
御手洗に口を漱ぐや梅匂ふやよい
ひとり居の姉とそぞろや春日傘たか子
蒼天へ数多突き上ぐ辛夷の芽満天
枝垂れ梅の中に逃げこむ鬼ごつこなつき
観梅の御座船に手を振りにけりせいじ
麦青む高く脚上げ猫渡るたかを
春燈に新装華やぐ古書店街よう子
鶯の声賑やかに島の道さつき
春灯にほんのり浮かぶ雲龍図ぽんこ
ムスリムのベールカラフル梅日和せいじ
侮りて長引かせたる春の風邪うつぎ
旅終へて春日濃しけり金魚鉢もとこ
芹を摘む清流早き水の音宏虎
初音聞く四文字だけの日記かなうつぎ
野も山も黄に始まりし春の色智恵子
下萌えを踏み潰したる靴の跡よし女
水温むスカートにヒールの増えし駅満天
御座船の金色映えて濠のどかたか子
苔庭に華やぎ添える落椿ぽんこ
春の猫キッチン窓辺へ来て眠る菜々
飲み屋街点りそめたる春の宵みどり
デイサ−ビスの種種の運動春の汗治男
大学の椅子心地よし大試験たかを
生まれ日の真っ赤に大き春夕日やよい
引き切って人影小さき大干潟三刀
2018年03月12日
細波に角組む蘆の群がりぬ宏虎
ビニールハウス春光はじきまぶしかりこすもす
午後の陽に手籠一杯花菜摘む三刀
囀や母の墓前に佇めばやよい
八重咲きの紅の人気や城の梅たか子
春光や眼科検診無事通過はく子
春塵や仏者としての清盛像ぽんこ
春ともし何言ふでなく老い二人菜々
春を待つ登山道具の手入れして愛正
楼閣に仏像祀る春埃ぽんこ
お喋りとチーズスフレや春うららよう子