澄子:「初神楽」が新年の季語。拝誦して先ず巫女の白い袖、袴の目の覚めるような紅 優美な所作等が浮かびました。「比翼」とは二羽の鳥が互いにその翼を並べること……YouTube で「比翼の舞」を検索……比翼の舞そのものには出会えませんでしたが 二人舞は幾つか いずれも二人ぴったり同じ所作の舞が優美な雅楽に乗り奉納されてゆきます。終始横並びに同じ所作で舞われており かえって厳かでどこか力強いものを感じました。互いの白い袖を「比翼」と捉えた作者の感性に脱帽いたしました。

康子:「初神楽」が新年の季語。YouTubeで滋賀の多賀神社の初神楽を見てみました。比翼は白く大きく、赤い袴や舞台の黒がそれを引き立てて、そして何度も何度も回るのでまさに「比翼の舞」のように見えました。雅楽と太鼓の音、そしてゆったりした動きによりなおさら神聖な雰囲気を感じます。「初神楽」の国家の安泰を祈願する様子が「巫女二人比翼の舞」の措辞により動きや色のある華やかな句となり、新年にあたっての清々しい気持ちになる句だと思いました。

せいじ:初神楽が新年の季語。初神楽は、新年に各神社で初めて奏される神楽のこと。この神社では今、二人の巫女による巫女舞(二人舞)が舞われているのであろう。不確かではあるが、比翼の舞とあるから、巫女はそれぞれ雄鳥と雌鳥に扮しているのだろうか。新年にあたり、今年も夫婦相和して過ごしたい。巫女の美しい舞姿とともに、優雅な雅楽の音も聞こえてくる。