素秀:山雨急は便利な言葉かも知れません。~急と付けると突然起こった何かを最小の音数で表現できそうです。これはどこかで使ってみたいと思います。

あひる:「山雨急」という五文字で山地に降る雨を描けることは学びでした。一列になって進む蟻ですが、夏の山地の急な大雨に列は乱れてしまったようです。人が驚いて混乱するように、蟻たちも大騒ぎだったことでしょう。表情は分かりませんが、その動きで蟻の気持ちがわかるような気がします。

せいじ:蟻の列が三夏の季語。山の天気は崩れやすい。急に降ってきた夏の強い雨に蟻の列が崩れて、蟻さんたちが右往左往している。人もまた突然の変事に周章狼狽すること常である。

むべ:「蟻の列」が三夏の季語。蟻たちがきれいな列をなして歩いていたところに、通り雨が降り始め、列がいっきに乱れました。蟻たちだけでなく、観察している作者も急な雨に驚いたのかもしれません。下五の「山雨急」がもたらすのは、天気の変わりやすい夏山の風景です。