素秀:夕涼みもまだまだ西日が強く日陰にいても蒸し暑さから逃れられないようです。雨でもくればと空を仰いでいますがかなわずというところ。

むべ:「端居」が三夏の季語。夕方、涼をとろうと縁側に座ってみたものの、風がないようです。中七の「一と雨ほしき」が日本らしい湿度の高さを思わせます。閉め切った部屋の冷房ではなく、屋内と屋外の境目にある縁側で風を待つのがすてきです。端居という季語にロマンを感じます。

あひる:夏の夕方、入浴も済ませてゆったりと団扇でも持って座っている様子が浮かびます。これでザーッと一と雨くれば涼しさが加わって、この情景は完ぺきかも知れません。でも、一と雨はきていないようです。だからこそ、この句に良い余韻があるのかなと思いました。

せいじ:端居が三夏の季語。縁先などに座って涼をとっているのだが、夕方になってもまだ暑い。夕立がくればもっと涼しくなるのになあと思うほどに、この夏の暑さは厳しい。「一と雨ほしき」に切実感がある。