むべ:「涼し」が三夏の季語。上五「フェリーの灯」で日が落ちた後の光景を想像しました。中七「はや外海となり」で作者が眺めていたフェリーの灯りがあっという間に湾内を出て外海に移動したとわかります。広い視野と遠い対象物という絵がしっかり描かれています。そして季語によって海からの夜風が心地よく吹いてくるのです。

せいじ:涼しが三夏の季語。夕方に出港するフェリーの見送り風景ではないだろうか。港の涼しい夜風に吹かれながら、親しい人を見送っている。母親かもしれない。「はや」に別れを惜しむ気持ちがよく表れているように思った。

あひる:暑い夏の夜の涼しい風は格別です。フェリーの灯を作者は港から見ているようです。灯はみるみる外海へと出ていきます。大阪南港から九州の別府へフェリーで移動したことは何度かありますが、船から見る街の灯はロマンチックです。港から見るフェリーの灯もきっと詩的な雰囲気があることでしょう。