素秀:青天井は相場や物の価格が再現なく上がることの意味もありますが、この場合屋根の無い水上バスから見える青空でしょうか。白い柳絮が飛び過ぎて行く疾走感もあります。

せいじ:柳絮が仲春の季語。川沿いの柳の並木から柳絮が飛んできて、水上バスの上を舞っている。バックには青空が広がっており、作者は水上バスからそれを眺めている。この水上バスには天井がない。いや待てよ。青天井という天井があるではないか。このウイットが楽しい。

むべ:「柳絮」が仲春の季語。この季語と下五「青天井」とに相乗効果があり、青い広々とした空へ向かって飛んでいく柳絮の、意外とスピードのある様が目に浮かびます。「水上バス」からも勢いを感じますね。作者の体を横切って飛んでいく柳絮たち。水については一切触れていないのに、キラキラした水面まで想像できるのは、季語の力でしょうか。

あひる:柳絮が仲春の季語。湖や大きな川で観光用の水上バスに乗ったのではないでしょうか。甲板に出ると真っ青な空、そこをふわふわと柳絮が横切って行く。見ている者の心までふわふわと解き放たれていくようです。