むべ:「蟷螂」が三秋の季語。鎌を振っている蟷螂に出会った作者は、その仕草を指揮者に見立てました。生き物への眼差しが温かく、ユーモアを感じます。

素秀:どこぞのオーケストラの指揮者が蟷螂に見えてきそうです。鎌を振り上げて威嚇するさまはまさしくです。

あひる:蟷螂が秋の季語。メルヘンのようです。カマキリはこわくて、あまり出会いたくない虫ですが、あの鎌がタクトで、指揮者になりきった姿を想像すると、途端に微笑ましく感じられます。これからはカマキリと出会う度、この句を思い出しそうです。

せいじ:蟷螂が三秋の季語。思えばオーケストラの指揮者はタクトを下向きに持って何かを突っつくように指揮をする人が多い。たいていは燕尾服だし顔も怖そうだ。なるほど蟷螂が鎌を振っているのによく似ている。