素秀:青嵐はあらしと言いながら気持ちの良い風を感じる季語。木々の青葉が揺れる音も聞こえてきそうです。石段は急で果てしなくも見えますが、いざと気合を入れているようです。

むべ:「青あらし」が三夏の季語。作者はこれから険しい百段の石段を登るところです。季語がもたらすのは青々とした山気。やや強い南風に葉擦れをさせながら、木々がうねっている様が目に浮かびます……さて、行こうか。上五の「立ち仰ぐ」に決意をにじませて。

あひる:作者は百段の石段を下から見上げています。嶮しい急磴に今から挑もうとするその時、磴の両脇の木々が強い風にざわめき始めたようです。木漏れ日が揺れます。さあ、登り始めるぞと潔い気分です。

せいじ:青あらしが三夏の季語。一読、瀬田川沿いの立木観音を思い出した。立木さんには約800の石段がある。青あらしの清涼感と登り切ったときの爽快感がフィットしてとても気持ちがよい。