あひる:水馬は飴の匂いがするので「あめんぼう」と言うそうです。また水の上を滑走するので「みずうまむし」→「みずすまし」となったとか。水輪を蹴る推進力を詠むとすれば、やはり「あめんぼう」と読むよりは「みずすまし」が似合うと思いました。

素秀:水馬はあめんぼうの事。みづすましと読んでもあめんぼうなのがややこしいところです。水輪がホバークラフトのように見えて水面に浮いているようにも思えます。動いていなくても微妙に脚が振動しているのか水輪が動いているときもあります。力を蓄えているようです。

むべ:「水馬」が三夏の季語。「蹴る」「推進力」がとてもきいている一句だと思いました。「あめんぼう」でもなく「水黽」でもなく「水馬」の漢字のイメージがぴったりです。ミズスマシは関東ではゲンゴロウみたいな甲虫をさすことが多いので、歳時記で最初に見たときには混乱しました。関東と関西の違いもとても面白く、また季語の奥深さを感じます。

せいじ:水馬が三夏の季語。あめんぼうが動くと水輪ができるが、それを「水輪蹴る」と表現したところがうまいと思った。あめんぼうのか細い脚の力に驚嘆していることが「推進力」という言葉でよくわかる。