むべ:「涼し」が三夏の季語。なんとなくですが、巨大なドミノ倒しを作者は見ているのではないかなと感じました。上五「ひた走る」では次々に倒れるさまを視覚的に捉え、下五「音涼し」では聴覚に訴えるという、臨場感あふれる一句になっているところがすごいと思いました。遠いものから近いものまで、カタカタ音は美しいリズムで強弱をつけて……「涼し」という季語の奥深さを感じました。

あひる:巨大なドミノ倒しのかろやかな音が聞こえてくるようです。涼しげな音ですが、並べた人たちの苦労を考えると、どこかでストップしてはならないのだと緊張感が走ります。ひやひやと息を殺して聞くような、スリルのある音かも知れません。

せいじ:涼しが三夏の季語。テレビのピタゴラスイッチではないが、長いドミノ倒しを見るのは気持ちがよい。「ひた走る」がぴったりで、カタカタカタカタと小気味よい音を立てて倒れていく。消夏法としては最高である。

豊実:体育館での巨大なドミノ倒しを想像しました。蒸し暑い体育館ですが、ドミノ倒しの音が涼しく感じられたのでしょう。