素秀:最初に鳴く蛙がいるはずですが気が付いたら大合唱が始まっています。縄張りがあるのかないのか何枚かある田んぼの蛙同士が鳴くさまはエールを交わしているようにも思えます。

あひる:山間部の比較的小さな田圃を思い浮かべました。段々の田んぼかも知れません。夕方、蛙の鳴き声が谺すように響き始めます。蛙がこっちの田圃あっちの田圃と区切って仲間意識を持っているとは思えませんが、一匹が鳴くとその周りの蛙が一斉に泣き始めて、田ごとに鳴き声がずれて聞こえてくるのかも知れません。

せいじ:蛙が三春の季語。かわずは、春から夏にかけて、雌を呼んで鳴きたてる。日が暮れかけたころ、一つの田だけでなく、一面の田んぼすべてで、蛙が鳴き始めたのであろう。それをエールを交わすと見たところが面白いと思った。