素秀:啓蟄は仲春の季語。冬眠していた蛇や蛙が土の中から出てくる頃、季節。消息を訪ねるようにこのころの季節に対している作者がいます。

むべ:「啓蟄」が春の季語。3月初旬から15日間を指す二十四節気の一つだそうです。下五の「対しけり」がとてもよく、「けり」という詠嘆になっているところが感動ポイントかと思いました。作者が庭に這い出して来る虫に「やあ、元気にしていた?春になってきたね」と話しかけている光景が目に浮かび、作者自身も春の到来を五感で味わっているようです。

せいじ:啓蟄が春の季語。春の陽気を感じて地虫などが這い出して来る季節。作者は、這い出して来た動物たちに、元気だった? よく来たね と昔なじみのごとく問いかける。存問のごとくに対したのは、這い出して来た動物たちだけではあるまい。春の陽気を敏感に感じて萌えいづる植物の芽に対してもそうしたのではあるまいか。

豊実:春になり何か生き物が動いていないかなあと土を観察している。果たして何か見つかったのだろか。