うつぎ:口に出して言っているのではなく作者の心の内を見るようでおもしろい。まだ明るいしさて何処に寄ろうか、歩きながら考えているのだろうと想像さす。

せいじ:日脚伸ぶが冬の季語。冬至を過ぎると少しずつ日照時間が長くなってくる。そのせいか、会社の仕事を終えて帰宅時間になってもすぐに家に帰る気がしない。一杯ひっかけて帰ろうかといった気分ででもあろうか。寄り道に罪悪感を感じさせるような、対比としての「まつすぐに」という言葉遣いが面白い。

むべ:「日脚伸ぶ」が晩冬の季語。上五・中七の「まっすぐに帰る気はなし」という措辞に、春への期待感だけでなく心浮き立つユーモアも感じます。まだまだ寒いけれど、日が落ちるのが少し遅くなったので、今日はちょっと寄り道していこう、という気持ちが伝わります。季語がパズルの一ピースとしてぴったり句にはまった感じがします。

素秀:日も長くなり夕方の時間がゆっくり過ぎるようになると、暖かさもあって何処か寄り道をしたくなるのかも知れません。さてさて何処に行こうかと決めてはいないようです。それものんびりと決めれば良いのでしょう。