むべ:「水温む」が春の季語。学問の宮は菅原道真公を祀った、天満宮や天神社など。もしかしたら地元の小さな神社かもしれません。境内には梅がほころび、お正月にたくさんかけられた絵馬が目に映ります。「汲む」ではなく「掬む」なので、おそらく手水舎で手で受けた水なのでしょう。

素秀:合格祈願をした神社への御礼参りかも知れません。水が温む頃ですから合格の報告に来たように思います。これは大いにホッとしているのではないでしょうか。

あひる:水温むという季語から、ホッとした雰囲気を感じます。ピリピリした受験期というよりも、合格したあとかもしれません。それとも天満宮だとしたら梅が咲き始めていて、ふらりと出かけたかも知れません。目を引く梅ではなく、掬んだ水に心をとめた感受性に学びました。

更紗:受験は早いもので11月あたり、本格的なシーズンは1月より3月ですね。お句は、合格のあとのお礼参りかなと受け取りました。秋から年始に合格祈願にいらした親御さんか受験生か…冬場はあんなにも冷たかった手水。合格した今お礼参りに来て「ああ、手水もこんなに温かくなってきたのだなあ」と春の到来と新しい学生生活に期待をふくらませているように思えました。「掬」を「くむ」と読むことを知らず、調べてみたところ「掬」は手ですくいあげることとありました。勉強になります。

せいじ:水温むが春の季語。学問の宮は菅原道真をまつる天満宮だと思われる。水は手水舎の水と考えるのが普通かもしれないが、毎月決まった日に汲みに来る宮の名水かもしれない。水が前よりも温んでいることに春の到来を感じている。この季節、参拝者には受験生やその親たちも多くいることだろう。少し考えすぎかもしれないが、汲むを掬むと表記しているところ、汲む→掬む→掬う→救うに通じるものを感じる。

豊実:春の受験シーズンの合格祈願。手水が少し暖かいように感じた。合格への期待が膨らむ。