素秀:沖に聞こえる汽笛を船同士の存問と捉えた作者の心持ち同様に穏やかな海はのどかそのものです。

うつぎ:船の汽笛には航海上の決め事があり追い越したり行き交わす時の合図で互いに汽笛を鳴らすそうです。ぼーと低く長く尾を引く音色は発する方と応える方で少し違っていたかも知れません。存問と捉えて如何にものどかそうです。

小袖:瀬戸内海の穏やかな日。航路には客船や貨物船の大小が行き交わしていたのでしょう。低くボーと鳴る汽笛の余韻ものどかに聴こえたのです。

せいじ:のどかが春の季語。明石と淡路を結ぶ「たこフェリー」のような連絡船を想像した。海峡の真ん中あたりで、こちらに向かう船とあちらに行く船とがすれ違うときに、挨拶の汽笛を鳴らし合うのであろう。作者はどちらかの船のデッキにいて、穏やかな潮風に吹かれながら春を満喫している。

更紗:季語は「のどか」。春は日が長くなり時間もゆるやかに感じるようになります。沖にすれ違う汽車が挨拶を交わすように汽笛を鳴らします。ゆったりとそして伸びやかに…。「沖のどか」の景でぱっと海沿いの沖の景が浮かびら汽笛の音も聞こえてきます。

豊実:汽笛には音の長短や回数の組み合わせで色々な意味があるようです。汽笛を聞きながら、春の海の光や風を体全体で感じています。