小袖:風が光るように感じられる明るく春の到来です。一日に数便しかないバスの客となり島の大きな集落や小さな集落が入組んでいる七浦の景を季語に託したのだと思いました。ただ島バスにではなく島バスのと書かれています。乗車は無かったかもしれません。どちらにしてもゆったりとした時間の流れが伝わってきます。

せいじ:七浦という場所は各地にあるようだが、「島バス」とあるから島に限定すると、安芸の宮島の七浦神社(七つの浦に祀られている神社)と佐渡島の七浦海岸(岩場が続く長い海岸)が残った。しかし、「めぐる」とあるから、ここは安芸の宮島の方ではないだろうか。七つの浦に祀られている神社をめぐると周囲約30㎞の宮島をほぼ一周することになる。船ではなくバスでめぐった。春の陽光の下、七つの浦曲を吹きわたる風が光っているように感じられた。

むべ:「風光る」が春の季語。島バスのイメージは、佐渡島の七浦海岸を想像しました。冬は日本海の荒波や灰色の空、けれども春には海も空も真っ青で明るく、奇岩の数々も圧巻です。バスの窓から見える景色の美しいこと!万物を明るく輝やかす風は、時折鋭く光るのです。

あひる:風光るは麗らかに晴れた春の日に、やわらかな風が吹きわたるさま。吹く風もきらきらと輝いて見える春の風の一つの様相とのことです。島バスに乗っている作者に海のきらめきとともに春風が心地よく、春という季節を満喫しているようです。

更紗:季語「風光る」。三春の季語で、春風がきらきら光り輝くように感じられる、春の到来のよろこびや希望を風に託した言葉とありました。「めぐる」とありますので春の旅先での景ではと受け取りました。七浦の地名を調べたところ各地にありましたが島バスなので安芸の宮島でしょうか?旅先での岬や海岸線をめぐる島バス。春の心地よい風、海のきらめき、旅への期待感が「風光る」に託されているのかなと感じました。

素秀:七浦はどこだろうかと調べてみました。地名としてはあちこちにありましたが島とのことで宮島の七浦巡りだろうと思います。岬や島はめぐるもの、海風が心地よさそうです。