うつぎ:一人暮らしとなった女性でしょうか。厳しい雪国の暮しは解っている上でそれでも美しい雪なくしての生活は考えられない。毅然とした女性を感じさせます。

豊実:雪国の雪は冷たく厳しい。しかし、そんな雪国にも女性は逞しく生きている。そんな女性ならではの雪の美しさがあるのだろう。

素秀:雪は美しいものですが、雪国で生活する人々の苦労はそれは大変なものです。雪が美しいと暮らせる女の人は、まだ苦労を知らないか、苦労無しで暮らせる人なのかも知れません。

むべ:「雪」が三冬の季語。関東でも時々降雪がありますが、越後のように深く降り積もるということはまずありません。ここでは雪国の雪がとりわけ好きな女性なのですね。「美し」は「うるはし」でしょうか。ただきれいなだけではなく、壮麗な美しさが雪国の雪にはある。だからここに住み続けるのだ……そんな女性と作者との会話を想像しました。

あひる:この「女」は、この地で生まれ育った人ではなく、また家族とともに住んでいる人でもなく、女一人でこの地に来て住んでいる人のようです。雪の美しさに心慰められながら、一人で生きる、健気でしなやかな強さを持った女性を思いうかべました。

せいじ:雪が冬の季語。雪国の冬の生活は雪に埋もれてしまって苦労が多いのに、なぜ雪国に住むことにそれほどこだわるのかと問う作者に対して、この雪の美しさが好きなのよとはぐらかす女性。映画の一場面を見ているようである。