むべ:「短日」が冬の季語。あっという間に日が暮れて、海の色もみるみると昏くなっていく。海の昏さゆえに日が短いことをより強く感じ、なんだか少し淋しさを感じている作者。きっとお独りで冬の夕暮れをお過ごしだったのでしょう。

うつぎ:この時間でもう暮れてしまうのか。海は黒みを帯び重くより淋しさを感じさす。少し感傷的になっているようです。

素秀:もう日は暮れかかっているがまだ海は見える。次第に黒くなっていく水の色には寂しさがつのるだけなのでしょう。

あひる:冬の日本海の夕暮れを想像しました。海に隔てられた向こう側は、遠く馴染みのない外国です。冷たい海水が色を失いはじめると、わけもなく孤独感が過ぎります。

せいじ:短日が冬の季語。冬は日の暮れるのが早い。あわただしく海に沈む太陽を眺めながら、恋人との別れを惜しむかのように太陽との別れを惜しんでいる。「やゝ」に揺れ動く作者の心を感じる。

豊実:日暮れの海は何となく淋しい感じがする。日暮れが早い冬ではなおさら。海が見えないならそうでもないのに。